合気道からゲーム業界へ~シリアスゲームへの想いと就職活動
学生時代、私が最も力を入れていたのは合気道です。小学校に入る前から始め、長年続けてきました。とくに昇格審査には熱心に取り組み、二段まで取得しました。道場の中で最年少での合格だったこともあり、自分なりに努力を重ねた経験だと思います。長年続けた合気道は、私の基礎を築いてくれた大切な経験です。
大学ではゲームについて学んでいたこともあり、就職活動ではゲーム業界を志望していました。めざしていた職種はゲームプランナー、つまり企画職です。ただ、単にエンターテインメントのゲームを作りたいわけではありませんでした。とくに関心を持っていたのは「シリアスゲーム(※娯楽だけにとどまらず、課題解決や知識・技能の習得を目的として開発された実用的なゲーム)」の分野です。
シリアスゲームに興味を持ったきっかけは、いじめ問題への関心でした。これまでの人生で、いじめの現場を目にすることが多くありました。しかし、個人が声を挙げるだけでは解決が難しい問題で、多くの人が社会問題に向き合う必要があると感じていました。
ただし、外から強制的に問題意識を押し付けても、興味がなければ改善は進まないし、場合によっては反発を招くこともあります。そこで思いついたのが、自発的に関心を持ってもらう手段としての「ゲーム」でした。多くの人がすでにゲームに関心を持っており、物語の中で選択を行うという能動的な体験を通して、考えるきっかけを作れるのではないかと考えたのです。このようにしてシリアスゲームという概念に出会い、いじめなどの社会問題をテーマにしたゲームを通じて、人々に考える機会を提供したいと思うようになりました。
就職活動では、基本的にゲーム業界の企画部門に絞って応募していました。0から1を生み出す企画の仕事に魅力を感じていたからです。他業界のIT企業もいくつか受けましたが、正直なところそれはあくまで内定を確保するためでした。私の軸は常に、ゲームを通じて可能性を追求することにありました。
研修から配属まで:QAとの運命的な出会いと成長の始まり
入社後の研修は、私にとって新しい世界への扉を開く貴重な体験でした。バックキャスティング思考を中心とした研修に加え、ビジネスマナーなど基礎的な内容も丁寧に学ぶことができました。とくに印象に残っているのは、宿泊研修やITウィークでの名刺交換、役員との目標発表など、イベント形式の研修です。中でも一年後研修では、事業部の枠を超えたつながりを作り、会社全体を一体化させる施策について話し合う機会があり、これが後の私の目標設定に大きな影響を与えました。
入社前と比べ、配属希望も変化しました。当初はゲームに関わりたいという思いからゲームエンターテインメント事業部を希望していました。しかし研修を通じてさまざまな事業部を見て回る中で、QAソリューション事業部に強く魅力を感じるようになったのです。QAソリューション事業部の方々は心に余裕があり、教え方も丁寧で、人当たりの良さが印象的でした。この丁寧さは、切羽詰まった状況ではなく、余裕のある事業部だからこそ実現できるものだと感じました。他の事業部では少し異なる印象を受け、自分のやりたいことや発言を実現できる環境かどうかという点で差を実感しました。
とくに印象深かったのは、QAソリューション事業部の研修担当チームから検証業務を教わったときのことです。基礎的な検証業務を体験する中で、進捗遅れ時のお客さまへの伝え方やイレギュラー対応まで丁寧に教えていただきました。こうした基礎的な研修に強みがあった部分も、より魅力的に思えました。また、QAといえばゲームデバッグしか知らなかった私にとって、ゲーム以外の分野もあることを知り、キャリアの選択肢が広がる安心感もありました。最終的に人事との相談のうえ、QAソリューション事業部への配属が決まりました。
入社前に最も不安だったのは人間関係でした。以前選考を受けた企業では、ハラスメントなどの面で不安を感じたことがあったためです。しかし実際に入社してみると、さまざまな人と関わる中で、人当たりの良さや信頼できる関係を実感でき、ここに入社して良かったと心から思える環境だと感じました。自分が抱いていた不安が、良い意味でのギャップとなって現れたのです。
実施業務から始まった多彩な挑戦と成長の軌跡
現在、私はQAソリューション事業部の第二グループ(※長期の案件を担当するグループ)に所属しており、主にテスト実施業務を担当しています。これまではテスト進捗を稼ぐことが中心でしたが、最近ではテスト設計という上流工程にも携わるようになりました。具体的には、どのようなテストを実施するかのフォーマット作成など、実施前の重要な段階を担当しています。
業務の幅はさらに広がり、複数名のメンバーが関わる案件で全体の進捗管理も任されるようになりました。また、テスト自動化業務の一部としてAutify(※AIを活用したソフトウェアテスト自動化ツール)を活用した業務にも取り組んでいます。技術的な業務に加え、エバンジェリスト活動や、QAソリューション事業部の離職率低下を目的とした「おやつ会」の企画運営など、組織づくりに関わる活動も担当しています。
私の強みは、スピードよりも正確性を重視する姿勢です。この姿勢が案件先の方々からの信頼につながっており、リーダーを通じて評価されることもあります。また、エバンジェリスト活動で開催したイベントには、普段お世話になっている案件の方々も参加してくださり、名刺交換やお褒めの言葉をいただくことが、大きなやりがいとなっています。
一方で、人と関わる業務だからこそ、認識のずれによる失敗も経験しました。お客さまからの不具合対応の回答を読み違え、実施メンバーから注意を受けたことがあります。この経験を通じて、コミュニケーションの重要性と正確な情報理解の必要性を強く意識するようになりました。
学生時代から真面目な性格ではありましたが、当時はその姿勢があまり評価されていないと感じることもありました。しかし、入社後はその真面目さが評価される環境に恵まれ、自信と積極性が身に付きました。自ら行動を起こし、周囲を巻き込んでいく力も養われたと実感しています。
QA業界での認知度向上と究極の人助けをめざして
短期的な目標として、技術カンファレンスやイベントにおける自社開催の頻度を増やしていきたいと考えています。QA業界において自分の存在をより広く知ってもらうことを目指していますが、 現在、自分の名前で検索すると情報はヒットするものの、顔はまだ広く認知されていません。今後は、自社開催イベントの推進をはじめとした登壇の機会を積極的に増やし、検索時に自分の顔や活動が自然に認知されるようなブランディングを築いていきたいと考えています。
中長期的には、スペシャリストというよりマネージャーの道を志しています。道のりの一環としてまずはこれまで培ったコミュニケーションスキルを活かしてチームをまとめるリーダー業務を学び、ゆくゆくは組織全体を牽引できる存在を目指していきたいと考えています。さまざまな知見を蓄積し、マネジメント力を高めていきたいです。
採用候補者の方にお伝えしたいのは、この会社は思っている以上に人との関わりが多く、親切な人が多いということです。積極的に行動できる人であれば、どの事業部でも活躍できる環境があります。積極性とコミュニケーション能力を発揮できれば、困難はほとんどないでしょう。そうした積極性を尊重してくれる会社であることが、最大の魅力だと感じています。
活躍できる人材は、とにかく自ら行動できる人です。自分から動き、人間関係を構築できる人は、どの仕事においても強みとなります。また、人前に立つ勇気や、率先して行動する気持ちも重要です。一緒に働きたいのは、ミスをしても責めるのではなく、共に解決していこうと言える人です。そうした精神力を持つ人がいると、社内環境や案件全体、組織全体がより良い方向に進んでいきます。
QAの仕事は、究極の人助けだと思っています。表には出ない職業ですが、社会を支える重要な役割を担っています。
場合によっては人の命を守ることにもつながる、責任ある仕事です。開発者や利用者のかたにとっても、心の中で求められる存在であり、安心を提供する仕事だと考えています。

