何百人もの開発を前へ進める。開発環境から大規模プロジェクトを支える仕事
──現在の所属部署のミッションと、鈴木さんの役割について教えてください。
私が所属しているのは、JP事業・商品開発本部 ソフトウェア開発統括部 評価・開発環境推進部の一課です。簡潔に言うとソフトウェアインテグレーション(以下、SI)を行う部隊で、開発者が使う開発環境の構築や作ったソフトウェアを実際の機材に組み込んで動かす環境の提供が主なミッションです。
その中で私は、特定の完成車メーカー(以下、OEM)さま向けSIチームの全体マネジメントを担っています。また、OEM横断でのSI最適化活動も推進しています。
──大規模な車載開発において、この仕事の魅力ややりがいはどこにありますか。
商品そのものを開発するわけではありません。しかし、私たちが担う開発環境やSIの改善次第で、何百人もの開発効率やプロジェクト全体の工期が変わります。
また、ソフトウェアを組み上げる「ビルド」という工程には膨大な時間がかかります。ここを自分の手で高速化・効率化していくことで、何百人もの開発者やプロジェクト全体の工期短縮に貢献できます。この影響力の大きさがプレッシャーでもある一方で非常におもしろい部分ですね。
1つのプロジェクトにかかる期間は短くても2〜3年と長期スパンです。そのため、やっていくうちに製品に対する想いも強くなっていきます。
──多くの関係者と関わる上で、意識していることはありますか。
社内では、チームメンバーはもちろんのこと、ソフトウェア開発に関わるすべての人と関わります。また、お客さまと直接やり取りをすることも少なくありません。
そこで、日頃から相手に伝わる表現や話の組み立て方を意識しています。自分が理解していても、相手も同じ認識とは限りません。開発規模が大きく、関わる人の視点もさまざまだからこそ、相手の立場に立ったコミュニケーションを心がけています。
SIチームは協力会社含め現在20人ほどで、40代から20代の若手まで幅広く在籍しています。リモートワークがメインですが、Web会議などでざっくばらんに意見を言い合える、非常に仕事がしやすい雰囲気です。
組み込みで培った軸足を活かす。オファー面談で確信した、自身の経験が活きる場所
──これまでの経歴と転職を決意したきっかけを教えてください。
私はこれまでに3社経験してきました。1社目で複合機の組み込みソフトウェア開発を経験して開発の基本を学び、2社目ではプロセス改善やPMOといったコンサルティング業務に携わりました。
3社目では長年、組み込みソフトウェア開発のプロジェクトリーダーを務めましたが、会社の方針で最後の3年間はWebシステム開発のマネジメントを担当することになったんです。
組み込みソフトウェア開発一筋でやってきた私にとって、Web開発に挑戦することは貴重な経験ではありましたが、やはり「自分の軸足は組み込みソフトウェア開発に置きたい」という想いが強く、転職活動を始めました。
──数ある企業の中で、当社に応募した理由は何だったのでしょうか。
軸としていたのは「組み込みソフトウェア開発であること」「自社製品を持っていること」そして「これまでのプロジェクトマネジメントやプロセス改善の経験が活きること」の3点です。
また、これまでクルマづくりに仕事で携わったことはありませんでしたが、個人的に自動運転技術の発展に強い関心がありました。自動運転が普及する未来では、車は単なる移動手段ではなく「過ごす空間」になる。その価値を本気で追求している会社だと感じたことが応募理由の一つでした。
──入社への最終的な決め手は何でしたか。
決め手はオファー面談でした。会社が求める役割と、自分が培ってきたプロジェクトマネジメントやプロセス改善の経験が想像以上に重なっていたのです。
当時、会社が新しい資本体制へ移行する過渡期で「これからどう変わっていくのだろう」という不安もありましたが、それ以上に「一から新しい組織の手触りを作っていけるかもしれない」という期待の方が勝っていましたね。
──入社直後のキャッチアップで苦労した点などはありましたか。
私が入社した当時は過渡期ということもあり、ドキュメントなど必要な情報が未整備な領域もありました。そのため、初めは知っていそうな人を捕まえて片っ端から質問する日々でしたね。ただ、社内には質問すれば誰もが快く教えてくれる温かい風土があり、そのカルチャーにとても助けられました。
現在はキャリア入社者向けのワーキンググループによるレクチャーやノウハウサイトの拡充といったサポート体制が劇的に進化しているので、これから入社される方はより安心して立ち上がることができる環境になっています。
自身の仕事がダイレクトに製品になる喜び。メーカーの縛りを超えたクルマづくり
──入社後にもっとも印象に残っているエピソードを教えてください。
車載もSIも未経験の状態で、最初からSIチームのマネジメントを任せてもらったプロジェクトはとても印象に残っています。最初は業務の全体像や次に打つべき一手が見えず、知識の引き出しも足りない中で本当に苦労しました。
しかし、前述の通り周りのメンバーが親切に教えてくれる環境だったこともあり、わからないことばかりでしたが、教えてもらった内容を図や構造で整理し、周囲と何度も認識を合わせました。未経験領域だからこそ、「まず理解する」のではなく「一緒に理解を作る」ことを意識していました。 そのうちに少しずつ車載開発のライフサイクルやSIの本質をつかむことができ、今では自信を持って業務に臨めるようになりました。
──「OEMの仕様通りに作る」というTier1のイメージに対して、実際の裁量はどうですか。
車載業界はOEMの要求通りにつくるだけだと思われがちですが、実際には私たち自身が仕様提案や設計思想に関与できる領域も少なくありません。 もちろんOEMによってグラデーションはありますが、一部のプロジェクトではコックピット周りのシステムをまるごと任せていただけるなど、自分たちが「こうあるべき」と考えるクルマづくりを実践できます。自分たちが関わったものが、ダイレクトに世の中の製品として形になるおもしろさは格別です。
──前職までの経験は、現在の業務にどのように結びついていますか。
組込みソフトウェア開発としての基本プロセスや考え方は共通しているので、業界は違えど培った基礎はそのまま通用します。また、前職で組み込みからWebシステム開発へ突然異動になった際も、前提知識ゼロの状態からプロジェクトマネジメントを任されました。
あの時の「わからないからこそ、周りのプロの力を最大限に引き出して組織で成果を出す」という振る舞い方が、スムーズな立ち上がりに役立ったと感じています。
──今後はどのようなキャリアをめざしていきたいですか。
まずは現在のSI業務で1つのプロジェクトライフサイクルを完璧に回しきることが目標です。その先では、入社動機でもある「移ごこちデザイン」そのものを企画・創出する側にも挑戦してみたいと考えています。時代や環境の変化に合わせて自分自身のマネジメントスタイルもしなやかに変化させながら、常に新しい価値を生み出し続けたいです。
上場を見据え健全に進化する組織。プロフェッショナルが集う現場のリアル
──入社前と現在で、会社に対する印象はどのように変わりましたか。
新しい資本体制に移行する時期の入社だったため、入社前は組織の大きな変化に対して社内にも戸惑いがあるのではないかという不安もありました。
しかし実際に働いてみるとそんな空気は一切なく、むしろ「自分たちの手で新しい会社を作っていくんだ」という前向きなマインドに溢れており、良い意味での驚きがありました。会社としての変化も大きく、以前よりも「なぜやるか」「成果につながるか」を意識した議論が増えています。組織全体が成長に向けて変わろうとしている過程を体感できるのは今ならではだと思います。
──組織の強み、そしてこれから改善していきたい課題はありますか。
強みは、複数の主要OEMと深くつながっているからこそ得られる、技術の幅広さとシェアの高さです。また、社員一人ひとりがプロフェッショナルとしての強い責任感と誇りを持って仕事に向き合っていることも大きな強みだと思います。
一方で大規模組織ゆえに、今はどの部署の範疇にも当てはまらない宙ぶらりんの課題が生まれた時、個人の頑張りに依存してしまう側面がまだあります。これを組織や仕組みの力で綺麗に拾い上げられるよう、ボトムアップでプロジェクト運営のあり方を改善していきたいですね。
──働きやすさや企業風土の魅力についてはどう感じていますか。
在宅勤務の活用を含め、家庭の事情に寄り添った非常に柔軟な働き方ができる会社です。トップからの発信や教育の徹底などコンプライアンス意識もきわめて高く、安心して長く働ける信頼があります。
──最後に、転職を考えている方へメッセージをお願いします。
未経験だから挑戦できないのではなく、挑戦するから成長できる。私自身も車載未経験で入社しましたが、多くの人に支えられながらここまで来ることができました。新しい領域に踏み出したい方には、大きなチャンスがある環境だと思います。
新しい挑戦には不安がつきものですが、尻込みしていては何も変わりません。まずは恐れずに一歩を踏み出し、動きながら軌道修正していけばいい。当社には、キャリア入社者が安心してスタートできるサポート体制があります。これまで培ってきた経験や強みを活かし、一緒に新しいモビリティの未来を作っていきましょう。 。
※ 記載内容は2026年7月時点のものです

