偶然の出会いがプログラミングの世界に導いた
大学では中国語を専攻していた片岡。もともと言語が好きだったのと、これからの経済発展を見越した親が勧めてくれたことを理由に選びました。
しかし、アルバイト先での先輩との出会いが、片岡の意識を変えたのです。
その人はコンピューターにとても詳しく、片岡にプログラミングを教えてくれました。実際に始めてみると、自分で何かをつくり上げるおもしろさや達成感に魅力を感じ、いつしか片岡は「これを仕事にしたい」と思うようになりました。そうして新卒で入社したのはNTTデータウェーブでした。
片岡 「NTTデータがIT系の大きな企業というイメージがあり、そのグループ会社にいろいろと応募したんです。何社か内定をもらえたのですが、面接を受けていて一番雰囲気が合いそうだと感じたのがNTTデータウェーブでした。NTTデータウェーブの面接は全然堅苦しくなくて、むしろ笑いがあったので安心感がありましたね」
その一方で入社後にはギャップがありました。
それは当社が「ほとんどプログラミングをしない」ことでした。
最初は驚き戸惑った片岡ですが、研修を受けるうちにプログラミングにこだわる必要性を感じなくなりました。
そもそも片岡がプログラミングに魅力を感じた部分は「何かをつくり上げる」ところ。当社のようなSIerは自分自身でプログラミングすることがなくても、お客さんと一緒に「何かをつくり上げる」おもしろさがあると気づいたのです。
そうして研修が終わり、最初に携わったのは成人認証の受付係。メールで届いた依頼を受け付け、担当者に回し台帳記録を付けていくというものでした。
ときに頭を抱え、ときに怒られながらも着実に前に進み続けた
入社2年目からはシステム開発事業部で商品の受注を管理するシステムの保守案件を担当。提案から要件定義、設計、開発テスト、そして運用・保守と初めてSEの仕事を経験しました。上流から下流までを担ったこの6年間が片岡の基礎部分を構築したと言えます。
その後、同じ部署内で需要予測ツール作成および在庫管理システムの保守案件を担当することに。需要予測ツール作成では、入社して初めてプログラミングを経験することになりました。
片岡 「これがなかなか大変だったんです。小数点15桁の数値を扱うのですが、何度調整しても正しい数値が出てこなくて、どうすれば合うのかと何度も頭を抱えました。夢の中でもプログラミングをやっていた程です(笑)」
そして現在、片岡はiSS事業部に所属し、商品の受注管理や在庫管理、契約管理を行うシステムの保守案件を担当しています。
この在庫管理システムは、不要になった商品を処理工場に集める際に使用するものです。実はこのプロジェクトを開始したばかりのころ、片岡はよく先方の所長に怒られていました。
原因は、先方のシステム担当者とのコミュニケーションがすれ違っていたこと。片岡としては適宜互いの意思を確認して進めたいたつもりでしたが、その上の所長までうまく伝わっていなかったのです。
片岡 「要件定義してテストをしたら、手戻りが発生するフローがあるとわかったんですね。担当者に『どうしますか?』って聞いたら『大丈夫』と言われて。でもその話が所長にいった瞬間『そんなわけないだろう、この仕様はダメだ!』と怒られました。ここでしっかりとニーズを汲み取り、双方が納得する形にまで確認しないといけないなと学びましたね」
そうしたやり取りがあった所長とは冗談を言い合える仲になり、その後の案件では「よくやった!」と褒められることも増えました。
相手の立場になって考え、双方が納得のいくシステムを構築する
ときには失敗もありながら、着実に経験を積み上げ自分の力にしていった片岡。仕事をする上で大切にしていることは「相手の立場に立つこと」だと強く語ります。
システムには必ず使う人がいます。ならば、こちらが好き勝手につくるのではなく、使う人の業務フローの中で手戻りがないか、ムダがないかを常に意識する必要があるということです。
片岡 「そのために僕が実施しているのがフローの書き起こしです。自分がもし業務をする人だったらと仮定し、誰に連絡をしなければならないのか、次はどの作業をするのか、そのためにはどんな作業をしておく必要があるのかを考えます。
手戻りは起きないか、画面の操作性に問題はないかというのも重要なポイントです。そうやって書き起こしたフローをクライアントにも確認してもらい、フィードバックを元にどんどんフローを完成させていきます。そうすると互いに納得のいくシステムが完成するんですよ」
大事なのはお客さんの要望も自分たちの要望もしっかりと落とし込んで、互いにいいと思える状態に持っていくこと。その意識を持ち続けることは、私たちの仕事に欠かせない資質です。
片岡 「提案書を作成するときにも、誰が見てもわかるような資料づくりを心がけています。せっかく苦労して作成しても、相手に伝わらなければ意味がありませんし、その後のシステムづくりにも支障が出てきかねません。そうすると相手との信頼関係も構築できないでしょう」
わかりやすい提案書づくりには、リスクヘッジと相手との関係構築にもつながります。そしてさまざまな点に留意しながら作成した提案書が、社内の受注判定審議の際に指摘を受けずに通過すると、片岡は「よし」と心の中でガッツポーズをするのだと笑顔を見せます。
人材育成のしくみづくりとオフショア開発の発展に貢献したい
片岡はこれまで、置かれた状況に応じて自ら判断し、着実な仕事をしてきました。それが可能だったのは、「やりたい」と手を挙げるとサポートしてくれる環境が整っているからだと言います。
片岡 「当社は業務で必要だからやりたいと言ったらやらせてくれるんですよ。最近だと、オフショア開発(海外企業や海外の現地法人にシステム開発などの業務を委託すること)で使うから『英会話を学びたい』と言ったら補助をしてくれました。
他にもこういう研修に行きたいと言ったらもちろん行かせてくれます。ただ逆に言えば、手を挙げないと何も与えてはくれない。利用できる制度などは有効的に利用していくことですね(笑)」
そうやって手を挙げ自ら学び知見を身に付けてきた片岡だからこそ、今後取り組みたいと考えているのは人材育成のしくみづくり。個々のタイプに合わせたタスクを渡し、成長させられるようにできればいいと考えています。
片岡 「『俺にできたんだからお前にもできるだろう』というのは違うと思うんですよね。僕は遠慮なく手を挙げるタイプだけど、それができない人もいるわけで。手を挙げない人でも成長機会を失わないようなしくみづくりができたらいいですね」
これからの片岡のチャレンジは、オフショア開発のさらなる活用への貢献です。
片岡 「オフショア開発は最近、東南アジアに委託することが多いのですが、自分でコントロールさえすれば作業の質やスピードに問題ないことを実感しています。そして、コスト削減も可能です」
さらにそこには「異文化を理解するおもしろさという魅力もある」と片岡は捉えており、いずれ海外事業部ができたら、そこで働きたいと考えているのです。
経験を積み重ねてきたからこそ、新たな目標ができた片岡。その目標達成のため、今は目の前のこと一つひとつに的確な判断をしていき、さらなる経験と知識を積み重ねています。

