人材と組織の可能性を引き出す。14名のフラットなチームが挑む4つの変革
スパークプラグで世界トップクラスのシェアを誇り、高い利益率を維持し続ける日本特殊陶業。その強固な経営基盤の中で、人材と組織のあり方を大きく変えようとしているのが、人事部の「HR企画推進課」です。2024年に中途入社し、同課の課長として舵を取る赤松 昇は、自らのチームのミッションをこう語ります。
「当部署は、Niterraグループ全体における『組織風土』『HRテック』『人材マネジメント』『エンゲージメント』という4つの領域を担当しています。『組織風土』では、理念(共有価値観)の浸透やDE&I、女性活躍推進を担い、『HRテック』では人材情報の集約や人事システムの運営を行っています。
『人材マネジメント』では集約した情報を分析し、採用・育成・配置・代謝に関わる施策を立案。『エンゲージメント』では『人材・組織の状態』の可視化、改善につながる打ち手の立案を行っており、その役割は多岐にわたります」
現在、赤松を含めて14名体制の組織。これほど広範なテーマを扱いながら、組織は驚くほどフラットです。
「あえて厳密なチーム制にはしていません。組織を細分化するとコミュニケーションコストが増えますし、意思決定も遅れます。メンバー13名の個性や志向にもとづき担当テーマをアサイン、複数の領域を兼務してもらっています。組織をフラットにすることで意思決定のスピードを高めると共に、本人の自律性を最大限活かす組織運営としています。
また、 メンバーのバックグラウンドも多様です。年代や国籍、新卒・中途といった属性はもちろん、技術や営業、IT、企画など多彩な経験を持つメンバーが集まっています」
圧倒的な強みを持つ会社だからこその、社風の特徴もあると言います。
「私たちの組織には、非常に真面目で、一度やると決めたことは最後までやり抜くという強い意志があります。これは大きな強みです。一方で、日々の「いかに確実にやり抜くか(How)」に意識が集中しすぎるあまり、「なぜやるのか(Why)」や「何を創り出すのか(What)」という問いが薄れ、つい“過去の延長線”で動いてしまう傾向があるのも事実です。
だからこそ今、自分たちが創り出す価値をもう一度見つめ直し、従来の枠を超えた新しい挑戦へと一歩を踏み出していきたいと考えています」
前職からの転身。ポートフォリオ最適化に向けて
赤松は、2024年に日本特殊陶業へ転職する前、総合電機メーカーに在籍していました。そこでのキャリアは順調そのものでしたが、ある転機が訪れます。
「前職では、換気扇や空気清浄機をつくる事業部に所属し、既存事業の拡大と新規事業の創出という命題に向き合っていました。人事としてどうアプローチするか、日々手応えとやりがいを持ちながら進める中、グループ全体で大規模な組織再編があり、私自身もながらく所属した事業部から離れて本社機能へ異動することになりました。
本社機能に異動した後の仕事は、一つひとつの施策の本質を考え、言語化し、いかに事業部に浸透させていくかというもの。難易度は高かったですが、自分自身の成長につながる、非常に実りある経験でした。
しかし、40代というキャリアの後半に差し掛かった頃、今後の歩みについて考えるようになりました。今後、同グループの機能・事業部で異動を繰り返しながらキャリアを築いていくよりも、特定の事業に焦点を絞りキャリアを築いていきたいということ。プライベートでも、家族の実家のある愛知県に生活の基盤を戻すことが望ましいと思ったこと。キャリアとライフの2つの軸が重なった時、愛知県に本社を置く日本特殊陶業に出会ったのです」
強い事業基盤を持ちながら、未来に向けてポートフォリオを最適化しようとしている日本特殊陶業。しかし、入社後に実感したのは、想像以上に強固につくり上げられた「規律性の高さ」でした。
「本当に強い事業基盤を持つ企業だからこそ、『いかに確実にやり抜くか(How)』の精度が極限まで高められているのだと痛感しました。ただ、その確実性が優れているからこそ、多くの議論が現状の延長線上に収まってしまいがちな側面もあります。新しい挑戦を加速させるためには、この安定した土台を活かしつつ、組織の思考の枠組みを少しずつ広げていく必要があると感じました。
ただ、だからこそ前職で培った人事領域の専門知識やリーダーシップ、マネジメントの考え方が非常に役立っています。私たちが10年後、20年後も永続的に発展し続けるためには、今の事業だけに依存するわけにはいきません。
人事がプロフェッショナルとして会社を変えていこうとする姿勢は、社内での信頼を得てきていると感じます。誠実に、現場の声に私心なく耳を傾け、本来的に何が事業や人の成長につながるのかを愚直に考え、As-Is(現状)とTo-Be(めざすべき姿)をしっかりと描き切ること。この軸があれば、どんな課題も乗り越えられるはずです」
変革期だからこそ味わえる、人事企画のリアル
企業の人事職と聞くと、決められた制度を淡々と運用するルーティンワークを想像する方も少なくありません。しかし、日本特殊陶業のHR企画推進課において、その姿は大きく異なります。
「当社は一つの独立した法人として、『この事業を、この組織を、そして人材をどう変えていくか、成長していくか』という議論が非常にダイレクトです。人事領域を変革していかなければならないという大きな流れが社内にあり、筋道を立ててきちんと説明すれば一歩ずつ前に進められる。人事の打つ一手が、会社をダイレクトに動かすことができるおもしろさがあります。
たとえば、新しく導入したエンゲージメントサーベイのデータ分析も、行動情報などと掛け合わせ、人材・組織の特徴を可視化して、課題を提言。次の打ち手へとつなげています。挑戦する領域がたくさんあるからこそ、自律的に動こうと思えばいくらでも挑戦できる。変えようと思ったら自分の手で変えられるという実感を持てるのは、事業会社の人事として最高に楽しいところです」
もちろん、それだけの裁量があるということは、背負う責任も大きく、業務としてタフな側面があることを意味しています。
「HR企画推進課では常に多くのテーマを扱っています。ありがたいことに、日々さまざまな要求や相談もやってきます。それをただ『言われたからやります』というスタンスで受け取ってしまうと、仕事のおもしろみは削がれてしまうと思います。アサインされたテーマ・機会を使って、自分はどんな世界を作りたいのか、To-Be を自分自身で描き切れるかどうかが試されます。
私自身も裁量が高いと思うほど、この職場は自由度が高い環境です。業務量としてタフな側面はありますが、負担以上の充実感があります。孤軍奮闘するのではなく、『いろいろ言われるけど、めげずに頑張ろう』と言い合えるチームの絆もありますし、自分たちの手で人と組織に働きかけ、会社に直接的に貢献できている手応えはメンバー全員が共通して持っている誇りですね」
2030年に向けたスキームづくり。あなたの専門性が、新しい組織の未来を創り出す
現在、日本特殊陶業は2030年に向けた中期経営計画を進めています。赤松が見据える未来、そしてこれから共に働く仲間に求めるものとは何でしょうか。
「中期経営計画の期間に、組織風土、HRテック、人材マネジメント、エンゲージメントをつなぎ合わせ、一貫性のある人事方針・戦略の型を完成させたいと考えています。そのスキームができあがれば、それを駆使して、人と組織と経営戦略をダイレクトに紐付ける『ビジネスパートナー』として、人事が本当の意味で機能し始めます。その未来を想像すると、今から非常にワクワクしますね。
これから新しく入ってきてくださるキャリア採用の方には、ぜひ『人事の専門性』を発揮していただきたいです。先ほどお話しした通り、現在の私たちの組織は多彩な経験をもつメンバーで構成されている一方で、人事を専門的に長く経験してきたメンバーが手薄であることも事実です。専門性が不足している故に、推進力がビハインドになっている部分は事実としてあります。だからこそ、外部でキャリアを積んできた方の力が、いまの日本特殊陶業には絶対に必要なのです」
人事のプロフェッショナルとして、自らの足跡を組織に刻み込む。そんな希有な経験が、今の同社では約束されています。
「求めるのは、言行一致で私心なく、人や組織の幸せ、そして事業の成長に本気で向き合える方。そして、コミットしたことを最後までやり抜く強い意志を持った方です。As-IsとTo-Beを明確に描き、周囲を巻き込んでいくことを期待しています。
私自身のキャリアを振り返っても、日本特殊陶業で過ごしている時間は、間違いなく最も充実しています。やれること、変えられる余地としての『のびしろ』がたくさんあるこの環境で、ぜひあなたの専門性を発揮してください。後になって『あの時の仕事、本当におもしろかったな』と笑い合えるような組織を、一緒に作っていきましょう」
※ 記載内容は2026年7月時点のものです

