「多様な組織と向き合いながら、変化を支える人事の仕事」
私は現在、レノボ・ジャパンでHR Partnerとして働いています。私たちのチームのミッションは、担当する組織の戦略実行やビジネス成果の創出に向けて、人事戦略の立案からビジネスリーダーとの対話、採用・育成、評価、労務課題への対応まで、人事の窓口として組織に伴走することです。
日常業務は、部門メンバーからのさまざまな問い合わせ対応に始まり、年間の人事施策の運用、リーダーの人事パートナーとして、その時々の組織状況や課題に応じた支援を行うことが中心です。具体的には、タレントマネジメントやエンゲージメント施策の検討、評価やアワードに関する相談対応、採用活動の支援など、組織と人に関わるテーマをリーダーとともに考え推進しています。
私が担当しているのは、ソリューションズ&サービスグループ(SSG)部門、パソコンやスマートデバイスの戦略企画や製品企画を担うカテゴリー部門、IT部門、そしてデジタルトランスフォーメーション(DT)部門の4つの組織です。中でもSSGは、ハードウェア企業であるレノボがサービスビジネスへとトランスフォーメーションを進める最前線に位置づけられる組織で、変化が激しくスタートアップのようなスピード感があり、一人一人にアジリティが求められます。一方で、カテゴリーやITといった組織には、これまでのビジネスの文脈や積み上げてきた文化があります。価値観や前提も異なるからこそ、人事としては、それぞれの特性や背景を理解した上で、「どのような変化を」「どのスピードで」後押ししていくのかを常に考えながら向き合っています。
「私の仕事の先には、人がいる」──人事としての判断軸
この仕事をする上で、私が大切にしているのは、「私の仕事の先には必ず人がいる」という意識です。人事の仕事では、従業員をデータや指標で理解する場面も少なくありませんが、その一つひとつの評価や判断が、その人の報酬やキャリア、モチベーション、ひいては人生に影響を与える可能性があることを、常に忘れないようにしています。
一方で、個別事情の相談を受ける場面では、共感はしつつもひとりひとりの感情に寄り添いすぎず、かといって距離を取りすぎるのでもない。そのバランスを保ちながら関わるようにしています。個々の感情そのものだけでなく、人や組織を取り巻く構造や仕組みに目を向け、組織全体としてより良い変化につなげていく視点を大切にしています。
短期的な感情に左右されず、長期的に組織にとって意味のある判断すること―それが人事として果たすべき役割と考えています。
大学院で学んだKurt Lewinというドイツの心理学者の「Behavior=f(P, E)」という考え方――人の行動は個人と環境の掛け合わせで決まる――は、今も私の人事観の軸になっています。目に見えている行動や組織の状態は、必ず個人と環境の相互作用の結果として表れているものです。たとえば、成果が出ていない人がいたとしても、それを単純に「本人の能力」や「意欲」の問題として捉えるのではなく、役割の定義や上司との関係、チームの状態など、環境要因にも目をむけることで、根本的な解決をすることができる、というような考え方です。だからこそ、個人と環境の両方を客観的に捉え、それぞれに働きかける。その視点が、人事として価値を発揮する上での強みになっています。
多様な環境で培った経験を、グローバル×ローカルの人事へ
これまで私は、外資系・日系、メーカー・金融・IT、そしてアーリーステージのスタートアップと、多様な環境で人事のキャリアを重ねてきました。新卒で入社した外資系メーカーで人事に異動したことをきっかけに、HRの道を歩み始め、海外留学で組織心理学を学び、金融機関で報酬・福利厚生領域を、IT企業で組織開発を、スタートアップで人事機能、管理部門の立ち上げを経験してきました。業界や企業規模によって、人材育成や組織づくりの考え方が大きく異なることを体感してきたことが、現在の仕事の土台になっています。
現在は、日本とグローバルの架け橋として、海外のHRパートナーやビジネスリーダーと連携しながら人事施策を進める役割も担っています。グローバルの方針を尊重しつつ、日本の法律やローカルプラクティスを守り、社員を守る。その両立を図りながら、ローカルとして主体的に施策を企画・実行できる点は、レノボの人事ならではの魅力だと感じています。海外メンバーと協力しあって施策を実現できたり、難しい局面をともに乗り越えられた時は、お互いの信頼関係も向上しますし、大きな充実感を感じます。例えば、グローバルから一部組織のインセンティブターゲットの変更に関する指示が下りてきた際には、日本の法令や社内ルールに沿った形で運用できるよう、法務やビジネスリーダーと綿密に協議を重ねました。そのうえで、海外のHRパートナーに日本固有の事情を丁寧に説明し、協力を得ながらグローバルリーダーの例外承認を取得するなど、グローバルとローカルの橋渡し役として課題解決ができました。
ときには冗談を言ったり、国が違えど同じ人事として大変な場面では共感をしあいながら尊敬する仲間と働けることに、とても感謝しています。
ビジネスにインパクトを与えるHRへ。変化を楽しめる人と働きたい
今後は、AIの活用などを通じて定型業務の効率化を進め、より中長期的な人事・組織戦略の検討、提案に時間を使っていきたいと考えています。部門リーダーから信頼される存在でありながら、ときにはHRならではの視点で異なる意見を提示し、ビジネスにインパクトを与えられる人事であり続けたいです。
最後に、これから一緒に働いていきたい人についてお話しします。 当社の魅力は、大企業でありながら、スタートアップのように挑戦できる余白があることです。仕組みやプロセスが完全に整っていいないからこそ、「こうしたい」「もっと良くできる」とという思いを、自分たちの手で形にしていくことができます。一定の経験を積んできた人には、裁量を持って仕事や組織を動かしていける面白さがある環境です。また、誠実で協力的な人が多く、余計なストレスなく、仕事そのものに集中できる環境も魅力の一つです。
求めているのは、フレキシブルで前向きに変化を楽しめる人です。想定外の出来事や環境の違いに直面しても、「ではどう結果を出すか」を考え、解決策を持って周囲と協力できる方に来てほしいと思っています。変化の多い時代に、未来に向けた挑戦を楽しみたい人にとって、成長機会の多い場所だと思っています。
