マーケットインと数字を武器に、商品開発と製造の両輪を回す
私は現在、IKKホールディングスの食品事業部である株式会社明徳庵で働いています。商品の企画、開発、販売、そしてバウムクーヘンの製造といった、販売と製造の責任者という立場です。日々の業務では、商品のアイデア出しやPRの方法を考えたり、部下のマネジメントをしたりしています。製造面では生産管理や品質管理を担当しています。
仕事をする上で大切にしていることは二つあります。一つは、マーケットインの考え方を重視することです。作れば売れる時代はもう終わっていますので、お客さまが求めているものを考えて、商品開発をして発売することを意識しています。もう一つは数字です。美味しさというのは数字では表しにくいですけれども、売上や客数などは美味しいという評価につながると思っていますので、やっぱり数字というのを大切にしています。
この数字を大切にするようになったきっかけは、サンマルクグループでの勤務時代です。売上はお客さまの評価のバロメーターであり、利益へのバロメーターであると習いましたので、そこから意識するようになりました。数字は嘘をつきません。お客さまがどう感じているかが数字に表れますし、それが会社の利益にも直結します。だからこそ、感覚だけではなく、数字をしっかりと見て判断することを大切にしています。
商品開発においても、マーケットインの視点と数字の両方を意識しながら取り組んでいます。お客さまが何を求めているのかを考え、それを形にし、実際に売上という数字で評価される。このサイクルを回していくことが、私の仕事の醍醐味だと感じています。
惰性で生きた日々から一転。自分の意思で選んだトモスへの転職
サンマルクカフェでは、新規店舗の立ち上げや新規事業の開発、それから既存事業の販促活動などを担当していました。正直に言うと、それまでの人生は勉強や進学、サンマルクカフェへの就職、そして業務中もかなり惰性で生きてきたんです。自分の意思で何かを選択するというより、流れに任せていた部分が大きかったと思います。
サンマルクカフェで働く中で、印象に残っている出来事があります。一つは、顧客を無視して企画した施策を実行した時のことです。客席の回転率を上げるため(滞在時間を短くするため)に椅子を全て堅くしたり、エビが多く入って見えるように竹割にしていれたり、とにかく利益だけを求めた施策をいくつも実施しました。当時の創業社長から社長室に呼ばれて8時間怒られました。大人になって8時間怒られることはなかなかないことです。利益は経営理念に優先するということを体の芯まで叩き込まれました。もう一つは、自分はいけると思って立ち上げた新規事業が、マイナス1,500万円の赤字を叩き出して、3ヶ月で業態変更することになった出来事です。これも同じで顧客ニーズを無視して自分よがりのサービスを提供すると上手くいかないということが、身をもってよく分かりました。失敗に終わりましたが、正しくお客さまと向き合うことを学んだ経験になりました。
転職を決意したきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大です。それまで順風満帆だったサンマルクカフェでの人生でしたが、会社全体が大きく揺らぐことになりました。創業社長が亡くなったことも大きかったと思います。このままでは自分はダメだと思って、自分の能力を身につけるために転職を考えました。
転職活動では、とにかく中小企業に行って経営全般を学ぶことを軸にしていました。会社の規模や給料、場所も関係なく何でもやるという気持ちで取り組んでいました。私は経営者になりたかったので、トモスが所属しているトレジャーホールディングスでは、社長がすべての会社の社長を兼任していたんです。つまり、すべてのポストが空いていると思い選びました。また、経営理念もしっかりされていたので、そこも選んだ理由の一つです。サンマルクカフェからトモスへの転職。これが人生で初めて、自分が人として成長したくて選択した、自分が下した意思決定だと思っています。
「マーケットイン」の重要性を痛感した失敗と、株式会社ビーズとの業務提携
入社後に一番印象に残っているのは、株式会社ビーズさんと業務提携ができたことです。一度ご挨拶しただけだったのですが、本当にいい出会いになったと思っています。その時は、今この瞬間ではあまり変わりがない人だと感じたかもしれませんが、いつかどこかの縁となって自分の力になってくれる人かもしれないということを強く感じました。これは私にとって一種の成功体験だと思っています。
どんな出会いも決して軽く見てはいけない。今すぐに何かが生まれなくても、将来的に大きな価値を生み出す関係性になるかもしれない。そういった長期的な視点で人との関わりを大切にすることの重要性を、この経験を通じて学びました。
一方で、失敗も数多く経験してきました。その失敗に共通しているのは、プロダクトアウトになってしまった時だということです。プロダクトアウトとは、企業側の視点や都合を優先して商品やサービスを提供する考え方のことですが、そういった姿勢のときは大きく失敗してしまいました。やはりお客さまのことを考えて、マーケットイン、つまり顧客のニーズを起点にした考え方をしていることが重要だと痛感しました。
失敗したときは、もう一度お客さまが何を求めているかを考え直して、うまくいくまでやり続けています。結果が出るまで努力し続ける、やり続けるというスタンスは私の中で一貫しています。判断軸としては、お客さまが喜んでいるかどうか、つまり売上が上がっているかどうか、数字で判断することは変わっていません。
また、入社してから自分自身が成長したと感じる点もあります。今までは全部自分がやりたい、やろうという気持ちが強かったのですが、少しずつ周りの人にやってもらったり任せたりできるようになりました。これは大きな変化だと思っています。
「一緒に成長していきたい」情熱ある仲間と描く、全国・海外展開への挑戦
今後、私が挑戦したいと考えているのは、お菓子の自社ブランドを福岡を中心に全国、そして海外に展開していくことです。これは明徳庵の事業として、本当に大きな目標だと思っています。これからどんどん商品を出して、店舗を出して、ブランドを大きくしていきたいと考えています。
この目標を達成するために一番大切なのは、人集めだと思っています。私たちは今まで販売業をしていなかったので、デザインや販売、PR、商品開発といった分野のプロフェッショナルが必要です。そして何より、高い情熱を持った人を集めていくことが重要だと考えています。一緒に成長していきたい、自分の商品を出してみたいという想いを持っている人には、ぜひ来ていただきたいですね。
私が一緒に働きたいと思うのは、やはり情熱がある人です。自分の夢や目標に向かって、昼夜問わず努力できる人がいいと思います。IKKホールディングスという会社全体で言えば、本当に高い理念や目標を持ってみんなが前向きに取り組んでいる会社です。やる気や情熱がある人には、ぜひおすすめしたいと思います。
後輩や部下を育成する上で、私が一番大切にしているのは論理的思考を身につけてほしいということです。自分の感情とかひらめきだけではなくて、なぜそれをするのか、ということを客観的に説明できるようになってほしいと思っています。これは私自身が幼少期から指導されてきたことでもあり、自分らしさの核となっている部分です。
過去の自分、あるいはこれから同じ道を歩む人に伝えたいのは、とにかく今を一生懸命やることです。今その瞬間に結果が出なくても、いつか結果につながることもあると思います。たくさん点を作って、それが未来で線となりつながっていくといいと思います。妥協をしてはいけません。一度楽を覚えてしまうと、そこから成長はなかなか難しいのです。
私自身も40歳で、まだまだ現役ではありますけれども、どんどんバトンタッチしていくことも必要だと思っています。自分の能力やスキルを高めつつも、後輩にそのスキルや思いを託していきたいと思っています。
