テニスとアルバイトの経験が紡いだ、広告業界への道
名古屋大学理学部に入学した私は、中学から続けていたテニスを継続し、体育会テニス部に所属しました。テニス部でのチームワークと後輩育成を通じて、チームの作り方に日々奮闘しておりました。部活動の傍ら、生命理学科で生物学を専攻し、大学四年生では発生学の研究室に所属していました。元々環境学に興味があったので、大学院では新設された環境学研究科に転学し、廃棄物処理問題について定量的な研究を行っていました。廃棄物処理場を作る方が良いのか、それとも干潟を形成する方が良いのか。そんな社会的な課題を数値化して比較検討する日々は、物事を多角的に捉える視点を養ってくれました。
私の人生に大きな影響を与えたのが、栄にある個人経営の居酒屋でのアルバイトでした。テニスコーチ、家庭教師、焼き肉屋、バーなど、さまざまなアルバイトを経験しましたが、この居酒屋での接客経験が転機となりました。お客さま同士を繋いだり、会話を盛り上げたり、人と人とのコミュニケーションを生み出す瞬間に、言いようのない喜びを感じたのです。この経験が、私を広告業界へと導くきっかけとなりました。
就職活動では、人と人とのコミュニケーションを起点にしながら、幅広い仕事ができる環境を求めていました。総合広告代理店、総合商社、コンサルティングファームなどを検討する中で、2005年に参加した博報堂のインターンシップが決定的な出会いとなります。5,000通の応募から選ばれた50人のうち、私以外の49人は関東か関西の学生でした。東海エリアから出たことのなかった私にとって、彼らとの出会いは衝撃的でした。思考や発想が私の想像を超え、何かに挑戦する精神を持った人たちばかり。誰と話しても刺激があり、こんな魅力的な人たちを集められる会社はきっと素晴らしいに違いないと確信しました。面接では緊張している友人に「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」と声をかけていたほど、私自身はリラックスしていました。ご縁があれば内定するし、なければしない。そんな気持ちで臨んだ選考でしたが、結果として博報堂DYメディアパートナーズへの入社が決まったのです。
メディアの最前線から組織変革まで─広告業界15年の軌跡
博報堂DYメディアパートナーズでのキャリアは、テレビメディアのバイイングとプランニングからスタートしました。その後、メディアマーケティングと呼ばれる領域で、テレビ以外のメディアも含めた統合的なプランニングを担当し、合計50社以上のクライアントと向き合ってきました。メディアの仕事を一通り経験した後は、博報堂に出向する形で営業として、大手車メーカーや生命保険会社、製造メーカー、プラットフォーマーなど、錚々たる企業のメディア戦略を支援しました。旧マスメディアからデジタルメディアまで、一気通貫したプランニングを実現していったのです。
博報堂DYMP時代でとくに印象に残っているのは、初期M1グランプリの冠スポンサー対応です。元々好きだったお笑いの仕事に携われるということでモチベーションも高く対応しておりました。その他には、製造メーカーの充電式乾電池のPR施策として、ギネスチャレンジの様子をテレビ番組で取り上げてもらうスキームを構築したりと、テレビというメディアの新しい活用方法を模索し続けていました。そして、大手車メーカーを担当していた際には、デジタル広告の新しい活用方法を生み出し、カンヌライオンズのデジタル部門でシルバーを獲得することができました。
2020年、トランス・コスモスへの転職を決めました。博報堂時代の先輩がいらっしゃったことがきっかけでしたが、決め手となったのは事業の幅広さです。博報堂が広告代理業に閉じていたのに対し、トランス・コスモスはビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)を祖業とし、コンタクトセンター領域、デジタルマーケティング領域、グローバル展開と事業領域を拡大していました。広告代理業という業態がいずれシュリンクしていく危機感を感じていた私にとって、クライアントの課題解決の幅を広げられるこの環境は魅力的でした。
トランス・コスモスでは、社として未開拓だったマーケティングの上流設計、つまりブランディングや認知につながる施策の実行部隊を立ち上げました。100%出資の子会社も設立し、ブランディングができる会社という新しい顔を作っていくミッションに取り組んでいました。デジタル専業代理店という立ち位置だった会社に、テレビを含むマスメディアを扱える基盤を整え、実際にテレビ出稿をする企業の開拓も実現しました。設立した子会社では、人財会社向けに新設されたデジタル組織の組成から関与し、マーケティングの知見を活かした組織基盤の構築をコンサルティングフォローという形で支援しました。
トランス・コスモスでの業務環境やメンバーにも恵まれ、まだまだやれることは山ほどありました。しかし、2025年2月、中嶋とのコミュニケーションを起点に、新たな転職を具体的に検討し始めたのです。中嶋とは2022年から定期的に、リアルやオンラインを問わずコミュニケーションを重ねてきた関係でした。博報堂時代の一番信頼している後輩からご紹介を受け、さまざまな角度で会話をし、時には食事をしながら密にコミュニケーションをとっていました。そんな中嶋からの声がけだったからこそ、真剣に検討することにしたのです。
全社を俯瞰し、熱量ある社員とともに経営をアップデートしていく日々
現在、私はアイ・ケイ・ケイホールディングスの執行役員として、経営戦略室という組織を担わせていただいております。経営戦略室のミッションは、ホールディングス全体での経営に関わるアクション全般です。具体的には、ウェディング市場での新しいニーズの開拓、ウェディング・介護・食品・フォトといった各事業を横断した新しいビジネスモデルの模索、今後立ち上がる新規事業とのシナジー効果最大化など、全社経営のアップデートにつながるアクションを推進しています。また、2025年10月1日に登記されたアイ・ケイ・ケイユナイテッドリンク株式会社の取締役も兼任しており、海外国人財事業の推進もあわせて担っております。
日々の業務では、まず全社の理解を推進しながら、五月雨で発生してくる課題を一つ一つ解決していくことに注力しています。その際に心がけているのは、「俯瞰」の視点を忘れないことです。局所的な解決に終わらせず、常に全社最適の視点になっているか、経営視点でのアップデートになっているかを考えるようにしています。
入社してすぐに、全国にいらっしゃる管理職メンバー58名との1on1を実施させていただきました。これは相互理解を深めるとともに、フランクにご相談いただける接点として、まずはコミュニケーションをとるための取り組みでした。この1on1を通じて、私は想像以上に大きな発見をしました。全員が全員、ものすごい熱量があり、愛社精神があり、自分の担当領域のアップデートに日々邁進されていたのです。そして、印象的だったのは、皆さんが共通して「いろいろ学ばせてください」というスタンスを持っていたことでした。話すのもとても上手で、この「学ぶ姿勢」が強く印象に残っています。この熱量を戦略的に方向づけしていけば、大きな経営アップデートができるかもしれない、と強く感じました。
この会社には、良い意味で他の企業とは違う独特の文化があります。日々の言動を規律正しくする文化が徹底されているのです。例えば、「お疲れ様です」という言葉ではなく「お元気様です」と使う文化になっており、「疲れ」という言葉から想起されるマイナスのイメージを払拭しています。朝礼や昼礼での理念唱和、個々人からの挨拶があり、何よりも「相手のことを慮る気持ち」が社内に深く浸透しています。こうした文化に触れる中で、今までの生活を改めて見直すきっかけになったり、熱量の矛先の向け方を変えてみたりと、私自身にも変化が起きています。人として生きる意味や価値を改めて考えさせられる日々となっているのです。
前職で培った広告業でのマーケティングの知見と、総合ソリューション業での俯瞰的な課題解決の視点は、今の業務に大いに活きています。例えば、今までなかったテレビ局との接点を創出したり、過去の資産である人脈を生かしたコネクションを提供することで、自社内だけでは起こりえないシナジー効果を生み出せる可能性を作っています。「全ての責任は自分にある」という思考をより徹底的に叩き込んでいく必要があると再認識しながら、まだまだこれからという段階ではありますが、着実に前進している実感があります。
売上3,000億への挑戦と、ご縁を大切にする未来への想い
今後の短期的な目標として、アイ・ケイ・ケイホールディングスとして過去に実施したことがない施策に挑戦していきたいと考えています。例えば、結婚式のその先を見据えたサービス開発です。結婚して〇〇周年を迎えたご夫婦に向けて、アイ・ケイ・ケイならではのサービスを提供する。あるいは、食品メーカーとしてのブランドタイアップを展開してみる。すでに社内で作戦会議を進めているものも含めて、どんどん新しいことに挑戦していきたいと思っています。
そのためには、関係各位の当事者意識を持って、具体的な実行プランを早々に立て、即実行することが重要です。その結果を受けてしっかりPDCAを回し、よりよい施策へとアップデートしていく。このサイクルを回し続けることで、新しい価値を生み出していけると確信しています。
中長期的には、せっかくいただいたご縁ですので、アイ・ケイ・ケイホールディングスとしての事業成長を叶えたいです。10年後に売上3,000億。その壮大な目標のためのロードマップを引きたいと思っています。その目標を達成したときに、自分自身がどんな役割を担っているかはとくにこだわりはありません。関わってくださる方、ご縁のある方々の幸福度が最大化していればそれが本望です。
この会社で働くことで得られる成長や経験について、採用候補者の皆さんにお伝えしたいことがあります。まず、この会社では『人間力を磨くことができる』と思います。また、行動することの大切さや、挑戦することの大切さ、それを仲間と一緒に賞賛する文化に触れることができます。生きがいややりがいをさらに生み出すことができる環境が、ここにはあります。私たちは、成し遂げたいことが明確にある人を求めています。もし仮にそれがなかったとしても、「誰とやるか」を優先的に考え、人を大事にする人。そんな方にジョインいただけるとさらなる企業成長が見込めると思います。ご縁をいただいた人への感謝の気持ちや敬愛の精神をしっかり持ち、「やると決めたことはやる!」というやり切る行動力を持った方と、共に未来を創っていきたいです。
