日本と海外をつなぐ新たな挑戦——グローバル人財事業の全貌
私たちが取り組んでいるグローバル人財事業は、日本の深刻な人手不足と、アジア諸国の若者たちの「日本で働きながら成長したい」という強い希望をつなぐプロジェクトです。ホテル・飲食・介護・製造など、多くの業界で人材不足が続く日本。一方で、インドネシアやベトナムの若者たちは「日本で専門スキルを身につけ、家族を支えたい」「海外でキャリアを積みたい」と強い意欲を持っています。しかし現実には、情報不足や高額な費用、質の低い教育機関など、さまざまな壁が立ちはだかっていました。
この社会課題を解決するため、私たちは現地での日本語教育機関の設立から、日本側での求人確保、渡航後の生活・仕事の定着支援まで、出国前から日本での定着を一気通貫でサポートする仕組みを構築しています。5〜10年のスパンでIKKHDの新たな柱となる事業規模への成長を目指し、最終的には日本の企業と海外の若者が互いに成長し続ける「安全で健全な人財循環」の実現を掲げています。
2025年10月に法人を立ち上げたばかりの私たちのチームは、 代表の中嶋、永井、そして私の3名で連携しながら事業を推進しています。中嶋さんは、IKKホールディングス取締役副社長として 現場から経営まで幅広い領域を担ってきた実行力のある経営者。 永井さんは、広告・デジタルマーケティング領域で15年以上の経験を持つプロフェッショナル。 私は人財・観光分野の経験を活かし、3名で、国内の営業戦略、海外とのアライアンス、 現地の学校設立、採用やM&Aの検討などを行っています。
立ち上げフェーズを経てこれから本格的に走り出す中で、 社内外のトッププレイヤーと力を合わせ、より良い仕組みをつくり上げていきたく考えています。教育に情熱を持つ人、グローバル人財の分野でキャリア支援を行ってきた人——こうした多様なプロフェッショナルが集まり、 共につくり上げるチームへと進化させていきます。送り出された学生さんが安心して学び、働き、未来を築ける仕組みをつくること。その積み重ねによって地域の雇用課題を解決し、産業の活力を支えること。その未来に向かって、私たちは、 これから出会う仲間たちとともに、挑戦を続けていきます。
日本とアジアの架け橋となる事業への参画と立ち上げの軌跡
このプロジェクトに参画したきっかけは、「日本の人手不足」と「アジアの若者の可能性」が、私の中で一本の線につながった瞬間があったからです。これまで観光・ホテル・地域活性の領域で仕事をしてきた私は、現場がどれだけ外国人の力に支えられているか、そしてどれだけ「正しい仕組み」が不足しているかを間近で見てきました。人手不足が原因で、本来地域が目指すべき高付加価値な滞在型観光が提供できないという現実にも直面していたのです。
一方で、インドネシアやベトナムの若者たちは、「日本で働きたい」「家族を支えたい」「成長したい」という強い想いを持っているにもかかわらず、情報不足や不適切な仕組みのせいで、本来のチャンスをつかめない人がたくさんいます。「そのミスマッチをどうにかしたい」それが、私が強く抱いた最初の想いでした。このメンバーなら、本気で正しいモデルを作れると直感し、複雑な構造を一つの道筋にできると強く感じたのです。
まず最初に取り組んだのは、日本企業がどんな人材を必要としているのかを徹底的にヒアリングすることでした。いつ、何人必要か、どのレベルの日本語であれば即戦力か、生活支援はどこまで必要か、過去の外国人受け入れでは何が課題だったかなど、企業の採用担当・現場責任者から細かく聞き取りを行いました。これによって、「今の仕組みでは外国人が定着しない理由」を徹底的に洗い出し、日本が本当に必要としている外国人財の実像を明確にできました。同時に、特定技能、技能実習、留学ルート、在留資格の申請など、多くの制度が複雑に絡むグローバル人財事業において、これらを一つのフローに統合し、「何を、誰が、いつやるか」を可視化する作業に着手しました。これによって、どのプロセスがボトルネックになるかが明確になり、事業の正しい骨格が見え始めたのです。
立ち上げ2か月で見えた現在地と深い学び
現在、プロジェクトはまさに「立ち上げの真っ只中」にあります。法人登記からわずか2カ月という非常に初期フェーズでありながら、すでに多方面で準備と実行が同時並行で進んでいる状況です。
具体的には4つの領域に集中して取り組んでいます。まず事業設計の再構築では、教育から渡航、定着までのフロー設計、採算ラインの明確化、リスクマネジメントの再構成など、事業全体の骨格をより強固にする作業を進めています。グローバル人財事業は制度・国別ルール・企業ニーズ・教育の複数の要素が絡むため、立ち上げた後も「戦略の正しさ」を常にアップデートする必要があります。次に顧客開拓では、ホテル・外食・製造・介護等への提案準備を進め、現場課題のヒアリングを通じて「どんな人財が、どのタイミングで必要か」を把握しようとしています。アライアンス構築においては、現地の送り出し機関との協働体制、登録支援機関・監理団体との連携、行政・自治体との関係構築など、信頼できるパートナーづくりに力を入れています。そして仲間集めでは、創業メンバー3名から事業を拡大していくため、営業、オペレーション、グローバル人財の支援などの担当者が必要な段階に入っています。
この短期間で最も大きな学びとなったのは、「ニーズと現場のリアルを統合する視点」の重要性でした。留学・技能実習・特定技能・技術人文国際など、それぞれの在留資格には独自のルール・条件・制約があります。しかし、どれだけ制度を理解しても、日本企業の本音、現地学生と家族の不安、現場の受け入れ体制、国ごとの文化と価値観と合致しなければ、事業は前に進まないのです。
『制度×現実×期待値』──この3つを常に「つなぎ直す」ことが、ビジネス設計では最も重要だと気づきました。行政、企業、教育者、現地関係者、それぞれに「正しさ」があるため、立場が違えば意見も正反対になります。その中で私たちは、IKKで大切にしている価値観である「素直」を大切にし、アドバイスをそのまま採用するのではなく、本質をくみ取り、自分たちの事業の文脈で再構築するという姿勢を徹底しました。正解を探すのではなく、自分たちで「正解を作りにいく」。これが、複雑な事業を前に進める原動力になったのです。
世界中の人々の挑戦を支える組織として描く未来社会
今後のプロジェクトでは、日本語教育の体制づくりとアライアンスに積極的に取り組んでいきたいと考えています。海外からいらっしゃる方のキャリアアップの阻害や、地域になじめないことの多くは、日本語能力に起因しており、政府も課題として認識しています。中長期的に必ず必要となるこの分野への取り組みは、避けて通れない道だと感じています。
そのためにも、弊社内でさらなる挑戦の場を準備することで、海外の方が活躍する象徴的な会社として、IKKグループ自体も進化させていきたいと考えています。社内でノウハウを蓄積し、実践を通じて学んだことを広く還元していく。それが私たちの使命だと思うのです。
このプロジェクトを通じて目指したいのは、「世界中の人々の挑戦と成長を支え、関わるすべての人の人生の可能性を広げていく組織」です。グローバル人財事業は、人の人生を預かるとても重い仕事だからこそ、事業としての成功よりも前に、人に真剣に向き合い、人を大切にするIKKグループが培ってきた価値観を体現し、社内外に還元していく組織でありたいと考えています。学生・家族・企業にとって「一番安心できる存在」として、国をまたいだ挑戦の不安を取り除き、安心と透明性のある組織を目指しています。
最終的に私たちが目指しているのは、「国籍や文化をこえて、誰もが挑戦し、自らを磨き、その努力が温かく迎え入れられる社会」です。人の挑戦は本人の努力だけでは実現できません。制度、文化、情報格差、言語、環境、偏見——その一つでも欠けると、挑戦の扉は閉ざされてしまいます。だからこそ、挑戦を妨げる壁を取り除き、挑戦が自然に応援される社会をつくりたいと思っています。理想の社会が実現した時、日本の地域社会は大きく変化しているでしょう。人手不足で閉店寸前だった店舗や、高齢化で担い手が不足していた産業に新しい働き手が加わり、地域経済が回るようになります。「人がいないからできない」が「人がいるから挑戦できる」に変わる世界です。グローバル人財は日本の未来にとって「補完」ではなく「可能性そのもの」。挑戦が応援され、多様性が力になり、世界中の人が日本の活力を支える社会こそが、私たちの描く理想の未来です。
