在宅勤務と育児を両立できる支援策が急務だった
2020年4月の緊急事態宣言により、学校の臨時休校や幼稚園・保育園が臨時休園という状況となり、当社でも在宅勤務と育児の両立が難しいため休業する社員が発生し始めました。
そのような中、在宅勤務に関するアンケート調査を実施したところ、子育て中の複数の社員から、「育児で仕事を中断される場面が増え、始業から終業まで連続して業務を続けることが難しい」といった声が寄せられました。
コロナ禍では、ベビーシッターのように人との接触がある施策の導入は困難です。人事担当として、子育て中の社員が、在宅勤務と育児を両立させることのできる新たな支援策が急務となりました。
スイッチのようにオンとオフを切り替える働き方
子育て中の社員を早急に支援するため、導入が容易な制度を模索し、「業務と休憩を柔軟に組み合わせる」というシンプルな制度に決めました。
スイッチのように業務(オン)とプライベート(オフ)を切り替えるという「スイッチワーク」と命名し、在宅勤務開始から約1カ月後に運用を開始しました。
当初は、日中に育児の時間をとると夜間の残業が助長されるのではないかといった懸念もありましたが、各自で「どうやって時間を捻出するのか」ということを工夫しながら時間を調整し、結果的には残業時間の変動はほぼ見られませんでした。オンとオフの切り替えを大事にする当社の社風とマッチし、制度が浸透しやすかったのだと思います。
また浸透するにつれて、子育て中の社員のみならず、兼業や資格取得、スキルアップの勉強など、自身のキャリア形成に役立てている例も多く見受けられるようになりました。もともと当社は兼業を推奨していましたので、その側面でも「スイッチワーク」が活用されたことはポジティブに捉えています。
一日に何度も出退勤を打刻できる仕様に勤怠システムを変更
「スイッチワーク」のような柔軟な働き方を推し進める中で、どう労務管理をするかも課題の一つです。導入に伴い、それまで使用していた勤怠管理システムを、一日に何度も出退勤を打刻できる仕様に変更しました。
これにより、出勤・退勤を何回繰り返しても、合計勤務時間の自動計算が可能です。社員がいつ「スイッチワーク」を取得するかについては、カレンダー上で時間を登録したり、チャットツールなどで共有しています。
生産性と働きやすさが向上
在宅勤務開始1年後に実施した社員アンケートでは、65%が「スイッチワーク」を利用したと回答。また、仕事の生産性や能率が上がったという回答も71%で、ポジティブな声が多く寄せられている現状に、良い方向に進んでいる手応えを感じています。
さらに社員本人だけでなく、ご家族からも「家でよく笑うようになりました」「(カオナビに)転職してから、顔つきが優しくなった気がします」「子どもたちと毎日会えるようになり、日々の成長を見るのが楽しみです」といった嬉しい声が寄せられ、人事を担当する一人として非常に勇気づけられています。
これまでコロナ禍で在宅勤務を推奨する期間が続きましたが、今後は出社する機会も増えていくはずです。「スイッチワーク」は、もともと在宅勤務を機にできた制度ではありますが、出社時にも利用できる制度です。どちらの働き方であっても有意義に活用し、生産性高く働いて欲しいと考えています。
今後もHRテクノロジー企業として柔軟な働き方制度を充実させていきたいですし、私たちの取り組み事例が、少しでも皆さまのご参考になれば大変嬉しく思います。

