独立を検討したことで見えたフリーランスの課題

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▲サービスを始めた当時の阿夛

多様な働き方が推進されている昨今。メタップスでエンジニアとして働く阿夛本人も、およそ3年前にフリーランスとして独立することを考えていました。しかし、自由な働き方に魅力を感じるものの、フリーランスならではの“ ある問題” に直面します。

阿夛 「フリーランスについていろいろと調べていると、『知り合いづてに自分の好きな仕事が手掛けられそう』という気持ちが芽生えました。一方で、社会的な保障が受けられなかったり、ローンやクレジットカードの審査で不利になったりするなど、フリーランスならではのデメリットも感じたんです。

自由な働き方が実現できるフリーランスに憧れる人は多いものの、フリーランスが働きやすい環境が整っているかといわれれば、そうではないと思いました」

フリーランスエンジニアは、どの企業にとっても今や欠かせない存在です。そのような中で、エンジニア不足を感じる場面が多いと話す阿夛は、フリーランスが安心して働ける環境の整備に取り組むことを決心します。

阿夛 「メタップスでも、業務委託で開発に携わってもらえるフリーランスエンジニアの数は、右肩あがりで増加していました。しかし、フリーランスが安心して働ける環境は整備されていない。世の中的なしくみや国としての制度が追いついていないため、その間を埋めるサービスとして『フリーランス型正社員』を発案しました」

構想から2年で「フリーランス型正社員」の制度化を実現

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▲チームでの話し合いの様子

フリーランスが会社員と同等の保障を受けながら、自由に働けることを目的に2020年2月に始まったフリーランス型正社員。その概要について、阿夛は次のように話します。

阿夛 「フリーランス型正社員は、正社員としての安定・信用を確保しつつ働くことができる制度です。メタップスでは『特定専門職社員』として雇用契約を結びます。出勤日数や労働時間数を個別に定め、評価指標に応じて給与が支払われ、特定の専門業務に従事します。

フリーランス型正社員としての契約を結ぶ前に請け負っていた仕事は、メタップスが間に入って、直接取引先と契約を結ぶ形で継続ができるしくみです。バックオフィスの業務などはメタップスが代行し、社会保険の加入や福利厚生も受けられます。仕事を受注して立った売上のうち、社会保険費用などを除いた8割を社員に還元しています」

フリーランスとしての自由度が担保されつつ、保障や信用が増すことにつながっているフリーランス型正社員。フリーランスにとってたくさんのメリットがあるこの制度は、実現までに2年の歳月を要しました。

阿夛 「フリーランスと正社員は真逆の働き方なので、こういった働き方が本当に実現できるのかどうか、悩んだ部分はありました。似たようなしくみはありましたが、完全に実現できている企業は他になかったからです。

また、私はエンジニア一本で働いていたので、労務関連などの知識はまったくありませんでした。そのため制度を検討するにあたって、まずは社内の経理や人事・労務担当者など、それぞれの分野の専門家に相談をしましたね」

当初は自ら起業することも考えていたという阿夛。しかし、信用力のあるメタップスだからこそ制度化を実現できたと話します。

阿夛 「この制度で重要なのは会社の信用力です。メタップスの経営陣も制度の重要性を理解してくださり、『働き方の多様化推進プロジェクト』として始動しました。長年の信用を積み上げ、制度に対する理解や柔軟性のあるメタップスだからこそ、実現できたと思います」

周囲の力を借りながらアイデアを形にしつつ、理解者や支援者をつくったことで、フリーランス型正社員という制度は取締役会で正式に承認されます。そうしてフリーランスの新たな働き方に向けて、阿夛は本格的に動き始めました。

阿夛 「会社員という制度の中で、フリーランスという働き方をどこまで再現できるのか、はじめはその点を意識しましたね。徐々に制度のしくみが整っていき、最低限が再現できるようになったので、本格的に打ち出していくことを決めました」

従業員も企業も「win-win」のしくみ

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▲フリーランス型正社員第1号の山口さん

2022年1月時点で、メタップスでは3名がフリーランス型正社員として活躍しています。

阿夛 「現在、1カ月に1人、2人程度は面談をしています。フリーランス型正社員として働いてもらうときは、違和感なく働いてもらえることが理想です。インターネットに載せている情報だけでは説明不足な部分もあるので、しっかりと大枠の話をして理解を深めてもらっています」

実際にフリーランス型正社員として働く社員からは、次のような声があがっているといいます。

阿夛 「『所得税の手続きなどは会社がやってくれるので、手間が省けた』『働き方はフリーランス時代と一緒で、何も不都合がない』という嬉しい声があがっています。勤務日数・勤務時間といった部分がフリーランス時代とまったく変わっていないのは、フリーランス型正社員の大きなメリットだと考えています」

また、この制度は従業員だけでなく、企業側にも大きなメリットがあると話します。

阿夛 「必ずしもメタップスの開発を請け負うわけではありませんが、正社員としての関係性を結ぶことで、『メタップスにより近いポジション』のフリーランスを増やせます。たとえば社内で新規事業を立ち上げるときに、人手が必要になれば頼れる存在が増えることにつながります。

『超売り手市場』といわれているエンジニア人材の確保は、どの企業でも重要な課題です。フリーランスとして活躍できるほどの優秀なエンジニアと、関係性を維持できることは企業にとっても大きなメリットといえます。従業員にも企業にも『win-win』のしくみです」

転職先を探すのではなく、「働き方」を探す

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▲ビジョンの実現のために

発案者の阿夛は、フリーランス型正社員という制度が他の企業でも導入されることで、働き方の多様化が前進すると考えています。

阿夛 「現在、企業がフリーランスに持つ期待値がズレているように感じています。『エンジニアを採用したい』と考えている企業は、フリーランスに対して『スポットで採用したい』と考えていることが多いんです。

私はそうではなく、1人のエンジニアとしてしっかりとお付き合いしたいと考えています。フリーランスでも長い期間をかけてお付き合いして、個人を大切にしたいんです。『自分はこういった働き方がしたい』と考えているエンジニアにとって、フリーランス型正社員が解決策になればいいと思っています」

そして、フリーランス型正社員という制度を通して、メタップスのビジョンを実現させたいと語ります。

阿夛 「メタップスのビジョンは『世界を解き放つ』です。一人ひとりが個として活躍でき、制約に縛られず活躍できる社会を実現させたいですね。また、転職先を探すのではなく『働き方』を選択できる状態になれば、より理想に近づくと思います。働き方を自分で選んで、多様な働き方を選択できる社会が実現できるよう、引き続き取り組んでいきます」

現在は広報活動の一環として、影響力を持つメディアを通した情報発信にも取り組んでいるメタップス。フリーランスが安心して働ける状態になるよう、メタップスは今後も挑戦を続けます。