安全と信頼を礎に。縁の下の力持ちとして、ANAグループのITインフラを支える
ANAグループのあらゆる業務やシステムをITインフラの側面から支えているのが、神保が所属するITインフラシステム部です。
「ITインフラシステム部は『安全と信頼を礎に ITインフラから未来を創る』をミッションに掲げており、どんな業務にも欠かせない安心感を提供するいわば『縁の下の力持ち』です。部全体で約70名が在籍しており、ネットワーク、プラットフォーム、デバイスという3つのチームに分かれています」
その内、約半数が占めるネットワークチームに所属している神保。航空機の運航にも直結する重要な領域を任されています。
「全拠点の社内ネットワークシステム」の国内外の開発を担当しています。
「たとえば、空港でお客さまが操作されるチェックイン端末なども、すべてこのネットワークで管理されています。そうした端末の裏側の構築や、古くなったルーターなどの機器交換を行っています。また、『最近、ネットワークが重い』といった声があれば、通信データ量など利用状況を分析し、国内外問わず増速対応も行います」
こうした日々の業務の中で、神保が心がけていることがあります。
「ネットワークは『使えて当たり前』と思われがちですが、その環境を私たちが支えているからこそ、グループ社員の皆さんが安心して業務に取り組めるのだと誇りを持っています。
大規模な拠点などの現場では、設定ミス1つが空港全体の通信停止につながる可能性もあります。責任感と緊張感を持ち、『当たり前の環境を、当たり前に提供し続けること』を何より大切にしています。
実務では『まずは自分でやってみて、わからなければすぐ質問する』という姿勢を心がけています。チームにはベテランの先輩が多く、困った時に頼れる人がいることがとても心強いですね」
専攻を活かし、航空業界のネットワーク領域へ。現場での実践を通してステップアップ
神保がITの世界に足を踏み入れたのは大学時代。将来、仕事で活かせる知識を習得したいと考え、情報学部への進学を決めました。
「プログラミングとネットワークを学ぶコースの中で自分の適性を模索した結果、ネットワークを選択しました。実際に機器をつないで通信できるか・できないかという結果が明確に出るところがわかりやすくておもしろいと感じ、基礎から学んでいきました」
就職活動では、ネットワークの知識を活かせる企業を探す中で、ANAシステムズに大きな魅力を感じたと言います。
「『IT・ネットワーク』という軸に『航空』という領域を掛け合わせられる点に、唯一無二の強みがあると感じました。飛行機を飛ばすことにITがどのように関わっているのか、非常に興味が湧いたんです。他社の内定もいただいていましたが、迷うことなく入社を決めました。私を含め、航空の知識があまりない同期もたくさんいたので、『飛行機が大好き』という人でなくても活躍できる土壌があります」
2024年に入社後、まずは2〜3カ月間の集合研修でITの基礎を学びました。その後、希望していたITインフラシステム部 ネットワークチームへ配属され、今度は3〜4カ月間の部署研修でネットワークやインフラについて学びました。
「IT未経験の同期も多かったため、研修内容は基礎からのスタート。私にとっては、大学で学んだ知識を復習して定着させる貴重な機会になりました。その後はOJTとして現場での実践に入りました」
先輩のサポートを受けながら、PM(プロジェクトマネージャー)として、小規模な案件の主担当を任されます。
「小規模な空港における機器の入れ替え業務という、4〜5カ月ほどのプロジェクトで、まずは見積作成からスタートしました。それを受けてプロジェクト稼働が正式に決まったら、作業日程や内容の策定、手順書や計画書のチェック・修正などを行います。
さらに、実際に作業を行うビジネスパートナーの手配も自分で行い、アサインしたエンジニアの方と一緒に作業計画を練り上げていきました」
ネットワークの知識を持ちつつも、現場では思わぬ壁にぶつかったと神保は振り返ります。
「ビジネスパートナーの方々と共に仕事をするのですが、最初の頃は、進行管理を行うことが難しかったですね。とくに私は作業を行う際、『なるべく早く』などと期日を曖昧にしがちで、進行がスムーズにいかないこともありました。
そこで、円滑に進めている先輩たちの立ち振る舞いを観察したところ、彼らは『いつまでに何を完了させるか』を明確にスケジュール化していました。それを真似るようになってからはうまく進められるようになりました」
主担当案件と並行して、先輩が担当する案件にもサブ担当として参画し、多くの実務を経験。任される案件の規模も徐々に大きくなっていきます。
「中規模案件になると関わる人数も増え、トラブル発生時など、自身の判断を求められる場面も増えます。そんな時は1人で抱え込まず、いろいろな先輩に『こういう場合、どう対応しますか?』と意見を聞いて情報を集めました。その上で自分が最も納得できる決断を下す訓練を重ねたことが、ステップアップにつながりました」
海外出張で直面した困難。解決策の材料を集め、もう一度挑戦
入社2年が経とうとする2026年2月、神保は初めての海外出張の機会を得ます。
「まず、先輩の代理としてアジア地域にある拠点へ行き、ネットワーク機器の入れ替えに立ち会いました。そこに3泊4日滞在し、帰国した翌日、今度はアメリカへ向かい、同様にネットワーク機器の入れ替えに立ち会いました」
これは入社1年半の頃から主担当として任されていた案件でした。
「北米エリア全体の通信を集約する、重要な拠点の機器を交換するプロジェクトでした。それが機能しないと北米におけるANAグループが利用している通信がすべて止まってしまうため、プレッシャーはかなり大きかったですね。
でも、上司の手厚いサポートもあり、私ならできると信頼してアサインしてくれたのだと感じています」
現地での社員は神保1人だけ。作業は、一筋縄ではいかなかったと言います。
「実は1回目は作業がうまくいかず、途中で想定外の事象が発生してしまったんです。影響を避けるため、システムを安定状態に戻す『切り戻し』を行って安全に作業を中断し、一度帰国することに。正直、その時は落ち込みましたね」
予期せぬトラブルが発生した現場。それでも神保は状況を冷静に分析し、できる限りの行動を取りました。
「オンラインで日本にいる上司と協議しながら分析に必要なデータを洗い出しました。物理的な配線の抜き差しや電源のオン・オフを行い、機器のランプ状態やどの操作が影響を与えたのかなどの情報を詳細に収集して、日本に持ち帰りました」
データを詳細に検証し、問題の原因を突き止めて解決策を検討。そして1カ月後、再び渡米します。
「失敗が許されない状況でしたが、なんとか無事に作業を完了させることができ、心から安心しました。対処プロセスを含めて、問題解決にはどのような情報やデータが役立つのか身をもって学べたことは、大きな経験値になりました。
また、重要な拠点の機器を交換する機会は、数年あるいは数十年に1度レベルの貴重な経験です。若手のうちにこうした大規模プロジェクトに携われたことは、今後のキャリアにおいて財産になると感じています」
失敗を乗り越え、グローバルな舞台でロジカルな問題解決力を身につけた神保。あらためて、仕事の魅力をこう語ります。
「日本全国や世界各国など、ANAが飛行機を運航しているすべての拠点が自分の仕事のフィールドになる点です。規模が非常に大きく、拠点ごとに課題や特色が異なるため飽きることがありません。
また、たとえばネットワークの増速対応を行った際、ユーザーの皆さんから『仕事が快適になりました』と感謝の声を直接もらえることも大きなやりがいです。ダイナミックな規模感とユーザーとの距離の近さを両立している、とても珍しい仕事だと実感しています」
「神保に頼みたい」。困った時に一番に名前が挙がる存在をめざして
数々の案件を乗り越え、着実に成長してきた神保。この先めざす明確なビジョンがあります。
「さまざまな大規模案件を経験していく中で、『ITインフラシステム部の神保に頼みたい』と指名されるくらい、周囲から深い信頼を得られる存在になっていきたいと考えています」
神保は個人の技術力向上だけでなく、チームの育成にも目を向けています。入社3年目にして、今年入社した新入社員のメイン教育担当を任されています。
「人に教える立場になって初めて、自身の理解が曖昧だった社内システムやネットワーク技術の知識に気づかされることが多くありました。後輩を指導しながら、自分自身も一緒に成長している感覚です。
今後は担当している社内ネットワークシステム領域の知識をさらに極め、後輩たちにとっても、『まず相談したい』と真っ先に思われる、頼れる先輩になりたいですね」
最後に神保は、これからインフラエンジニアを志す未来の仲間たちにメッセージを送ります。
「ANAシステムズはIT未経験で入社する社員も多く、実際に私の後輩も、文系出身ながら知識をつけ、海外出張にも行くなど活躍しています。ITへの興味さえあればスキルアップできる土壌がありますので、未経験の方もぜひ挑戦してほしいです。
経験者の方であれば、ITの基礎知識がある分、航空分野をはじめ、プロジェクト管理やコミュニケーションスキルといった新たな知識の習得へ早期にリソースを割くことができます。きっと即戦力として活躍できると思います」
当たり前に機能するネットワークの裏側には、日々学び続ける若きインフラエンジニアの姿があります。航空×ITの力を最大化しながら、神保はこれからも挑戦を続けていきます。
※ 記載内容は2026年9月時点のものです
