お客様のために何ができるか──法人融資担当として、地元企業に寄り添う

秋田銀行土崎支店で法人融資を担当するOyama。土崎は港町という地域特性から、漁業関係の企業や運送・運搬業、メンテナンス業などのお客様が多いのが特徴です。
「私の主な役割は、既存のお取引先を定期的に訪問し、お客様のお悩みや今後の事業展開についてお話を伺うことです。その上で、お客様のために秋田銀行として何ができるかをチームで話し合って提案したり、同業種のお客様の事例を紹介して今後の事業の方向性を一緒に考えたり、という仕事をしています」
土崎支店の法人融資担当は、係長2名、主任であるOyama、他の行員4名という計7名体制。支店全体では30名程度が在籍する大規模な支店で、最近は地域の産業構造の変化に伴う相談も増えていると言います。
「秋田市内にあった火力発電所が廃止になったことを受けて、関わっていた企業の方たちから『新しい事業分野を開拓したい』というご相談が増えましたね。そうしたケースでは、本部の情報ネットワークを活用して『こういう業種で事業展開してみてはどうですか?』と提案したり、お客様同士を新たにマッチングしたりもします」
日々お客様と向き合う一方で、Oyamaは若手行員の人材育成にも携わっています。
「実は昨年10月から今年3月までの半年間、審査部・企業経営支援室の短期トレーニー制度の参加者に選ばれて、経営改善や事業再生のノウハウを学習する機会をいただきました。土崎支店は若手行員も多いので、私がトレーニー制度で学んだ融資のスキルや考え方、審査の見極め方などを後輩たちに教えていきたいと思っています」
銀行の内外でさまざまな人と接するOyamaが大切にしているのは、「何をしたらお客様が喜ぶのか」を考え抜くこと、そして素直で正直であることだと語ります。
「お客様は何を考えているのか、どうしたら喜んでいただけるのか、この発言の裏にある意図は何かを常に考えて行動する姿勢は、新入行員時代に尊敬する先輩から学び、今でも指針としています。
また、後輩とのコミュニケーションでは、気を遣いすぎることなく、伝えるべきことは素直に正直に伝えるようにしています。たとえば私が叱った時でも、後輩の成長を思っての行動であれば必ず伝わるはずですし、その後のフォローもしっかり行った結果、いろんなことを相談してもらえる関係性を築けたと思っています」
地元企業を支えたいと秋田銀行へ。想定外の配属先で、かけがえのない出会い

県内で生まれ育ち、地元の秋田大学へ進学したOyama。秋田という土地の豊かさ、食のおいしさ、人々の温かさを感じながら学生生活を送りました。
「自然豊かな秋田には、田沢湖や鳥海山をはじめ大好きな場所がたくさんあります。おいしいものも豊富で、個人的には秋田のラーメンはどの店もレベルが高くておすすめですね。そして何より優しい人が多くて、就職するなら秋田をより良くする仕事がしたいと考えました。
そして選んだのが、秋田銀行。地元企業の成長に必要な設備投資には当然お金が必要で、それを支えるのが銀行の役割です。多くの企業を支援することで地元の発展に貢献できますし、秋田銀行の経営理念である『地域共栄』という考え方に深く共感したことが入行の決め手になりました」
こうして2017年に入行したOyamaが最初に配属されたのは、予想外にも北海道の旭川支店。当時の心情をこう振り返ります。
「現在は、新入行員が県外の支店に配属されることは基本的にないのですが、私は入行式のタイミングで配属先を知り、まさか秋田から一番遠い支店に行くとは思っていなくて(笑)。90名近くいた同期の中で、旭川支店への配属は私1人だけで、最初は不安でいっぱいでしたね」
知らない街でスタートした社会人生活。しかも北海道という、秋田銀行にとっては“アウェイ”での営業活動に取り組むこととなったOyama。しかし、当初の不安はすぐに払拭されたと言います。
「エリアはアウェイであっても、支店には心強い先輩たちがいて、安心して仕事ができる温かい場所でした。旭川支店では新規先営業に力を注いでいましたが、当然県内ほど知名度がないので、まずは秋田銀行のこと、自分のことを知ってもらうことから営業が始まります。
県内の支店に比べて、契約に至るまでの時間は長くかかりますが、その分達成感がありますし、時間をかけて信頼関係を築いたお客様から相談を受けた時は、とても嬉しかったですね」
Oyamaが想定外の配属を前向きに捉え、成長できたもう1つの要因──それは、尊敬する先輩との出会いでした。
「旭川支店時代の主任が私に銀行員のイロハを教えてくれた人であり、今でも目標にしている先輩です。厳しい中にも愛があり、支店を引っ張ってくれるリーダーシップもある方で、『お客様は何をしたら喜ぶか』を考え抜く姿勢も、その先輩から学びました。
お互いに異動した後も連絡を取り合う関係で、実は今、その先輩は近くの支店にいるんです。先日は私が担当している農業を営むお客様の商品を、先輩が担当するレストランに卸すために顔合わせをしました。一緒に仕事をする機会があると私の成長をとても喜んでくれて、『自分もこんな銀行員になりたい』と思える兄貴的な存在ですね。
県外への配属や異動と聞くとネガティブな印象があるかもしれませんが、いろんな支店や部署に行くからこそ、かけがえのない人に出会えることもあります。たくさんの人に出会って、いろんな経験を積んだからこそ今の自分があるのだと思いますね」
研修制度で経営改善や事業再生の経験を積み、銀行員としてさらに成長

旭川支店に3年間勤務したOyamaは、その後本荘支店を経て現在の土崎支店へ。いずれも法人融資を担当してきましたが、県内では秋田銀行の豊富なネットワークを活かし、濃密かつスピーディーな提案が可能だと胸を張ります。
「これまでさまざまなお客様を支援してきましたが、とくに印象に残っているのは、ある企業の社長から『従業員のために福利厚生を見直したい』という相談を受けた時のこと。私自身も福利厚生について十分な知識がなかったのですが、『お客様のために100%の回答を返したい』という想いがありました。
そこで、帰宅後やバス通勤の時間を使ってiDecoなど国の制度について徹底的に調べ、ノートにまとめて提案をさせていただきました。社長はとても喜んでくれて、今でもそのノートを保管して活用してくださっていると聞いています。
学生時代は、銀行=融資というイメージしかありませんでしたが、実際には預金、保険、投資信託、そしてコンサルティングと、とても幅広い業務があるのだと実感しています」
そんなOyamaが、銀行員としてさらに成長するきっかけとなったのが、昨年参加した短期トレーニー制度。これは、秋田銀行が地元企業の経営再建を担える人材の育成を強化するために2022年から始まった研修制度で、Oyamaは二期生として選ばれました。
「半年間、支店にはほとんど行かず、審査部で経営改善に関する知識や実務をみっちりと学びました。主にコロナ禍の影響で業績が悪化した企業の立て直しをお手伝いしたのですが、例えばホテル業であれば、宿泊者数や収益性の分析、料金体系、周辺環境の調査やマーケティングまで、支店では学べない細部まで入り込んで企業分析を実施しました。
そして、うまくいかない原因を突き止めて、お客様とすり合わせながら改善計画を練っていきました」
これまで以上にお客様の話を深く聞き、学んだ知見をもとに分析する──こうした経験を積むうちに、Oyamaは法人融資という仕事の魅力を再認識したと言います。
「お客様との面談前に、その業界や地域の特性や状況を調査しておくと、実は経営者も気づいていない課題が見えてくることがあります。それを踏まえた分析や提案をすることで、お客様からさらに信頼される銀行員になりたいですね。
同じ企業に融資する場合でも、銀行側の担当者によって提案内容や方向性が異なるという意味では、法人融資には無限の可能性があると思っています。『自分は融資担当として企業のために何をすればいいのか』をとことん考え、責任を持って提案できるところに、この仕事のやりがいを感じています」
学び続ける姿勢を大切に、「秋田愛」にあふれる仲間と一緒に「地域共栄」をめざしたい

秋田銀行に入行して7年。Oyamaは、自身がめざす理想の銀行員像についてこう語ります。
「お客様が悩んだ時や相談したい時に、真っ先に顔が思い浮かぶような銀行員になりたいと考えています。そのためには常に学ぶ姿勢が大切だと思うので、直近の目標は事業性評価に関する資格や企業経営アドバイザー資格を取得することですね。
実は私は、新入行員が金融系資格試験に臨むための指導員も務めているのですが、私自身も学び続ける姿を見せることで、一緒に頑張ろうと思ってもらえたら嬉しいですね」
秋田銀行の魅力を尋ねると「優しい人が多く、新入行員を大切にする企業文化」だと答えるOyama。近年は人材育成にさらに力を入れ、行員の成長を組織全体でサポートする風土が根づいていると言います。
「また、地域や地元の人々、文化と深く関わる仕事ができることも、秋田銀行の大きな魅力です。秋田県内には国指定の重要無形民俗文化財が17件もあるのですが、私は正直、学生時代はそうしたことにあまり興味がありませんでした。
でも、秋田銀行の一員として地域のイベント行事やお祭りに参加するうちに、長い歴史や素晴らしい文化があることに気づき、より秋田が好きになったんです。いろんな地域に足を運び、そこで暮らす人たちと触れ合うことで、学生時代とは違う視点で秋田の魅力を発見できる仕事だと思いますね」
最後にOyamaは、今後秋田銀行への入行を考える学生たちに向けて、メッセージを贈ります。
「私が一緒に働きたいと思うのは、何より秋田を愛している人ですね。秋田銀行のすべての業務は、直接的あるいは間接的に地域貢献につながるものなので、地元愛がある人にとってとてもやりがいのある仕事だからです。
周りには優しく優秀な先輩たちがいるので、私が初配属先で尊敬する先輩と出会ったように、目標とする人を見つけることが成長の近道かもしれません。『地域共栄』をめざし、一緒に秋田をより良くしたいという方に入行してほしいですね」
※ 記載内容は2024年10月時点のものです