広く、そして、深みも出せる『技術力』に惹かれて
クルマの未来を創造する先行技術開発部。そこで活躍する2名の経歴をたどります。
吉田:学生時代は工学部で電気電子工学を専攻、2006年に経営統合前*のアイシン・エイ・ダブリュ株式会社へ入社しました。10年以上、HV トランスミッションの制御開発を担当してきました。分野としては、先行開発から海外顧客との量産開発まで携わり、2020年に先行開発部署へ異動しました。アイシンの製品を連携制御し、『嬉しさ』を創出する車両統合制御開発に従事。2023年に室長へ昇格し、現在は約40人のメンバーをマネジメントしています。
吉田:「車両統合制御」とは、ブレーキやモータ、シャシーなどの製品を連携して制御することです。数多くの製品を扱っているアイシンの強みを生かし、各製品の担当者が組織にとらわれず活発な議論ができる環境で、笑顔あふれるモビリティ社会をつくるべく、チーム一丸となった開発を推進しています。
*2001年4月にアイシン精機株式会社とアイシン・エィ・ダブリュ株式会社が経営統合し、株式会社アイシンを設立
加藤:私は学生時代に情報セキュリティを専攻していました。2021年に設計開発を行う製造業向けの技術開発支援を行うエンジニアリング企業へ入社しました。入社後にアイシングループのプロジェクトにアサインされ、AT油圧制御のMBD(V字の下流)開発を担当しました。その後自動車メーカー内のプロジェクトでEV システムの仕様書作成等を経験しています。2024年に株式会社アイシンへ転職、キャリア採用として入社しました。入社以降モータ制御開発に携わっています。ハードウェアの性能を十分に引き出すため、モータ制御パラメータを決定する業務を行っています。また、適合を進める上で発生した制御の課題にも取り組んでいます。
キャリア採用として入社した加藤。数ある会社の中からアイシンを選んだ理由についても話します。
加藤:前職では自動車メーカーの立場と自動車サプライヤーの立場それぞれで業務を経験できました。それは現在の私の強みの一つだと考えています。ただこの先の自分のキャリアを考えたときに、『もっと技術を高めたい』と感じ、それを実現する環境として「アイシン」に入社しました。実は社会人になって初めて携わった仕事はアイシングループの仕事。そういう面ではどこか縁と言いますか、親近感があったこともアイシンに応募したきっかけですね。当時から感じていたことは、働くメンバーの間に壁がないということ。それは部署内であっても、他部署に対しても。加えて、技術力を持った大きな会社という一般的なイメージも併せ持っていました。
転職をしてアイシンへ入社…外から見た・感じたアイシンの印象・イメージと実際のギャップはなかったのでしょうか。
加藤:ギャップというものではないかもしれませんが、入社1〜2年目でも技術の高い方が多い印象を受けました。同年代でもレベルの高いことを行っており、全体的に知識や技術レベルが高い印象を持ちました。そうした周囲からの刺激を受けることで、与えられた業務をこなすだけではなく、より成長する必要性と成長したいという思いが強まっています。
新たなメンバーが与えてくれる刺激。サプライヤーだからこそ感じるやりがい
アイシンではよりよい技術を世に送り出すため、外部の企業を経験した人材をキャリア採用として迎え入れています。そうした新たな人材たちが良い刺激になっていると吉田は語ります。
吉田:他社で働いてきた経験を持つ人材からの刺激は大きいです。加藤くんは私とは別の室になるのでこうしてお話しするのは実は初めてなんです。ただすでに仕事上で彼の話がでてくることもあり、早速活躍している様子は聞いていました。それは私以外の社員に対しても良い影響だと思います。
吉田:私は一貫してアイシンで働いているので社外の文化から気づかされることも多いです。ひとつの文化や考え方に染まらないようにしようという考えが持てるのは、良いことだと思います。例えば、同じ分野でも社内と社外では考え方ややり方が異なるもの。作業効率や技術経験、人材育成についても新たな刺激を受けることが多いので、さまざまな刺激をいただける存在です。
アイシンでキャリアを積み上げてきた吉田。当時ファーストキャリアにアイシンを選択した理由を振り返ります。
吉田:私の入社の経緯は、大学在学中にリクルートに来てくれた方が情熱的だったことに尽きます。リクルート活動を忘れるほどに情熱的に話してくれたので、なんだかそこに憧れて入社してしまいました。やっている仕事よりも、「この人と働きたい」と感じたのだと思います。この熱量が高い技術力を生み出しているんだ、その一員になりたいと。入社して感じたのは自由にコミュニケーションができるところでしょうか。皆こだわりを持っているから情熱的に発することができるのだと同時に思ったことを覚えています。
吉田が長年携わっている制御についても聞いてみました。
吉田:制御の魅力…なんでしょうね。自分のやった仕事のアウトプットが体感できるところにある気がします。私がやってきたものを端的に言えば、ハイブリッド車においてエンジンを始動する制御=トランスミッションに携わってきました。コーディングして実装すれば、すぐにクルマに乗って実感できるところは魅力ですよ。
入社以来、クルマづくりに携わってきた吉田が考えるサプライヤーで働く魅力とは。
吉田:クルマの仕事=自動車メーカーの仕事と連想する方も少なくないと思います。ただ私はアイシンというサプライヤーならではの嬉しさを感じる瞬間が多いと感じます。これまでの日本だけでなく、海外お客さまのプロジェクトにも携わってきました。文化の違いや経営方針の違いもあれば、お客様のクルマのつくり方も違います。だからこそ、求められるものも異なりますし、良しとする方向性も異なる。クルマの放つ雰囲気も異なる。それぞれの良さをそれぞれの顧客に届けられることがサプライヤーにしか味わえない仕事の魅力です。アイシンは、やりたい思いがあれば、やりたいことをやらせてくれる会社です。「自由」で、チャレンジを後押ししてくれるそんな環境だったから今の自分がある、そのように感じています。
技術屋の自信と誇りを持ちながら、奢らずにアップデートをめざす
キャリア採用として入社した加藤も着実に経験を積んでいると実感しています。
加藤:入社してすぐのときに、社内で「モータハードを変える」という検討をされていて、そのうちの制御的な検討を任されました。まだまだ知らない中で進めないといけなかったこともあり、とにかく大変であったことを覚えています。ついこの間のような気もしますが、なんとか形にしてやり遂げました。
どのようにしてその課題をクリアしていったのか。
加藤:正直、何から始めて良いかすらもわかっていなかったので、とにかく周りの方々に教えてもらいながら。協力と言いますか、頼ってばかりでした。今では、実践的に覚えていくこと、自分で考えること、周りから協力を取り付けることなど、アイシンで仕事をするうえで必要なことを少しは体感できたと感じています。
現在の仕事内容である「モータ制御開発」の魅力はどんなところにあるのか。
加藤:深く携われるのは性に合っているのかなと感じています。モータとして新しい技術にトライしていけますし、深くやっていけるのはとにかく魅力です。少し大学の研究に似ている気がしています。会社としてeAxle(電動駆動モジュール)をさまざまな車種に適合させる技術はもちろんのこと、小型軽量化と高い電費性能の実現をめざしており、まだまだ知らない技術も多いので臆せずチャレンジをしていきたいと思います。
吉田:アイシンという会社は、本当にいろいろな製品を持っています。シャシーやボディ、ナビ…それらの強みを組み合わせて、制御としてはクルマ目線の嬉しさを見出していこうと日々励んでいます。各製品の担当者が集まり議論する際などは、良くも悪くもそれぞれの製品にプライドを持っているので、議論が白熱することも。皆が情熱をもって良い製品を作ろうという気持ちが伝わってくるので、私たちも負けてられないと、そういった空間もモチベーションにつながっているかと思います。
ときにぶつかるときもあると思いますが、そんなときは何が大事になると考えるのか。
吉田:結局は、相手の話を聞いて、腹落ちして、理解することでより良い製品が生まれていっています。ツールが発達して便利さは増しましたが、やはり対面で想いをぶつけ合うことは、ときには必要なのかもしれません。社内で意見をぶつけ合い、より良い方向へ向かう際の瞬発力も個人的にはアイシンらしいなと感じるポイントです。大きな話でまとめてしまうようですが、やはり、仕事は人と人なのだとつくづく感じています。
この先のアイシン。この先のクルマ。この先の自分。
吉田:アイシンの経営理念「“移動”に感動を、未来に笑顔を」というものがあります。これはいろいろな解釈ができると思っていて、移動=人の移動、クルマの移動だけではなく、経験の移動、感情の移動なども含まれていると。すべてを内包できるものをお届けできるように。制御としては、いろんな部品を持っている会社なので、そういったものの魅力を高めることですべての人の笑顔をつくっていけたら良いな、と考えています。
ふたりが携わっている電気自動車は、この先どんな存在へとなっていくか。
加藤:この分野に身を置きながら、私は野性味溢れるような車に魅力を感じています。 この業界に入った理由も、そんなクルマが好きだからでした。ユーザーの中には「クルマは移動ができれば良い」と思ってる人少なくないと聞きます。クルマにはさまざまな魅力があるので、自分もそんな魅力を世に送り出す存在になれたらと考えています。
熱を帯びている加藤。クルマ業界にはこんな熱い人材が多いです。
加藤:便利もいいですが、趣味性の高いクルマもあっていい。個人的な目標であり、夢は、「便利なクルマ…ではなく」、「これでいいやで購入するクルマ…でもなく」、「面白い!」「欲しい!」と思ってもらえる電気自動車をつくっていきたいです。
電気自動車が持つ革新性、シンプルな構造、快適な居室を確保できる広スペース化も魅力のひとつだけれど、加藤はそれだけにとどまらない、と。
加藤:電気自動車はどれも似ていると言われることもあります。つくりたいのは、差別化できる電気自動車。乗って面白いと感じるものをつくっていきたいですね。ガソリンは排気量などで乗り味が変わりますし、MT車のように運転の楽しみを備えているクルマもあります。そんなように電気自動車ならではの出力や操作性で魅力的な製品が生み出せたら…と日々、考えています。
吉田:この先は、航続距離で差別化・効率の良い小型のモータ開発、静粛性で勝負…などが考えられています。エンジン車に比べて電気自動車はシンプルです。それがゆえにできることも多いはず。そう、電気だからできることは多い…そこにも着目していきたいですね。
さまざまな意見を持つ者が協力し合ってより良いものを生み出していく。そんなこれからのアイシンに欲しい人材はどんな人間だろうか。
吉田:100年に一度の自動車業界の変革期と言われる昨今、アイシンも変わらないといけないと感じています。自分の思いを持って、それを実現するために自ら動くことが大事だとも考えているので、それを実行できるように心掛けています。アイシンは、変えていこうという想いを持っている人を後押ししてくれる会社でもあります。そのため、強い想いを持っている方が適しているのではないでしょうか。
加藤:繰り返しになってしまいますが、アイシンの魅力は周りとの壁がないところにあります。巻き込んだり巻き込まれたり。そして、協力しながら働ける環境があるので、そういったところを魅力に感じる方が良いと個人的には思います。
若い世代と、どのように融合していくとさらに強みを増していけるのか。
吉田:先日、刈谷本社にあるコムセンター*に行く機会がありました。改めて感じたことは「これまでにいろいろつくってきたんだな。ただ世の中には広がらなかったものもあるんだな」と。けれども、いろんなことに挑戦することは大事。製品にはならないかもしれないが、取り組むことは大事で、それは経験となって先々で役に立つかもしれない。だからこそ、若い世代には壁をつくらずに継承・継続していってほしいと感じています。
*展示館「コムセンター」。展示施設内ではアイシングループの概要や活動紹介、歴代の製品展示などを行っています。
加藤:試行錯誤を繰り返して後世に残るものをつくっていきたいです。私の原動力になっている”クルマが好き”という気持ちを大切に吉田さんらの背中を追いかけて、いずれは追いかけてもらえるような人材になりたいです。
※ 記載内容は2025年5月時点のものです
