何もかもが初めてだった社会人1年目を乗り越え、仕事に慣れてくると、「このままでいいのか?」とふと立ち止まる瞬間はありませんか?2年目、3年目になると、転職の話を聞く機会も増え、キャリアの選択肢について考えることが多くなるでしょう。
もちろん、新しい環境に飛び込むのも一つの選択肢です。しかし、まずは自分のスキルを磨くことで、今の職場でも成長のチャンスを広げられるかもしれません。とくに、DX化やAIの発展が進む今、時代の変化に適応するためには、新たな知識やスキルの習得が求められています。
本記事では、そんな「学び直し」に焦点を当て、キャリアの可能性を広げる方法をご紹介します。
目次
・学び直しのメリットとは?
・社会人2〜3年目におすすめの学び直し方法
・「学びと挑戦でキャリアアップ」──資格取得、海外研修、副業で広がる可能性
学び直しのメリットとは?
学び直しをすることで、自己成長の停滞感から抜け出せるだけでなく、仕事で新たなチャンスをつかみやすくなったり、業務の幅を広げることができたりと、キャリアの可能性を広げることができます。
ここでは、さらに具体的なメリットをご紹介していきます。
・仕事への意欲が高まる
学ぶことで自信をつけることができます。その結果、仕事へのモチベーションアップが上がったり、新たな仕事へ挑戦する意欲が生まれたりするでしょう。
・仕事の幅が広がる
新しいスキルを身につけることで、今の職場でもより高度な業務や新たなプロジェクトに挑戦しやすくなります。
・仕事の成果が向上する
新たな知識やスキルを得ることで業務効率が向上したり、対応できる業務の幅が広がったりし、評価にもつながる可能性があります。
・キャリアの選択肢が広がる
スキルを身につけたり、資格を取得したりすることで市場価値を高めることができます。とくに、専門的なスキルや資格があれば、異業種・異職種へのキャリアチェンジがしやすくなります。
その結果、転職や独立も含め将来のキャリアの可能性を広げることができます。
・人脈を広げることができる
専門学校や社会人大学に通うほか、セミナーや勉強会に参加することで、出会いが生まれます。さまざまな人と交流することで、新たなネットワークを築くことができるでしょう。
社会人2〜3年目におすすめの学び直し方法
「学び直し」をしたいと思っても、何から手をつけていいかわからない方も多いでしょう。その場合、自分のキャリアを見つめ直し、学びなおす目的を明確にしていくと学ぶべき分野や方法が見えてきます。
すでに学びたい分野などが決まっている方も、一度目的を整理していくと、より効率的かつ効果的に学び直しができるでしょう。
ここでは、社会人2〜3年目におすすめの学び直し方法を3つのステップに分けてご紹介します。
▶ステップ1:自分のキャリア・現在の業務を棚卸しする
まずは、自分のキャリアや現在の業務を整理して、どのような経験やスキルがあるのかを振り返ってみましょう。
・これまでどんな業務を経験してきたか?
・得意なこと、苦手なことは何か?
・日々の業務で課題に感じることはあるか?
こうした振り返りを通じて、自分のスキルや経験の棚卸しを行うことで、次にどんな学びが必要なのかを見極めやすくなります。
「キャリアの棚卸し」の進め方についてはこちらを参考にしてみてください。
↪︎「キャリアの棚卸し」の進め方とは?具体的な手順とコツ
▶ステップ2:学ぶ分野を見極める
これまでの経験やスキルを振り返ることで、自分の強みや弱み、課題が明らかになったはずです。次のステップでは、学び直しによって強みをさらに伸ばすのか、それとも弱みを補完するのか、あるいは新しい職種に就くため新たに専門的なスキルを身につけるのか、方向性を定め、学ぶ分野を見極めましょう。
ここでは、スキルや知識の選択肢をいくつかご紹介します。
▷新しいスキルを身につける場合
・ITスキル
プログラミングやデータ分析、AI活用など
・語学
ビジネス英語、中国語など
・マーケティング
デジタル広告やSNS運用など
・経営知識
財務・会計、経営戦略、マネジメントなど
▷現在の仕事の専門性を深める場合
・業務に関連する資格
簿記、中小企業診断士、IT系の認定資格 など
・業界の動向やトレンド
所属する業界の最新技術、法規制の変更、消費者動向 など
▶ステップ3:学び方を選ぶ
学び方にも多様な選択肢があります。独学か教育機関で学ぶか、有料か無料か、オンラインかオフラインかといった選択肢の中から、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
・オンライン学習
動画や教材を活用し、場所や時間を選ばず学ぶことができます。
・資格取得
特定のスキルや専門知識を証明でき、キャリアアップにも有効的です。
・大学・大学院進学
より専門的な学びを深め、理論と実践を体系的に学ぶことができます。
・実務経験を通じた学び(副業・兼業・プロボノ など)
実際の業務を通じて学び、スキルの定着を図ります。
・勉強会・セミナー参加
業界の専門家や実務者から最新の知識を学ぶことができます。また交流会などが設けられていることもあるため、人脈を広げることもできるでしょう。
・書籍
手軽に知識を得られ、自分のペースでじっくりと理解を深めることができます。
企業によっては、福利厚生としてオンライン学習サービスの提供や資格取得補助、勉強会の開催、スキルアップのための副業制度など、学びをサポートする制度を導入している場合もあります。自分が所属する会社の制度も活用し、キャリアアップに役立てましょう。
「学びと挑戦でキャリアアップ」──資格取得、海外研修、副業で広がる可能性
ここからは、資格取得や夜間学校での勉強、海外研修や副業制度の活用など、実際に学び直しがどのように仕事に活かされているのか、実例を通してご紹介します。
※ 掲載内容は記事公開当時の内容です
▶︎大和ライフネクスト株式会社
事業内容:マンション管理事業、ビル・商業施設等管理事業、建設業、警備事業、貨物利用運送事業、コールセンター事業、損害保険、生命保険代理店事業
学び直しの経験:
髙橋さんは現在、業務と並行してある大きなチャレンジをしています。
髙橋さん 「2023年4月から夜間の専門学校に通い、一級建築士の合格をめざして勉強しています。大学では建築を学んでいなかったので、まずは学校に通って必要な単位をイチから取らなくてはいけません。今はちょうど卒業設計で模型を作りながら、試験に向けて日々勉強しています。
学校の授業は週6、平日は18時半~21時半まで授業があって、家に着くのは毎日22時半。仕事や育児との両立もあるので、忙しいですね。周りからは、なんでそんなに勉強するのとよく聞かれます(笑)」
髙橋さんは、一級建築士をめざすようになったきっかけがあると言います。
髙橋さん 「3年ほど前から開発プロジェクトなどに携わるようになったのですが、立場の違うステークホルダー間で対立する意見が出ることもあり、周りに流されず自分の判断軸を持って進めるためにはもっと知識を身につけなければいけないと感じていました。
そんな中、当社の社長(当時)と話す機会があり、社長から『開発担当でも建築の話をちゃんとできるようになった方がいい。そうすれば、お客様がこちらの目を見て話してくれるようになる』とアドバイスをもらったのをきっかけに資格取得をめざすことを決意しました。建築の知識と資格を持ってご説明をすることで、お客様に信用してもらえるようになりたいですね」
→ストーリー:管理会社が挑む「開発」の最前線──現場を意識した“人を動かす”空間づくりとは
▶︎株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス
事業内容:電子決済サービスの開発及び提供、情報プロセシングサービスの開発及び提供
学び直しの経験:
菊地さん 「どの分野、どの仕事に進んでも最初はわからないことだらけで勉強が必要です。技術系の仕事はとくに難しそうに感じるかもしれませんが、実際にやってみると案外できるものです。
不足している知識を補うために、私は資格取得に取り組みました。入社前にITパスポートを取得し、入社直後に基本情報技術者試験を受けました。配属後は、小売業に関連する知識を深めるためにリテールマーケティング(販売士)検定2級の資格を取得し、クラウド開発に関連してAWS Cloud Practitionerも取得しました。2年目の4月には応用情報技術者試験に合格しました。
その後も IPAの高度試験 やAWSの上級資格などいろいろ資格にはチャレンジしていますが、不合格になることも多々あります。でも、知識習得のために勉強を続けています。
社会人1年目は残業が少なく予想以上に自分の時間が取れたので、将来の働き方を考え『手に職をつける』という意識で資格取得に励みました。『やってみたら案外いけるかも』くらいの気持ちで挑戦したことが良かったのかもしれません。新しいことへの好奇心と挑戦心があれば、乗り越えられることも多いと感じます」
→ストーリー:文系からITエンジニアへ──挑戦を続ける若手社員が語る、TMNの成長環境
▶︎株式会社乃村工藝社
事業内容:空間創造における調査・企画・コンサルティング、デザイン・設計、制作・施工 ならびに運営・管理
学び直しの経験:
営業職では商業系を中心にさまざまな案件を担当した佐川さん。「商業施設士」の資格を取得するなどプロジェクトの成功に向けて尽力しました。
佐川さん 「全国展開する業態の店舗でも、地域特性や顧客属性、店舗の特徴に応じて緻密なカスタマイズが求められます。できる限りの知識でお客さまの課題解決に寄り添いたいと思い、商業施設の設計・計画から店舗運営、マーケティングなど、幅広い知識の習得に努めました。
その結果、お客さまからパートナーとして信頼いただき、空間プロデュースのプロフェッショナルとして意見を求められることに、とても大きな責任とやりがいを感じていました」
→ストーリー:デザイン思考で本質的な課題解決を。事業部門と両輪でのビジネス実現を目指して
▶︎富士通株式会社
事業内容:サービスソリューション、ハードウェアソリューション、ユビキタスソリューション、デバイスソリューション
学び直しの経験:
キャリアと活躍の幅を拡げてきた佐々木さん。ただそこには、自身に対する危機感と積極的な自己研鑽がありました。
佐々木さん 「もうすぐ30歳になろうかというころの話です。お客様の経営層と対等に渡り合えるビジネスパーソンになりたいという想いと、そうした場合、果たしてこのままでよいのだろうかという危機感がありました。そこで、当時所属していた本部の海外研修プログラムを利用し、タイでの海外研修に参加することにしました。
研修中にはASEAN6カ国の拠点を訪問。勤勉で向上心の強い現地メンバー、とくに女性たちも子育てしながら働き、さらに大学院などで学んでいる姿に刺激を受け、帰国後に私もMBAを取得しました。基本的なビジネススキルや経営視点が身についたことは、企業のトップの方たちとコミュニケーションする上で役立っています。また、その学びはいまも継続しており、社内外の研修やビジネスの最前線で活躍されている社外の方々との議論の場には積極的に参加しています」
→ストーリー:企業や業界の枠を超えた共創で社会課題解決を。ワクワクで常識を塗り替え、未知に挑む
▶︎三井住友カード株式会社
事業内容:クレジットカード業務、デビットカード・プリペイドカード・その他決済業務、ローン業務、保証業務、信販業務、トランザクション業務、その他付随業務
学び直しの経験:
──そのほか、キャリアアップにつながる制度はありますか?
OSHIMAさん 「周囲でも何人かいますが、私は副業制度を活用しています。外部のトレンドや施策にも触れる機会となり、現業に還元できるものも多くなるのではないかと期待しています。
また、公募制度を活用して新しい部署へ異動している方も多いです。異なる部署で働いていても、培ったスキルや経験を活かして別部署に異動できるのは可能性が広がるなと感じます※1)」
※1 公募制度には合否があります
→ストーリー:「学び」と「挑戦」が絶えない職場へ。三井住友カードで活躍する3人が語る成長の軌跡
▶︎株式会社 武蔵野銀行
事業内容:金融業
学び直しの経験:
森田さんの学び続ける姿勢は、所沢支店のメンバーにも好影響を与えています。
森田さん 「自分が早く帰るのは大学院に通うためであることを支店内でオープンにしたんです。すると、支店長があんなに勉強しているんだからと、みんな学ぶ姿勢を前面に出してくるようになったんです」
支店内でキャリア面談をすると、ゆくゆくは本部で仕事をしてみたいと意思を明確にする行員も現れました。
森田さん 「本部へ行きたい、そのためにロジカルシンキングを学びたいという人間がいました。そこで、企画塾のようなものを立ち上げて、本を読んで議論をして、最後はアウトプットするといったことも始めてみています」
学ぶ意欲のある人には手を差し伸べ、自分の学んできた知識や経験を惜しみなく開示し、キャリアアップに寄与できることを願う森田さん。「銀行員は現役である限り学び続けなればならい」という想いを胸に、この先も学びとその実践を続けていきます。
→ストーリー:若手行員時代に目の当たりにした金融危機が原体験。変わり続けることこそが勝ち残る道
学び直しは、今のキャリアをより良いものにするための「未来への投資」です。スキルを身につけることで選択肢が増え、キャリアの可能性が広がります。少しずつ始めることもできるので、今できることから挑戦してみてくださいね。
