目に見えない「空気」と「電気」を扱う。中大規模木造建築の設備設計という仕事
私は現在、不動産事業本部 建築事業部 建築部の設備電気設計チームに所属しています。私たちの部署のミッションは、中大規模建築分野における木造・S造・RC造のハイブリッド化を実現し、ゼネコンとしての役割を担いながら唯一無二の価値を持つ建築を生み出し、脱炭素社会に貢献することです。
その中で私が担当しているのは、中大規模木造建築の機械設備と電気設備の設計です。機械設備では、空気の流れや温湿度をコントロールする空調設備、水やお湯を供給する給排水設備を扱います。電気設備では照明器具をはじめ、電源供給やLAN・電話といった情報通信設備を担っています。つまり、空気・水・電気といった、建物の中で快適に過ごすために必要なシステム全体を設計する仕事です。
私たちのチームは少人数構成のため、意匠設計や構造設計、施工チーム、積算チームなど、多様な関係者と日々コミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めています。
仕事をする上で大切にしているのは、コミュニケーションを通じて最適解を導くことです。建築設計には唯一の正解はなく、コストやデザイン、使い勝手など、プロジェクトごとに優先すべき事項が異なります。だからこそ、まず優先事項を正しく理解し、そのうえで社内外の関係者や機器メーカー、設計協力事務所などと十分に意見を交わしながら、最適解を導くことを大切にしています。
具体的に工夫しているのは、優先事項を踏まえたうえで、自分なりの仮説を持っておくことです。そして、その仮説をより確かなものにするため、多くの関係者と意見交換を重ねながら知識を広げていきます。最初から完璧な解を持つ必要はなく、対話を通じて精度を高めていくプロセスこそが重要だと感じています。
この仕事の難しさは、「目に見えないもの」を扱う点にあります。空気や電気は感覚的に捉えづらく、設計は主に数値計算に基づいて行われます。しかし、深い専門知識を要する場面も多く、自分一人では完結できないケースも少なくありません。そうした場合には、メーカーなどの専門家に相談しながら、一つひとつ課題を解決していきます。
私たちの仕事は、「中大規模建築分野における木造・S造・RC造のハイブリッド化を実現し、脱炭素社会に貢献する」というミッションに対し、良質な建築をつくり長く使い続けてもらう事で貢献できていると考えています。木造部分には炭素を長期間固定できる性質があります。建物の長寿命化によってその効果を高め、結果として脱炭素社会の実現にもつながっていると感じています。
ゼネコンで12年。大規模プロジェクトを経て、より広い視野を求めて転職を決意
私はゼネコンで約12年間、機械設備設計に携わってきました。入社3年目には主担当を任され、リーダーとしてプロジェクトを推進するとともに、後輩の指導も担っていました。
特に印象に残っているのは、設備工事で100億円規模の高難易度プロジェクトです。温湿度や室圧の厳密な管理が求められ、一般的な建物以上に高度な要求レベルでした。検討事項も膨大で、非常に難易度の高い案件でした。
とくに苦労したのは、社内でも経験が少ない用途だったことです。知見を持つ人が限られる中、関係部署や協力会社と連携しながら調整を重ね、プロジェクトを完遂しました。この経験を通じて、専門知識だけでなく、多様な関係者を巻き込みながらプロジェクトを推進する力が身に付いたと感じています。
そうした経験の中で、私はより広い領域に挑戦したいと考えるようになりました。機械設備だけでなく、電気設備やコスト、施工まで理解を広げたい。規模の大きな案件では分業になりやすい一方で、中大規模の案件であればそれが実現できるのではないかと感じました。また、木造建築という新しい分野に関われる点にも魅力を感じ、住友林業へ転職を決意しました。
検討不足の提案から学んだ、プロとしての覚悟と関係構築の重要性
入社後、印象的だったのは、自身の知識不足から十分な検討ができないまま提案を行ってしまった経験です。専門性の高いお客さまから指摘を受け、自身の準備不足を痛感しました。信頼して任せていただいているにもかかわらず、その期待に応えられなかった悔しさは今も忘れられません。
この経験から、経験不足を理由に準備を怠ることは決してあってはならないと学びました。表面的な理解にとどまらず、より深く掘り下げること。それがプロとしての責任を果たすために不可欠だと感じています。
また、少人数のチームであるため、自ら判断する場面も多くあります。一方で、こうした課題は一人で完結できるものではなく、外部の知見を活かすことが不可欠です。だからこそ、新規業者やメーカーなどとの関係構築の重要性をあらためて実感しました。現在は、そうした関係づくりにも意識的に取り組んでいます。
関係構築において大切にしているのは、win-winの関係を築くことです。お互いにメリットを感じながら取り組める関係性があってこそ、困難な課題にも前向きに向き合うことができます。信頼関係があるからこそ、気軽に相談でき、より良い解決策にもつながっていきます。
木造建築の可能性を広げるために、情熱を持った仲間と共に挑戦したい
今後の目標として、短期的には木造特有の構造や材料特性を深く理解し、設計に活かせる力を身につけたいと考えています。木という素材は従来の建材とは異なる特性を持ち、それを活かすには専門的な知識が不可欠です。実務を通じて理解を深めていきたいです。
中長期的には、木造建築における設備設計の知見を高め、会社の強みをさらに広げられる存在になりたいと考えています。木造特有の構造を理解した上で設備提案ができることは、大きな価値につながるはずです。また、当社では機械設備と電気設備の両方を担当するため、設備設計者としての視野も広がります。この幅広い経験が、今後の挑戦において強みになると感じています。
当社で活躍できるのは、自ら主体的に行動できる力を持ちつつ、チームで協力しながら挑戦できる方だと思います。新しい分野に取り組むには、自ら学び考える力と、チームで知恵を出し合う姿勢の両方が求められます。
今後仲間になっていただきたいのは、情熱を持って仕事に取り組める方です。新しい分野には困難もありますが、その分、大きなやりがいがあります。転職を検討されている方には、木造建築に関する理解を深めながら、設備設計としてのスキルを広げられる環境があることをお伝えしたいです。
当社の魅力は、建築事業部に限らずさまざまな部署と連携しながら取り組める点にあります。そのため、単一の専門領域では導き出せない新しい価値を生み出せる可能性があります。木造建築という新しい挑戦を、さまざまな知見を融合させながら進められる環境があります。
情熱を持って、共に木造建築の可能性を広げていきませんか。

