学生時代に始めたバンド活動でメジャーデビュー
滋賀県に位置する琵琶湖のそばで生まれた寺内。幼少期は外で遊ぶよりも家の中でゲームをすることが好きだったと言います。
「学校から帰るとすぐに、友達5~6人で集まってワイワイとゲームをしていましたね」
小学校卒業後は公立の中学校ではなく、受験して見事に志望する中学校への合格を果たしました。この中学校での出会いが、後の寺内の人生を大きく変えたと振り返ります。
「入学した後、気の合う仲間とバンドを結成したんです。当時流行っていたUKロックの楽曲を演奏するようになりました。中学生で関西大会に参加し、いきなりファイナルラウンドまで進めたのもいい思い出です」
そして高校1年生の時、再度チャレンジして決勝まで進んだことがきっかけで、大手レコード会社からデビューの話を持ち掛けられたと話す寺内。
「一歩一歩デビューに近づく道のりがワクワク、ドキドキと本当に楽しくてたまりませんでした。当時、自分が担当していたのはギター。100曲を超える曲作りにも作詞で参加していました」
大学1年生の時にデビューした寺内は、京都を中心に月3~4回のライブを行いました。リリースした曲が人気アニメとのタイアップに選ばれ順調に活動していきます。
「自分のやりたいことを仕事にできる喜びを感じながら毎日を過ごしていました。ですが、だんだんといろいろな環境の変化、メンバー自身の変化を経て少しずつ歯車が合わなくなり、すれ違い、いつしかつなぎ止めることに精一杯になっている状態になりました。そして解散という形の結論を出したんです」
デビューから3年を経て、26歳の時にバンドが解散。この先どうしようか考えたところ、ステージで着用するときに大切に磨いていた靴のことを思い出し、靴を修理したり、磨いたりすることが実はとても好きだったと気づいたと寺内は話します。
「『今までも好きなことを仕事に生きてきた、これからもその気持ちは変わらない!』と思い靴修理の業界へ進む決心をしました。早速、京都や大阪で靴修理のアルバイトを探してみたものの、なかなか求人はありませんでした。それでも諦めずに上京し、出会った靴修理のアルバイト先が、リフォームスタジオが全国展開し靴・バッグの修理を手掛けているリアット!だったんです」
積極的な技術習得で、「自分の店を持つ」夢に向かって努力する日々
寺内がアルバイトをすることになった店舗はリアット!イオンモール東久留米でした。
「アルバイト先はリアット!の中でも売上が上位の店舗でした。また、靴修理だけでなくバッグの修理も多い店舗だったので、そこで幅広いアイテムの技術習得ができました。いろいろな技術がある中、靴・バッグ修理に欠かせない技術となるクレンジング&ケアやカラーリングは、すぐにできるようになった一方で、靴を平らに削るメンディングマシンは難しく6カ月かかりました」
技術習得には、とにかく数をこなすことが必要になります。それ以外にもコツがあると寺内は話します。
「早くやることよりもきれいに仕上げることに、まずは集中し、それができたら次にスピードを求めることが良いと思います。最近はいろいろ便利な道具も出ているので、必要な作業に合った適切な道具を活用することも重要だと思います」
寺内は技術習得するに伴って修理の楽しさも加わり、わずか1年でグランエミオ所沢店の店長に就任。「将来、自分のお店を持つことが夢」と考えていた寺内が、夢の実現のためにしていた努力をこう語ります。
「アルバイト先の加盟店オーナーのポリシーが『技術力習得だけでは靴修理は駄目。受付がとても重要。お客さまがどうしたいのかの意向をうまく聞き出し、その意向に沿った提案を行い修理すること』でした。もともとお客さまと話をすることはとても楽しく好きだったので、ポリシーに従って仕事に取り掛かることは苦にはなりませんでした。
バンド時代に鍛えた指先の器用さや決めたことをやり遂げる芯の強さで、加盟店オーナーの素晴らしい指導を受けて、技術習得とお客さまへの提案力を身につけていきました。
店長になってからも、技術・提案力の向上はもちろんのこと、売上管理やスタッフ管理、給与計算など経営に携わることで店舗運営センスも磨くことができたと思います」
人材育成が加盟店運営のポイント。スタッフとの固い絆に結ばれた加盟店オーナーへ
2022年に寺内は夢である「自分の店を持ちたい」について、加盟店オーナーに相談、快諾いただきリアット!イオンモール東久留米店の加盟店オーナーになりました。
「東久留米はもともとリアット!をスタートした店舗で、顧客特性から売上傾向など良くわかっていたので店舗運営に対する不安は一切ありませんでした。
とはいえ、アルバイトから店長、そして加盟店オーナーとステップアップすることで、修理以外で考えなければならないことが多いことに気づいたんです。中でも、一番力を注がないといけないと考えたのが人材育成です」
寺内は自身の考えた人材育成のポイントについて、次のように語ります。
「まずは、得意分野を見つけて褒めること。それから力になっている、役に立っているとスタッフに実感してもらうこと。それらができるようになるまで、しっかりとフォローが必要です。軌道に乗ったら、適宜フォローしながらもスタッフ自身に任せるようにします。
時には大変だと思うことも出てきますが、楽しそうな仕事と思ってもらうことが重要で、結果的に楽しく思えるように工夫するんです。これらを通じてスタッフとの固い絆を感じられるようになったと思っています」
加盟店運営の中で一番難しいのはスタッフ管理で、常時たくさんのスタッフを雇用するのは収益上非常に難しいもの。そんな中、既存スタッフが辞めてしまうと店舗運営に大きな支障が出てしまうと寺内は続けます。
「1店舗だけの運営では、スタッフの勤務時間が限定されてしまう上に人員数もある程度必要になります。スタッフの幸せを考え、さらなるステップアップをめざすには、もう1店舗運営すること、最終的には3店舗運営をめざすことが一番効率的だという考えに至ったんです」
リフォームスタジオのビジネススキームは初期投資が非常に安いことが特徴ですが、その分売上からロイヤリティで相殺され、利益率は高くなくローリスクでミドルリターン。複数店舗運営による収益拡大が一番だと寺内は語ります。
絆を強めさらなる飛躍を──夢の実現とその先を見据えた挑戦
複数店舗加盟による効率的な運営を考えていた寺内に白金台店の新店オープンの話が持ち上がります。この店舗は、とくに周辺顧客を意識してReBagというバッグ修理専門店を意味するブランドインブランドの店舗としてオープンすると聞いた寺内が名乗りを上げ、2023年夏に白金台店の加盟店オーナーに就任しました。
「自分の得意分野だ。このチャンスを逃してはいけない!とすぐに手を挙げました。スタッフの体制も5人となり、この5人でのコミュニケーションはとても楽しく感じましたね。また、5人になったことで今までできなかったこともできるようになりました」
同エリアに競合店がなかったこともあり、売上は順調に伸長してきました。
「技術力とともに磨いてきた提案力がお客さまの意向をキャッチすることに役立ち、リピーターのお客さまが増えていきました。『ここに出せば思い入れのある大切なお品物も安心して直してもらえる店』をめざし、スタッフとの絆を強めさらに飛躍していきたいですね」
順調に夢を実現している寺内は、今後についても考えている最中だと言います。
「お客さまに対しては、技術レベルで感動していただけるよう技術の向上を図り、お客さまの意向をよく聞きさまざまな修理方法が提案できる接客スキルが必要です。でもそれだけでは足りないと感じています。
たとえば、修理後のお品物がきれいな保管箱に大事にしまわれているとか、お客さまの顔と名前を一致させて名前でお呼びするとか……。もっとお客さまに感動を与えられる+αを考えていきたいですね。
そして、自分を信頼してついてきてくれているスタッフに修理のノウハウを伝えるだけでなく、収入面でも社会的地位が向上できるように工夫していきたいです。そのためにも、現在の2店舗の運営を盤石なものとし、スタッフとの絆を更に強め、近い将来3店舗の運営という夢の実現に向けて努力していきたいと考えています」
※ 記載内容は2024年1月時点のものです
