「仕事も家庭も諦めたくない」20年のキャリアを経て選んだ新たな挑戦
──現在の業務内容と、そこに至るまでのキャリアについて教えてください。
現在はPDとして、立ち上げや業務改善を中心にさまざまなプロジェクトに携わっています。
前職では給食受託会社で約20年勤務し、学校給食や病院、社員食堂などの運営に携わっていました。現場で調理をするところから、管理職としてのマネジメント、採用、営業、経営企画まで、本当にさまざまな仕事を経験しました。社内では地方の事業部にも本社にも所属し、お客様は病院や福祉施設、自治体など幅広く、一緒に働く人の年齢は10代から70代まで実にさまざま。今振り返ると、多様な人や環境に触れてきたことが、自分の原点だったように思います。
異動を繰り返していると、「この部署で抱えている課題は、別の部署のやり方で解決できるかもしれない」と気づくことがあります。当時は特別なことだと思っていませんでしたが、今考えるとそれがPDの仕事にも通じる自分の強みだったのかもしれません。
──転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか。
大きなきっかけは、家族との時間でした。
当時、家庭との向き合い方や働き方について改めて考える出来事がありました。ただ、前職は現場運営の仕事だったため、早朝から夜まで対応が必要なことも多く、どうしても仕事中心の生活に。
会社はとても理解があり、「遅れてきて大丈夫だよ」と言ってくれる環境でした。でも、自分の中では仕事も家庭も中途半端になっているもやもやとした感覚がありました。
「もっと余裕を持って働きたい。でも、仕事もきちんとやりたい」
楽をしたいのではなく、メリハリをつけて両方を大切にしたい。そう考えたときに転職を決意しました。
そんな中で出会ったのがPDという仕事でした。
人と関わる仕事であること。そして、改善や立ち上げなど、誰かの役に立つ仕事であること。さらに、プロジェクトごとに新しい世界に飛び込める。
面接で話を聞いているうちに、「なんだか楽しそうだな」と素直に感じました。
ライフワークバランスも実現できそうで、自分自身も成長できそう。その両方がそろっていたことが、入社の決め手でした。
“遅い”と言われた立ち上げ案件。現場を知ることで見えた本当の課題
──入社後、印象に残っているプロジェクトについて教えてください。
一番印象に残っているのは、入社後最初に担当した立ち上げ案件です。
当時担当したのは、大規模な立ち上げプロジェクトでした。私は途中からチームの担当として参画し、先輩PD、スーパーバイザー(以下SV)と一緒に運営体制を整えていく役割を担っていました。
そんな中で直面したのが、生産性の課題です。
現場では処理件数が追いつかず、お客様からもスピード面についてフィードバックをいただく状況が続いていました。ただ、不思議だったのです。
現場は間違いなく頑張っている。むしろ以前より改善も進んでいる。それなのになぜ追いつかないのだろう、と。
「何が違うのだろう?」
先輩PD、SVと相談し、お客様にお願いして、実際に業務を進めている方の手元を見せていただいたところ、大きな発見がありました。
私たちが引き継いだ運用では、1件の処理に10以上の作業工程が発生していた一方で、お客様側ではより少ない工程で業務を進めていたのです。
現場の誰かが間違っていたわけではありません。立ち上げ当初に引き継がれた運用を、現場のメンバーは忠実に実践していました。
ただ、お客様側ではその運用が実際にどのような工程になっているのか、細かくは把握できていなかったのです。
だからこそ、本当に必要な工程は何かを改めて整理し、マニュアルを一から見直しました。
「今は何より件数を処理することが重要だよね」
そうチームで共有しながら、一つひとつ運用を作り替えていきました。
結果として生産性は大きく改善しました。
この経験を通して強く感じたのは、改善のヒントは現場にしかないということです。
会議室で考えるだけでは見えないことがたくさんある。
だから私は、まず現場を見ることを大切にしています。
現場主義と全体最適。その両立を追い続けるPDの仕事
──仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。
私が一番大切にしているのは、「現場主義」と「全体最適」を両立させることです。
現場は絶対に大事です。
実際に業務を担い、お客様に価値を届けているのは、現場で働くSVやメンバーの皆さんです。
だからこそ、その人たちが働きやすい環境をつくりたいと思っています。
一方で、現場だけを見ていても駄目だとも思っています。
例えば、その場だけ楽になればいいのではなく、数ヶ月後も、数年後も続く運営になっているか。一部の人だけではなく、プロジェクト全体にとって良い状態か。
そうした視点も必要です。
入社当初、私はどうしても現場に入り込みすぎてしまうところがありました。
実際、SVの仕事までやりすぎてしまったこともあります。
でもある時、一緒にプロジェクトに入っていた支援SVに「全部やってしまうと、SVが主体的に動きにくくなるよ」と言われたのです。
確かにその通りでした。
私が頑張りすぎると、その瞬間はうまく回るかもしれない。でも、私が抜けた後に残るのはSVです。
だから今は、自分が前に出るのではなく、プロジェクトマネージャー(PM)と連携してSVが自走できる状態をつくることを意識しています。
私はPDとして人と人とをつなぐ仕事をしたいと考えています。
新規プロジェクトにおけるPDの仕事は、営業がとってきてくれた仕事を整えてSVに渡す、その橋渡し役です。
そこには、現場の気持ちも、マネジメントの視点も、どちらも分かる自分だからこそできることがあるのではないかと思っています。
「関わるすべての人をハッピーに」信頼を積み重ね、その先の未来へ
──今後の目標について教えてください。
私は、お客様との最初の対話をとても大事にしています。
プロジェクト開始時のキックオフや業務ヒアリングでは、「この人は何を大切にしているのだろう」「何を求めているのだろう」と、まず相手を理解することを意識しています。業務の話だけではなく、家族や子育てのことなど、何気ない会話も大切に。そうしたやり取りを重ねることで、お互いを理解できるようになり、信頼関係にもつながっていくと思うのです。
あるプロジェクトを卒業するとき、お客様からこんな言葉をいただきました。
「業者としてではなく、一緒に働く仲間として見ていました」
その言葉は本当にうれしかったですね。
効率化できたことや成果を出したこと以上に、一緒に考えてくれてありがとうと言っていただけたことが心に残っています。
PDとして効率化による生産性向上や改善はもちろん大事だと思っています。
ただ、その前に人間関係や信頼関係がなければ、本当に相手に望まれる改善はできないと思っています。
これからも、いろいろなプロジェクトに関わりながら、自分の引き出しをもっと増やしていきたいです。
そして個人としても、リクルートスタッフィングという組織としても、
「この人たちなら安心して任せられる」
そう思っていただける存在になりたい。
PDの仕事は、関わるすべての人がハッピーになれる可能性を持った仕事です。
変化を楽しみながら、何かを良くしていきたいと思える人にとって、やりがいのあるとても面白い仕事だと思います。
私はこれからも、一つでも多くの“より良い未来”をつくれるよう、挑戦を続けていきます。

