製造業×上流から下流まで。軸と人柄が重なった入社の決め手
学生時代に最も力を注いだのは、弓道部での活動です。私は副主将という立場で、部内のさまざまな課題に向き合ってきました。ただ弓を引くだけでなく、部としての問題点を見つけ、対策を立案し、部員みんなと協力しながら解決に向けて動いていく。そのプロセスが、自分にとって大きな経験になりました。チームの中でリーダーシップを発揮しながらも、周囲と丁寧に連携していくことの大切さを、弓道部での日々を通じて学んだと思っています。
就職活動では、情報系の学部に所属していたこともあり、IT業界を中心に企業を探していました。その中でも特に意識していたのが、SIer(システムインテグレーター:企業の情報システムの企画・開発・運用を一括して請け負う会社)への就職です。システム開発において、上流工程(システム開発の初期段階で、要件定義や設計などを行う工程)から、下流工程(要件や設計が固まった後に、実装・テスト・リリースなどを行う工程)まで、幅広く携われる仕事に就きたいという気持ちが強くありました。対企業向けに、プロジェクトの全体像に関わりながら仕事を進められる点に、強い魅力を感じていたのです。
現在の会社を知ったとき、まず印象に残ったのは、製造業向けのシステム開発における豊富な知見でした。もともと製鉄所向けシステム開発を事業の原点とする会社であり、製鉄所のような高い要求レベルが求められる現場のシステムを手がけてきた歴史があります。そのバックグラウンドから、製造業向けシステムに対する深い理解と技術力を持っている会社だという印象を受けました。
入社を決めた理由は、大きく二つあります。一つ目は、自分の就職活動の軸とぴったり重なっていたことです。製造業の企業を対象に、上流から下流まで一貫して業務を進められる環境は、まさに自分が求めていたものでした。二つ目は、選考を通じて接した社員の方々の雰囲気です。面接や説明会で関わった社員の皆さんが、とても穏やかで話しやすく、人柄の良さを強く感じました。風通しの良い職場であろうという印象を持てたことが、最終的な決め手になりました。スキルを磨ける環境があることはもちろん、一緒に働く人たちと気持ちよく仕事ができるかどうかも、自分にとって大切な判断基準だったと思います。
研修で培ったチームワーク力が、現場での土台になっている
入社後、まず取り組んだのはビジネスの基礎を身につけることでした。ロジカルシンキングの研修では、物事を整理して筋道立てて考える力を鍛えました。また、情報技術の研修では簡単なアプリケーション開発を実際に体験しました。座学だけでなく、チームで一つのアプリを作り上げるというプロジェクト型の研修もあり、役割分担・進捗管理・課題への対応をメンバーと協力しながら進めていきました。
研修を振り返ると、技術的なスキルだけでなく、チームとして動くことの難しさと大切さを肌で感じた時間だったと思います。誰かが詰まっていれば声をかけ合い、進捗がずれれば一緒に立て直す。そういった動き方を、研修という安全な環境の中で経験できたことは、実務に出てからも大きな財産になっています。
配属先は、製造業のお客さま向けシステム開発を担うチームでした。入社当初は下流工程から経験を積み始めました。まずはシステムをつくる現場の実態を、実装やテストなどを通じて手を動かしながら理解していくところからのスタートでした。
その後、経験を重ねるにつれて徐々に上流工程へと関わる機会が増え、現在はお客さまとシステム要件を一緒に検討・整理する業務を中心に担っています。お客さまのビジネス課題を理解し、それをシステムの要件として落とし込む役割を担っています。
入社前は「上流工程の仕事はコミュニケーションが重要になるだろう」と想像していました。しかし実際に現場に出てみると、上流・下流を問わず、コミュニケーションとチームとして課題を解決していく姿勢が、自分の想像をはるかに超えて重要だと感じました。技術力は当然必要ですが、それだけでは仕事は前に進まない。チームで話し合い、認識をすり合わせ、一緒に解決策を考える。そのプロセスこそが仕事の根幹にあると実感したことは、入社後の大きな学びの一つです。
部門間の対立を乗り越えて生まれた、「チームで成果を創る」という視点
現在私が担当しているのは、製造業のお客さま向けにPLMシステム(製品のライフサイクル全体にわたる情報を一元管理するシステム)の要件定義や基本設計を行う仕事です。さらにチーム内では、システムに追加実装するアドオン機能や、他のシステムとの連携機能における設計・開発のリーダーも務めています。お客さまとの要件の擦り合わせはもちろん、チームメンバーの進捗管理も担う立場として、日々さまざまな場面で判断と調整を求められています。
この仕事の中で特に印象深いのが、PLMシステムの刷新プロジェクトで経験した、部門間の要望の調整です。製造業のお客さまの場合、設計部門・製造部門・品質管理部門など、それぞれが異なる業務視点を持っており、システムに求める要件も部門によってまったく違います。「この機能は絶対に必要だ」「いや、そこよりも別の部分を優先してほしい」といった声が複数の部門から同時に上がってくる中で、それらを一つのシステム要件として整理・統合しなければなりませんでした。
誰かの要望を優先すれば、別の誰かの不満につながる。そのジレンマの中で私が意識したのは、対話を重ねることでした。各部門の担当者と個別に話し合う機会を設け、「なぜその機能が必要なのか」という背景にある業務課題を丁寧に掘り下げていきました。表面的な要望の違いを超えて、根本にある課題を共有することで、「であれば、こういう形で要件をまとめれば双方の目的を達成できるのではないか」という着地点が見えてくることがありました。関係者全員と粘り強く対話を続け、合意形成を図っていくプロセスは決して簡単ではありませんでしたが、最終的に一つの要件としてまとめ上げられたときの達成感は格別でした。
この経験を通じて、自分自身の大きな変化にも気づきました。学生時代は「いかに自分一人で成果を出すか」を考えがちでしたが、今は「関係者を巻き込みながら、チーム全体でより大きな成果を創り出すにはどうすればよいか」という視点が自然と身についています。一人ではたどり着けない答えも、対話と連携によって見えてくることがある。それがこの仕事を通じて得た、何より大切な気づきです。
業務改革まで踏み込んだ提案ができる人材へ。チームとともに成長し続けたい
今後1年ほどの短期的な目標として、まず取り組みたいのはお客さまの業務への理解をさらに深めることです。システムを導入すること自体はゴールではなく、その先にあるお客さまの業務がより良くなることが本来の目的だと思っています。これまでの経験を通じて、システムを動かす技術的な知識は少しずつ身についてきました。でも、「そもそもこの業務をどう変えれば現場がもっとうまく回るのか」という業務改革の視点で提案できるようになるには、まだまだ学ぶことがたくさんあると感じています。
お客さまの現場をより深く理解するために、日頃から業務フローや課題の背景を丁寧にヒアリングすることを意識するようにしています。また、製造業の業務知識に関する書籍や社内の勉強会なども積極的に活用しながら、知識の幅を広げることに取り組んでいます。システム導入の提案にとどまらず、「この工程をこう見直せばもっと効率化できる」という踏み込んだ提案ができるようになることが、直近の目標です。
もうひとつ、力を入れていきたいのが若手メンバーの育成への関わりです。自分自身がこれまでの業務を通じて経験豊富な先輩から多くのことを学ばせてもらったように、今度は自分がそういう存在になりたいという思いがあります。育成において特に大切にしたいのは、答えをすぐに教えるのではなく、一緒に考えながらその人自身が気づきを得られるような関わり方をすることです。チーム全体の成果を高めるためには、個々のメンバーが主体的に動ける力を身につけることが重要だと思っています。
5年から10年先を見据えたときには、技術と業務の両面を深く理解したプロジェクトマネージャーとして、大規模なプロジェクトを主導できる人材になることを目標にしています。技術だけ、あるいは業務知識だけでは不十分で、その両方を橋渡しできる存在こそがお客さまに本当の価値を提供できると考えています。
最後に、この仕事や会社に興味を持っている方にお伝えしたいのは、製造業の中核業務に関わるプロジェクトが多く、自分の提案がお客さまの業務改善に直結する実感ややりがいを感じられる環境だということです。また、社内全体として相談しやすい風土があり、経験豊富なメンバーから学びながら安心して挑戦できます。大切なのは、スキルよりもマインドだと思っています。多くの関係者と協力しながらプロジェクトを進める仕事なので、課題解決に向けて周囲と連携しながら主体的に動ける方には、きっとやりがいを感じてもらえると思います。ぜひ一緒に働きましょう。
※記事内の社員プロフィールおよび本文中の所属・役職は、取材時点の内容です。
