「この人たちと一緒に働きたい」と思えた会社との出会い
学生時代に特に力を入れたのは、ゼミでの研究活動です。せっかく大学に進学したからには、大学でしかできないことに挑戦したいという気持ちがありました。
私が取り組んだテーマは研究室内でも前例が少なく、手探りで進める必要がありました。論文を読むだけでは解決できない課題も多く、自ら外部コミュニティに参加して知識や最新動向を学びました。そこでの交流を通じて仲間や協力者とのつながりが生まれ、最終的には共同研究へと発展しました。研究成果を理論としてまとめるだけでなく、実際の現場で活用できるところまでつなげられたことは、今でも特に印象に残っています。
この経験を通じて、自ら一歩踏み出して行動することの大切さと、周囲を巻き込みながら課題解決に取り組む面白さを実感しました。その面白さを仕事でも追い求めたいと思い、就職活動ではシステムエンジニアを志望しました。課題に対して仮説を立て、試行錯誤しながら解決策を導き出す仕事だからこそ、ゼミでの経験が活かせると感じたんです。特に、お客さまと直接対話しながら課題を整理し、システムを通じて解決していく仕事に携わりたいと考えていました。
また、地元である関西に根差して長期的にキャリアを築きたいという思いもあり、若手のうちから責任ある仕事に挑戦できる環境があるかどうかも、企業選びの大切な軸でした。
日鉄ソリューションズ関西については、入社前から日本製鉄グループの安定した経営基盤を持ちながら、24時間365日稼働する大規模システムの開発・運用を支える高い技術力を持った会社という印象を持っていました。規模としても大きすぎず小さすぎず、社員同士の距離が近く、風通しの良い社風なのではないかとも感じていました。その印象は、採用イベントで若手社員と社長が気軽に会話している場面を見たことで、さらに確かなものになりました。
入社の決め手は、「この人たちと一緒に働きたい」と自然に思えたことです。インターンシップや工場見学では、若手の社員の方がお客さまと直接向き合い、自分の言葉で業務やシステムを語っている姿が印象的でした。また、面接の日程が短期海外留学と重なってしまい日程を変更していただいたことがあったのですが、帰国後に面接へ伺った際、人事の方から「海外留学はどうでしたか?」と声を掛けていただきました。多くの学生を担当されているにもかかわらず、自分のことを覚えてくださっていたことに驚くと同時に、一人ひとりの学生と真摯に向き合う会社なのだと強く感じました。関西で長く働きながら、自分自身も成長し続けられると確信し、入社を決めました。
プログラマーからPMへ。半年間の研修が育てた「社会人の土台」
入社後はまず、半年間の新人研修から始まりました。ビジネスマナーをはじめ、システム開発の基礎知識やプログラミングまで、幅広い内容を学ぶ期間でした。社会人として当たり前に求められることが、実はこれほど多いのかと最初は驚きましたが、この研修を通じて仕事の基礎をしっかりと身に付けることができたと感じています。研修が終わると配属され、その後も2年目研修や若手社員向けの研修など、成長の段階に応じた教育制度が続きます。学びの機会が継続的に用意されているので、焦らず着実にスキルを伸ばしていける環境だと思っています。
配属先は鉄鋼ソリューション事業部で、入社からずっと同じ部署に所属しています。最初はプログラマーとして、プログラム設計や製作、テストといった開発業務を担当しました。コードを書いてシステムを動かす達成感を味わいながら、少しずつ業務知識とシステム知識を積み上げていきました。経験を重ねるうちに、お客さまとの打ち合わせや要件の検討、基本設計といった上流工程(システム開発の初期段階。要件定義・設計などを含む工程)を任される機会が増えていきました。現在はPM(プロジェクトマネージャー)として案件全体の推進を担いながら、お客さまと一緒にシステムの構想や設計を考える業務を中心に担当しています。
ただ、入社前に抱いていたシステムエンジニアのイメージは、働き始めてみると少し違うものでした。学生のころは、技術力を発揮してシステムをつくることが仕事の中心だと思っていたのです。でも実際に現場に出てみると、技術力だけでは十分ではなく、お客さまの業務を深く理解することがとても重要だと気づかされました。
その気づきを特に強く感じたのが、入社3年目に参画したレガシーシステム(長年使われてきた旧来の技術基盤で動く既存システム)の大規模刷新案件でした。長年にわたって製鉄所の業務を支えてきた基幹システムで、度重なる改修によって仕組みが複雑化しており、仕様や業務の背景が十分に文書化されていない箇所も多くありました。当時の私はまだ業務知識が浅く、お客さまとの打ち合わせで業務用語や運用内容が分からず、会話についていくだけで精一杯でした。
そこで私は、まず業務そのものを理解しなければ何も始まらないと考え、約2週間にわたってお客さまの職場へ毎日通わせていただきました。まるで新入社員として現場教育を受けるような形で、実際の業務の流れやシステムの使われ方、現場で困っていることなどを一つひとつ丁寧に教えていただきました。この経験がなければ、単純に既存の仕組みを新しい技術へ置き換えるだけの設計になっていたかもしれません。システムエンジニアとは、システムをつくる仕事である以上に、お客さまの業務や課題を理解し、一緒に解決策を考える仕事なのだと、このとき初めて実感しました。
「前に進む人」と信頼されて——大規模プロジェクトで得たやりがいと成長
現在私は、製鉄所向けシステムの企画・開発・保守業務に携わりながら、チームリーダーとしてプロジェクトの推進やメンバーの育成、そしてお客さまとの折衝を担っています。また、レガシーシステムのモダナイゼーション(古い技術基盤で作られたシステムを現代的な技術へ移行すること)や生成AIの活用推進など、将来を見据えた取り組みにも関わっています。
仕事をするうえで私が特に大切にしているのは、資料だけで判断するのではなく、実際の現場に足を運び、お客さまやメンバーとの対話を通じて課題の本質をつかむことです。この姿勢は、今の仕事を通じて自然と身についたものだと感じています。
これまでで最も印象に残っているのは、約2年間にわたってお客さまと共に推進してきた、設備新設に伴う大規模システム構築プロジェクトです。基本計画の段階から参画し、業務課題の整理やシステム化の方針検討を行いながら、2026年8月の本番稼働までを一緒に走り抜けました。
このプロジェクトで特に苦労したのが、業務部門や他システムベンダーなど、立場の異なる多くの関係者の要望が食い違う場面をいかに前へ進めるか、という点でした。そこで私が心がけたのは、どちらかの意見に寄せて調整するのではなく、「この案件で何を達成すべきか」という目的に立ち返ったうえで、双方が納得できる具体的な実現案をシステムの形で示すことでした。すぐに答えが出ない場面もありましたが、諦めずに議論を重ねることで、関係者全員が同じ方向を向いて進める状態をつくることができました。そうした積み重ねが「この人に任せれば前に進む」という信頼につながっていったと感じています。
開発・テスト工程では、お客さまと合意した内容をただメンバーに伝えるだけでなく、その背景や目的までしっかり共有することを意識しました。一人ひとりが全体像を理解したうえで開発に臨むことで、単に要求された機能を作るだけでなく、実際の運用を想定した使いやすさの改善にもつなげることができました。
本番稼働後は大きなトラブルもなく安定した運用を実現でき、お客さまから「品質が高い」「システムが使いやすい」という評価をいただきました。その言葉を聞いたとき、素直にうれしかったです。と同時に、この成果は自分一人で成し遂げたものではなく、品質にこだわり続けてくれた開発メンバー全員の力によるものだとあらためて感じました。
学生時代の自分は、課題を自分で解決することに重きを置いていました。しかし今は、周囲を巻き込みながらチーム全体で成果を最大化することを自然と意識できるようになっています。経験やノウハウを自分の中に留めず、標準化や教育を通じて組織へ還元しようとする意識が芽生えたことも、大きな変化だと思っています。お客さまの業務改善に貢献できたという実感が、今の仕事の大きなやりがいになっています。
生成AIでチームと業界を変えたい。関西の産業を支えるITリーダーへ
今後1年ほどの短期的な目標として取り組みたいのが、生成AIを開発・保守業務に積極的に組み込んでいくことです。
システム開発の現場には、設計やプログラミング、テスト、保守といった多岐にわたる作業があります。これらの工程に生成AI(大量のデータを学習し、文章やコードなどを自動生成するAI技術)を活用することで、定型的な作業の時間を削減し、その分をお客さまへの価値提供により多く使える環境を実現したいと考えています。
ただ、自分一人が使いこなせるようになるだけでは十分ではありません。チーム全体で生成AIを活用できる仕組みをつくっていくことが、本当の意味での生産性向上につながると思っています。そのためには、まず自分が率先して実践し、成果や課題を仲間と共有しながら、チームに合ったやり方を一緒に模索していくことが大切だと考えています。
中長期的な視点では、2030年頃までを一つの区切りとして考えています。現在携わっている設備新設案件や、既存システムのモダナイゼーションを着実に推進し、お客さまの事業基盤を支えるシステムづくりに貢献することが目標です。そこで培った業務知識やプロジェクト推進力を活かしながら、将来的には日本製鉄さまだけにとどまらず、関西の日鉄グループ会社や地域企業の課題解決にも携わっていきたいと思っています。
単にシステムを開発するだけでなく、お客さまと一緒に将来のあるべき姿を描き、構想・計画の段階から実現までをリードできる存在になること。それが私の目指すキャリアの姿です。ITの力で関西の産業や地域の発展に貢献できるエンジニアになりたいと、強く思っています。
最後に、入社を検討している方にお伝えしたいのは、当社はお客さまと近い距離で、自分の仕事が社会に役立っている実感を得られる環境だということです。若手のうちから責任ある仕事を任せてもらえますし、周囲のサポートも手厚く、社員同士の距離が近くて相談しやすい風土があります。
活躍できる人に共通しているのは、相手の立場に立って考えられることと、新しいことに前向きに挑戦し続ける姿勢を持っていることだと思います。システム開発は一人で完結する仕事ではなく、お客さまやチームメンバーと協力しながら進めていくものです。そのプロセスを楽しめる方であれば、きっとここでやりがいを見つけられるはずです。変化の激しい時代だからこそ、一緒に挑戦し続けましょう。
※記事内の社員プロフィールおよび本文中の所属・役職は、取材時点の内容です。
