「まず相談してもらえる存在に」顧客と将来像を描く仕事のやりがい
私が所属しているのは、基盤ソリューション事業部 基盤ソリューション第1部 第3グループです。将来の重要顧客となる企業との関係を築きながら、お客さまの事業課題や経営課題に対して新たな価値を提供し、継続的な成長につながるビジネスを創出することをミッションとしています。
現在、私は新規顧客開拓戦略担当として、お客さまの課題整理や将来構想の検討から提案活動、要件定義までを幅広く担当しています。近年は大規模VDI(仮想デスクトップ基盤:サーバー上で管理された仮想PC環境をネットワーク経由で利用する仕組み)やクラウド案件の経験を活かし、端末・ネットワーク・セキュリティを含めた全体構想の立案に携わる機会が増えてきました。単にシステムを導入するのではなく、お客さまの将来像を一緒に描き、その実現に向けたロードマップを考える仕事に、日々やりがいを感じています。
正式な役割は新規顧客開拓戦略担当ですが、実際には営業、SE、コンサルタント、パートナー企業をつなぐ調整役を担うことが多いです。それぞれ立場や重視するポイントが異なるため、同じ案件でも見ている景色が違うことがあります。その違いを埋めながら、全員が共通のゴールを持てる状態をつくることが難しくもあり、やりがいでもあります。異なる専門性を持つメンバーが連携することで、一人では生み出せない価値をお客さまへ提供できると感じています。
仕事をする上で私が大切にしているのは、「まず相談してもらえる存在になること」です。日々の活動を真摯に対応することで信頼を積み重ね、お客さまから見える課題だけでなく、その背景や将来の方向性まで理解した上で、「どうすれば実現できるか」を一緒に考えることを心がけています。
お客さまから相談を受けた段階では漠然としていた課題が、対話を重ねる中で整理され、将来像や実現に向けた道筋が見えてくる瞬間に、とくにやりがいを感じます。提案した内容が採用されて終わりではなく、その先の構想策定や要件定義、さらに新たな案件の相談につながったときは、お客さまから本当の信頼を得られたと実感できて、この仕事のおもしろさを心から感じます。目の前の案件を成功させるだけでなく、その経験を次のお客さまや組織の成長につなげることも、常に意識していることのひとつです。
通信インフラの最前線を駆け抜けた、多彩なキャリアと関西転職の決断
私のキャリアは、少し変わった経歴をたどってきました。学校を卒業してまず就いたのは、フランスの通信機器メーカーの日本購買事務所での仕事です。日本で調達した部品を、優先度に応じた経路でフランスへ送り出す輸出入担当として、国際的な物流の流れを一手に担っていました。同時に社内のIT化支援にも携わり、今につながるITへの関心もこのころから育まれていったように思います。
その後、バスの運転手というまったく異なる職種も経験しましたが、やはりIT・通信の世界へ戻ることになります。当時まだ都内の数カ所で試験サービスが始まったばかりのADSL事業者に入社し、サービスの全国展開を肌で体験しました。ADSLとは、既存の電話回線を使って高速インターネット接続を提供する技術のことです。まさに日本のブロードバンド黎明期を支えた現場にいたわけです。
当時の業務は、今のように自動化が進んでいるわけではありませんでした。基地局の機器に障害が発生した際は、回線ごとの迂回路を手作業で一つひとつ修正するという対応が求められ、情報の正確さと対応スピードが常に問われる環境でした。しかも障害が起きれば総務省への報告案件になることも多く、プレッシャーの大きな現場でした。その後、インターネット関連会社で日本初の広域LAN(複数の拠点を広域にまたいで接続するネットワークサービス)の運用にも携わり、着実に通信キャリア領域のネットワーク経験を積み重ねていきました。
転機が訪れたのは、その広域LANサービスを提供していた会社が会社更生法の適用を受けたときです。突然の出来事ではありましたが、「これも何かのきっかけ」と前向きに捉えることができました。ちょうど以前から妻の実家が近い関西での勤務を希望していたこともあり、このタイミングで関西への転職を決意します。
転職先を選ぶうえで重視したのは、これまで積み上げてきた通信キャリアの経験を存分に活かせるかどうかという点でした。前職時代の部長から紹介を受けた企業など、いくつかの候補がある中で最終的に日鉄ソリューションズ関西を選んだ決め手は、「プライムベンダー」であることでした。プライムベンダーとは、顧客から直接業務を受注し、プロジェクト全体をとりまとめる元請けの立場にある企業のことです。顧客と直接対話しながら多様な業務を担える環境は、自分のステップアップを考えたときに最も魅力的に映りました。こうして、積み重ねてきた経験を次のフィールドへ持ち込む準備が整いました。
「技術的に正しい」だけでは届かない。失敗が教えてくれた、合意形成の大切さ
入社後に最も印象に残っているのは、大規模なVDI案件です。検証フェーズのリーダーとして参画し、その後の構築フェーズではPM(プロジェクトマネージャー)も担当しました。この案件で最も苦労したのは、技術的な課題よりも、多くの関係者との認識合わせでした。
お客さま側には複数の部門が関わっており、それぞれが異なる立場や要望を持っていました。現場担当者は日々の運用負荷や利便性を重視し、管理部門はガバナンスやセキュリティを、経営層は投資対効果や将来性を求めます。技術面だけでなく運用面も含めて意思決定を前に進めるために、私が意識したのは「なぜその要望があるのか」という背景まで理解することでした。単に課題を整理するだけでなく、それぞれの立場で何を重要視しているのかを丁寧に読み解き、全員が共有できるゴールを設定することに注力しました。
「この施策がお客さま全体にどのような価値を生むのか」を可視化することで、関係者全員が納得できる形で合意形成を進めることができ、最終的にプロジェクトを完遂することができました。プロジェクト完了後も信頼関係が続き、次期端末の更改やネットワーク・セキュリティの将来構想といったRFP(提案依頼書:ベンダーに提案を依頼するための文書)発行前の段階から相談をいただけるようになったことは、大きな喜びでした。
一方で、若手の頃には苦い失敗経験もあります。自分が技術的に正しいと判断したことを優先するあまり、お客さまや関係者への説明や合意形成が十分でなかったことがありました。提案内容そのものは正しくても受け入れてもらえず、プロジェクトがスムーズに進まなかったのです。その経験から、仕事は技術だけで成立するものではなく、相手の立場や背景を理解しながら進めることが不可欠だと痛感しました。
こうした経験を重ねる中で、前職時代と比べて大きく変わったと感じることがあります。以前は与えられた範囲の業務を確実にこなすことが中心でしたが、今はお客さまの課題そのものを整理し、将来のあるべき姿から逆算して提案を組み立てる視点が身に付いてきました。また、200名以上の関係者が関わる構想策定案件に携わる機会もあり、営業、コンサルタント、パートナー企業、そしてお客さまの経営層から現場担当者まで、異なる立場の人たちを巻き込みながら合意形成を進める力も、確実に成長したと感じています。
現在は、まず相手の考えを理解し、その上で最適な選択肢を一緒に考えることを常に心がけています。この姿勢こそが、今の仕事の土台になっていると思っています。
「手を挙げれば挑戦できる」環境で、ビジネスアーキテクトをめざして
短期的に取り組みたいことがあります。それは、個人の経験や成功事例に頼るのではなく、社内の技術やアセットを組み合わせた「再現性のある提案モデル」をつくることです。
これまで私は、インフラやクラウドの知見を積み重ねながら、システム構築だけでなくお客さまの課題整理や構想策定の段階から関与する機会を少しずつ広げてきました。ただ、どうしても個人の経験や勘に頼る部分が大きくなりがちでした。そうではなく、誰もが活用できる仕組みとして落とし込み、関西のお客さまへより多くの価値を届けられる体制を整えていきたいと考えています。
中長期的には、インフラ領域の専門性を軸に置きながら、お客さまの事業変革やDX推進(デジタル技術を活用した業務・ビジネスモデルの変革)を支援できる「ビジネスアーキテクト」のような存在をめざしています。ビジネスアーキテクトとは、経営課題と技術をつなぎ、変革の全体像を描きながら推進をリードする役割です。一つの案件を成功させるだけでなく、関西全体でお客さまの課題解決や新たな価値創出を継続的に生み出せる仕組みづくりにも貢献したいと思っています。将来的には、営業・SE・コンサルタントをつなぎながら新たな事業機会を創出できるリーダーとして、組織の成長にも関わっていきたいです。
最後に、入社を検討されている方へお伝えしたいことがあります。日鉄ソリューションズ関西は、専門性を深めるだけでなく、「やりたい」と手を挙げれば新しい領域へ挑戦できる会社です。私自身、運用SEからスタートして、ITサービスマネジメント(ITサービスの品質・効率を管理する仕組み)、クラウド、VDI、構想策定支援へと活動領域を広げることができました。その原動力は、「まずやってみる」「どうすれば実現できるかを考える」という姿勢だったと思っています。
技術力はもちろん大切ですが、それ以上に「お客さまの課題を自分ごととして考えられる人」が活躍できる環境だと感じています。変化のスピードが速い時代だからこそ、新しい知識を学び続ける姿勢や、前例がないことにも挑戦する意欲が重要です。また、一人で完結する仕事は少ないため、多様な立場の人と協力しながら物事を前に進めるコミュニケーション力も欠かせません。
「技術者としてもっと成長したい」「お客さまの変革に深く関わりたい」と考えている方には、挑戦する価値のある環境がここにあると、自信を持ってお伝えできます。技術だけでなく、お客さまや仲間と一緒に価値を創りたいと思える方には、きっととてもおもしろい場所になると思います。
※記事内の社員プロフィールおよび本文中の所属・役職は、取材時点の内容です。
