「一番自分を出せた」ジョブマッチングが決め手、SIerへの道
学生時代に力を入れたことは、大きく2つあります。
1つは大学の研究室での活動です。専攻は情報工学で、教育にも強い関心があったことから、教職免許も取得しました。研究室も教育関連の取り組みをしているところを選び、そこで小学生向けのプログラミング学習教材の開発に携わりました。タブレット上でパズルを組み立てるようにしてプログラミング言語の構文を学べる、というものです。実際に小学校に訪問して子どもたちの前で実演する機会もあり、自分の開発したものが現場で活きる喜びをリアルに感じることができました。
もう1つは、大学入学から大学院卒業までの6年間続けたホテルでの配膳アルバイトです。お客さまの気持ちを先読みして行動する接客スキルを磨いただけでなく、長く在籍したことで新人スタッフの教育にも積極的に関わりました。この経験は、人に何かを伝える・教えるという姿勢を自然と身につける場になったと思っています。
就職活動を始めたのは、周囲より少し遅めでした。教員になる道も視野に入れていたため、一般企業への就職活動のスタートが後れてしまい、正直なところ不安もありました。ただ、軸はシンプルに定めていました。大学の専攻が情報工学だったこともあり、業界はIT関連、とりわけSIer(システムインテグレーター:企業の情報システムの企画・開発・運用を一括して請け負う会社)に絞り、勤務地は家族や友人が多い関西を希望していました。
複数の企業を検討するなかで、今の会社に惹かれた理由のひとつが、選考プロセスのユニークさです。最終面接の前まではジョブマッチングという形式、つまり社員の方と1対1で1〜2時間ほどじっくり面談を複数回重ねるというスタイルでした。
他の会社では、大学院出身ということもあって研究の話が中心になりがちでした。でもこの会社では、家族構成や実家のことなど、ごく自然な会話の流れで話題が広がり、「人情味のある会社だな」とじわじわ感じるようになりました。逆質問もしやすい雰囲気で、会社のことをざっくばらんに聞くこともできました。振り返ってみると、あの面談が就職活動の中で一番自分を出せた場でした。
最終的な入社の決め手は、この「人を大切にしてくれる雰囲気」への確信です。社長や役員の方との最終面接でも、ジョブマッチングのときと同じような温かい空気感があり、現場と経営層の間にギャップがないと感じました。選考を通じて一貫してぶれない社風を肌で感じられたことが、「ここで働こう」という気持ちを固めてくれました。
ITインフラの基礎技術を学んだ研修期間と、現在まで続く仕事
入社後の研修は、大きく分けて二段階でした。4月から8月の5カ月間は、グループ会社合同の新入社員研修で、ビジネスマナーからIT技術、そして実際のプロジェクトを模した総合演習まで、幅広く学びました。その後9月から12月は、配属先がITインフラ(ITシステムの基盤となるサーバーやネットワークなどの設備・環境)の部署と決まったため、その分野に特化した技術研修を受けました。仮想化(物理的なサーバーやネットワーク機器を、ソフトウェアで仮想的に再現する技術)やデータベース、ネットワークなど、実務に直結する内容を集中的に習得していきました。
研修期間の中で特に印象に残っているのは、4月から8月の全体研修の最後の約1カ月間に実施した、実プロジェクトを模した総合演習です。チームを組んでお客さま役の担当者に向けて、システムの設計から構築、テスト、納品まで一連の工程を実際に経験しました。右も左も分からない状態でしたが、同期のチームメンバーと一緒に試行錯誤しながら取り組んだその1カ月は、充実感でいっぱいでした。社会人として初めて「仕事をやり遂げた」という感覚を得られた経験だったと思います。
研修を終えた後も、入社時から現在に至るまで、ずっとITインフラの部署に所属しています。主な仕事は、関西のお客さまに向けたシステムの土台づくりです。具体的には、サーバーやネットワーク、データベース、そして性能・可用性・セキュリティといった非機能要件(システムが「どう動くか」ではなく「どれだけ安定して動くか」を定める要件)の設計と構築を担当しています。アプリケーションのような目に見えやすい部分ではなく、システム全体を支える基盤を作る仕事です。
入社前と入社後でギャップを感じることはほとんどありませんでした。研修を通じてITインフラの仕事のイメージを段階的につかめたこと、そして実際の業務に入ってからも学んだ知識が着実に活きていると感じられたことが、その理由だと思います。地道な積み上げが求められる仕事ですが、その分、システムが安定稼働しているときの達成感は格別です。
「お客さまの役に立てた」実感と部下の成長が、仕事の原動力になっている
現在は「基盤ソリューション事業部 基盤ソリューション第1部」に所属しており、複数案件のPM(プロジェクトマネージャー)として日々プロジェクトの推進に取り組んでいます。PMとは、プロジェクト全体の進行・品質・コストなどを管理し、関係者をまとめながら目標達成へと導く役割のことです。グループの主なミッションは、既存の関西エリアのお客さまに対してITインフラの提案から設計、構築、運用までを一貫して担うことです。また、既存案件を確実に実行するだけでなく、新規案件の探索や提案、事業拡大にも積極的に関わっています。さらに2人の部下を持ち、育成にも携わっています。
仕事においてやりがいを感じる瞬間は、大きく2つあります。1つは、自分自身の技術的な成長を実感できたときです。難しい技術課題に向き合い、それを乗り越えていく中で、「以前の自分にはできなかったことができるようになった」と気づく瞬間があります。そういった場面では、純粋に仕事が面白いと感じます。
もう1つは、自分の仕事がお客さまの役に立ち、直接お礼の言葉をいただけたときです。ITインフラの仕事はお客さまの業務を支える縁の下の力持ち的な存在であるため、成果が目に見えにくい場面も多くあります。だからこそ、直接「ありがとう」という言葉をいただけたときの喜びはひとしおです。
一方で、苦労した経験もあります。難易度の高い要望をお持ちのお客さまへの対応は、特に難しいと感じた場面のひとつです。技術的に実現できる範囲で最大限お客さまのご要望に応えるために、まず状況を丁寧に整理し、何が可能で何が困難なのかを明確にしたうえで、わかりやすく説明・説得する必要がありました。技術的な知識と、それを相手に伝えるコミュニケーション力の両方が求められる、非常に難しい対応でした。
部下の育成においても、難しさとやりがいを同時に感じています。同じ年代の部下であっても、1人ひとりの性格や成長のペース、得意・不得意は異なります。接し方や伝え方をその人に合わせて変えていく必要があり、「どうすれば伝わるか」を常に考えることの難しさを痛感しています。
その一方で、以前はできなかったことが部下にできるようになった場面を目にしたとき、まるで自分のことのように嬉しくなります。この感覚は、プロジェクトの成果を出すこととはまた違う種類の喜びで、育成という仕事の醍醐味だと感じています。
入社時と比べて自分が成長したと感じる点は、簡潔に物事を相手に伝えられるようになったこと、そして考えるときの視野が広がったことです。以前は目の前のことや自分自身のことを中心に考えがちでしたが、今はチームや組織全体の動き、今後の展開なども踏まえて考えるようになりました。PMとして複数案件を動かし、部下の育成にも向き合う中で、自然とそういった視点が身についてきたのだと思います。
「一番に声をかけてもらえる存在」をめざして、一歩先を見据えた挑戦へ
直近の目標として、自身でゼロから提案したプロジェクトを実行することに挑戦したいと思っています。これまでは、あらかじめ予定されていた案件を着実に遂行することに注力してきましたが、次のステップとして、お客さまに自ら寄り添い、課題を見つけ、提案の段階から関わるプロジェクトに取り組んでいきたいと考えています。単に言われたことをこなすのではなく、「このお客さまには今、何が必要か」を自分なりに考え抜いた提案ができるようになることが、いまの私にとって大きなテーマです。
その先にある中長期的な目標は、担当しているお客さまから、何か困ったときに一番に声をかけてもらえるような、信頼される存在になることです。そのために、日頃から意識しているのは「一歩先を予測した対応」です。お客さまから問い合わせや依頼が来てから動くのではなく、こちらから先回りして状況を把握し、必要なことを提案したり準備したりするように心がけています。こうした積み重ねが、長期的な信頼関係につながると信じているからです。
また、5年後には自身の部下がPMとして自立して案件を遂行できるように育成したいという目標もあります。自分一人でできることには、どうしても限界があります。自分が担当していることを部下もできるようになれば、組織全体としての力が大きくなり、より多くのお客さまに価値を提供できるようになる。そう考えると、育成への取り組みは自分自身のキャリアを広げることでもあると感じています。
最後に、この会社に興味を持っている方へ伝えたいことがあります。この職場の一番の魅力は、風通しのよさだと思います。困ったことがあれば気軽に相談できる雰囲気があり、新人であっても意見を言いやすい環境が整っています。また、技術に貪欲なメンバーが多く、新しい技術を積極的に取り入れたり、既存の技術をより深く掘り下げたりしようとする姿勢を、日常的に感じることができます。技術力だけでなく、お客さまの課題に寄り添うコミュニケーション力を磨きたい方や、チームとして成果を出すことにやりがいを感じられる方であれば、きっとこの環境でいきいきと活躍できると思います。一緒に働ける日を楽しみにしています。
※記事内の社員プロフィールおよび本文中の所属・役職は、取材時点の内容です。
