「使う側」から「提供する側」へ。幼なじみのサービスへの恩返し
学生時代はICT関連の学部に所属し、AIを専門とするゼミで研究に取り組んでいました。当時はちょうど第3次AIブーム(機械学習や深層学習が急速に進化し、AIが広く注目を集めた時代)の真っ只中で、次々と新しい研究成果が発表される非常に刺激的な環境でした。同じゼミの仲間と最新の論文を読み込み、その研究内容を実際に再現してみるなど、夢中になってさまざまなことに挑戦していた記憶があります。
また、ゼミの教授が担当する授業のサポートを行う「スチューデントアシスタント」としても活動していました。学生の疑問や課題を丁寧に聞き取り、分かりやすく説明する経験を重ねたことで、相手の立場に立って考える力や伝える力を養うことができました。こうした経験は、現在の業務にも活きていると感じています。
就職活動では、学生時代に培った知識や経験を生かせる場所を探していました。自分でサーバーを構築・運用し、
自分が作ったサービスが実際に動く様子を見たときの達成感が忘れられず、「ICTに関わる仕事であること」「大規模なインフラを保有し、それを活用したサービスを提供していること」を軸に企業を見ていました。
ただ、就職活動を進める中で、心の中にはずっと不安がありました。ゼミには技術力の高い先輩や、周囲にも優れた友人が多く、「自分の知識や技術は、本当に通用するのだろうか」と悩むこともありました。面接の場で技術的な質問をされたとき、うまく答えられなかったらどうしようという緊張感も常に抱えていました。それでも、自分が興味を持ち続けてきた技術に携われる環境を求めて、選考に臨んでいました。
そんな中でJ:COMに出会いました。実家では幼いころからJ:COMのサービスに加入しており、テレビや通信サービスを通じて、自分自身もJ:COMとともに育ってきたと言っても過言ではありません。だからこそ、「使う側」から「提供する側」へ立場を変え、サービスをより良いものにしていきたいという思いが強くなりました。
加えて、J:COMが自社で大規模なインフラを保有し、その保守・運用を自ら行っているという点も大きな魅力でした。自分が目指していた仕事との一致を感じたことが、入社を決める後押しになりました。
選考の場でも、J:COMへの志望意欲はさらに高まりました。私が実家でJ:COMのサービスを利用していることを伝えると、面接官から「どのようにサービスを使っているか」「不便に感じたことはないか」「入社したらどう改善したいか」といった具体的な質問をいただきました。サービスへの理解を深めながら、より良い価値を提供しようとする姿勢に触れ、この会社で働きたいという思いがさらに強くなりました。CATVサービス(ケーブルテレビをはじめとする有線通信サービス)最大手ならではの自信と向上心を感じ、「この会社で働きたい」という気持ちが一層強くなりました。
お客さまの笑顔を原動力に。現場とシステムを渡り歩いたキャリアの軌跡
入社後の研修では、社会人としての基本的なマナーからはじまり、J:COMのサービス内容やそれを支える技術についての座学、そして実際に機器を設置したりケーブルを施工したりする実習まで、幅広い内容を学びました。研修のなかでもとくに印象に残っているのは、高所作業の訓練です。自分で高所作業用の梯子を延ばして、実際にそこへ上るという体験をしたのですが、地上からかなりの高さまで上ったときのあの感覚は今でも忘れられません。「自分はこんな仕事をするのか」と、あらためて実感した瞬間でもありました。
研修を終えて最初に配属されたのは、技術センターという部署です。技術センターでは、お客さま宅への機器設置や通信設備の保守など、サービス提供を支える業務を担っています。そこでは実際にお客さまのご自宅へJ:COMの機器を設置しに伺ったり、バケット車や梯子を使って道路上空に張られたケーブルからお客さまの宅内へケーブルを引き込んで接続したりする業務を担当しました。
当初はシステム運用に携わりたいという思いが強かったため、最初の配属先がフィールドワーク中心の現場だったことに戸惑いがなかったとは言えません。それでも、この経験が後々いかに大きな意味を持つかは、当時の自分にはまだわかっていませんでした。
お客さまのお宅にうかがい、サービスが使えるようになった瞬間、あるいはインターネットがつながらないといったトラブルを解決できた瞬間、お客さまが笑顔になってくださる——その光景がとにかくうれしくて、大きな達成感がありました。技術職でありながら、人と直接かかわることのやりがいを肌で感じた時間でした。
その後、同じ技術センター内で部署異動し、ケーブルに信号を乗せてお客さまのご自宅へ届けるための設備(いわゆる伝送設備)の運用管理を担当するようになりました。フィールドでの施工業務から、インフラの安定稼働を支える業務へとシフトしたかたちです。そしてこの頃から、社内のシステムを日常的に使う立場として、改めてその仕組みや重要性を意識するようになっていきました。
現在は技術センターから異動し、社内システムの保守・運用を担当する部署に所属しています。技術センター時代にユーザーとして使っていたシステムを、今度はそれを維持・管理する側として支える立場になりました。ユーザー目線を知っているからこそ、システムがどう使われているか、どこに不具合が出るとどんな影響があるかをリアルに想像しながら仕事に向き合えます。
現場でお客さまの笑顔を見てきたこと、そして社員として実際にシステムを使い込んできたこと——この二つの経験があるからこそ、今の自分は「このシステムが止まれば、誰がどんな影響を受けるのか」を具体的にイメージしながら仕事ができています。新入社員のときに経験した一つひとつが、今の業務のモチベーションにしっかりとつながっていると感じています。
入社前に描いていたイメージと実際の仕事との間に大きなギャップがあったかというと、特にそういったことは感じていません。むしろ、現場から積み上げてきたキャリアが、今の自分の仕事をより深く、より意味のあるものにしてくれていると実感しています。
障害対応を通じて磨かれた、原因を見極める力
現在、私が担当しているのは、J:COMが保有するケーブルの敷設状況を管理するシステムの運用・保守です。ケーブルというのは、お客さまのご自宅にインターネットやテレビのサービスを届けるために、街中に張り巡らされている通信線のことです。このシステムは、たとえばお客さま宅へ新たにケーブルを接続する際にどこから引き込むかを確認したり、障害が発生したときにケーブルがどこに位置しているかを素早く判断したりするために活用されています。
所属している部署のミッションをひとことで言うと、「お客さまには見えないところで、サービス提供の土台を支えること」です。障害が起きた際にその影響をできるだけ短時間で抑えるためのシステムを日々運用しており、縁の下の力持ちとして会社全体を支えている感覚があります。
また、私が担当しているシステムはJ:COMのケーブル運用に特化したもので、汎用的なシステムとは異なる独自の癖があります。そのため、自分が業務の中で発見した知見は積極的に後輩やチームと共有するようにしています。「自分が困ったところで、同じ人が同じように困らないようにしたい」という気持ちが根底にあって、チーム全体の底上げを意識しながら日々の仕事に取り組んでいます。
この仕事を続けてきてよかったと感じる瞬間は、やはり障害対応がうまくいったときです。システムに障害が発生すると、社内のさまざまな業務が止まりかねない状況になります。そこで自分のこれまでの知識や経験をフル活用して対応にあたり、結果として業務が止まることなく継続されているのを目の当たりにしたとき、「自分のやってきたことが会社の役に立っている」と強く実感できます。
なかでも特に印象に残っているのは、現在の部署に異動してまだ1年も経たないころに経験した、大規模な障害への対応です。担当していた社内システムがインフラの物理的な故障によって完全に動作しなくなるという事態が発生しました。先輩社員から「過去最大規模の障害だ」と言われるほどの出来事で、昼夜を問わず復旧に向けて対応にあたりました。当時はまだ経験が浅く、正直なところ非常に厳しい状況でしたが、学生時代に学んだ技術的な知識と、周囲にいる知識豊富な先輩社員の助けがあったことで、なんとか乗り越えることができました。あの経験は今でも自分の中で大きな財産になっています。
その経験を含め、仕事を積み重ねる中で自分自身が成長したと感じる部分もあります。以前は障害が発生するといろいろと調べながら時間をかけて原因を特定していたのですが、今では障害の症状をもとに「おそらくここが原因ではないか」と推理して、的中させられるようになってきました。経験と知識が積み上がることで、こうした直感的な判断力が育ってきたのだと思います。
さらに、仕事を通じて自分の価値観も少しずつ変化してきました。以前は「安定してシステムを動かし続けること」に意識が向いていましたが、今は安定運用を維持しながらも、ちょっとした改善点を見つけてユーザーがより使いやすくなるための行動を積極的に取ろうという意識が生まれています。守りだけでなく、攻めの姿勢も持ち合わせながら仕事をすることの大切さを、日々の業務から学んでいます。
「システムのことならこの人に」AI時代に特化した専門家をめざして
今後、短期的に挑戦したいと思っているのが、AIを業務でただ使うだけにとどまらず、AIの特性を生かした仕組み作りです。
実は学生時代、AI関連のゼミに所属していたこともあって、「こういうことができないかな」とアイデアを温めていた場面が何度もありました。当時は社会全体がまだそこまでAI活用に積極的ではなく、自分の中のアイデアも「いつか実現できたら」という程度のものでした。でも今は時代のトレンドそのものが変わり、職場でもAIを積極的に活用すべきという空気が生まれてきています。学生時代に勉強してきたことが、ようやく実務で生かせるタイミングが来たと感じていますし、このチャンスを逃したくないという気持ちが強いです。
単にAIツールを使って作業を効率化するだけでなく、AIの特性—大量データの処理や反復作業の自動化、パターン認識といった強みを踏まえた上で、業務そのものの仕組みを設計し直すことに挑みたいと思っています。「ツールを使う人」ではなく、「仕組みを作る人」になることが目標です。
中長期的には、「システムのことならまずあの人に相談しろ」と言ってもらえるような、専門知識豊富な頼れる人材になることをめざしています。これは入社以来ずっと抱いているビジョンでもあります。
そのために今も続けているのが、学生時代から取り組んでいる自宅サーバーの保守・運用です。自宅サーバーとは、市販のクラウドサービスに頼らず、自分で物理的なサーバーを設置・管理する環境のことで、ネットワーク設定からOS(オペレーティングシステム)の管理、セキュリティ対応まで、すべて自分でこなす必要があります。仕事で得た知識を自宅環境で試し、自宅で試したことが仕事に返ってくる——そういうサイクルが自分の技術力の底上げにつながっていると感じています。
また、職場での障害対応(システムに問題が発生した際の原因調査・復旧作業)にも積極的に関わるよう心がけています。障害対応は予測が難しく、毎回異なる状況への判断が求められます。その経験の積み重ねが、「どんな問題が起きても対処できる人」という信頼につながると信じているからです。
J:COMのシステム分野には、Webアプリケーションを開発している部署もあれば、通信機器を扱っている部署もあり、技術の幅がとても広いです。自分のやりたいことを見つけやすい環境だと思いますし、私自身もその広がりの中で「特化した強みを持つ人材」として存在感を発揮していきたいと考えています。
就職活動中でJ:COMのシステム分野に興味を持っている方には、ぜひ一度社員訪問を検討してみてほしいと思います。私自身、システム運用の部署に所属しながら直接お客さま対応も経験してきたという、技術分野を上から下まで幅広くなぞってきた珍しい経歴を持っています。システム運用の現場から見た仕事のリアルや、キャリアの選択肢の広さについて、できる限り具体的にお伝えできると思います。ぜひ気軽に話しかけてみてください。
