統計学とチーム活動で培った、「生活者を支えるデータ分析」への想い
学生時代に最も力を入れたのは、数理統計グループでの活動でした。データサイエンスの基礎となる統計学を学び、データを読み解く力を磨いていました。それと並行して、ワンダーフォーゲル部にも所属し、北は利尻島から南は宮古島まで、全国各地を舞台に登山やアウトドア活動に取り組みました。山岳・野外活動を行うワンダーフォーゲルでは、チームで協力しながら目標を達成することの大切さや、出発前から綿密な計画を立てて行動することの重要性を体で学びました。
就職活動では、業界を特定せず幅広い企業を見ながら、データサイエンス業務に携われる環境を探していました。単にデータを分析するだけでなく、分析の設計から実際の分析、結果の共有、そしてフィードバックや施策への反映まで、一連のプロセスにトータルで関われる仕事がしたいと考えていました。さらに、自分が手がけた分析が、人々の日常生活を支えるサービスや事業に活きていくような環境であることも、企業を選ぶうえで大切にしていた軸のひとつでした。
ただ、就職活動を進めるなかで一番悩んだのは、各企業でどのようなデータ分析が実際に行われているのかが、外からはなかなか見えないことでした。募集要項を読んでも、具体的な業務内容や分析結果がどのように事業に活用されているのかをイメージするのが難しく、「自分のやりたいこととマッチしているのか」を判断するのにとても苦労しました。
そうした中でJ:COMに興味を持ったのは、TV、NET、MOBILE、でんきなど、生活に密着した多様なサービスを展開している点でした。これだけ幅広いサービスを手がける企業であれば、日常生活に関わるさまざまなデータを扱いながら、自分がめざしていた「生活者を支えるデータ分析」が実現できると感じました。分析結果を事業やサービスの改善につなげる機会も多いと考え、一連のプロセスに深く関わりたいという自分の希望にも重なると思いました。
データサイエンス職を中心に複数企業を検討する中で、J:COMではTV、NET、MOBILE、でんきなど幅広いサービスに関わるデータを扱える点に魅力を感じました。また、社員との面談を通じて、年次に関係なく意見を発信しやすい雰囲気を感じたことも入社を決める理由の一つでした。
さらに、社員の方々との面談や選考を通じて、長期的に成長しながら働ける雰囲気を肌で感じたことも、入社を決める後押しになりました。働きやすさやチームの空気感は、入社後のモチベーションに直結するものだと思っていたので、その点での安心感は大きかったです。こうした複数の理由が重なり、J:COMへの入社を決めました。
実務で学んだ、「活用される分析」の重要性
入社後は、まず約1カ月間の新入社員研修からスタートしました。ビジネスマナーや仕事の進め方といった社会人としての基礎を学ぶ期間で、同期と一緒に社会人生活の土台を築いていった時間でした。研修を通じて、仕事に対する姿勢や考え方の軸が少しずつ整っていく感覚がありましたね。
研修が終わると、現在も所属しているデータソリューション推進部へ配属となり、OJT(職場内でのトレーニング)がスタートしました。配属直後はサポーター社員の方がついてくださり、実際の業務に取り組みながら知識やスキルを身に付けていく形でした。データ分析業務の基礎的な考え方から、現場での実務の進め方まで、幅広いことを実践の中で学べたのはとても良い経験でした。座学で学ぶよりも、実際に手を動かしながら覚えていく方が自分には合っていたと感じますし、現場に入ることで「データが実際にどう使われているか」を肌で感じることができました。
配属後は、マーケティングオートメーション(MA)関連の分析業務を担当しながら、並行してお客さまの解約やサービス加入を予測する機械学習モデルの開発にも携わりました。機械学習とは、大量のデータをもとにコンピューターが自動的にパターンを学習し、予測や分類を行う技術のことです。学生時代にも機械学習について学ぶ機会はありましたが、実務で扱うのはまた別の難しさがありました。
学生時代は「どのアルゴリズムやモデルを使うか」という観点で考えることが多かったのですが、実際の業務では、モデルそのものよりも「どのデータを使うか」「どの変数をどう定義して取り込むか」という部分が精度に大きく影響することを実感しました。また、単に精度の高いモデルを作ることがゴールではなく、事業部門の方々とコミュニケーションを取りながら、現場で実際に活用できる形に落とし込むことが重要だということも、業務を通じて初めて理解できたことです。どの指標が業務上意味を持つのか、どのような定義でデータを活用すべきかを関係者と議論しながら進めることで、「分析のための分析」ではなく、「意思決定や施策改善につながる分析」を行うことの重要性を学びました。
「何のために分析するのか」失敗が教えてくれたデータ活用の本質
現在は、お客さま体験の向上をめざすCX推進チームに所属し、主にデジタルチャネル領域のデータ分析業務を担当しています。具体的には、MA(マーケティングオートメーション:顧客へのアプローチを自動化・効率化するマーケティング手法)関連の分析業務・ダッシュボード作成や、J:COM LINK(J:COMが提供しているテレビ向けの次世代セットトップボックス)でのお知らせの効果を可視化するためのダッシュボード作成などに携わっています。データを集計・分析するだけではなく、「その結果を現場でどう活用するか」までを含めて設計することを意識しています。分析担当者と事業部門の橋渡し役として、施策改善や意思決定に結び付くデータ活用を推進しています。
これまでの業務の中でとくに印象に残っているのは、マーケティング施策の効果を可視化するダッシュボードの作成業務です。マーケティング部門の担当者と密にコミュニケーションを取りながら、施策の効果検証や分析に必要な機能・指標を一つひとつ整理し、実際の業務で活用できるダッシュボードを構築しました。さらに、このダッシュボードをデータ活用基盤の一つに据えた1to1マーケティング(顧客一人ひとりに合わせてアプローチを最適化するマーケティング手法)プロジェクトでは、マーケティング部のかたがたと協力しながら成果創出に取り組みました。その結果、社内の優れた取り組みを表彰する「J:COM AWARDS 」にノミネートされ、大きな達成感を得ることができました。分析部門だけでなく、事業部門と一体となって成果につなげられたことが、何よりも嬉しかったです。
一方で、忘れられない失敗経験もあります。新人時代に担当した分析業務で、依頼元の意図を十分に理解しないまま分析を進めてしまったことがありました。当時は「どのような分析をするか」に意識が向いてしまい、「その分析結果をどのような施策に活用したいのか」という背景まで深く確認できていなかったのです。分析自体は実施できたものの、施策への活用方法が曖昧なアウトプットとなってしまい、上長から指摘を受けました。分析結果を出すこと自体が目的になってしまい、「何のために分析するのか」という視点が欠けていたのです。
この経験を通じて、分析において最も重要なのは精度や手法ではなく、「誰のどんな意思決定を支援するための分析なのか」を明確にすることだと学びました。現在では分析に着手する前に、 依頼者が解決したい課題、その結果をどのような施策や業務判断に活用したいのかまでヒアリングし、関係者と認識を合わせたうえで分析を進めることを徹底しています。また、途中経過をこまめに共有しながら認識を合わせることで、より実務に役立つ分析につなげられるようになりました。
こうした経験を重ねるたびに、入社1年目と比べて最も成長したと感じるのは、課題の背景を理解し、本当に解決すべきテーマを整理する力です。以前は分析内容を正確に伝えることに意識が向いていましたが、現在は相手に理解してもらうための伝え方をより意識するようになりました。
そのためには相手との対話が欠かせず、結果としてコミュニケーション力も大きく向上しました。データ分析に詳しくない方へ説明する場面も多いため、専門用語をできるだけ使わず、相手の業務に置き換えて説明することを意識しています。MAダッシュボードの作成をはじめとするさまざまな業務経験が、相手の立場に合わせて説明する力を養ってくれたと感じています。
マーケティングとデータをつなぎ、新たな価値を生み出す
現在はMA(マーケティングオートメーション:顧客へのアプローチを自動化・効率化するための仕組み)を中心とした業務に携わっていますが、今後挑戦したいのはクロスチャネル分析です。アプリやJ:COM LINK、Webサイトなど、さまざまなデジタルチャネルを横断して顧客行動を捉えていく取り組みです。
お客さまはひとつのチャネルだけを使っているわけではなく、複数のサービスや接点を行き来しながら私たちのサービスと関わっています。だからこそ、単一のチャネルだけを見ていては本当の顧客像は見えてきません。それぞれのチャネルの特性を理解したうえで、より効果的なデジタルマーケティング施策の立案や効果検証に貢献できる分析スキルを、まず短期的な目標として身に付けていきたいと考えています。
中長期的には、デジタルマーケティング全体をリードできる人材になることをめざしています。データ分析の知識だけにとどまらず、マーケティングやシステム、業務プロセスなど幅広い領域の知見を積み上げながら、事業全体の成果につながる提案ができるようになりたいというのが正直な思いです。
また、近年急速に進化している生成AIなどの新しい技術にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。現在は手作業で行っている分析業務やレポート作成、データ整理といった業務を効率化する仕組みを自分で構築し、より付加価値の高い仕事に時間を使える環境をつくっていくことにも挑戦したいです。将来的には、データ分析の専門性に加え、マーケティングや生成AIなどの技術を組み合わせながら、事業課題の発見から施策の実行までをリードできる人材をめざしています。単なる分析担当者ではなく、「何を解決すべきか」を描き、その実現まで伴走できる存在になりたいと考えています。
J:COMに向いていると思うのは、生活者に寄り添ったデータ分析に興味がある方です。J:COMではTV、NET、MOBILE、でんきなど、日々の暮らしに関わるさまざまなサービスを展開しているため、「データを分析すること」それ自体が目的ではなく、「分析結果をどのようにお客さまや事業のために活かすか」を常に考える機会があります。分析から施策の実行まで一気通貫で関わることができるので、自分の仕事が実際のサービス改善につながっていることを実感しやすい環境だと思います。データを通じて人々の生活をより良くしたいという気持ちを持っている方には、とくに魅力的な職場ではないでしょうか。
最後に、社員訪問を考えている学生の皆さんへ。少しでも興味があれば、ぜひ気軽に来ていただければと思います。会社説明会やホームページだけではなかなか伝わらない、実際の仕事内容や働き方のリアルがあります。私自身も就職活動中に多くの社員の方とお話しすることで、働くイメージを具体的に持つことができました。J:COMにはさまざまな職種やキャリアを持つ社員がいますので、気になることがあれば遠慮なく質問してください。皆さんの就職活動の参考に少しでもなれば、とてもうれしいです。

