フィリピン・マニラの大型複合商業施設に開業する、新業態の店舗開発に挑戦
私は今、フィリピンのマニラに2022年に建設予定の複合商業施設の開業準備を進めています。
この開発プロジェクトは、フィリピンの大手不動産会社であるフェデラルランド社と、野村不動産、三越伊勢丹3社の共同で推進しているもので、施設は上部が分譲タワー型のコンドミニアム、下層はショッピングセンター(SC)となっています。
商業施設の開発とテナント誘致を不動産事業部が担当。さらに、そのSCの核テナントとして“食と美” に特化した新業態の店舗を出店する予定で、私は新店舗の事業計画や店舗開発に携わっています。
プロジェクトは少人数で推進しており、現地に赴任予定の私と上司の二人、さらに各商品カテゴリーのスペシャリストである商品担当複数名で計画を進めています。店舗出店にあたり現地法人を設立するため、マーケティングや商品の品揃え計画だけでなく、店舗デザインや法務、財務、物流、システムの導入までありとあらゆる業務を担っています。
新店舗開発にあたってとくに私たちがこだわったのは、ローカルサプライヤー(現地お取組先)といかにコラボレーションするかということ。日本の感覚をただ現地に持っていくのではなく、現地のお客さまやお取組先の声を尊重した店舗づくりがしたいという想いがありました。
お取組先さまを現地でイチから開拓。苦労した分だけ、やりがいも大きかった
現地のコネクションも情報も不十分な中、私が行ったのは「飛び込み営業」でした。
さまざまなお店を食べ歩いたり商品を買ったりして、これはと思ったお店には店員さんにオーナーの連絡先を聞いたり、店舗ホームページの「ContactUS」からメールを送るという、じつに泥臭い方法です。
なんとかアポイントを取り付けると、決して得意でない英語を駆使しながら自分達のプロジェクトについて熱く語りました。
実際には無視されることも多く、アポイントまでこぎ着けるにも一苦労だったのですが、ある現地のサプライヤーに共感いただき、ぜひ一緒にやりたいと言っていただけた時は本当にやりがいを感じました。
入社5年目に海外研修出向でシンガポールへ
はっきりと海外へ意識を向けるようになった転機は、入社5年目に赴任したシンガポールでの海外研修出向です。
シンガポールには伊勢丹が5店あるのですが、私が研修に赴いたのは、郊外のジュロン・イーストという街にある小さな店舗。職場は上司も同僚も含めて全員が現地雇用の方という環境です。
そこで、私は副店長として店頭のみならずバックオフィスも含めた現地スタッフのマネジメントはもちろん、警備や設備の対応、出店しているSCとの交渉までお店に関わることはなんでもやりました。
日本と現地スタッフの考え方や価値観の相違で悩んだり、戸惑ったり。日本で売れている商品を意気揚々と品揃えして、まったく売れないといった失敗も何度も経験しました。
しかし、そのおかげで「日本の感覚だけでビジネスを考えてはだめなんだ」ということを身をもって学んだのです。
アジアでの「三越」「伊勢丹」の知名度は、想像以上
これまで、アジアで海外のお客さまと接する中で強く感じるのは、驚くほど世界のお客さまが日本文化に興味を持ってくださっているという事実です。とくに、「三越」「伊勢丹」は想像以上にアジアで知名度があります。
どちらの「のれん」も比較的早い段階でアジアに出店していたこともあると思いますが、「日本の一等地に店舗がある高級百貨店」というブランド価値は、今後私たちが海外でビジネスを展開する上で大きな強みになると感じます。
アジアは近年経済が躍進し、文化リテラシーも高いレベルに達しています。また、日本の遙か上をいく富裕層も多く、三越伊勢丹が長年培ってきた富裕層のお客さまに向けたノウハウも活かせるのではないかと期待ができます。
ぜひこのプロジェクトを成功させて、海外の不動産開発と日本の百貨店のブランドバリューを活用し、商業運営を掛け合わせた新たなビジネスモデルを確立したいと思います。
マニラは、アジアの中でもとくに活気がある街です。高層ビルが次々と建ち並ぶ近代都市へと変貌し、人口も右肩上がりに増えています。新しいフェーズに入ったこの街で、現地の人々と一緒に新しい挑戦ができる。
困難も多いでしょうが、本当にこれからが楽しみで仕方ありません。
※組織、役割、研修制度に関する記載は、2020年3月現在の情報です
