生命保険の基幹システムを支える、約60名チームのグループマネージャ
私が所属するチームでは、生命保険会社の基幹システム(保険会社の業務全体を支える中核システム)の開発・保守に取り組んでいます。具体的には、保全・保険金・営業系のシステムを担当しており、なかでも営業系では営業職員や代理店への報酬に関するシステムなどを扱っています。
私たちのミッションは、お客様の生命保険業務をシステム面から支え、安定したサービスを提供し続けることだと考えています。単にシステムを動かし続けるだけでなく、お客様や需要先の方々と一緒に課題に向き合い、システムをより良くしていくことも、私たちが大切にしていることのひとつです。
チーム内での私の役割は、グループマネージャとプロジェクトリーダーの兼務です。プロジェクト全体の運営と組織のマネジメントを担いながら、長年このシステムに携わってきた経験を活かし、営業系システムの有識者として各案件を支援しています。
プロジェクトの進行を俯瞰しながら、現場の技術的な課題にも深く関わるのが、私の日々の仕事です。
チームは約60名規模で、毎年新人が入ってくることもあり、若手のメンバーも多く活躍しています。仕事に熱心でまじめなメンバーが揃っている一方で、堅苦しい雰囲気はなく、比較的気軽に話しかけたり相談したりできる職場だと感じています。大規模なプロジェクトでありながら、こうしたフラットなコミュニケーションが根づいているのは、このチームの良さのひとつだと思っています。
コミュニケーションの取り方については、週の半分程度は在宅勤務のため、オンラインでのやり取りが中心になっています。一方、出社しているときは直接声をかけて話す場面も多く、オンラインと対面をうまく使い分けながらチームとしての連携を保っています。規模が大きいからこそ、日常的なコミュニケーションの積み重ねが大切だと感じています。
「苦労も良い思い出に」お客様と共に歩んだ約20年のプロジェクト史
私が現在のプロジェクトに加わったのは、今からおよそ20年前のことです。もともと生命保険システムの開発・保守に携わっていたため、業務そのものへの不安はさほどありませんでした。ただ、新しい環境に入ったことで覚えることも多く、慣れない中でも「面白そうだ」「挑戦しがいがある」という気持ちが自然と湧いてきたことを、今でもはっきり覚えています。
このプロジェクト自体は、私が入社するよりも前から続いているものです。旧システムからの再構築をきっかけに始まり、長年にわたってシステムの開発と保守を担ってきた歴史があります。私はそのプロジェクトにサブリーダーという立場で参画し、その後は案件リーダーなどさまざまな役割を経験しながら、現在はグループマネージャ兼プロジェクトリーダーとして、プロジェクト全体を見渡す立場になりました。
20年という長い時間の中には、大変だった案件も、思うようにいかずに悩み続けた経験も数多くあります。ただ、ものづくりというのは不思議なもので、終わってみると苦労したことも含めてすべてが良い思い出に変わっていくんです。特に印象に残っているのは、社内のメンバーだけでなく、お客様や需要先(システムを実際に利用する部門や関係者)の方々と一緒になって困難を乗り越えてきた経験です。現場で同じ目標に向かって苦労を分かち合い、それをともに解決していく過程には、一人では決して得られない達成感があります。
そうした積み重ねが今の自分をつくっていると感じています。長くひとつのプロジェクトに携わり続けることで、業務への理解もシステムへの知見も少しずつ深まっていきました。そしてその知識を自分の中だけにとどめておくのではなく、次の世代へとしっかりつないでいくことが、今の自分に課された大切な役割のひとつだと考えるようになっています。
「信頼して任せる」ことから生まれる、メンバーの成長とやりがい
メンバーの成長を感じる瞬間というのは、やはり自分で課題に気づき、周囲と相談しながら解決策を考えられるようになったときです。最初は教えられたことをこなすのに精いっぱいだったメンバーが、ある日「こういう課題があるんですが、どう思いますか?」と自分から話しかけてくれるようになる。そういった変化が見えたとき、確かな手応えを感じます。
そして、そうしたメンバーが組織の中に増えていくと、今度はお互いに知識や経験を補い合える関係が生まれてきます。誰かが得意な部分を別の誰かが学ぶ、あるいは苦手な部分を誰かが自然にフォローする。そういう場面が増えていくことが、個人の成長を超えた、チームとしての成長だと感じています。
ただ、正直に言うと、以前の私はそういったやり方とは少し違うアプローチをとっていました。細かなルールや手順を整えて、それをきちんと守ってもらうことを重視していた時期があったんです。自分で確認した方が早くて確実だという考えが根底にあり、仕組みで管理しようとしていました。
でも、すべてをルールでカバーすることには限界があると、経験を重ねる中で気づきました。どれだけ手順を細かく決めても、現場には想定外の状況が必ず出てきます。そのときに本当に必要なのは、手順を覚えていることではなく、その背景にある「なぜそうするのか」という考え方を理解していることだと分かってきました。今は手順だけでなく、その考え方をメンバーと共有することを意識しています。
チームをまとめる上で大切なのは、自分一人でできることには限りがあると認識することです。メンバーそれぞれが何を得意としているか、どのような経験を積んできたかをできるだけ把握した上で、その人が力を発揮できる形で仕事を任せるようにしています。任せた後も放置するわけではなく、どこまでできそうか、どの程度のフォローが必要かを見極めながら、必要なときには自分も支援に入る。そういったバランスを意識しています。
この仕事では、お客様や需要先の方々と一緒に課題を考え、システムという形で解決策を作り上げていくプロセスそのものにやりがいを感じています。
特に印象に残っているのは、需要先のシステム部門の方から「良い設計だった」と評価していただいたことです。自分たちが考えた設計が、実際にシステムを使う側の方にも認められた瞬間は、素直にうれしかったですね。また、自分たちが開発に携わった保険商品が実際に販売され、多くの方に利用されていると聞いたときも、ものづくりに携わった実感がありました。普段はシステムを作ることに集中しているので、その先で実際に役立っていると分かると、改めてこの仕事の意味を感じます。
「人が入れ替わっても力を発揮できる」チームをめざして
今後、チームとして取り組んでいきたいことの一つが、個人に蓄積されているノウハウを組織として活用できる形にしていくことです。
長く続いているプロジェクトでは、どうしても経験者の頭の中にしか残っていない知識が生まれてきます。資料を見れば分かることばかりではなく、「この業務はなぜこういう仕様になっているのか」「こういうケースのときにはどう対処するのか」といった知識は、長年携わってきた人でないと答えられないことも少なくありません。そうした知識を整理して蓄積し、必要なときにAIなどを使って誰もが探したり活用したりできるようになれば、ノウハウの継承にも大きく役立つのではないかと考えています。
新しい技術はあくまでも手段の一つですが、うまく活用することで、人が入れ替わっても継続して力を発揮できるチームに近づけると思っています。そういうチームをつくっていくことが、今の私にとっての大きな挑戦です。
チームとして社会にどう貢献していくかという点では、まずはお客様の生命保険業務を支えるシステムを安定して提供し、必要な変化に着実に対応し続けることが私たちの基本的な役割だと考えています。その積み重ねによって、お客様の事業を支え、その先にいる保険を利用される方々にも貢献していければと思っています。地道に聞こえるかもしれませんが、この仕事の重さを日々感じながら取り組んでいます。
理想の組織像についても、常に意識していることがあります。一人ひとりが自分で課題を考えながら、必要なときには周囲に相談し、チームとして解決していける組織でありたいということです。状況が変わればやり方も柔軟に変えていきながら、仕事の目的や根っこにある考え方はみんなで共有できる、そんなチームが理想です。
最後に、これからチームに加わってくれる方へ伝えたいことがあります。最初から何でも知っている必要はありませんし、分からないことは周囲に聞きながら覚えていけばよいと思っています。生命保険の業務やシステムは奥が深く、長く関わるほど新しい発見があります。いろいろなシステムを幅広く経験したい人も、一つの業務やシステムを深く追求したい人も、どちらも歓迎します。大切にしてほしいのは、分からないことを周囲に聞いたり、自分なりに考えたりしながら、一緒に課題を解決しようとする姿勢です。一緒に課題解決に取り組みながら、自分の得意なことや興味のある領域を見つけていってもらえたらうれしいです。
