半歩先の技術を追い続ける、6人精鋭チームのミッションとは
私が率いる技術戦略部は、将来のシステム開発に必要となる「半歩先の技術」を先取りすることをコアミッションに掲げたチームです。最新技術やトレンド技術を調査し、当社の事業領域においてどのような展望があるのかを検討したうえで社内に展開していく。それと同時に、現場プロジェクトから寄せられる技術的な相談にも応じ、プロジェクトの対応力向上を支援しています。
具体的には、技術的な悩みを抱えるプロジェクトからの相談受付と解決支援、社内勉強会や社内イベントを通じた技術情報の発信、そして定期的に発行している社内メーリングリストを活用した情報共有などが主な活動です。技術的な支援を通じてプロジェクトの現場を強くすること、そして技術情報の発信を通じて社員のエンゲージメント向上にも貢献すること——この二つを両輪として動いています。
部長である私の役割は、予算管理・要員管理・各種施策の実行管理が主となります。ただ、数字や進捗を管理するだけでなく、メンバーのモチベーション管理と働きやすい職場環境づくりに特に力を入れています。というのも、私たちは6人という小規模なチームで、そのうち入社1年目から3年目の若手が3名と、実に半数を占める構成だからです。若手が技術的な強みを身につけてからプロジェクトに参画できるよう、日々の育成に腰を据えて取り組んでいます。
技術有識者は私を除くと2名。一人は認定スクラムマスター資格(スクラムというアジャイル開発手法の実践をリードする専門資格)を保持し、スクラム・アジャイル運営や幅広いWebシステム開発技術に精通しているベテランメンバーです。最近は生成AIツールを積極的に実践し、ノウハウを蓄積しています。もう一人はAWSの各種スペシャリティ資格(Amazon Web Servicesというクラウドサービスの高度な専門資格)を持ち、クラウド領域については部内随一の知見を誇る中堅メンバーです。少数精鋭という言葉がまさに当てはまるチームだと思っています。
チームの雰囲気づくりでは、心理的安全性(メンバーが安心して発言・行動できる状態)を何よりも大切にしています。メンバーの意見をまず否定せずに受け止めることを徹底し、誰もが自由に発言・提案できる文化づくりに取り組んでいます。また、チーム運営にはスクラム(短期間のサイクルで計画・実行・振り返りを繰り返すアジャイルな開発・運営手法)を採用しており、毎週全員参加で行うスプリントレビュー(成果確認会)やレトロスペクティブ(振り返り会)を通じて、互いの意見を共有しながらチーム全体で成長を続けています。
ゼロから立ち上げた社内勉強会が、部門の「主要活動」へと根付くまで
私が現在所属している技術戦略部は、もともと二つの部門が合体してできた組織です。一つは最新技術の調査・研究を担う部門、もう一つは開発専任部隊と呼ばれるシステム実装に特化した部門です。私は後者、開発専任部隊の発足直後にメンバーとして合流しました。
当時の私はプログラミングの工程に強い魅力を感じていたので、実装に専念できる環境に飛び込めることに純粋な興奮を覚えていました。最初に携わったのは、証券会社の新商品に対応する社内処理用WebシステムをJava(業務アプリケーション開発で広く使われるプログラミング言語)を使って詳細設計から実装・テストまで一貫して担当するプロジェクトです。「コードを書くこと」そのものに向き合える日々は、まさに自分が求めていた環境でした。
同時期に、新入社員向けの集合研修の講師も担当していました。Javaの基礎から始まり、オブジェクト指向(現実世界の「もの」や「概念」をプログラム上で表現する設計思想)の概念、さらにはフレームワーク(開発を効率化するための汎用的な設計の枠組み)を活用したWeb開発まで、座学と実践を組み合わせながら教えていました。なかでも印象深いのは、新人5〜6人のチームで外部設計から実装・リリースまでを2〜3週間で経験させるシステム開発実習です。これまで学んできた知識を実際の開発作業として形にしていく新人たちの姿は、私自身にとっても大きな刺激になりましたし、リーダー役として振る舞うなかで多くのことを学ばせてもらいました。
部門が合体してからは、技術調査やトレンドの選定に軸足を移し、その後部長に就任してからは「部門の活動を社内にどう届けるか」という課題に正面から向き合うことになりました。当時、技術戦略部は発信が少なく、社内からは「何をやっている部門なのかよくわからない」という声があったのです。
そこで始めたのが社内勉強会です。私以外のメンバーに講師経験者はおらず、私自身もゴールが見えない中でのゼロからの挑戦でした。技術を自分で習得することと、それを人に伝えることでは必要なエネルギーの方向性がまったく異なります。社内の人間とはいえ、普段面識のない参加者を前に話すことへの抵抗感は、メンバーの中にあったと思います。それでも全員が試行錯誤を重ね、テーマの選定、コンテンツの作成、説明の練習、集客方法の検討と、一つひとつ形にしてくれました。
当初は参加者も少なかったのですが、定期的な振り返りと改善を積み重ねることで少しずつ変化が生まれました。開催時間を定時後・定時内の両方に設定したり、Webフォームで手軽に申し込めるようにしたりと、細かな工夫を続けました。大きな転換点となったのは、プロジェクトからのリクエストに応じたテーマで勉強会を開催するようにしたことです。現場のニーズに合わせて柔軟に対応することで参加者が増え、一度参加してくださった方からまた別のリクエストをいただくという良い循環が生まれました。施策を開始してから5年が経った今では、社内勉強会は技術戦略部の主要活動の一つとしてしっかりと根付いています。
「小さな成功体験の積み重ね」が育てたメンバーの自発性とやりがい
メンバーの成長を感じる瞬間は、日常のあちこちにあります。以前は私が間に入って対応していた部外からの技術的な問い合わせも、今ではメンバーだけで完結できるようになりました。調査すべきツールを自ら見つけて提案してくれたり、新しい活動を自発的に企画してくれたりと、チームとしての自律性は確実に高まっています。
スクラム(短い反復サイクルでソフトウェア開発を進めるフレームワーク)の現場では、チームの進行役であるスクラムマスターの役割を一つ下の世代のメンバーに引き継ぎました。後進の育成という観点でも、確かな手応えを感じています。
こうした自発性はある日突然芽生えたわけではありません。スクラムイベントでの日々の発言や提案、勉強会の運営、社内イベントの開催といった小さな成功体験を積み重ねてきた結果だと思っています。だからこそ、チームとして心理的安全性を守ることを特に大切にしてきました。
具体的には、週に一度の1on1ミーティングを実施し、業務の話だけでなく趣味の話など、雑談に近い対話も大切にしています。テレワークが主体の部門なので、いつでも気兼ねなく話しかけられるよう、常時接続できるリモート会議の場も用意しています。また、誰でも気軽に意見やアイデアを共有できる仕組みを取り入れるなど、発言しやすい環境づくりにも力を入れています。
私が意識しているのはサーバントリーダーシップ、つまりメンバーを支える立場に徹することで、チーム全体の成果を最大化するというスタンスです。出社の頻度はメンバーへのヒアリングをもとに決め、受講したい社外研修を自由に挙げてもらうなど、働きやすい環境づくりを地道に続けています。特別なエピソードとして語れるものは正直見当たらないのですが、それはこうした取り組みが日常に溶け込んでいるからだと思っています。
この仕事のやりがいは、何といっても最新の技術トレンドに触れながらスキルアップできることです。技術者として純粋にありがたい環境だと感じています。そしてその成果を会社全体に展開することで、自分自身と会社の双方にとってプラスになる、いわばWin-Winの活動ができる点も大きな魅力です。
さらに、当部が主催する社内イベントに参加してくださった方が勉強会にも来てくださったり、その逆もあったりと、活動のフォロワーの輪が少しずつ広がっていくことも、大きな励みになっています。参加者が目に見えて減った経験もあり、評価の目は厳しいとも実感しています。だからこそフォロワー数の右肩上がりを維持できるよう、社員エンゲージメントの向上につながる施策を今後も真剣に考え続けていきたいと思っています。
自身のスキルアップが、チームの成果へとつながる醍醐味
今後、私たちが挑戦したいことのひとつが、社員エンゲージメントのさらなる向上に向けた新しい施策の検討です。これまでも技術ノウハウの展開を通じてさまざまな取り組みを行ってきましたが、より多くの社員に、より高い満足度を感じていただくための方法を模索しています。
その一例として考えているのが、ショート動画の配信です。短時間で技術トレンドをキャッチアップできるような動画コンテンツで、たとえばYouTubeで見かけるようなキャラクター同士の会話を通じた解説動画をイメージしています。当社独自のキャラクターを登場させ、技術の解説や学習モチベーションのアップにつながるような内容を届けられたら面白いなと思っています。もちろんこれはあくまでも一例であり、確定した施策ではありませんが、こうした新しいアプローチに積極的に取り組んでいきたいという気持ちは強くあります。
また、社内にとどまらず、社外への情報発信を通じた当社のブランド力向上も、今後の重要なミッションのひとつです。ただ、ここには難しさもあります。発信内容の品質とレベル感のバランスをどう取るかという点です。品質や取り扱う内容のレベルが低ければ、ブランド力は向上するどころか低下してしまう恐れがあります。一方で、高品質を追求すればするほど、コストや時間がかかります。さらに、内容のレベルが高すぎると、受け取っていただける対象者が限られてしまう懸念もあります。コスト・レベル感・ターゲット・効果——これらのバランスを見極めながら活動していくことが、私たちへの大きな問いかけでもあります。
私たちが理想とする組織の姿は、社員の皆さんに必要とされ、評価・期待していただける活動を継続的に行える組織です。そして、私たちの活動成果が、プロジェクトの成功へと結びついてほしいと心から思っています。メンバー一人ひとりがポジティブにモチベーション高く活動し、日々スキルアップできる環境づくりにも注力しながら、自律分散型の組織を目指していきます。
最後に、これからジョインを検討されている方へ伝えたいことがあります。私たちのチームでは、自身のスキルアップが、そのままチームの活動成果の出発点になります。最新トレンドの技術に触れる機会が豊富にある環境で、自分が学んだことが直接チームに貢献できる実感を得られる——それが、このチームならではの醍醐味です。さらに、チームの活動成果を社内勉強会や社内イベントを通じて参加者からダイレクトに感じられる瞬間は、何物にも代えがたい喜びがあります。意欲的に技術を学び、新しいことに積極的にチャレンジしたい方、ぜひ一緒に働きましょう。
