お客様と「一体となって」支えるキャッシュレス業界の現場とは
私たちの部門は、キャッシュレス業界のお客様と直接取引しながら、システムの開発・保守からプロジェクトマネジメント支援まで幅広く担当しています。キャッシュレス業界は市場の変化が非常に速く、新しいサービスや規制への対応が日々求められる領域です。その中で私が所属するチームは、お客様のシステム部門に近い立場で業務を行っており、システムの保守・運用や各種プロジェクトの推進支援を通じて、お客様のビジネスそのものを支えることが私たちの役割です。
部門全体のミッションは、「IT・システムに関するあらゆる領域で高付加価値なソリューションを提供すること」です。業務戦略の立案や業務改革(BPR:既存の業務プロセスを根本から見直し最適化する取り組み)といった企画・構想段階から、プロジェクトの管理・推進支援、さらにはシステムの開発・保守・運用まで、幅広い工程を一貫して担っています。システム開発だけにとどまらず、お客様の課題解決に寄り添い、事業価値の向上に貢献していくことが私たちの使命だと考えています。
そのような部門の中で、私はグループマネージャとして組織全体の運営とマネジメントを担当しています。私が担当する組織は32名で構成されており、小規模なプロジェクトが数多く並行して進んでいます。一つひとつは独立したプロジェクトですが、業務やシステムの観点では互いに密接につながっているケースも少なくありません。そのため、プロジェクト間で方針や対応に矛盾が生じていないか、抜け漏れなく進められているかを俯瞰して確認することが、私の大切な役割のひとつです。
また、各プロジェクトリーダーが抱える課題や悩みに耳を傾け、ともに解決策を考えることも重要な仕事です。お客様から組織全体に寄せられる要望や相談への対応も行い、現場とお客様の双方が円滑に業務を進められるよう支援しています。
チームの雰囲気についてお伝えすると、メンバーの経験や得意分野、個性はそれぞれ異なりますが、共通しているのは「相手のことを考えて行動できる人が多い」という点です。お客様に近い立場で仕事をしているからこそ、困っている人がいれば自然と声を掛け、互いに協力しながら仕事を進める文化があります。決して派手な組織ではありませんが、素直で誠実なメンバーが集まっており、困ったときに相談しやすい、非常に働きやすい環境だと感じています。
「通用するだろうか」という不安を乗り越え、現在の土台をつくった組織との歩み
私がこのチームにジョインしたのは2010年のことです。入社後に最初に配属されたのがこの部門だったため、私のキャリアのほとんどは、キャッシュレス業界のお客様を直接支援する仕事とともに歩んできたと言えます。
現在担当しているチームに加わった当初は、それまで携わっていた業務やお客様とは異なる環境だったため、「自分の知識や経験が通用するだろうか」という不安が正直ありました。一方で、新しい業務やお客様に関われることへの期待も大きく、これまで培ってきた経験を活かして少しでも貢献したいという気持ちの方が強かったことを覚えています。
ジョイン当初にとくに苦労したのは、システムや業務の知識そのものよりも、お客様の組織や業務の進め方を理解することでした。どの部署がどのような役割を担っているのか、何かを決める際に誰と合意形成を行う必要があるのか、困った時にどこへ相談すればよいのか——こうした情報は必ずしも資料として整理されているわけではありません。そのため、できるだけ多くの会議に参加したり、周囲のメンバーに積極的に話を聞いたりしながら、自分自身でもさまざまな人とコミュニケーションを取ることを意識しました。
そうして業務の背景や人とのつながりを少しずつ理解していくことで、「こういう課題が起きた時は誰に相談すればよいか」「どのように話を進めればスムーズに合意形成できるか」が見えるようになっていきました。新しい環境に早く馴染むために大切なのは、資料やシステムを見るだけではなく、人との対話を通じて現場を理解することだったと今では感じています。
業務のキャッチアップを進める中で、まず携わったのはお客様の基幹システムにおける新サービスの立ち上げです。要件の整理や社内関係者との調整、開発を担当する協力会社の管理などを担当し、多くの関係者と連携しながらプロジェクトを推進した経験は今でも印象に残っています。
その後、全社に点在する膨大な業務データを収集・管理・分析し、経営や業務の意思決定を支援する情報系システムの立ち上げにも参画しました。このプロジェクトでは、構想段階からお客様とともに関わり、RFP(提案依頼書:システム導入の際に複数のベンダーに対して要件や条件を提示する文書)の作成支援も担当しました。その後、当社が開発を担うことになってからは、協力会社のアプリケーションチームを管理する立場となり、システム構築を推進しました。リリース後は保守・運用を担当するなど、企画・構想から開発、運用まで一連の流れを経験できたことは、自分自身の大きな財産になっています。
振り返ると、一つの分野だけでなく、プロジェクト推進から組織マネジメントまで幅広く経験できたこの組織が、現在の私の土台をつくってくれたと感じています。
「一人で頑張る必要はない」安心感がメンバーの成長を引き出すマネジメント哲学
組織をまとめる上で私が最も大切にしているのは、メンバー一人ひとりの良いところに目を向け、その強みや考え方を尊重することです。長くマネジメントに携わる中で感じるのは、メンバーそれぞれが異なる経験や得意分野を持っており、自分にはない強みをたくさん持っているということ。だからこそ、まずは相手を理解し、尊敬することを意識するようにしています。
もちろん、単に優しく接したり、メンバーの希望をそのまま受け入れたりすることがマネジメントだとは考えていません。私たちのチームにはお客様から期待されている役割があり、その期待にしっかり応えていく責任もあります。メンバーの成長や働きやすさと、お客様への価値提供のバランスを常に意識しながら組織を運営することが、私の基本的なスタンスです。
そのバランスを保つ中で、時にはメンバーに「少し背伸びが必要な役割」をお願いすることもあります。その際に心がけているのは、「なぜあなたに任せたいのか」を率直に伝えることです。これまでの実績や強みを見たうえで、「この経験を積むことで次のステップに進めると思う」「新しい視点や成長につながる」といった期待をきちんと言葉にするようにしています。また、その挑戦がどんな可能性につながるかをイメージしてもらえるよう伝えることも大切にしています。
一方で、役割を任せたからといって、すべての責任を本人に背負わせることはしません。私自身も伴走しながらサポートしますし、最終的な責任はマネージャである私が負うということも必ず伝えています。「一人で頑張る必要はない」「困ったときは一緒に考える」という安心感があるからこそ、人は思い切って新しいことに挑戦できると思っています。
こうした考え方の背景には、私自身の経験があります。子どもが幼かった頃、2度の産休・育休を経て復職した私は、子どもの急な体調不良や予期せぬ欠勤など、自分ではコントロールできない状況に何度も直面しました。「周囲に迷惑をかけているのではないか」と悩んだ時期もありましたが、上司や同僚、お客様の理解と支えによって乗り越えることができました。
その経験を通じて、一人で抱え込まずに周囲と助け合いながら成果を出すことの大切さを学びました。今ではその学びが、マネジメントへの向き合い方にも自然と活きています。多様な事情を抱えながら働くメンバーの気持ちに寄り添えるのも、あの時の苦労があったからこそだと感じています。
メンバー一人ひとりの可能性を信じ、安心して一歩を踏み出せる環境をつくること。それが私がマネジメントで最も大切にしていることです。
「人が本来注力すべき仕事に時間を使える」組織をめざして
私たちの部門として今、大きな挑戦として取り組んでいるのが、生成AI(大量のテキストや画像などを自動生成できる人工知能)の活用を組織に定着させることです。
AIを単なる便利なツールとして使うのではなく、資料作成、情報整理、設計・開発・保守・運用といった日々の業務の中に自然に組み込み、当たり前に活用される状態を目指しています。そのために、生成AI製品ごとの特性を踏まえて活用範囲や利用シーンを整理し、実際の日常業務で試しながら定着を進めています。業務に合わせたプロンプト(AIへの指示文)の整備と効果測定を並行して行い、得られた活用方法をナレッジとして蓄積し、メンバーへ共有しています。
さらに、既存の業務マニュアルにも生成AIを活用する手順を組み込み、個人の工夫にとどまらず、誰もが日常的に利用できる仕組みづくりを進めています。「どこをAIに任せるとより効率的になるのか」「人が本来注力すべき業務は何か」を常に考えながら取り組むことで、人にしかできない価値創出により多くの時間を使えるよう、業務のあり方そのものを変えていきたいと考えています。
組織としてめざす姿も、そうした挑戦と深くつながっています。私たちが蓄積してきた業務知識やシステムのノウハウを活かし、お客様から信頼され、業務や事業の変化に伴走できる組織であり続けること。そして、メンバー一人ひとりの特性や強みを活かし、新しいことに挑戦しながら成長できる機会をつくること。個人の成長が組織の力となり、より大きなお客様への価値提供につながる、そんなチームを目指しています。
私たちが支援しているキャッシュレスサービスは、今や社会に欠かせないインフラの一つです。システム開発や保守・運用にとどまらず、お客様の業務課題や事業の方向性まで理解した上で提案や支援ができる人材を育て、貢献の幅を広げていくことで、キャッシュレスがより便利で安全に利用できる社会づくりの一助になれると信じています。
最後に、チームへの参加を検討している方へ伝えたいことがあります。私たちの仕事は、システムを開発するだけではなく、その背景にあるお客様の業務や課題まで理解し、解決策を一緒に考えていく仕事です。お客様との距離も近く、自分の仕事がどのように役立っているのかを直接感じられる環境です。経験や知識ももちろん大切ですが、それ以上に新しいことを学ぶ意欲や、周囲と協力しながら成長していく姿勢を持った方と一緒に働きたいと思っています。お客様とともに成長していきたいという方を、心よりお待ちしています。
