9名で「誰もが活躍できる会社」をつくる、人事労務課のミッション
私が所属しているのは、HRM部 人事労務課です。9名のメンバーで構成されており、大きく2つのチームに分かれています。
一つは「人事労務チーム(6名)」。給与・賞与計算や社会保険業務、入退社手続き、育休・産休の申請対応、メンタルヘルス対応、全社の勤怠管理、健康診断の運営など、社員の皆さんが安心して日々働き続けるための土台を支える業務を担っています。いわば会社のインフラを担う存在であり、労務のスペシャリストがそろっています。メンタルヘルスの問題は当社の経営上の重要課題の一つです。万が一休職した場合でも、その後再び活躍してほしいという想いから、社内に複数保健師を配置し、安心して相談できる体制を整えています。
もう一つは「人事企画チーム(2名)」。社員満足度調査、女性活躍推進施策の企画、社内ラジオや社内公募の企画/運営、評価制度や報酬制度の見直し、障がい者雇用の推進、育児・介護・治療との両立支援の仕組みづくりなど、会社をより良くするための制度設計/運用を担当しています。退職率の低減や女性管理職比率の向上、そして社員の皆さんが将来に期待を持てる制度を作ることが、このチームのミッションです。当チームは、現場経験を持つメンバーで構成されておりしており、社員一人ひとりに寄り添いながら、会社に新たな風を吹き込む役割を担っています。
この2つのチームは連携しながら業務を進めることも多く、たとえば育児・介護に関する相談や障がい者雇用への対応では、申請まわりは人事労務チームが担い、社員との相談/面談は人事企画チームが担当するといった形で、それぞれの強みを活かして動いています。
私はこの人事労務課全体を取りまとめる立場として、チーム全体を俯瞰しながら、メンバー一人ひとりが最大限に力を発揮できる環境を整えることが自身の役割だと考え、日々業務に取り組んでいます。
■IT開発者から人事へ。新領域との格闘の日々
私が人事の仕事に携わるようになったのは、2023年のことです。それまでの約20年間、私はIT開発の現場でキャリアを積んできました。プロジェクトリーダーとしても約10年間の経験を重ね、複数のプロジェクトを推進しながら、現場の課題解決や組織運営に携わってきました。そんなある日、執行役員から突然呼び出しを受けました。「2023年度より人事部に異動してほしい。社員にとっての会社をさらに良くしていきたい。社員が将来に期待を持てる人事制度を検討・構築してくれないか」——そんなミッションを託され、私は人事企画チームへと異動することになりました。
これまで一貫して開発の現場で仕事をしてきたため、人事の仕事は未知の領域であり、正直なところ、当初は戸惑いもありました。しかし、長年現場を長く経験してきたからこそ、「現場を知る立場として、人事制度の検討や構築に貢献できるのではないか」と考え、気持ちを切り替えて前向きに取り組むことを決意しました。
人事企画チームでの2年間は、評価制度の再構築やベースアップを含む給与制度の見直し、新たな人事施策の企画・検討など、多くの重要なテーマと向き合う日々でした。
そして2026年度には、新たな評価制度を導入することができました。長い時間をかけて検討・構築してきた仕組みが形となり、実際に社員の皆さんへ届けられた瞬間は、感慨深いものがありました。
「制度は作るより定着させる方が難しい」、手探りで続けるやりがい
この仕事には、大きく二つのやりがいがあります。一つは、社員が安心して働ける環境を支えながら、会社の成長にも貢献できるということ。そしてもう一つは、人事・評価制度の改善を通じて、社員の皆さんの成長や挑戦を後押しできるということです。
給与支給や社会保険手続き、労務管理といった業務は、いわば「当たり前に行われることが期待される」仕事です。ミスが許されない中で確実にやり切る責任の重さは、正直なところ相当なものがあります。その一方で、やり遂げたときには、「社員の皆さんの生活や働く環境を支えている」という確かな実感があります。
一方、人事・評価制度の改善は、まさに手探りの連続です。印象に残っているのは、新しい評価制度を現場へ浸透させていく過程です。現在もその浸透に取り組んでいる最中ですが、制度の設計そのものよりも、それを現場に届けていく段階で、数多くの質問や意見が寄せられました。「この制度はどういう意図で作られたのか」「実際の運用ではどう使えばいいのか」——そういった声に一つひとつ向き合いながら、制度の説明の仕方や運用方法を見直し、改善を重ねていきました。現場の意見も聞きながら巻き込んで進められたことで、少しずつ制度の意図が伝わっていく実感が生まれたように感じます。
そのプロセスの中で、複数の社員から「会社が良くなっている方向に進んでいる」という声をいただいたことがありました。制度を作る側としては、正直なところ不安も多かったので、その言葉は本当に励みになりました。また、新しい福利厚生制度を導入した際にも、喜びの声を多くいただき、「形にすることができた」という達成感がありました。
こうした経験を通じて実感しているのは、「制度は作るより定着させる方が難しい」ということです。どれだけ良い制度を設計しても、現場に届かなければ意味がない。その地道なプロセスを丁寧に続けていくことが、私たちの仕事の本質だと今は思っています。メンバーそれぞれの専門性や強みを活かしながら、チームで取り組んでいることが、この仕事を続ける大きな力になっています。
「当たり前」を守りながら、会社の未来をつくる人事チームへ
これから私たちのチームが挑戦したいことは、大きく二つあります。
ひとつは、タレントマネジメントシステム(社員一人ひとりのスキルやキャリア情報を一元管理するシステム)を導入と膨大な人事データのさらなる積極的な活用です。蓄積された人事データを活用し、より効果的な人事施策の企画・実行につなげることで、社員一人ひとりと会社の成長を後押ししていきたいと考えています。感覚や経験だけに頼るのではなく、しっかりとファクト(事実)に基づいた判断を行い、精度の高い人事施策を推進していくことが重要だと考えています。根拠のない施策を現場に押し付けてしまうと、現場への負荷が増えるだけでなく、会社にとっても社員にとってもプラスにはなりません。だからこそ、データに裏付けられた意思決定が欠かせないと考えています。
もうひとつは、給与計算をはじめとした「絶対に止められない業務」の安定運用です。給与は社員の生活を支える基盤であり、ひとつのミスが社員の暮らしに直接影響を与えてしまいます。そのため、業務の複線化や標準化を進めながら、何があっても安定して運用できる体制を整えていきたいと考えています。「ミスなくやり続けること」の価値は、傍から見ると地道な業務に映るかもしれません。しかし、その積み重ねこそが社員からの信頼につながり、会社を支える土台になると私は感じています。
そして、これらと並行してAIの積極的な活用にも取り組んでいきたいと考えています。情報整理や文書作成、人事制度・規程改定時の草案作成、アイデア創出、人事データの分析や課題抽出、さらには社員からの問い合わせ対応など、さまざまな場面で活用できます。AIを効果的に取り入れることで、生産性と品質の向上を実現し、チームとしてより本質的な業務に集中できる環境をつくっていきたいと考えています。
私たちが目指す姿は、「社員の成長が会社の成長につながる好循環を支える組織」です。社員一人ひとりが将来に期待を持ちながら安心して働き、その成長が会社全体の力になっていく。そうした好循環を、人事制度や評価制度の継続的な改善、人材育成の仕組みづくりを通じて実現していきたいと思っています。また、チームメンバー自身も専門性を高めながら互いに支え合い、主体的に改善や新たな挑戦ができる組織でありたい。それが私の理想とするチームの姿です。
最後に、これからチームに加わってくださる方へお伝えしたいことがあります。私はかつて開発部門でプロジェクトリーダーを務めていましたが、その経験の中で大切にしていたことの一つが、「メンバーが能力を最大限に発揮できる環境をつくること」でした。現在は、その対象がプロジェクトチームから会社全体へと広がりました。社員一人ひとりが力を発揮できる環境づくりに携われることは、人事ならではの大きなやりがいだと感じています。
給与計算や労務管理といった「当たり前を守る仕事」から、人事制度や人材育成といった「会社の未来をつくる仕事」まで、幅広い領域に携わることができます。社員や組織を支えることにやりがいを感じる方、「もっと良くできないか」と考えながら改善や挑戦を続けられる方と、ぜひ一緒に成長していきたいと思っています。
