薬局向けソリューション事業を展開するグッドサイクルシステムが定期的に企画している「薬剤師力向上オンラインセミナー」。今回は、代表取締役の遠藤 朝朗が 「LINE等を活用した投薬後フォロー、オンライン服薬指導への対応」と題してお話ししました。今回はその講演内容をレポートします。
薬剤師の職務拡大、進むタスクシフト
みなさん、こんにちは。グッドサイクルシステムの遠藤です。今日は、withコロナ+新薬機法時代に求められること、制度面から見た服用中のフォローに関する解説、最後にLINE/SMSを活用した服用中のフォローアップ方法について、お話ししたいと思います。
早速、「withコロナ+新薬機法時代に求められること」から、復習も兼ねてお付き合いください。いま、国の方針もあり薬剤師の役割(=義務の追加)は拡大の傾向にあります。大きな背景にあるのが2015年に発表された「患者のための薬局ビジョン」です。以来これまで、薬局業界に関わる制度は薬局ビジョンに基づいて進められています。
2021年9月の薬機法改正においては、「必要があると認める場合、服用期間を通じた継続的な薬学的管理の義務」と「医師等への情報提供・連携推進の努力義務」といった職務が加わることになりました。前回の改定においては「薬学的知見に基づく指導義務」が明記されており、この一連の動きを通じて、医師から薬剤師へのタスクシフトが進んでいると見ることもできます。また、病院から在宅、地域包括ケアへと軸足が移るなか、地域のなかで薬剤師が医師と連携しながら力を発揮することが求められています。
このような改革の途中で起きたのが、新型コロナウイルス(以下、コロナ)の流行です。そこで薬局業界に求められることを「コロナによる影響の結果生まれたニーズ/変化」と「コロナに関係なく対応すべきニーズ/変化」に分けて整理しました。
コロナによって起きた変化は「不要不急」「非接触」「ソーシャルディスタンス」です。受診患者が減り長期処方が増え、オンラインサービスの普及が進みました。一方、コロナによる影響ではないものとして、前述した薬局ビジョンへの対応が求められています。今年は診療報酬の改定や、ICTに関してオンライン資格確認がスタートします。2021年以降はマイナンバーや電子処方箋化の動きも加速していくでしょう。というようななかで、今日のテーマである服用期間中のフォローはコロナへの対応と、コロナとは別に対応しなければならないこと、その両方にまたがる取り組みといえます。
患者の成功体験サポートが薬局の役割
服用期間中のフォローについて、個別指導リスクや訴訟リスクなど消極的な理由から取り組む向きもあるようですが、私はそれでは勿体ないと思っています。まだまだフォローアップに関するノウハウを持たない薬局が多いなか、より良い体験を提供できれば、かかりつけ薬局に選んでもらえるきっかけにもなるはずです。
指導料加算の項目が増えて対人業務の優劣が薬局収益を左右する時代。コロナの影響で処方箋枚数が減るなか、患者さんを減らさないこと、また、加算を取ることの取り組みが必要になっています。それは薬局収益の点から見れば、立地依存型からかかりつけ中心の継続利用型への転換と捉えることもできるでしょう。従来のような「早い調剤、医師からのクレームなし」ではなく、継続利用型の場合は「患者の成功体験」が目的になります。当然、指標も処方箋枚数・店舗数から継続受診率(処方箋単価平均、クロスセル(OTC/物販))に変わります。服用期間中のフォローも患者の成功体験のためだと捉えていただくことで、前向きに取り組めるのではないでしょうか。
当社のシステムでいえば、電子薬歴のGooCoは患者の受診継続率を判定する機能があります。もう少し説明するとGooCoはiPadの良さを生かした薬物治療支援システムです。特徴としては、薬歴システムのなかでもトップレベルの処方監査機能があり、検査値から副作用のチェック、処方監査ができます。紙の感覚で持ち歩け音声入力ができます。在宅訪問先で参照・入力ができ、施設専用のアプリなどもあります。
さて、ここからが本日のメインテーマです。まずは服用期間中のフォローアップの業務がどのようなものか、改正薬剤師法を見てみることにしましょう。
ポイントとしては、「必要があると認める場合」と「継続的かつ的確に把握に」というところです。7月に日本薬剤師会から出された「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」を見ると、フォローアップの検討は状況の変化に着目した個別判断、また、実際のフォローアップは患者やリスクなどを総合的に踏まえた判断・実施がポイントとなるようです。さらに詳しいことは、手引きをご覧になってください。
LINEと連携した服薬フォローアップシステム「FollowCare」
服薬フォローに関して実運用の際に気を付ける点があります。まず、フォローアップの記録に関して。薬機法では調剤録に記載となっていますが実運用はどうなるか。一応、専門紙上で厚生労働省は薬歴管理で運用可の見解と示していましたが、公式な決定は8月中旬の予定ですのでチェックが必要です。また、今回の改定で加わった投薬後フォローの加算の要件である「電話等の確認」がチャットの代替可否については、疑義紹介資料によれば「少なくともリアルタイムの音声通話による確認が必要」との認識が示されています。なお、チャットやメールも補助的な利用は問題ありません。
服薬フォローの業務内容も簡単におさらいです。一般的にフォロー業務は①フォロー計画→②患者へ伝達(服薬後フォローの必要性を患者に説明。承諾を得て連絡手段を確認する)→③ToDo登録→④フォロー実施→⑤記録→⑥処方医報告、といった流れになります。ただ現場の薬剤師からフォロー業務は時間をとられる、電話するとオレオレ詐欺と間違われるといった悩みがあるようです。そこでシステム導入が選択肢となりますが、ポイントは患者が日常使うアプリでやりとりできることです。専用アプリの場合、インストールの手間や、メッセージを見てもらえないことが多々あるからです。
そこで当社が注目したのはLINEです。LINEはユーザー数8300万人以上と、多くの人に利用されているSNSです。LINEを活用すれば、多くの人が慣れ親しんだアプリ上で、服用期間中のフォローアップができる。ということで今回、テレフォン服薬サポートを実施するナカジマ薬局さん にご協力いただき、開発したのが「FollowCare(フォロケア)」です。
「FollowCare」はLINEと電子薬歴を連動することで二重作業なく服用中のフォローができるサービスです。電子薬歴上でToDoの管理はもちろん、LINEへのメッセージ配信、さらにその配信内容を自動的に薬歴に取り込むことができます。スマホ決済や、処方箋送信機能、かかりつけ支援機能もあります。「FollowCare」は、当社以外の電子薬歴以外とも連携できる設計となっています。また、LINEを使えない患者さん向けにショートメッセージでやりとりできるバージョンも準備しています。
「FollowCare」はオンライン服薬指導・診療に対応も
「FollowCare」の実際の使い方をご説明します。まずサービスを利用するには、薬局の店舗毎にLINEの公式アカウントを設定いただき、患者さんとお友達になってもらう必要があります。友達登録は本人と判別できるようQRコードを読んでもらう方法を推奨しています。友達登録の手続きによって、LINEのIDと電子薬歴のIDを紐づけできると、電子薬歴上にトーク画面が表示されます。
メッセージ送信では5つのシーンを想定しています。当初想定していた服用期間中だけでなく、処方箋の待ち時間や事前問診なども送れるよう開発を進めています。機能は順次リリースの予定です。
「FollowCare」では、お薬に関する専用コンテンツも送信できます。服薬指導をした後、「LINEに登録いただければ、自宅で確認できる動画もお送りできます」といったように、LINE登録の導線として活用いただけます。デジタル薬情という形で注意点や指導内容を送れるのも便利な点です。いまのところ、電子お薬手帳の算定要件は満たしていませんが、電子お薬手帳がなくても実質的には問題ない形にはなっているかと思います。
「FollowCare」は、オンライン診療やオンライン服薬指導にも対応できるようになっています。動画+ショートメッセージのタイプと、動画+LINE、Eメールを使えるものの2種類、価格は3,000円からで、専用アプリを用いることなく簡単に始められるのが特徴です。オンライン診療・服薬指導を提供する側の悩みとして、固定費が高い、専用アプリの場合はインストールや操作説明の手間などがよくあがります。そこで今回は専用アプリ不要とシンプルで、ローコスト、スモールスタートできるサービスという点にこだわりました。
クリニックで出回っているツールを薬局に導入するケースが見られますが、これからは逆に薬局から「安くて良いツールがあります」と提案いただければと思います。
最後に、今日お話しした製品・サービスに関してデモ依頼などありましたら、お問い合わせフォームよりご連絡ください。また、今後のセミナー予定は当社Webサイトに掲載していますので、ご覧ください。本日は、ありがとうございました。

