今に続く信頼のはじまり。ソフトボール、勉強、青春
岡山県出身で小学生の頃からともに過ごしてきた林と谷合。とはいえクラスが被ったのはたったの2年でした。
谷合 「最初の出会いは、地域のソフトボールクラブでした。林が先に入っていて、彼が辞めた後に、転校してきた僕が入ったんですよ。すれ違いでしたが、林を含むソフトボールの仲間みんなで遊んだり、ふたりともソフトボールのコーチが運営する塾に通っていたりと、ソフトボールでつながっていましたね」
中学に進学してから、林は陸上に燃えつつも、勉強ができる谷合をライバル視していました。ふたりはテストのたびに点数で競い合っていましたが、林はついに、一度も勝つことなく卒業を迎えます。
しかし、その切磋琢磨のおかげで、林は谷合と同じ進学校に入学できました。
谷合 「林は努力家なんだけど、運動寄りで “陸上の人 ”のイメージでした。同じ学校に受かったと聞いた時は驚きましたね(笑)」
谷合にとって林は体育会系のイメージが強くありました。委員長や体育祭の実行委員など、人がやらないことに率先して取り組むタイプだと信頼を寄せていました。
高校2年生のときに林が東京へ引っ越すことになりましたが谷合との点数競争で培った勉強への自信は途切れず、国公立大学に進学。谷合も順調に同志社大学に進学します。しかし、この時の進路選択の経験がその後の谷合の人生を大きく左右することになります。
進路選択をよりオープンにーー正しい決定に必要な情報を行き渡らせたい
谷合と林の出身高校では、国立大学進学を推奨しており、国立大学に重きをおいた情報発信をしていました。
谷合 「僕たちの出身校では、世の中には国立大学しかないというほど国立大学中心の情報を与えられていました。その他の私立大学や他県の大学の情報を一切知ることができない環境でしたね。
今ではスマートフォンで調べられますが、僕たちの高校生時代にはガラケーしかなく、気軽に情報にアクセスできませんでした。有名私大の慶應義塾大学や早稲田大学ですら、名前こそ聞いたことはあったものの、どんな大学なのか知らなかったんです」
谷合は、自身と同様の経験をする学生が少なくなるよう、先生になって現場から変えていこうと考えました。
谷合 「高校生の卒業後の進路選択をオープンにするため、先生になろうと思っていたんですが、学校の方針やさまざまなしがらみがあるなかで内から変えるのは難しいだろうなと。だから外から新たな仕組みをつくって、教育現場を変えるのが良いと考えました。これからの時代のインターネット社会において、それを実現できるのは IT業界であると思い、IT業界を志すことにしたんです」
谷合は、もっとも社会の情報が集まるのは電通グループであると考え、電通グループの電通国際情報サービスを第一志望として就職活動をしました。熱い想いを面接でぶつけた谷合は、見事 第一志望の電通国際情報サービスにジョインすることに。しかし、配属は思うようにいきませんでした。
谷合 「新人研修で企画プレゼンのワークショップがあったんです。そこでは、ほかの電通グループの社員も一緒に研修を受けました。私は誰よりも目立ってやろうと張り切って仕切り役を担い、結果優勝したんです。それを見た人事が営業向きだと判断して、希望とは違う営業配属になってしまいました」
希望のSEに配属はされなかったものの、谷合は金融向けの営業という仕事にやりがいを感じており、営業表彰を受けるなど結果も出していました。
雨降って地かたまる 旧友同士のコミュニケーション
大学生になり社会人になり、距離が離れて時が経っても、ふたりは連絡を取り続けました。時には海外旅行まで一緒に行く仲の良さでした。しかしある時、ふたりの仲に緊張が走ります。
それは恵比寿でルームシェアをすると決めた時でした。発端は、林から舞い込んだとある話です。
谷合 「林から Airbnbをやろうと声をかけられ、すぐに『住む』と返事をしました。英語の勉強にもちょうど良いと思ったんです。恵比寿でそれなりに家賃の張る部屋を借りて、3LDKのうちの 1部屋を Airbnbとしてスタートしました。
ホテルレベルの細やかな気遣いや、部屋のブランディング、Airbnbのサイトの運用のおかげで一度も予約が途切れませんでした。なんとスーパーホストという認証も受けて、東京エリアで常に検索順位 1位という人気の部屋になりました。しかし、ゲストの迎え入れにあたり、林と僕に考え方のずれがあり、自分は『もう出たい』と話したんです」
サイトの運用企画をしていた林は常にどうすればレビューの評価を高くできるかを考えて動いていました。しかし、現場で動き、タスクを多く抱える谷合は、そこまで頭がまわらないことも。そんな状況の下で、知らず識らずのうちに溝が生まれていたのです。
しかし、谷合と長い年月をともに過ごしてきた林は、彼の性格のクセをよく把握していました。そこで林は、寄り添い話を聞くことに専念。目指すべきゴール、すなわちAirbnbサイトのレビュー評価を高く保ち、予約を途切らせないという目標をすり合わせたことで、今にでも出ていく勢いだった谷合を食い止めました。
そして、ルームシェアはそのまま1年継続したのです。その時に交わした林とのやり取りが、ともに仕事することへの不安がなくなるきっかけになりました。
谷合 「ルームシェア中に林の仕事の話を聞いていたことはもちろん、この一件で絆がより深まったことも、転職の追い風になったのかもしれません」
「チャンスのドアにはノブがない」理想をかかげて迷わず飛びこむ
谷合が電通に入社して7年目、林から声がかかりました。
谷合 「林から誘ってもらった時、Co-Stepでは教育関連の企業と取引があり、高校の進路に関するサービスも行っているという話を聞きました。ここでなら自分のやりたいことができる、とビビっときましたね。
僕には好きな言葉があるんです。『チャンスのドアにはノブがない。自分からは開けられない。誰かが開けてくれた時に迷わず飛び込んでいけるかどうか、そこで力を出せるかどうかだ』というものです。まさに今がそのドアが開いた瞬間だと思い転職を決断しました」
大手からスタートアップへーー結婚したばかりということを考慮すると、なかなか転職には踏み出しにくい状況です。大きな決断に至った背景には、Co-Stepが「教育」を主軸に定めていること、そして林への信頼や友情がありました。
現在では、InstagramやTwitterで「#○○大学」と検索したり、Youtubeで大学生Youtuberを見たりと、情報を入手しやすい時代になっています。しかし、キラキラした生活だけでなく授業やサークル、大学の様子も受験生としては知りたいところ。
そういった情報はいまだに地方に届きにくいという情報格差があります。谷合は、進路選択のための情報を集めるきっかけとして「spoit」を提案します。
谷合 「高校生でも気軽に spoitで好きなスポーツのクラスを受講できるように spoitを整備をしていきたいという展望を個人的に持っています。一緒にクラスを受講した先輩から、オープンキャンパスでは知りえない大学のリアルな話などを聞けるんです。
spoitが、スポーツを通して人生のロールモデルに出会うキッカケとなり、さまざまな選択肢を知った上で、自信を持って進路選択ができるといいなって」
自身が多くの選択肢を知りえなかった、そしてソフトボールのコミュニティを通じて、自身の人生に大きな影響を与える友人と出会った谷合。
情報や機会を得られる状況をつくり、大きな目標に向かう最初の一歩を決断するきっかけを提供できるサービスをつくっていきます。
