テックリードとして技術判断の質と、チームの実装力を高める
私はデータアナリシスプラットフォームユニット第一部に所属しています。部門のミッションは「お客様への価値提供」。ビジョンとしては「全員が高い成長意欲を持って自走できる組織」を掲げています。私たちが担っているのは、データ基盤や分析領域の開発を通じて、お客様が意思決定を速く、正確に行える状態をつくることです。単に作って終わりではなく、運用しながら改善を重ね、現場に価値が積み上がっていくことを重視しています。
現在の私の役割は、案件内のテックリードです。具体的には、要求や制約を踏まえた設計方針の整理、技術課題の切り分けと解決、実装レビュー、品質や運用性を意識した改善提案を行っています。加えて、メンバーの技術相談に応じて、手戻りを防ぐ判断基準を言語化したり、未経験領域でも進められる導線を整えることも重要な仕事です。必要に応じて新しい技術検証も行いながら、チームが再現性をもって実装できる体制をつくることに力を入れています。
私が仕事で大事にしているのは、「技術を価値に変換する」という姿勢です。新しい技術そのものが目的ではなく、お客様の課題を解決し、意思決定や業務が前に進む状態をつくることが目的だと考えています。そのために、技術の選択・設計・実装・検証までを一貫してやり切り、説明責任を持って成果につなげることを心がけています。
物流現場で痛感した“データ活用”の本質と、ジールを選んだ理由
前職では大手宅配業に従事し、現場に近い業務から経営数値の作成まで、幅広い領域に携わってきました。現場で実際の業務を理解しながら、経営企画・営業企画として、意思決定に使われる数値の作成や分析のほか、業務オペレーションの改善などにも取り組み、複数領域を横断して「現場が回る仕組み」をつくりました。具体的には現場の速報情報や責任者が見る計画数値・経営数値を、「判断できる形」にして「間に合うタイミングで」届けることを行っていました。
この仕事を通じて強く実感したのは、物流の現場では「正しい情報」だけでなく、その情報にたどり着くスピード自体が重要になるということです。毎日大量の荷物が行き交う環境では、モノの流れが少し滞るだけで影響が連鎖します。だからこそ現場では、正確なデータを素早く届けることが、そのまま初動の判断につながり、現場の混乱を小さくします。これができないと、判断が遅れ、現場の負荷が一気に上がり、後から取り戻すのが難しくなります。逆に、状況が早く共有されれば、初動で手が打てて、現場は落ち着きます。現場では、情報の到達速度が、現場の安定に直結していました。
仕事をする中で私の中に残ったのは、「データはあるだけでは価値にならない」という感覚でした。必要な人が必要なときに使えないデータは、判断を遅らせ、現場の負荷を増やしてしまう。だからこそ、データを“使える形”に整え、必要な人に届くまでの速度を上げ、意思決定をすることを、本業として深めたいと思うようになりました。転職活動をする中で、ジールであれば、お客様のデータを活用できる形に整え、必要な人に届け、意思決定や業務を前に進める——その経験が積めると感じました。自分の経験と志向を、より直接的に顧客価値へつなげられる環境だと思い、ジールへの入社を決意しました。
分析ニーズに応えるための“現実解”を導くエンジニアリング
入社以来3年にわたって、大手メーカーのデータ基盤構築プロジェクトに参画しています。その中でも特に印象に残っているのは、数百万人規模のユーザーを抱えるECサイトのデータ分析です。データ基盤側として、クライアントの多様な分析ニーズに応えるため、要件をすり合わせながら数十本のデータマートを限られた期間で構築する必要がありました。加えて、別チームが担当するWebアプリケーションとの連携や、実運用でのパフォーマンスも考慮しながら設計・実装を進めることが求められました。
中でも難易度が高かったのが、サイトの閲覧情報をもとに「売れる見込みのある商品」を捉えるための分析用データ構築です。行動ログは数TB規模に達し、さらに「ある商品を見た人が、他にどの商品を見ているか」を全商品について算出する必要がありました。この要件は、商品数が増えるほど組み合わせが増大し、素直に全件計算するとデータベースの制約に収まらず、現実的に成立しませんでした。
そこで私は、計算そのものを工夫するのではなく、計算のやり方(設計)を変えることで成立させました。毎回ゼロから全件を集計する前提を捨て、途中計算を蓄積して再利用できる形に変更しました。日々増えるデータは増分で積み上げられる構造にすることで、組み合わせが爆発し続ける構造を抑えつつ、継続運用できる範囲で分析結果を更新できるようにしました。実現難易度が高く、見送りも検討されていたテーマだったため、形にできたときは大きな達成感がありました。
日々の開発や運用の中で、お客様の困りごとに一つひとつ向き合い、技術と工夫で解決を積み重ねてきました。最近は「M.Sさんに頼めば問題ない」とご指名いただいたり、直接お礼の言葉をいただく機会も増え、手応えを感じています。
チームで価値を生み出せる仕組みづくりへ、技術と人の成長を両輪で
短期的には、案件内のテックリードとして、チームで安定して技術力を発揮できる体制をつくることに挑戦したいです。具体的には、CI/CDやIaC、自動化の取り組みを進め、開発・運用のやり方をより安定させ、品質とスピードを両立できる土台を強くしていきたいです。また、個人の経験や勘に依存せず、誰が担当しても一定の品質で進められる“型”を増やしていくことを目指しています。現在でもナレッジ共有会やコードリーディング会などを行っていますが、よりナレッジを有効活用できる仕組みを整え、「誰がやっても同じ品質で前に進める」状態を増やしていきたいと思っています。
生成AIの活用も今後より一層力を入れていきたいです。部内には生成AIを使いこなしている人や開発に取り組んでいる人が集まるコミュニティがあるため、そこに参加しながら学びを深め、実務への適用スピードを上げていきたいと考えています。 また、勉強会活動としてのタスクフォースにも参加し、テーマを持って学び、アウトプットを通じて理解を深めたいです。さらに自己啓発費用支援制度も活用し、外部イベントに参加したり、学習投資を継続することで、新しい技術を取り込み続けたいです。
業務をする中でうまくいかず悩むことがあっても、それでも技術成長したいという思いを形にできているのは、挑戦を歓迎し、背中を押してくれるリーダーや仲間がいる環境があるからだと感じています。わからないことを前向きに捉え、手を動かしながら学び続けられる人を増やしていけたらと思います。
※記載内容は2026年2月時点のものです

