就職活動において、OB/OG訪問は、企業理解や働くイメージをつかむ上で役に立つプロセスです。今回はそのやり方はもちろん、メリットや、実施の時期、質問例、訪問相手がいない場合の対処法も解説します。
目次
・OB/OG訪問とは?取り組む3つのメリット
・OB/OG訪問の流れは?6つのステップで完結!
・OB/OGの探し方5選
・OB/OG訪問の質問例
・OB/OG訪問の質問で気をつけたい3つのこと
・OB/OG訪問をする時期や人数は?
・OB/OG訪問をするときに意識したい3つのポイント
・時間がなくてOB/OG訪問ができない、訪問する相手がいない時は?
・まとめ
OB/OG訪問とは?取り組む3つのメリット
そもそもOB/OG訪問とは、企業で働く社員に直接話を聞き、その企業に関する情報を得ること。一般的には、自分の大学のOB/OGが訪問の対象になるケースが多いです。以下に、OB/OG訪問をする3つのメリットを紹介します。
1.企業や業務の理解を深められる
企業や業務の情報はインターネットや説明会などでも得ることはできますが、具体的な業務内容や、大変なこと、やりがいなどは、現場で働いている社員から直接話を聞くことでイメージがしやすくなります。
また、待遇面や実際の労働時間、社内の人間関係など、説明会のような場では聞きづらい質問ができる機会でもあります。現場の社員から得られる情報は、選考を受ける企業を選ぶ際に役立つのはもちろん、選考においてはOB/OG訪問をしていない他の就活生と差をつけられるポイントにもなります。
2.その企業で働くイメージが持てる
OB/OG訪問をすることで、どんな雰囲気の人が働いているのか、自分と合うのかどうかを肌で感じることができます。また、現場の社員に入社後のキャリアステップや今後のキャリアについて聞くことで、入社した数年後の仕事やキャリアのイメージも持ちやすくなります。志望動機を書く上でも役に立つでしょう。
3.選考対策になる
社員からの評価や実施回数などが選考に影響するケースもあります。また、OB/OG訪問によって企業理解が深まることで、エントリーシートや面接などでも説得力を持った回答ができるようになります。
加えて、OB/OG訪問は面接の練習になります。とくに学生時代に社会人と話す機会が少なかった人にとっては、貴重な機会となるでしょう。社会人と話す経験を積むことで、選考の場でも自信を持って話せるようになるはずです。
OB/OG訪問の流れは?6つのステップで完結!
OB/OG訪問は、以下の6つの流れで進んでいきます。
1.OB/OG訪問をする目的を設定する
OB/OG訪問をする上で一番大切なのが目的です。まずは、自分がどんな情報を得たいのか、それはOB/OG訪問で得られるのかを考えます。その上で、OB/OG訪問するのであれば、年次や職種など、話を聞きたいOB/OGのイメージ像を考えましょう。
2.OB/OGを探す
目的や聞く相手のイメージが決まれば、訪問できるOB/OGを探しましょう。いくつか方法がありますが、具体的な探し方については、後ほど解説します。
3.連絡をとりOB/OG訪問をお願いする
専用のアプリであればメッセージ機能から連絡ができますが、メールで送るケースも多いです。失礼のないよう、ビジネスマナーに沿った文言、言葉遣いを心がけましょう。また、訪問を承諾いただいた後は日程調整です。自分から候補日をいくつか提示しましょう。
4.訪問にあたり準備をする
日程が決まったあとは、当日に向けて準備をしましょう。具体的な質問案を考えた上で、事前に相手に送付できるとベストです。具体的な質問案は、後ほど解説しますので、参考にしてみてください。
5.訪問をする
オフラインの場合、当日は待ち合わせ時間に遅刻しないよう余裕を持って集合場所に到着するようにしましょう。オンラインであれば、音声や映像の接続、通信環境を事前に確認し、5分前には入室しておきましょう。
6.お礼を伝える
訪問終了後には、感想とともに、お礼のメールやメッセージを送ります。遅くとも訪問した当日中には送るようにしましょう。
OB/OGの探し方5選
OB/OGを探す方法はいくつかあります。ここでは5つの方法を紹介しますので、参考にしてみてください。
1.大学の先輩や知人のつてを頼る
ゼミや研究室、サークル・部活・アルバイト先の先輩、教授、親族など、身近にいる相手に相談してみましょう。知人からの紹介のため、他の方法と比べると訪問への心理的なハードルが低く、相手に質問がしやすいといったメリットもあります。
2.大学のキャリアセンターを利用する
キャリアセンターでは、同じ大学出身者の社会人を見つけられます。必ずしも志望企業のOB/OGがいるとは限りませんが、1つの手段です。
3.説明会やインターンなどでつながりのある社員や人事にお願いする
説明会やインターンで知り合った企業の社員や、人事担当者に社員の紹介をお願いしてみることも1つの手段です。仮に、そのタイミングでのOB/OG訪問や社員の紹介が難しかったとしても、他の手段などを提案してくれる可能性もあります。
4.OB/OG訪問専用のアプリを使う
就活のOB/OG訪問用のアプリなども存在します。OB/OG訪問の相手が見つからない場合には、利用してみると良いでしょう。
5.SNSを利用する
たとえば、LinkedInなどでは、大学が共通の社会人を検索できますし、企業名からもその企業に在籍している人などを検索することができます。OB/OG訪問専用のアプリと異なり、利用している人がOB/OG訪問を受けつけているわけではないため、断られる可能性もありますが、話を聞く機会が得られる場合もあります。
OB/OG訪問の質問例
質問の準備にあたって、「どんな質問を用意しておけばいいのか?」、「そもそも何を聞いておくべきなのか?」など、迷うこともあるかと思います。ここでは、質問の例をご紹介します。
業務やスケジュール
実際の業務内容は、聞く方がイメージしやすいと思います。たとえば、営業職であっても、内勤営業か外勤営業かで、業務内容は異なります。
また、1日のスケジュール、やりがいを感じるポイント、大変だと感じるポイントも人によってさまざまです。やりがいや、大変なポイントは、具体例も合わせて聞くことで、よりイメージが深まるでしょう。
<質問例>
・現在の職種を選んだ理由を教えてください
・普段の業務内容を教えてください
・始業から終業までの1日のスケジュールを教えてください
・今の仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
・この仕事では、どこにやりがいを感じますか?
・この仕事の大変なところはどこですか?
・その大変なところにどう対処していますか?
・繁忙期と、その時期の1日のスケジュールを教えてください
企業の強みや展望
社員だからこそ感じられる課題や強みもあります。事前に業界や企業の動向、状況を調べた上で仮説を持って聞くことで、より業界や企業への理解が深まるでしょう。
<質問例>
・御社ならではの魅力はどこにあると感じていますか?
・反対に◯◯さんから見た御社の課題は何だと思われますか?
・実際に△△業界で働かれている◯◯さんから見て、御社や業界は今後どう成長していくと感じていますか?
企業の風土や雰囲気
社員が感じる、社風や社内の人間関係などを聞くことで、よりその企業で働くイメージを持ちやすくなります。とくに、活躍している社員の特徴などから、その会社が求めている人物像なども予想しやすくなります。
<質問例>
・採用サイトからは△△な社風だと感じたのですが、◯◯さんはどんな社風だと思われていますか?
・競争心が強い、協力的など、いろいろあると思いますが、社内にはどのような性格の方が多いですか?
・今◯◯さんが所属されているチームや部署はどのような雰囲気だと感じられていますか?
・◯◯さんから見て、周囲で成果を上げられている社員さんの特徴を教えてください
・入社3年目までに△△の仕事がしたいのですが、実際にそういった方はいますか?
・同期や先輩後輩など、社員同士の交流はありますか?
・年次に関係なくアイデアや意見を言いやすいですか?
・上司はどのような方ですか?
・同期にはどんな性格の方が多いですか?
福利厚生や待遇、社内環境
福利厚生の実際の利用状況や、残業の状況、有給休暇の取得のしやすさなどは、社員に聞くからこそ聞ける情報もあります。働きやすさを重視する人は、確認しておくことをおすすめします。
<質問例>
・配属の制度を知りたいのですが、希望すれば望む職種に就くことはできますか?
・会社の福利厚生制度の中で、よく使っているものを教えてください
・有給休暇は取れる環境ですか?
・繁忙期や連休では取りづらいと感じることもあると思うのですが、◯◯さんの場合はどう取られてますか?
・産休・育休を取っている方はいますか?
・社内で女性で管理職になられている方はどれくらいいらっしゃいますか?
・平均の残業時間はどのくらいですか?
・残業する頻度はどれくらいですか?
・休日に出勤することはありますか?
キャリア
入社した後に、どんな業務を任されるのか、どんなキャリアの展望が描けるのかは、社員の話を聞くことでイメージしやすくなります。また、評価に関する制度も、とくに待遇面を重要視する場合には、確認しておくと良いでしょう。
<質問例>
・入社前と入社後でギャップはありましたか?
・入社時と現在で仕事内容などは変化しましたか?
・入社時と現在を比較して、成長したと感じるポイント、身についたと感じるスキルは何ですか?
・◯◯さんは今後挑戦したい職種や業務はありますか?
・◯◯さんの将来の夢はなんですか?
・これから挑戦したいと考えていることは何ですか?
・◯◯さんから見て、適切に社員の評価がされていると感じていますか?
就活や選考対策
多くの場合、社員は就活をして、選考を通過して入社を決めています。相手がどんな就活をしていたのか、どんな理由で入社を決めたのかなどを聞くことは、自分自身の就活にも役に立つでしょう。
<質問例>
・◯◯さんが御社に入社を決めた理由を教えてください
・就活をしていた際に、ほかに迷っていた企業や業界はありますか?
・実際に入社された◯◯さんから見て御社の内定を獲得するためには、何をアピールすることが重要だと考えますか?
・御社の選考で特徴的なものはありましたか?
・それに対して、どのような対策をされていましたか?
・◯◯さんが選考で伝えていた志望動機を教えてください
・選考や面接で意識すべきことがあれば教えてください
・◯◯さんが一緒に働きたいと思う人物像を教えてください
OB/OG訪問の質問で気をつけたい3つのこと
OB/OG訪問で、質問できる時間は限られています。また、相手にも貴重な時間を割いてもらっている以上、質問などはあらかじめ考えて臨むことが大切です。ここでは、質問する際に気をつけたいことを紹介します。
1.企業分析をした上で、質問を考えること
当日は、インターネット上で調べられる情報など自分で企業や訪問相手の事前情報を集めた上で、より踏み込んだ質問をしましょう。
たとえば、「営業職は何の仕事をするのですか?」と聞くよりも、「御社の営業職は毎日顧客訪問をするとHPで拝見したのですが、どんな企業へ、日に何件ほど訪問するのでしょうか?」などと聞くことで、質問される相手も話すべき内容がわかりやすいですし、得られる情報量も変わってきます。
また、質問に答える社会人側としても、下調べをしていることがわかれば、自社に興味を持ってくれていることを感じられます。その方が、相手も快く答えてくれるでしょう。
企業研究のやり方はこちら
2.相手が答えられる質問か、答えやすいかどうかを考えること
リアルな話を聞ける機会とはいえ、仕事に関係のないプライベートな話や直接的に年収を尋ねるなど、相手が答えづらい質問は避けましょう。
また、質問はなるべく具体的に聞くか、意図を伝えることで相手が答えやすくなります。たとえば、「職場の人はどんな人が多いですか?」と聞くと、相手はどう答えればいいのかがわかりづらいです。
この場合、「職場は優しい人と厳しい人どちらが多いですか?」と聞くと、職場の雰囲気や働いている人の雰囲気などを聞きたいのだとわかりますし、相手も答えやすいです。
また、「職場の人はどんな人が多いですか?年代が近い人がいる職場の方が働きやすいと考えているので、年代などをお聞きしたいです」と、意図を明確にすれば、今のチームの人の年齢層に加え、年齢層を気にせずに働けるといった補足の情報なども答えてもらえるでしょう。
3.一問一答で終わらないこと
相手の答えに対して、さらに質問をするか、聞いた感想などを伝えるようにしましょう。また、質問の返答への仮説を持って臨めば、追加の質問や感想も伝えやすいです。
たとえば、「営業職の普段の仕事内容を教えてください」と聞いた際に、「顧客への訪問や、社内の会議に参加しています」と相手の方が答えてくれたとします。
このときに自分の中で「営業職は個人の顧客に電話営業をする仕事だろう」と仮説を立てていたら、以下のような質問や返答が思い浮かびます。質問を深めて、より具体的な話を聞いていきましょう。
・個人の顧客を担当されているのですか?
・担当顧客は何名いますか?どんな年代の方が多いですか?
・訪問もされるのですね。電話営業などはされないのですか?
・訪問は、平均でいうと1日に何件するのですか?
・社内会議もされるのですね。どれくらいの頻度で開催されるのですか?
・社内会議での議題は主にどんな内容ですか?
OB/OG訪問をする時期や人数は?
OB/OG訪問はいつ取り組むのがいい?
おすすめするのは、大学3年生の4月〜2月です。そもそもOB/OG訪問の時期に決まりはありません。一次面接の前や、選考中、内定後に行う学生もいます。
ただ、大学3年生の3月以降の本選考が近い時期は、OB/OG訪問を実施する学生が多いことが予想されるので、それ以前に実施しておけば、人気の企業でアポイントが取れず訪問できないという事態になることは少ないでしょう。また、早い段階で行っておけば、時間も多く割けるため、より多くの社会人へ訪問することができます。
OB/OG訪問は何人くらい実施するのがいい?
1社で2人以上に実施することをおすすめします。訪問したのが1人だけの場合、もし自分自身が合うと感じたとしても、その人とだけ合うと感じた可能性もあります。逆も然りです。また、情報として偏りが出る可能性もあるため、最低でも2人以上に話を聞くことをおすすめします。
OB/OG訪問で意識したい3つのポイント
OB/OG訪問の具体的なやり方などを見てきましたが、ここでは、いざ実施にあたって気をつけたい3つのポイントを紹介します。
1.マイナスな印象を与えないようにする
挨拶をする、時間を守る、約束に遅れる場合は連絡をする、名刺を雑に扱わないなど、基本的な礼儀やマナーを守るようにしましょう。選考の場ではありませんが、仮に将来その会社に入社することになった場合には、一緒に働く機会があるかもしれません。面接と同様と考えて臨むことをおすすめします。
2.メモをとる
冒頭に相手に確認をとった上で、内容はメモするようにしましょう。せっかく聞いた話も忘れてしまっては意味がありません。重要な部分だけをメモしておいたり、訪問が終わった後に振り返ったりして、有意義な時間にしましょう。
3.夜間の時間帯や社外での密室、個室空間などは避ける
OB/OG訪問では、時にトラブルが発生するケースもあります。オフラインで実施する場合には、夜間の時間帯や、社外での密室、個室空間を避けるようにしましょう。また、友人と参加したり、オンラインでの訪問をお願いしたりすることも、不要なリスクを避ける手段です。
それでも、何かトラブルが発生した際には、大学のキャリアセンターなどに相談しましょう。
時間がなくてOB/OG訪問ができない、訪問する相手がいない時は?
もしOB/OG訪問ができない場合には、talentbookの記事も参考にしてみましょう。talentbookでは、約5,000人のさまざまな業界、企業で働くビジネスパーソンが、それぞれ自身の仕事内容、仕事のやりがい、歩んできたキャリアなどを伝える記事を掲載しています。
また、OB/OG訪問前の情報収集としても利用することが可能です。実際に、次のような使い方をしている学生の方もいらっしゃいます。ぜひtalentbookを利用してみてください。
早稲田大学4年生 工藤 太智さん:
OBOG訪問では、質問を準備する際に使いました。talentbookで事前にある程度の情報を把握しておくことで、「コンサルタントの1日の業務内容を教えてください」という粒度の質問ではなく、「こんなスケジュール感でお仕事をされると思うのですが、とくにどのあたりが忙しくなるのですか」とか、「どの業務が一番慣れるのに時間がかかったのですか」など、もう少し踏み込んだ質問をすることができます。そうすることで、たとえ短い時間であっても十分な情報を得ることができます。
就活体験談の記事はこちら
まとめ
OB/OG訪問は、働くイメージや企業の情報を得る上で役に立ちます。ここまで紹介してきた内容を参考に、ぜひ取り組んでみてください。ほかにも、talentbook編集部では、就活の役に立つ情報を発信しています。ぜひみて見てください。ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
【参考リンク】
・就活のやり方・選考対策・インターンシップに関連する記事
・就活のよくある疑問に関連する記事
・学生・社会人のキャリアの悩みに関連する記事
・就活・転職の企業の選び方に関連する記事
・成長・スキルアップに関連する記事
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