コロナ禍の不安を乗り越えて。「社員の優しさ」が決め手となった就職活動
大学・大学院では情報系について学び、インターネット学を専攻していました。研究テーマはプラットフォームと評価者が互いに与える影響についてで、インターネットが社会に与える仕組みに強く興味を持っていました。
学部時代は学祭運営委員にも所属していました。ステージを組み上げたり、公式Webサイトの管理を担当したりと、チームで一つのことを成し遂げる経験を積みました。とくに印象に残っているのは、学祭が終わった直後の深夜に行うステージの解体作業です。長い一日を終えた疲労のなか、メンバー同士で励まし合いながら、けがをしないよう細心の注意を払って作業を進めました。夜間のうちに無事作業を終え、翌日に機材を安心して返却できたときの達成感は今でも忘れられません。チームで力を合わせてこそ乗り越えられる経験だったと思います。
就職活動では、情報系を専攻していた経験を活かし、「ITで社会を支えること」を軸に企業を探していました。また、大学進学を機に関西に出てきて、この街をとても住みよい場所だと感じていたため、関西でSIer(システムインテグレーター:顧客の要望に合わせてシステムの設計・開発・運用を一括して手がける企業)を中心に検討していました。コンサル業界も視野に入れたことはありましたが、まずは基礎となるシステム開発の経験をしっかり積みたいという思いがあり、最終的にSIerに絞りました。
活動していた時期はコロナ禍と重なっており、本当に就職できるのかという不安を常に抱えていました。アルバイトの経験はなく、Web系のベンチャー企業でのインターン経験しかなかったため、仕事や社会というものへのイメージがふんわりとしていて、実際に自分が働けるのかという漠然とした怖さもありました。
そんな状況のなかで入社を決めた理由は、大きく二つあります。一つは、調べる中で自分のやりたいことに一番近いと感じたこと。もう一つは、選考を通じて社員の方々と話す機会があり、その雰囲気が自分に合っていると感じたことです。選考の場では、詰めてくるような圧迫感はまったくなく、私の話をしっかり引き出そうとしてくれる聞き方をしてくださいました。「ここなら安心して働けそうだ」と素直に思えたことが、最終的な決め手になりました。入社が決まったときは、コロナ禍で選考が長引いていたこともあり、家族や友人にもとても喜んでもらえたことを覚えています。
技術研修から現場配属へ。「女性が働きにくい」はただの思い込みだった
入社後はまず、全社員を対象としたビジネススキルやビジネスマナーの研修からスタートしました。社会人としての基礎をしっかり固めてから、その後はSEとしての技術研修へと進みます。私はITインフラ、つまりシステムの土台となるインフラ領域を担うエンジニアとして配属が決まったため、11月の初旬ごろまでという長い期間をかけて、OS(コンピューターを動かす基本ソフトウェア)やネットワーク、データベースといった領域の研修を受けました。覚えることが多くて大変な時期でしたが、基礎をきちんと積み上げていく感覚はとても充実していたのを覚えています。
研修を終えて配属されたのは、クライアントセキュリティの運用・構築を担う部署です。クライアントセキュリティとは、企業内のパソコンやデバイスをウイルスや不正アクセスから守るためのセキュリティ対策のことを指します。入社当初は運用チームとして、日々のシステム監視や保守業務を担っていました。その後、構築チームへと軸足を移し、新たなシステムを設計・構築する業務も経験するようになりました。
この部署での経験を通じて痛感したのは、「運用を見据えた構築の大切さ」です。どんなに技術的に優れた構築をしても、実際に運用する現場のことを考えていなければ、後々大きな負荷がかかってしまいます。運用側の視点を持ちながら構築を進めることが、本当に良いシステムをつくるうえで欠かせないのだと、実務を通じて学びました。
そして、入社前に少し不安に思っていたことがありました。IT業界は女性が少ないというイメージがあり、職場環境や働き方の面で苦労するかもしれないと感じていたのです。でも実際に働いてみると、そんな心配はまったく必要ありませんでした。性別を意識させられるような場面はほとんどなく、仕事そのものに集中できる環境が整っていました。今では毎日楽しく仕事ができていて、あの不安はただの思い込みだったなと思っています。
「チーム全体でより大きなことができる」リーダーとして得た広い視野と達成感
現在は、クライアントセキュリティ(企業内のパソコンやスマートフォンなどの端末を、サイバー攻撃や情報漏洩から守るための仕組み)の構築案件において、チームリーダーを務めています。基本設計・詳細設計から構築、そして結合テストまで、一連の工程をチームとして推進していくのが私の役割です。進捗管理や課題の解決、メンバーへの指示出しなど、以前は「手を動かす側」だった自分が、今は「チーム全体を動かす側」になったという実感があります。
正直なところ、リーダーになって最初に苦労したのは「認識のズレ」でした。自分の頭の中にあるイメージをチームメンバーや関係者にうまく伝えられず、手戻りが発生してしまったことがあります。そのときは関係者全員で打ち合わせの場を設け、実際のアウトプット(成果物)を一つひとつ画面上で確認しながら丁寧に修正していきました。「言ったつもり」「わかっているはず」では通用しない。それ以来、認識のズレが生じないよう、伝えたいことをきちんと言語化することを意識するようになりました。
また、スケジュール通りに進まなかったり、当初は想定していなかったタスクが突然発生したりと、計画外の事態が起きることも少なくありません。そういったときに、リカバリー(立て直し)の選択肢をいくつか用意しておき、状況に応じて判断するという対応力が求められます。以前はコスト感覚やリスクの見積もりが甘かった部分もありましたが、小さな案件でもわずかなコスト増が粗利率に影響したり、大きな案件でスケジュールの遅れが全体に波及したりする場面を経験して、「事前にどれだけ想定できるか」の重要性を肌で感じるようになりました。
メンバーとして働いていた頃と大きく変わったのは、視野の広さです。以前は自分の担当範囲をこなすことに集中していましたが、今は案件全体の目的を常に意識しながら動くようになりました。時間・コスト・リスクのバランスを考えながら、適宜上司や関係者に相談しつつ案件を前に進める。それが自然とできるようになってきたことは、自分自身の大きな成長だと感じています。
やりがいを感じる瞬間は、チーム全員で協力してひとつの作業を完了したときの達成感です。そして何より嬉しいのは、チームメンバーが「この案件を通じて成長できた」と実感してくれたとき。自分一人では成し遂げられなかった規模のことを、チームとして実現できる——その喜びこそが、今の仕事の一番の醍醐味だと思っています。
「ワクワク」と「不安」を胸に、新たな挑戦と多様なチームをつくる夢へ
今、私の目の前には新しい挑戦が待っています。部署が変わり、次期端末管理(企業や組織が使用するパソコンやスマートフォンなどの端末を一元的に管理する仕組み)の構築案件が始まりそうなんです。今までとはまったく異なる顧客やメンバーと一緒に仕事をすることになるので、正直なところ不安もあります。でも、それ以上に「今まで積み上げてきた経験をどう生かせるだろう」というワクワク感の方が大きいですね。
新しい環境の中で、以前の案件との共通点や相違点を見つけながら、より幅広い仕事に対応できる自分になっていきたいと思っています。違う分野・違うメンバーと向き合うことで、きっと自分の視野がさらに広がるはずだと信じています。まずはこの案件をしっかりやり遂げることが、直近の目標です。
少し先を見据えると、チームをまとめ、チーム全体を成長させられる存在になりたいという思いがあります。この目標を抱くようになったのは、女性として現場に参画する中で感じたことがきっかけでした。体力のある人だけではなく、体力的な制約がある人や、家庭の事情で思うように出社できない人など、さまざまな背景を持つメンバーがいます。そういった方々の中にも、能力があってやる気に満ちた人はたくさんいます。そんな人たちが、それぞれの状況に関わらずしっかりとプロジェクトに貢献できるような環境や仕組みをつくれるチームリーダーになりたい、と強く思っています。
最後に、入社を検討されている方に伝えたいことがあります。この会社は大企業グループの一員として、堅実に仕事を進める文化があり、フォロー体制がとても手厚いです。困ったときに支えてくれる優しい先輩や同僚が多く、安心して働ける環境だと感じています。一方で、「やってみたい」と思ったことに対しては、どんどんチャレンジを後押ししてくれる風土もあります。若いうちからチームリーダーや小規模案件のPM(プロジェクトマネージャー)を経験できるので、現場スキルもマネジメントスキルも早い段階から磨いていくことができます。
活躍できるのは、基礎を大切にしながら新しいことへの挑戦を恐れない人、そしてチームワークを重んじて積極的にコミュニケーションをとれる人だと思います。知識を吸収し続け、経験を積みながら自分自身も成長していける方と、ぜひ一緒に働きたいですね。
※記事内の社員プロフィールおよび本文中の所属・役職は、取材時点の内容です。
