憧れだった証券アナリストを挫折。そこから見えた新たな道
現在、転職エージェントとして活躍している若狭。
彼は、元証券アナリストという異色の経歴の持ち主でもあります。実家が輸出入を扱う自営業だったため、小学校の時に親に貯金を託して運用してもらうなど、為替や株など金融の存在は常に身近にありました。
そんな若狭が証券アナリストに興味を持ったきっかけは、大学時代に出会った一冊の小説でした。
若狭 「海外で過ごしていた大学時代に、株に関する日本の小説を読み、株式に非常に興味を持ったんです。大学ではファイナンスを専攻し、『日本でアナリストになりたい』という想いで就職活動をしました」
夢を叶え、証券アナリストになった若狭。当初は「証券会社・金融業界で食べていく」と決めていたものの、次第にモヤモヤした想いを感じるようになったといいます。
若狭 「自分より早く昇進する人、強みを生かして一人前のアナリストになる人など、圧倒的に優秀な人がたくさんいて、焦りもありました。また、できる限りの努力をしたにも関わらず、社内で行われたアナリスト試験に不合格だったことも、外の世界を見てみようと思ったきっかけになりましたね」
加えて、証券アナリスト時代に出会った経営者から言われた言葉も、転職への大きな引き金となりました。
若狭 「経営者にインタビューしたところ、『若狭さん、外から言うだけじゃなくて自分で数字を作ったら?』と言われました。おっしゃる通り、外から評価するのはとても簡単ですが、当時は数字の作り方を知らなくて。次第に『自分で数字を作る経験がしたい』という気持ちが芽生えていきました」
初めてエージェントに登録しての転職。そこで出会ったエージェントが親身に話を聞いてくれたことで自己開示ができ、すっきりとした感覚を持ちました。エージェントという職業に興味を持った若狭は、「私もエージェントになれますか?」と問いかけます。
若狭「エージェントという仕事であれば、未経験でもチャレンジができるし、自分で数字を作ることもできるし、いろいろな企業に出会えて知的好奇心を満たしながらも、一人ひとりの人生に伴走できるので、自分の希望にすべてフィットすると気づいたんです」
そこから、エージェントとして新たな一歩を踏み出すことになりました。
3割がリピーター。信頼されるエージェントになるまでの道のり
未経験の分野への転職だったにもかかわらず、数年後には最も優れたヘッドハンターに贈られる『ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー』を2年連続で受賞するなど、目に見える成果を上げていった若狭。そこには、彼自身の性格が大きく影響していました。
若狭 「負けず嫌いな性格もあり、最初はがむしゃらでしたね。『アナリストがダメだったから、次に自分が選んだ道で成果を出したい』という想いが強かったんだと思います」
エージェントとして突き進んでいくうちに、自身の価値観ややりがいも変わっていきました。その軌跡は大きく3つのフェーズに分かれています。
若狭 「最初は『自分で数字を作りたい』という気持ちでスタートしました。半年間は全く手が出ず辛い時期もありましたが、やればやるほど成果が出て認められることに喜びを感じ、楽しくて朝から晩までずっと働いていたほど。良い仕事をすれば、成果にもつながることを実感し、目の前の成果にすごく興味があった時期でしたね」
しばらくすると、転職先を紹介した人から「楽しく働けています」という声が届くように。また、企業からも「先日紹介してくれた方が活躍してくれ、会社が変化しています」と感謝されることも。自分の成果のために仕事をしていた時期を経て、この仕事の魅力を実感するようになりました。
若狭 「人の人生や企業の変化を目の当たりにすることで、自分に向いていたベクトルがご相談者や企業に向いていきました。感謝が評価につながり、表彰されることもありましたよ。外部からの表彰が、自分自身や会社のブランディングにつながっていったと思います」
そして最近では、「点での関係性」ではなく、ご相談者や企業と「線でつながれる関係性」に喜びを感じられるようになっていると語ります。以前に関わった人が、また次の転職で連絡をしてくれるようなケースが出てきたのです。現在は、ご相談者の3割がリピーターとなっています。
若狭 「線でお手伝いしていると、1回目の転職と、2〜3回目の転職で求めることや価値観が変わっていることが分かります。独身だった人が、結婚して家族を持っていることもあるんですよ。それに合わせて支援の方向性も変わり、今では『線で関われる喜びや楽しさ』を感じていますね」
※現在所属しているフォルトナでは転職市場で「求職者」と呼ばれる個人の方々を「ご相談者」と呼称しております。それは、皆様が職を求めているのではなく、我々もただ単純に職を提案するのではなく、ご相談者の人生におけるありたい姿に向けて寄り添い、支援したいという想いからです。
ベンチャー企業への転職を通じて、世の中を変えていきたい
最初の頃は、「転職によって市場価値を上げる」という着眼点で仕事を紹介していたという若狭。しかし線で関わるようになり、「転職の価値観は変わっていくこと」に気が付きました。
若狭 「人生のタイミングによって転職に求めるものが全く異なり、それに合わせた提案をするようになりました。私自身の価値観も大きく変わり、『キャリアだけが全てではなく、キャリアは人生の一部分』だと思うようになりましたね。今では、どんな人生を歩みたいのかという部分から支援するようにしています」
ご相談者が大切にしている軸に合わせて支援する──希望の人生を歩むためには、どうすれば最適かという提案に変わっていったのです。
そんな若狭が得意としているのは、ベンチャー領域です。
若狭 「新しいことに取り組むベンチャー企業に転職希望の人は、チャレンジしたい人たちが多いんです。『今の会社はこれができないから、こういったことができる会社に転職したい』『こんな風に働きたい』など、ポジティブな気持ちを持っている人が多くて。そういった人達と話すのがすごく楽しいんですよね。
また、ベンチャー企業の新しいサービスやプロダクトが世の中を変えていくところを間近で見られるのも魅力です。エージェントとしていろんな方をベンチャー企業に紹介して活躍していただくことで、世の中を変えていけると思っています」
ベンチャー企業への転職支援を通じて、世の中を変えていけると考える若狭。ご相談者に提案する企業は、若狭自身がワクワクする企業だと語ります。
若狭 「私がワクワクして話さないと候補者も興味を持ってくれませんから。どんな企業でも、経営者・事業モデル・想いなど、どこかに必ずワクワクできることがあると思っています。もちろん、企業の魅力だけでなく気になる部分も正直に伝えるようにしています」
若狭が心がけているのは、あくまでもフラットな姿勢。ご相談者のチャレンジしたい気持ちとリスク許容度を見極めながら、その人の価値観に合わせた企業を紹介しています。とはいえ、企業の魅力を余すところなく伝えきるのも忘れません。ご相談者一人ひとりに誠意を込めたメッセージを送ったり、企業と話しあう場を設けたり、ご相談者と企業の両者にとって最善な方法を見出しているのです。
非効率の中から見出す幸せ。心に余裕を持って支援していく
ご相談者一人ひとりの気持ちに寄り添い、希望の人生を歩むためのサポートを続ける若狭。今後目指すエージェント像を聞いてみると、広い視野を持ってご相談者と関わっている若狭らしい答えが返ってきました。
若狭 「ご相談者の人生において、『あのときのアドバイスが良かったな』『あのときの転職活動のおかげでがある』など、転職活動を通じて新たな視点・気づき・きっかけなどを残せるエージェントでありたいです」
もちろん自分の名前を覚えてもらえると嬉しいけれど、そんなことはどちらでもいいと笑う若狭。彼自身が心がけていることは一体なんなのでしょうか。
若狭 「自分が幸せなキャリアや人生を歩まないと、幸せなアドバイスができないと思っています。自分がやりたいことやチャレンジしたいことを常に見つけながら、気持ちに余裕を持って支援できるようにしておきたいですね」
コロナ禍の今、世の中が大きく変わってきています。若狭自身、家族との時間が増える中で気づいたのは、「非効率の中にこそ幸せがあるのではないか」ということ。時間に余裕が生まれたからこそ、非効率なことに時間を使いたい──そこには若狭の人生のテーマがありました。
若狭 「時間に余裕が生まれたからこそ、ご相談者一人ずつに心をこめて紹介のメッセージを送っているんです。そうすることで、『自分に向き合ってくれる』と受け止めていただき、結果にもつながっています。非効率といいながらも、巡り巡って実は生産性がすごく高いのかもしれませんね。今は『心の余裕を持って非効率なことも楽しむ』ということを自分のテーマとして生活しています」
「転職ありきではなく、歩みたい人生を選ぶための手段のひとつとして転職がある」「希望の人生を歩むことを諦めかけてしまっている人や、モヤモヤした気持ちを抱えている人達に会って、サポートをしていきたい」と語る若狭。
これからも多くの人と出会い、人生に寄り添うエージェントとして邁進し続けていきます。

