就活でよく聞く言葉、ガクチカ。
インターンや本選考でのエントリーシートを書くにあたり、何を伝えるべきか、何を書くべきかと悩む人も多いのではないでしょうか。大きな成果の話や他の学生がやっていないような特別な経験がないと難しいと思ってしまうこともあるかと思います。
しかし、特別な経験や大きな成果の有無は、ガクチカを書く上で、重要な点ではありません。今回は、ガクチカが問われる理由や、エピソードの見つけ方、実際のガクチカの書き方を例文も交えてご紹介します。
目次
・ガクチカとは?何を書くべきか?
・ガクチカで書く内容が薄いと悩んだ時は?
・ガクチカがない時に試したい方法3選
・ガクチカの例文と、書き方で大事な5つの構成要素
・ガクチカを書くコツは?意識したい5つのポイント
・まとめ
ガクチカとは?何を書くべきか?
そもそも「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」の略称。主に就職活動の面接やエントリーシートで、学生が、どのような経験を積み、どのように成長したのかを知るために問われることが多いです。
授業や学外で取り組んだプロジェクト、アルバイト、サークル、ボランティア、ゼミ、研究など、学生時代のあらゆる経験が対象となります。
ガクチカが問われる理由
企業がガクチカを問うのは、自社が求める人物像にマッチしているかを判断するためです。
学生の性格や、どんなことにモチベーションを感じるのか、どんな努力や思考、取り組みができるのかなど、ガクチカのエピソードを通じて、企業はその学生が自社に合うのか、自社で活躍してくれる可能性があるのかなどを判断します。
企業が見ているポイントは?
ガクチカにおいて企業が見ているポイントはさまざまありますが、具体的なポイントとして2つご紹介します。
1.どんな人間性か
履歴書などの属性を主とした情報からでは、その人がどんな人かはあまり見えてきません。ガクチカから、どんなテーマであれば力を入れて取り組める人なのか、どう考えて行動しているのか、どんな時にモチベーションが生まれるのかといった人間性を測る判断材料を集めています。
2.入社後に活躍してくれるポテンシャルがあるか
新卒採用はキャリア採用と異なり、即戦力人材が求められるケースは多くありません。むしろ新卒採用においては、スキルよりも入社後に経験を積み、それを成長の糧にできるのか、成果をあげられるのか、といった素養の有無を重視されることが多いです。そうしたポテンシャルの部分をガクチカからも判断しています。
ガクチカで成果や特別な経験を気にしすぎる必要はない
ガクチカと聞くと、インターンシップや海外留学などの「特別な経験や大きな成果をあげた出来事が評価される」と考えるかもしれません。
しかし、企業は経験の内容や結果そのものよりも、その過程でどのように考え、行動し、何を学び、どのように成長したかに注目しています。
また、特別な経験をした人材を求めているのであれば、企業は特別な枠や採用方法を取り入れるはずです。たとえば、甲子園に出場した人材や、留学した人材が欲しいのであれば、そうした人に絞ったアプローチをするでしょう。その方が企業としても効率よく求める人物が集まるからです。
加えて、成果という点で言えば、結果だけを見て人を評価することはできません。たとえば、ある飲食チェーン店の店舗の売上前年比を5倍にした人と1.3倍にした人がいたとしても、店舗や状況によってその成果の評価が変わりうるからです。
他の店舗の平均の売上前年比が6倍だった場合、売上前年比が5倍というのはむしろ低評価になる可能性があります。反対に、他の店舗の売上前年比の平均が0.5倍の中で1.3倍にしたのであれば、成果として評価される可能性は高まります。
また、その成果をあげていたとしても、その過程で本人がどんな役割だったか、店舗の立地や知名度などで評価は変わります。店舗として高い売上を達成していたとしても、その人自体は達成に向けて何も行動していないのであれば、評価されるべきはその店舗で働く他の人やその立地を選んだ人であり、その人自身の貢献ではないからです。
たしかに、目を引くという点では特別な経験や大きな成果は有利に働く可能性は高いですが、一般的な新卒採用の募集においては、アルバイトやサークル活動、趣味など、日常的な活動でも、プロセスや自身の役割をアピールすることができれば有効なガクチカになると言えるでしょう。
自己PRとの違い
ガクチカと自己PRは、どちらも就職活動においての重要な要素ですが、それぞれに異なる目的や役割があります。
企業がガクチカを通じて知りたいのは、学生の挑戦力や取り組みのプロセス、結果として得たスキルや学びです。
一方、自己PRは、現時点の自分の強みやスキルを伝えるもの。それらをもとに、入社後にどう貢献できるのかを伝えるポイントです。ガクチカとは異なり、詳細な経験の内容やプロセスよりも、強みや個性を強調するのが自己PRと考えて、何を伝えるのかを考えていきましょう。
ガクチカで書く内容が薄いと悩んだ時は?
過去を振り返ることで、ガクチカに使えるエピソードが見つかる場合があります。アルバイトや授業、趣味など、時間や労力を割いたものを洗い出し、どのように工夫して取り組んだか、何を学んだかを考えることが重要です。
また、振り返る上では、次の5つの経験を切り口に探してみると見つかりやすいです。
1.苦労を乗り越えた経験
苦労を乗り越える過程では、工夫や努力の話が含まれていることが多いです。たとえば、大学での試験勉強など、身近で大変だった出来事を探してみましょう。
2.人から感謝・賞賛された経験
これらの経験は、自身の強みを発揮した取り組みと言えるでしょう。その強みが活きた具体的な体験から、ガクチカが見つかる可能性があります。
3.長く継続した経験
継続は簡単なことではありません。長期間取り組んだ出来事の中には、無意識に苦労を乗り越えていたり、自分なりの秘訣を見つけていたりする場合があります。そうした過程はガクチカにつながるでしょう。
4.苦手なことに取り組んだ経験
嫌なこと、苦手なことに取り組む際には、自分なりに考えて感情や課題を克服するための工夫をしているはずです。そこでの思考の過程や学びは、ガクチカにつながるでしょう。
また、企業で働く中で苦手な仕事をする場面は訪れるものです。近しい場面で、自ら意義を考え取り組んだ出来事を伝えることは、アピールポイントになる可能性があります。
5.複数人で取り組んだ経験
複数人で取り組む際には、モチベーションに差があったり人間関係から衝突が起きたりと、1人の場合と比べて問題が発生することが多いです。そうした問題に対して取り組んだプロセスは、ガクチカにつながります。
また、多くの企業では複数人で働くため、チームワークや人間関係での経験、学びはアピールにもつながります。
ガクチカがない時に試したい方法3選
振り返っても、ガクチカになる経験が見つからないこともあると思います。そうした場合に役に立つ方法を3つご紹介します。
1.他の人のガクチカを参考にする
他の学生のガクチカを見ることで、自分では気づけなかった経験や訴求ポイントに気づけるかもしれません。就活サイトなどを活用し、具体的な例を調べてみましょう。
2.身近な人に聞いてみる
人によって、印象や記憶に残る話は異なります。第三者の視点で新たな視点やアイデアが得られるため、両親や友人、親戚など身近な信頼できる人に相談し、他者から見た自分の特徴を知ることも有効です。
3.今から新しい挑戦を始める
今からでも、アルバイト、ボランティア、サークル活動、新しい趣味や学びなどに取り組むことで、ガクチカに使えるエピソードを作ることができます。重要なのは、成果の大きさではなく、どのように取り組むかです。
ガクチカの例文と書き方で大事な5つの構成要素
ガクチカとなる経験が見つかれば、次は書く段階です。ガクチカを書く上で大切なのは、構成を意識して、内容をわかりやすく伝えること。次の5つの要素を含んだ構成が有効です。
1.概要
活動や経験の結論や全体像を簡潔に示す
2.具体的な背景
状況や取り組むことにした動機や理由を説明する
3.目標や課題
立てた目標と、目標達成にあたり乗り越えるべき課題は何かを明らかにする
4.具体的な取り組み
課題に対してどの取り組みが有効と考えたか、具体的にとった行動を示す
5.成果と学び
結果とそこから得た学びや成長を明確にする
1.概要
最初に、経験の結論や全体像を提示します。話の大枠を先に伝えることで、相手がその後に続く詳細な話を理解しやすくなります。
例:「私は大学時代、アパレルショップでのアルバイト中に、フィッティングルームでの待ち時間を減らす業務改善に取り組んだ」
2.具体的な背景
活動が始まった経緯や具体的な状況を具体的に示すことで、話の前提が伝わりやすくなります。また、どんな人かが伝わる部分のため、取り組む動機や自分の役割、目的も明確にしましょう。
例:「都内の大型商業施設内の店舗だったため、週末の忙しい時間帯には、お客様がフィッティングルームを利用するまでに長時間待つことになり、クレームが多く寄せられていた。
私が接客したお客様が、フィッティングルームの列を目にして試着や購入を諦める姿を見ることもあり、状況を改善したいと考えた」
3.目標や課題
エピソードに目標があることで、この後の取り組みの話や結果が伝わりやすくなります。目標を設定した意図や課題も合わせて伝えられるとベストです。
例:「まず、実情を他のスタッフに尋ねたところ、15分以上待つお客様もいると聞き、待ち時間を最低でも5分以内に減らすことを目標にした。
また、原因を確認すると、スタッフがフィッティングルームの空き状況を把握するのに時間が掛かっていることが判明した」
4.具体的な取り組み
課題に対してどのように取り組んだかを具体的に示すことが大切です。自分がどのように考え、どんな行動を取ったか、なぜその行動をとったのかを明確に伝えましょう。
例:「そこでフィッティングルームに利用状況を示す札を設置し、使用中か空室かが一目でわかるように改善した。
さらに、待ち時間を有効活用できないかと考え、混雑時にはお客様に整理券を渡し、順番が近づくと店内放送でアナウンスする仕組みを導入。お客様がフィッティングルームの順番を待つ間も店舗内で他の商品を見られるようにした」
5.成果と学び
ガクチカの中でも重要なのが、成果と学びです。取り組みの結果を具体的な数字や事実で示すことはもちろん、取り組みを経て自分がどう成長したかを伝えます。
また、成果だけでなく、自分が得たスキルや今後にどう活かすのかもアピールできると入社後にどう貢献したいのかが伝わります。
例:「こうした改善の結果、お客様が並んで待つ時間は5分以内になり、待ち時間に対するクレームもなくなった。
この経験を通じて、小さな工夫や改善でお客様の満足度を向上させられることを学び、問題解決力や周囲との協力の重要性を実感した。今後も、この経験を活かし、どんな状況でも改善策を考え、業務効率向上に貢献したい」
ガクチカを書くコツは?意識したい5つのポイント
ガクチカを書く際に注意すべき点は、内容の質と伝え方。5つの意識すべきポイントをもとに、書いてみてください。
1.業界や企業分析をもとに内容を考える
ガクチカを伝える上で大事になるのは、自分が伝えたい内容が、企業が求めている人物像とマッチしているかどうか。
求める人物像は企業によって異なりますが、業界全体の特色や傾向もあるため、まずはどんな業界かを調べ全体の傾向を掴んだ上で、志望する企業であればどんな人物像が活躍しているのか、求められているのかを把握することが欠かせません。
そうして見つかった人物像に近い内容が伝わるガクチカにすることで、より選考においても印象が高まる可能性が高いです。
また、OB・OG訪問も有効です。実際に現場で働いている人の声を聞くことで、その企業で実際に求められる人物像のイメージが湧きます。とくに、現場でのエピソードから、仕事のイメージを高めることで、それと近しい内容を訴求することもできるでしょう。
2.具体性を意識する
ガクチカでは、具体的な事例を用いて、自分の取り組みを明確に伝えることが重要です。相手が内容を理解しやすいように、事実や数字をもとに状況や目標を示すことを心がけましょう。
3.事実に忠実に伝える
自分の経験を誇張したり、過大にアピールしたりすることは避けましょう。事実に基づかない話や過大な表現は、面接で深掘りされた際に見破られやすく、かえってマイナスになります。
また、過大表現の部分が評価された場合、入社後のミスマッチの原因になる可能性もあります。入社後に後悔しないためにも、等身大で正直なエピソードを元にアピールすることが、効果的なガクチカ作成のポイントです。
4.簡潔にまとめる
可能な限り、要点を押さえた短い文章で伝えましょう。企業の面接官は限られた時間で多くの学生の文章を読むため、読みやすさは大切です。
5.言葉に気を遣う
ネガティブな受け止め方をされる表現や自己中心的な言い回しなどがないか、初見で伝わらないような専門用語を用いていないか、提出前にチェックしましょう。また、誤字脱字などもないか、入念な確認をすることをお勧めします。
内容以外でマイナスな印象を与えてしまうのは、もったいないです。友人や家族、先輩・後輩など周囲の人にもチェックしてもらい、万全を期して臨みましょう。
まとめ
ガクチカではプロセスや成長、学びを意識して伝えることが大切です。また、単に伝えるだけでなく、企業側が求めている人材はどんな人かを考えてガクチカを作ることで、選考を有利に進めることもできるでしょう。
ほかにも、talentbook内では、就活に関するさまざまな記事を発信しています。ぜひ就活に役立ててみてください。
【参考リンク】
・業界研究を始める前に知っておくべきことは?業界研究のやり方やポイントを解説
・就活で「自己分析」が重要な理由とは?就活を成功に導く自己分析のやり方5選
・「ガクチカ」をより魅力的にするには?未来につなげるガクチカエピソードの作り方
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