情報通信インフラを支える、CATVシステム部の技術力と挑戦
私が所属するCATVシステム部は、ケーブルテレビ事業者の要望に合わせて最適なシステムを提案し、開発、設計、施工、保守サポートを行う事業を展開しています。ケーブルテレビなどの情報通信・放送インフラは地域の人々が生活を送る上で欠かせない存在です。それを支える技術も日々進化し続けています。私たちはこれまで蓄積してきた技術力とノウハウを生かし、この分野のリーディングカンパニーであり続けるべく高機能かつ高信頼性を有し、コスト競争力の高い製品やシステムを提供しています。
私自身はケーブルテレビ市場における通信機器の開発チームに所属し、ケーブルテレビ事業者向けの通信装置の開発と評価検証を担当しています。加えて、ケーブルテレビ事業者のネットワークで発生した不具合事象の検証、原因調査、対策といった業務も担っています。
特に印象的だったのは、Remote-PHYという海外製品を日本の国内市場向けに仕様検討や開発を行うプロジェクトです。私はRemote-PHYの通信品質や動作仕様を確認し、実運用に耐えうる性能が出ているかを評価しました。例えば、インターネットなどのデータ通信、固定電話サービスが安定して提供できるか、高負荷時や異常時においてもサービス提供に問題が発生しないか、といった観点で検証を行いました。
私たちのチームには、ネットワークに関するスペシャリストがそろっています。穏やかで優しい方が多く、不明点があればいつでも聞きやすい雰囲気です。私と同世代の先輩後輩も多く、息抜きに雑談もしやすい環境です。不測の事態が発生したときは、チーム全員で知見を出し合い検証を繰り返して解決策を導き出します。一人一人が異なるバックグラウンドを有しており、また得意分野も異なるからこそ、さまざまな視点で解決の糸口を探ることができます。
通信インフラを支える日本初の製品開発に挑む。挑戦と日々の工夫
私たちの事業部は、通信インフラを支えるネットワーク機器や映像・放送サービスに対応した機器の企画・設計開発・製品提供などを行っています。大きな特長は、ファブレス、つまり工場を所有せず設計に特化した体制で事業を展開していることです。世界最先端のLSI(大規模集積回路)を搭載した製品を自社で設計し、製造は海外のEMS(電子機器製造受託会社)などのパートナーへ委託することで、最短かつ最適コストでの製品化を実現しています。テクノロジーの進展が激しい業界において、この体制が競争力強化の鍵となっており、日々その追求に取り組んでいます。
現在、私はケーブルテレビで安定した通信サービスを提供するために必要なネットワーク機器の開発・評価、検証に携わっています。 ケーブルテレビ事業者はさまざまなサービスを提供しており、扱っている技術領域や装置構成が幅広く、仕様書や過去の評価結果を積極的に読み込みつつわからない点は早めに周囲に質問するように心がけました。
また単に教えてもらうだけでなく、自分なりの理解や仮説を持ったうえで質問すること、進捗や気づきをこまめに共有することを大切にし、チーム内での認識のズレを減らすようにしました。評価業務は他チームやベンダとの連携も多いため、相手の立場を意識した情報共有を心がけました。例えば、不具合を報告する際には現象だけでなく再現条件や影響範囲を整理して伝えることで、スムーズに議論できるよう工夫しています。
こうした取り組みを続けることで、徐々にチーム内での役割を持てるようになり、環境にも早く馴染むことができたと感じています。そして私は、Remote-PHYの開発プロジェクトで電話サービスの品質や安定稼働に関する性能評価を担当するチームに加わり、電話品質のデータ取得や認定試験を担当することになりました。
想定より試験が増えた危機を、目的整理と提案で乗り越え、認定取得までやり切る
国内市場向けRemote-PHY の開発では、期日までに電話機能の評価を完了し、電話サービスを提供する通信会社が定める認定試験に向けて必要な試験項目をクリアすることが求められていました。最も大変だったのは、電話の品質を確かめるための試験の量が想定より増えてしまったことです。Remote-PHY は従来の機器とは異なり複数の機器から構成されるため、評価が必要な試験項目が従来比16倍多く必要ということがわかり、予定より大幅に遅れてしまう可能性が出てきました。
そこで私はまず提示された試験項目について「何のためにその試験が必要なのか」を一度整理し直しました。すると、すべての機器を同じように試験する必要はなく、電話をコントロールする部分に関する試験を中心にすればよいことが見えてきました。次に、通信会社に対してRemote-PHYが従来機器とは異なる仕組みで動作することをかみ砕いて説明し、「この部分は確認が不要では?」という提案をしました。ここでは説明を長くするのではなく、自分の理解と検討結果を短くまとめて伝え、認識を揃えることを意識しました。その結果、試験の対象が整理され、試験の数を半分にすることができました。結果として評価期間を短縮でき、期限内に評価を完了することができました。
この経験を通じて、私がチームに馴染むために大切だと感じたのは、分からないことだらけでも、報連相と質問を密にすることで「自分のことを知ってもらい、チームのメンバーから信頼を得る」ということです。私は疑問点を早めに言語化し、自分なりの仮説も添えて相談することで、判断が前に進む形を作るようにしました。
最終的に、Remote-PHYは認定試験を通過し、商用導入につながりました。表立って見える仕事ではありませんが、通信品質を支える仕事として、実際に使われるところまで行けたことは達成感がありました。この仕事のやりがいは、日本初の最先端の製品開発に携われること、チームで協力して開発を完了させたこと、そして自身が開発に携わった製品が最終的に多くの人のインフラとして利用されることです。
Remote-PHYの評価を担当していた頃は、主に試験環境での検証が中心だったため、ユーザーの顔が見える仕事ではありませんでした。しかし商用導入後、「実際の加入者がその回線でインターネットや電話サービスを問題なく利用できている」という話を聞いたときに、自分の仕事が社会のインフラとして機能していることを強く実感しました。特に、評価段階で苦労してつぶし込んだ不具合があったからこそ、現場でトラブルなく動いていると知ったときは、安心感と同時に大きなやりがいを感じました。目立つ仕事ではありませんが、多くの人の当たり前の通信を裏側で支えているという実感が持てたことは、とても印象に残っています。
通信と放送の融合を超え、次世代ネットワークで社会を支える未来へ
CATVシステム部として今後挑戦したいのは、通信と放送のオールIP化をさらに進めて、4K/8Kに続く高精細・低遅延の新サービスへ対応するネットワーク基盤や機器の開発です。FTTHを活用したオールIP化はケーブルテレビ業界の大きな流れであり、当社の技術力はトップを走っていると考えています。オールIP化により設備コストの低減、設備の省スペース化、省電力化が見込まれます。放送と通信のセンター装置から端末まで自社開発していること、工事までワンストップで提供できる強みを活かし、ケーブルテレビ事業者と共に地域と支える情報通信インフラ整備に貢献していきたいと考えています。
特に、ケーブルテレビの現場で求められるのは「使いやすさ」と「運用のしやすさ」だと考えています。そこで注目しているのが、AI機能搭載による操作性・管理面での向上をめざした製品ラインナップ の拡充や、AIを活用した保守サービス業務の高度化です。例えば、装置の稼働データやログをAIで分析し、異常の兆候を早期に検知することで、保守担当者がトラブルの発生前に対処しやすくなり、対応時間の短縮につながります。さらに、過去の不具合事例や対応履歴をもとに、原因の切り分けや復旧時の確認ポイントをAIが提示できれば、保守業務の効率化と品質の安定化が期待できます。結果として、ケーブルテレビ事業者が加入者へ提供する通信・放送サービスを、より安定して届けられるようになると考えています。
私たちCATVシステム部は通信インフラという社会にとって欠かせない領域を支えており、自分たちの仕事が多くの人の「当たり前」を支えているという実感を持てる環境です。一方で、製品開発は常に想定通りに進むわけではなく、課題やトラブルに直面する場面も多くあります。うまくいかない状況でも粘り強く考え続け、周囲と連携しながら一つずつ解決していける方にとっては、大きく成長できる環境だと思います。実際に、評価や開発の現場ではチームで支え合いながら課題を乗り越えていく文化があります。
特に、海外のエンジニアと英語でコミュニケーションをとりながら仕事を進めることに興味がある方、通信インフラを支え、社会の安心や利便性につなげたいという思いを持っている方に来てほしいです。また、通信と放送の融合やIP化の進展など、今後も技術的な進化が続く分野であり、新しいことに挑戦する機会も多くあります。通信インフラを支える責任とやりがいの両方を感じながら、自分の技術力を高めていきたい方には、非常に魅力的な環境だと思います。ぜひ一緒に、次の時代のネットワークを支えていきましょう。

