安全な物流の土台をつくる。安全管理課の役割
私が所属しているのは、物流品質管理部の安全管理課です。この部署のミッションは、ひとことで言えば「交通事故ゼロの実現」。物流の現場では多くのドライバーが毎日トラックを走らせていますが、その安全を守るためにグループ各社に対する安全管理支援や指導を行っています。
私の主な仕事は、グループ各社の拠点に赴いての安全運転講習会の運営と、各営業所における行政書類関連の巡回指導の二つです。業務の割合はおおよそ7対3で、講習会がメインとなっています。
安全運転講習会では、実際のトラックを使って運転席からの視界や死角を確認してもらう体験を行っています。大型車というのは乗用車と比べて死角が非常に広く、運転席からは見えない場所が多くあります。そういった大型車特有の特性や性能を丁寧に説明することで、現場のドライバーに安全意識をより深く持ってもらうことが、この講習会の目的です。
一方、巡回指導では、グループ会社の各営業所を訪問し、運営に必要な届出書や保管書類などを事前にチェックします。外部監査(行政機関や第三者機関による業務実態の確認)に備えて書類の不備を洗い出し、是正に向けたアドバイスを行うのが主な役割です。
講習会で現場のドライバーに直接働きかける仕事と、書類・制度の面から営業所全体を支える仕事、この両方を通じて安全な物流の土台を作ることが私たちの仕事です。
このような業務に取り組む中で、私が大切にしているのは、「自分で考えて行動できる人になること」です。これは、困難な状況や壁にぶつかったとき、人に頼ってばかりでは成長できないと気づいたことがきっかけでした。もちろん、チームで協力することは大切です。ただ、自ら課題に向き合い、解決策を考えられる人間でありたいという思いが、仕事に向き合ううえでの根底にあります。安全管理という責任ある仕事だからこそ、自分で考え、判断し、行動する力を磨き続けることが重要だと感じています。
経験を活かせる新たなフィールドへ。物流業界へのキャリアチェンジ
私のキャリアは、バス会社での仕事から始まりました。駅から大学へ、あるいは駅から倉庫へといった貸し切りバスの運行が主な事業で、最初は運転業務からスタートしました。そこから経験を積む中で、運行管理(バスの運行スケジュールや乗務員の配置を管理する業務)や管理営業へと役割が広がっていきました。管理営業では、料金体系の見直しや増便の際の見積もり作成など、現場だけでは見えてこなかった視点を身につけることができたと思っています。
そのキャリアの中でも、とくに印象に残っているのは、有名リゾート施設での送迎業務です。これまで送迎時にお客様と会話する機会はあまりなかったのですが、この業務では、バスもリゾート体験の一部という位置づけで、お子様連れをはじめ、お客様と会話する機会が多くあり、お客様の楽しい一日を支えられるよう、直接対話しながら業務を進める中で、接客のいろはをゼロから学ぶことができました。「お客様にどう接するか」という感覚は、その後の仕事にも活きており、今でも自分の中に根付いていると感じています。
転職を考えたきっかけは、一言でいえば「新しいことへの挑戦」です。ただ、正直なところ、年齢的にまったくゼロから新しい分野に飛び込むのは難しいのかなという思いもありました。そんな中で目に留まったのが、物流・貨物の世界でした。旅客(人を運ぶ)と貨物(荷物を運ぶ)は、一見異なるように見えて、運行管理や安全管理の考え方など共通する部分が多く、「自分の経験が力になれるのではないか」と感じたことが、背中を押してくれました。
SBSホールディングスへの入社を決めた大きな理由は、先に転職していた元同僚の存在です。同じ部署で働いていた仲間が先に入社しており、その縁で話を聞く機会を得ました。実際の仕事内容や職場の雰囲気、働き方など、通常の求人情報ではわからないリアルな情報を事前に知れたことは、とても大きかったです。
もちろん不安がなかったわけではありません。「こんな大きな会社で自分がやっていけるのか」という気持ちは正直ありました。それでも、かつて一緒に働いていた仲間が実際にすでに同じ道で歩んでいるという安心感、そして何より、自分自身の新しい環境に飛び込んでみたいという気持ちが、最終的に踏み出す力をくれたのだと思います。
「基本に立ち戻って」の一言が、講師としての自信をくれた
入社してから約半年で、仕事にもだいぶ慣れ、前職では人前に立って話す機会はほとんどありませんでしたが、安全運転講習会においてもそれほど緊張せず講義をすることができるようになってきました。ただ、講習会で話すコメントや台詞を覚えるのは今でも正直、難しいと感じています。講習会では、受講者にわかりやすく、かつ正確に伝える必要があるので、話す内容を曖昧なまま本番に臨むわけにはいきません。
そのために私がやっていることは、とにかく反復練習です。通勤中の電車の中でも、休日のランニング中でも、頭の中で何度も何度も繰り返してイメージしています。体に染み込ませるような感覚で覚えることが、今のところ自分に合ったやり方だと感じています。もちろん、先輩方からのアドバイスも大きな支えになっています。事前の準備をしっかり重ね、先輩に見てもらいながら少しずつ精度を上げていきました。
そうした準備の積み重ねが実を結んだと感じた出来事があります。ある安全運転講習会を担当した後日、先方のご担当者の方から「基本に立ち戻って、わかりやすく説明してくれてありがとう」というお言葉をいただいたのです。さらに、講習を行ったグループ会社の方からも「前回、評判よかったよ」と伝えていただきました。まだ経験を重ねている途中の段階で、そのように言っていただけたことが、素直にうれしくて。講師としてのやりがいを初めて強く実感した瞬間でした。
また、前職で大型バスのドライバーとして培った運転技術と、運行管理に関する知識が、現在の仕事でも活きています。講習会の場でデモ走行を行う機会があったり、急遽トラックの車両回送を依頼されたりすることがあるのですが、現在の部署の中でも大型免許を持っている人は多くないため、そういった場面で自分の技術が直接役に立てるのは純粋に嬉しいです。
正直なところ、実際に講習会を行うまでは「大型トラックのドライバーの方々は運転に自信を持っているから、自分の話など必要としないだろう」と思っていました。ところが実際に講習会で話してみると、自分の経験談や具体的な技術の話に興味を持って耳を傾けてくれる方が多く、驚きました。自身の経験を「生の話」として届けることが、受講者との距離を縮め、実務経験者として信頼してもらうことにもつながっていると感じています。
安全を次世代へ。物流品質管理の未来への挑戦
私が今後挑戦してみたいこととして、まず思い浮かぶのは自動車の自動運転に関わる業務です。専門的な知識があるわけではなく、ただ純粋に「おもしろそうだな」という興味本位の気持ちです。物流業界で運行管理や安全管理に携わっている立場として、自動運転技術がトラック輸送の現場にどのような変化をもたらすのか、肌で感じてみたいという思いがあり、機会があればぜひ関わってみたい領域です。
部署全体として見ると、物流品質管理部は今まさに世代交代の時期に差し掛かりつつあります。長年にわたって先輩方が積み上げてきた伝統を守りながら、同時に新たなことへの挑戦や改革を進めていくことが、私たち次の世代に課された役割だと感じています。
引き継いでいきたい伝統として特に大切にしているのが、安全運転講習会の内容です。初任者向けの講習プログラムは非常に充実しており、トラックの性能がどれだけ進化しても変わらない基本的な安全意識や運転技術の土台となる部分は、これからも継続していきたいと思っています。技術は変わっても、人が安全に車両を扱う上での本質的な考え方は変わらないはずです。
一方、新たな施策として力を入れていきたいのが、事故の削減・撲滅に向けた取り組みです。「ゼロ事故」という目標は簡単に達成できるものではありませんが、だからこそ学び続けることが大切だと感じています。今後は外部の講演会や講習会にも積極的に参加し、そこで得た知識を安全運転講習会や現場への支援に活かしながら、事故の削減に貢献していきたいです。
SBSグループの魅力は、全国に広がるネットワークを舞台に、これまでの経験を活かしながら新しいことに挑戦できる点です。どこの道を走っていてもオレンジのトラックを見かけるほど事業の規模が大きく、日本の経済や流通を支えているという確かな実感を持って働くことができます。また、グループ全体で新たな事業や仕事に取り組む機会が多く、変化を柔軟に受け入れながら前へ進んでいく風土も、SBSならではの魅力だと感じています。
当部署では、さまざまな経験や強みを持つ方が活躍できると思います。その中でも私自身は、大型車両に関する知識や運転技術、運行管理の経験を活かし、管理や指導という新たなフィールドに挑戦したい方とぜひ一緒に働きたいです。物流を取り巻く環境が大きく変化する中で、これまでの経験を土台に学び続け、新しい挑戦を楽しめる方と、一緒に安全な物流の未来をつくっていけたら嬉しいです。
