「人を見る姿勢」に惹かれて選んだSIerという舞台での出発点
学生時代は、情報系の学業と両立しながら吹奏楽部の活動に全力で取り組んでいました。演奏技術の向上はもちろんのこと、後輩指導にも積極的に関わり、一人ひとりの状況や個性に寄り添いながら指導することを大切にしていました。その経験を通じて、協調性やコミュニケーション力が自然と身に付いていったように思います。今振り返ると、この経験が、この吹奏楽部での日々が、現在の仕事における後輩育成やチームでの活動の土台になっていると感じています。
就職活動を始めるにあたって、まず意識していたのは「学生時代に学んだ知識を活かせること」と「継続的に成長できる環境があること」という二つの軸でした。情報系の出身ということもあり、自然とIT業界に興味が向いていましたが、その中でもとくに惹かれたのがSIer(システムインテグレーター:顧客の要望に応じてシステムの設計・開発・運用を一括して請け負う企業)でした。お客様と直接コミュニケーションを取りながら課題解決に貢献できる点、そして多様な業界のお客様と関わることで幅広い知識や経験を積める点が、自分の志向にぴったり合っていると感じたんです。
大手メーカー系企業の選考も受けていましたが、最終的にSIerに絞ったのも、多様な業種のお客様とやり取りできるという点が決め手でした。特定の業界や製品に縛られず、さまざまなフィールドで経験を積みたいという思いが強かったのだと思います。
当社に対して入社前に抱いていたのは、独立系SIerとして特定のメーカーや業界にとらわれず、幅広い業種のお客様と関われるというイメージでした。そのイメージは入社の決め手にも直結していて、多様な経験を積みながら成長できる環境があること、そして集合研修、配属後フォローなど充実した研修制度のもとで着実にスキルアップできる環境が整っていることに強く惹かれました。
とくに印象に残っているのが、選考中の面接での体験です。面接では、学生時代の経験や学んできたことだけでなく、私自身の考え方や価値観についても丁寧に話を聞いていただきました。経歴だけで判断するのではなく、一人ひとりの人柄を大切にしていることが伝わり、「この会社で働きたい」という気持ちが強くなりました。
ビジネスマナーからAWSまで。研修で得た基礎知識が現場で生きた瞬間
入社後まず取り組んだのは、社会人としての土台をつくる研修でした。ビジネスマナーや仕事の進め方といった基本的なことから始まり、次第にIT技術の専門的な内容へと移っていきました。具体的には、AWSやJava、SQLといった技術を学ぶ研修を受けました。AWSはクラウドコンピューティングサービスの一つで、Javaはシステム開発に広く使われるプログラミング言語、SQLはデータベースを操作するための言語です。研修ではこれらの基礎知識を学んだうえで、実際にチームで模擬開発にも取り組みました。システム開発がどのような流れで進むのか、チームの中でどう動くべきかを、実践を通じて肌で感じることができたと思っています。
その後、実際の現場に配属されました。私が担当することになったシステムの基盤がAWSで構築されていたこともあり、研修で学んだ知識がそのまま現場での理解につながったのは、率直に「学んでおいてよかった」と感じた瞬間でした。JavaはこのシステムでAWSほど直接使う場面がなかったものの、プログラムの基本的な考え方を知っているかどうかで、仕事の理解度が大きく変わると感じています。
入社以来、私が担当するシステムそのものは変わっていませんが、その中でさまざまな役割を経験してきました。最初はシステム保守チームに所属し、稼働中のシステムに問題が発生したときの対応や、継続的な安定稼働を支える業務を担いました。その後はシステム運用を担当し、さらに開発支援も経験しました。開発支援とは、新機能の追加や改修を行う開発チームのサポートをする業務です。そして現在は保守チームのリーダーとして業務を担当しています。
保守・運用・開発支援と、異なる立場からシステムに関わってきたことで、一つのシステムを多角的な視点で捉えられるようになったと感じています。保守の立場では安定稼働の大切さが身に染みますし、開発支援を経験したことで、新しい機能がどのような背景でつくられるのかも理解できるようになりました。
入社前、私はSIerはベテラン社員が中心となって活躍する業界というイメージを持っていました。お客様の要望を聞き取り、最適なシステムを提案する仕事である以上、経験豊富な人たちが主役だと思っていたのです。しかし実際に働いてみると、若手社員にも責任ある仕事を任せてもらえる機会が想像以上に多く、早い段階から成長できる環境がありました。また、情報系の学部出身かどうかに関わらず多くの社員が活躍している点も、入社後に気づいたギャップの一つです。年齢や出身分野よりも、意欲や成長を重視する社風なのだと、自分自身の経験を通じて実感しています。
「信頼していただける関係」を築くために。リーダーとして歩んだ現場の日々
現在は、ソリューション事業本部に所属し、企業で働く社員の方々が日々利用する業務システムの保守開発チームでリーダーを務めています。具体的には、システムに関する保守案件の推進や進捗管理、障害発生時の調査対応、そしてお客様への報告といったチーム運営全般を担当しています。
これまでの仕事の中で特に印象に残っているのが、OS更改案件(サーバーやパソコンで動作する基本ソフトウェアを新しいバージョンへ移行する作業)です。この案件では、お客様の業務部門とインフラ部門(システムの基盤を管理する部署)という複数の関係者と連携しながら進める必要があり、作業の分担やスケジュール管理に大変苦労しました。さらに、案件全体を主導する部署が明確ではなかったため、チームのメンバーと協力しながら各関係者へ積極的に働きかけ、進捗を管理するという難しい局面もありました。それでも、粘り強く調整を続けた結果、無事にシステムの移行を完遂することができました。プロジェクトが完了したときの達成感は、今でも忘れられません。
一方で、苦い経験もあります。お客様から依頼された成果物を作成した際、一部の内容がお客様の期待していた内容と異なってしまったことがありました。その成果物は対外的に使用されるものだったため影響が大きく、とても焦りました。このときは上長のサポートを受けながら、関連部署の担当者も交えた会議を迅速に設定し、丁寧なコミュニケーションを通じて早期に修正対応を行いました。この経験から、作業に着手する前の認識合わせや要件確認がいかに重要かを、身をもって学びました。
こうした経験を重ねる中で、私が常に意識しているのは「お客様に信頼していただける関係を築くこと」です。顧客との対話を大切にし、こまめにコミュニケーションをとることを心がけています。チームのメンバーに対しても同じで、一人ひとりに寄り添いながら声をかけ、やりがいを感じられる現場づくりを意識しています。メンバーそれぞれの希望ややりがいを定期的にヒアリングし、それを現場に反映していくことも、リーダーとしての大切な役割だと感じています。
学生時代の自分と比べると、成長を実感できる部分があります。もともと人と話すことが苦手で、自分から積極的に話しかけるタイプではありませんでした。しかし、お客様対応やチームでの業務を通じてさまざまな方とコミュニケーションを取る機会を積み重ねてきた結果、今では相手と円滑に意思疎通を図れるようになったと感じています。技術的な知識はもちろんですが、人と人とのつながりを大切にする姿勢こそが、この仕事の根幹にあると日々実感しています。
生成AI時代に求められる力と、固定観念を超えた挑戦のすすめ
今後は、自分のチームの業務だけに留まらず、他チームとも積極的に連携しながら仕事を進められるようになりたいと考えています。部署内での横のつながりを強化し、チームの枠を越えて知見や課題を共有することで、組織全体としてお客様への提供価値を高めることが、まず直近の目標です。そのために、周囲とのコミュニケーションを意識的に増やし、部署全体を見渡したチーム運営に取り組んでいきたいと思っています。
中長期的には、これまでの経験で培ったシステムへの多角的な視点を活かしながら、お客様への貢献の幅をさらに広げていきたいです。そのために、生成AI(人間の指示に応じて文章・コード・画像などを自動生成するAI技術)をはじめとする新しい技術も積極的に学び、業務に活用できる人材を目指しています。技術と業務知識の両面から課題解決に貢献できることが、私の描くキャリアのゴールです。
この会社の魅力をお伝えするとすれば、若手の活躍機会が多い点と、組織として横のつながりを意識した体制がある点です。若いうちからさまざまな経験を積める環境は、成長を実感しやすく、やりがいにもつながります。
活躍できる人物像としては、新しい技術への好奇心を持ち、チャンスが来たときに積極的に飛び込める人だと思います。プログラミングの経験があるかどうかよりも、新しいことに前向きに取り組める姿勢や、人とコミュニケーションを取ることが好きであることの方が、これからの時代には重要になってくると感じています。
SEというと技術力が重視されるイメージがあるかもしれません。しかし生成AIの活用が進む中で、相手の課題を正しく理解する力や、周囲と協力しながら解決策を考えるコミュニケーション力・思考力の重要性がますます高まっていると実感しています。生成AIはコード作成や調査を支援してくれますが、「何を実現すべきか」を決めるのはあくまで人間です。また、生成AIが出した結果を鵜呑みにせず、その妥当性を判断する思考力も不可欠です。そういった意味で、文系・理系を問わず活躍できるフィールドが広がっていると感じます。
就職活動中の方へお伝えしたいのは、企業の表面的なイメージだけで判断しないでほしいということです。生成AIの登場によって、多くの業界で働き方や求められる人材像が大きく変化しています。固定観念にとらわれず、実際に話を聞いて理解を深め、自分が本当に成長できる環境を見つけてほしいと思います。
そして入社前には、IT業界や社会の変化に興味を持ち、幅広く情報を収集する習慣をつけておくと良いと思います。ただ、それ以上に大切なのは、学生時代にしかできない経験を積むことです。キャリアを重ねていく中で土台となるのは、そうしたさまざまな経験です。興味のあることには積極的に挑戦して、多くの経験を積んでから社会に出てきてほしいと思います。
