航空宇宙からエネルギーへ、スケールの大きさに惹かれた就職活動
学生時代は航空宇宙工学を専攻し、宇宙空間という特殊な環境での研究に打ち込んでいました。無重力状態では重量がなく、表面張力が支配的になるという独特の世界で、沸騰現象を再現しモニタリングする装置の開発に取り組んでいました。
就職活動では、機械工学系という専攻を活かして重工メーカーや自動車会社を中心に見ていました。しかし同時に、メーカー就職が本当に自分に合っているのかという疑問も抱いていたんです。下積みの長さや、歯車の一部になってしまうのではないか、田舎の工場生活になるのではないか、狭い社会での生活で視野が狭くなってしまうのではないか。そんな不安があり、金融やコンサル、エンジニアリングなど幅広い職種にも応募していました。
そんな中で出会ったのが、エネルギー業界でした。海外事業のスケールの大きさに、すぐに興味を惹かれました。
現在の会社については、面接での雰囲気が印象的でした。上司と部下の関係なく言いたいことを話している様子や、社員面談で関西弁で言い合う姿を見て、風通しの良さを肌で感じたんです。知人がいたこともあり、実際の社風を知ることができました。そして何より、日本のエネルギー問題へ直接的に貢献できること、大きなことにチャレンジできる環境があることに魅力を感じました。液化天然ガスに関われる事業ができるのであれば、という思いが強くなり、内定をもらった時点で即決でした。
プラント建設の最前線から事業開発へ―キャリアの転機
私のキャリアは、2006年に総合エンジニアリング会社に入社したところから始まります。そこでは約15年間、EPCプロジェクトマネジメントを担当していました。エネルギー事業に携わりながらも、プラントを実際に作る側、つまり設計・調達・施工管理という役割でした。受注したプロジェクトを確実に遂行していく、そんな仕事に一通り習得できたと感じた頃、自分の仕事の幅をもっと広げたいという思いが強くなっていきました。
2021年に退職し、石油元売り会社に入社しました。ここでは海外ガス火力発電事業開発、いわゆるIPPビジネスを担当することになりました。受注してものを作るEPC業務から、事業そのものを開発する側へ。プラントを作る側から発注する側へのシフトです。そして2023年に退職し、その後、住友商事に入社しました。元々総合エンジニアリング会社で習得していたLNG事業のノウハウを生かせる、海外LNG上流事業開発に携わりたかったからです。
住友商事入社後は中途入社だったこともあり、特定の入社後研修プログラムはありませんでした。ただ、会社の教育体制はしっかりと整っていて、自分に足りないと感じていた経営学、財務、会計系の研修を受けることができました。自分で必要なスキルを見極めて学んでいく環境が用意されていたことは、とてもありがたかったですね。
プラントエンジニアリングから事業開発への転身について、不安や戸惑いはなかったかとよく聞かれます。実は、プラントエンジニアリングをしている時点で、すでにエネルギー資源開発の仕事に携わっていたんです。受注する側から発注する側に変わるだけでしたし、発注側の客先と議論する機会も多かったので、どのような仕事なのかは理解していました。だからこそ、むしろ新しいフィールドへの期待の方が大きかったですね。入社後に特別なギャップを感じることもありませんでした。
大規模プロジェクトの最前線で感じる、達成感と責任の重み
現在はトランジッションエネルギーユニットに所属し、チームリーダーとして天然ガスに係る事業開発を担当しています。私たちのミッションは、日本とアジアに安定的にエネルギーを届けること。具体的には、西オーストラリア沖にあるスカボロガス田の権益を取得し、液化基地で天然ガスを液化してLNGとして需要家や顧客に届ける事業を進めています。現在は生産設備の建設期間中で、2026年後半には生産を開始し、LNGをお届けできる予定です。
チームリーダーとして、生産設備の建設モニタリングから現地法人の管理まで、本事業全体の責任を担っています。この仕事で最もやりがいを感じるのは、仲間と共に仕事をやり遂げた時、問題を一緒に解決した時、そして客先から感謝された時ですね。
とくに印象に残っているのは、洋上で4万トンの船と3万トンのモジュールを合体させるという世界初の施工が成功した瞬間です。これは一大イベントで、Riskも非常に大きかった。最悪の場合、すべてが沈んでしまう可能性もありました。成功した時は、そうした最悪のケースを回避できたという安堵感と、大きなヤマを越えたという達成感に包まれました。ただ、事業会社として発注した側なので、実務はコントラクターにお願いしている立場。傍観者になってしまう事業者としての寂しさも同時に感じましたね。
コスト管理やスケジュール管理においても、現時点ではOn Timeで進められています。これはコントラクターとの交渉の賜物です。コントラクターがやりやすい環境を整えながら、必要な時にはインセンティブをタイムリーに注入していく。そうした細やかな配慮と戦略的なサポートの積み重ねが、成功の要因だと考えています。
一方で、日々苦労しているのが説明責任です。専門的な内容をどこまで説明すべきか、どうわかりやすく簡潔に伝えるか。コストやスケジュールは少しの変化でも影響が大きいため、どこにRiskがあるのか日々モニタリングし続けるのは本当に大変です。学生時代と比べると、知識、経験、英語力、コミュニケーション能力、先読みする力、想像力、交渉力、説明力と、すべてにおいてスキルアップできたと実感しています。
変革期を楽しみながら、次世代のエネルギーの未来を切り拓く
短期的な目標としては、より責任のある立場で上流事業開発に携わっていきたいと考えています。具体的には、天然ガスの上流権益をM&Aで買うDealをもう一件成功させたいですね。そのために今取り組んでいるのは、チーム員のマネジメントや人材育成・人材開発です。チームが一丸となって仕事に取り組める体制を構築しながら、自分自身のマネジメント能力を高めていくことを意識しています。
中長期的には、今はLNG関連が中心ですが、将来的にはここで得られた知見や人脈を活用して、低炭素社会に向けた難題に対しての解決策を出せる人材になりたいと思っています。そのために現在は、どのような技術が今後出てくるのか、それらの技術の開発レベルはどの程度なのか、費用はどれくらいかかるのかといった情報収集を行っています。経済性を担保した上で開発が可能となるのはいつ頃になるのか、常にアンテナを張り巡らせているんです。
エネルギー業界は今まさに変革期にあります。日本のエネルギー安全保障への貢献と、世界の脱炭素社会、ネットゼロ世界への貢献という大きな挑戦に直面しています。変革期であるからこそ難しさはありますが、上手にハンドリングできれば非常に大きな商売になる。難しさは感じますが、だからこそ達成感ややりがいも大きいんです。規模は今後もどんどん大きくなっていくはずなので、正直とても楽しみにしています。
未来の後輩たちには、ぜひ当社にジョインしてほしいですね。求めているのは、他人に頼らず自分を持って、常に自己研鑽を心がけ、幅広い分野に興味を持って前を向いて頑張れる人です。商いが好きで、商売で儲けようという意識と、そのために何がベストなのかを常に自問自答しながら、時に利益だけを追い求めずに社会への貢献を意識できる人が活躍できる環境だと思います。当社には自由闊達な風土があり、自分の意見を言うことが尊重され、それがValueとして認識されている文化があります。住友の精神、自利利他公私一如が共有されている点も大きな魅力です。
いつでも、いろんなことに興味を持って、どんな状況においても自分の糧になると信じて頑張れば、結果は付いてくると思います。一緒に頑張りましょう。

