アイシンの経営理念を実現する。自動駐車システムで事故ゼロをめざす開発者
グループ長の友澤がマネジメントするグループは走行安全第1制御技術部 SDVアプリケーション開発室の中でも2025年に発足した新しい組織です。その業務内容について語ります。
友澤:私たちのミッションは、アイシンの経営理念「移動に感動、未来に笑顔」を実現することです。現在、具体的には低速自動運転に特化した自動駐車システムの開発を行っています。自動車を利用する限り必ず駐車が必要になりますが、ある調査では自動車事故全体の30%が駐車場で起きているともいわれているんです。そのため、事故ゼロをめざす一環としてこの取り組みを行っています。
われわれの特徴はソフトウェアアップデートによって常に進化する車、つまりSoftware Defined Vehicle(SDV)に対応した開発を行っているところ。一度開発しておしまいではなく、次々にアップデートできる仕組みを考えながら開発しています。
友澤は、チームの専門性についても言及します。
友澤:私たちは主に機能開発を担当しており、どのような機能を実現すべきか、どのセンサーを活用し、それらの機能をどう組み合わせていけばよいかなど、具体的な設計を担っています。現在はカーメーカーさまからのご要望をもとに、数年後の発売に向けて製品の開発を進めています。
私はグループ長として自身の開発業務と並行してマネジメントに従事。グループの大きな方向性を示しながら、各メンバーに自身の強みを活かした仕事をしてもらえるよう日々模索しています。
チームの中核メンバーである鷲津は、さまざまな要素技術を統合する重要な役割を担っています。
鷲津:私たちのグループは、センサーによる外界認識、車両制御、ナビゲーション表示など、アイシンが持つ多くの技術を組み合わせて、1つの自動駐車システムを作り上げる部隊です。
私自身はカーメーカーさまと密に連携し、システム結合、机上・実車評価での妥当性確認など、システム開発の最前線で活躍させていただいております。
多くの人との連携が必要な業務をする上で、私が大切にしていることは相手に対するリスペクトです。さまざまな立場の方が関わっているので意見がすれ違うこともありますが、「よいものを作りたい」という思いはみんな一緒なので、相手の意見にもしっかり耳を傾けて開発に活かすことを心がけています。
技術と人脈をつなぐハブとなって。活発な議論から生まれる自動駐車システム開発の現場
カーメーカーや協力会社との連携はもちろん、アイシン内のさまざまな部署とも連携し、ハブとなって自動駐車システム開発を行うグループ。自由闊達に意見交換が行われていると言います。
友澤:6人という限られた人数の割に、やるべきことや連携すべき相手が多いんです。そのため、日々の情報共有は欠かせません。定期的な報告の場も用意していますが、オフィスでの席も近いので、話したいことがあればすぐに声をかけることができます。
グループの雰囲気は非常にフラットですね。仕事の話はもちろん、ちょっとした世間話で盛り上がることも。またメンバーみんなが自主的に考えることができるので、よりよい製品を作るために建設的な意見交換ができていると感じます。私自身グループ長という立場ではありますが、上下関係をあまり意識せず、同じシステムを開発する仲間としてメンバーと関わっています。
鷲津:アイシンでは「ワンチーム」という考え方を大切にしており、第3グループはまさにワンチームを体現したグループだと感じます。常に会話が鳴り止まない状態ですし、朝のミーティングでは困っていることや自身の抱えている業務について共有し、お互いにカバーし合うことができています。メンバー全員が「バッドニュースファースト」を意識していて、困ったことがあればすぐに発信してみんなで対応する空気感があります。
また、仕事に対する裁量も広く与えてもらっているので、カーメーカーさまとの折衝など幅広いことに挑戦でき、日々やりがいを感じています。
上司と部下という関係でありながら、フラットに交流ができているという2人にそれぞれの印象を聞きました。
友澤:鷲津は自社発信で新しい技術を開発していく「先進開発部」から現在の部署へ異動してきました。そのため最新の技術に詳しく、その知見を取り入れて開発に邁進している点が同じ技術者として尊敬できますね。
また、目的を実現するために自ら考えて動ける「自走力」があるところも、非常に頼りになります。
鷲津:ずっと先進開発部で仕事をしていた私にとって、数多くのカーメーカーさんと仕事をしてきた友澤の存在は心強くもあり、初めは恐れ多さも抱いていました(笑)。
実際一緒に仕事をしてみると技術力の高さはもちろん、社内外の人脈の広さに圧倒されましたね。「この技術について誰に聞いたらいいかわからない」という時に、適切な部署やメンバーと連携をとってくれるのですごく仕事が進めやすいですし、カーメーカーさまとやりとりをしていく上でもたくさんの知見を持っていて頼もしいです。
100人の認識を1つに──多様な視点をつなぎ合わせて作る自動駐車システムへの挑戦
組織発足からおよそ1年間、自動駐車システム開発に尽力してきた組織。とくに苦労してきたことについて2人が語ります。
友澤:ステークホルダーの多い大規模開発プロジェクトなので、認識のすり合わせが何より難しいですね。今はカーメーカーさまと一緒に開発を行っているので、「アイシンとしてユーザーに届けたいもの」と「カーメーカーさまとしてユーザーに届けたいもの」をしっかりとすり合わせることに心を砕いています。
そのためにはまず、アイシンの中でユーザーに届けたいものをしっかり明確化する必要があるんです。
鷲津:自動駐車システム開発には外界認識を行うグループや車両制御を行うグループなど、社内でもさまざまなグループが関わっています。アイシンだけでも100人ほどのメンバーが携わっているので、その中で認識を合わせていくだけでも一苦労なんです。
たとえば、歩行者検知を行うのは外界認識ですが、その歩行者を避けるのは車両制御の機能です。双方をどうつなげれば望んだ動きをするのか考えるためにはグループを超えた協力が必要になります。
私もこのチームに配属される前は車両制御専門家でしたが、今はその知見を強みに、それぞれの技術のメリット、要点を理解した上でより良い機能をつくりあげるのも私たちの役目になります。
友澤:アイシンの技術を総動員させて開発を行っているので、正直第3グループだけで情報を取りまとめることは困難です。そのため日頃から自身の上司や他グループのメンバーにもこまめに情報共有を行って、できるだけ多くの人たちと同じ認識を持つことを大切にしています。
大規模なプロジェクトに関わる難しさを感じながらも、高いモチベーションで仕事に取り組めるのは、「製品を世に届けたい」という思いがあるからです。
鷲津:お客さまであるカーメーカーさまはもちろん、実際のユーザーにも喜んでいただけるような製品を作ることこそが私たちの使命です。今ある技術をどう組み合わせれば、カーメーカーさまの期待に応えられるか、ユーザーに喜んでいただけるか常に考えています。
試行錯誤を繰り返す中では苦労も多々ありますが、自分たちが作り上げたものが世に出て、実際の世界で活用されることこそが、この仕事の一番のやりがいです。
友澤:私もそう思います。カーメーカーさまはお客さまでもあるけれど、ユーザーのためによい自動車を作り上げる仲間の一員とも言えます。最終的にはユーザーの元に製品が届いてこそ、自分たちの仕事の価値が現れると思います。
技術の継承と革新を追求する。SDV時代を牽引する自動駐車システム開発の現場から
急速に進化を遂げるIT・AI技術。開発環境のデジタル化を推進し、従来の実車評価中心のプロセスから、仮想環境での評価・機能検討へと移行を図っています。
友澤:今までは実際の車両を使って評価を行う必要がありましたが、今後はより早く開発を進めていくために、仮想環境での評価や機能検討を可能にする環境構築を進めています。鷲津の協力も得ながら、新しい開発環境の整備に取り組んでいるところです。
鷲津:現在携わっている製品開発の知識をコアにしながら、友澤が言っていた仮想環境などの新技術へのアンテナを張ってさまざまな知識を吸収しているところです。そこで得た知識を業務にフィードバックすることで、お客さまに価値を届けられる人材になりたいと考えています。
今後のグループの展望についてはこう語ります。
鷲津:冒頭に友澤からあったように、自動車業界にはSDVの時代が到来しています。今回の自動駐車システム開発はアイシン全社にとってもSDV開発の先駆けとなります。これをやりきり、これからの先のSDV開発を牽引していけるような存在になりたいです。
友澤:自動駐車システムに関わらず、「移動に感動、未来に笑顔」を実現できる新しい機能をどんどん提供して、安心・安全に暮らせる社会づくりに貢献していきたいです。
そのためには組織として技術力を高めていくことはもちろん、後進に技術を継承していく取り組みを行っていきたいです。最終的には交通事故ゼロの社会を作っていきたいというのが、私の大きな願いです。
自動車の発展に寄与する2人、アイシンで輝ける人について聞きました。
鷲津:当社には「アイシングループウェイ」と言って、「みずから動き、変えていく!」「個を高めて、夢ひろげる!」「先んじて、未来を作る!」という、3つの行動指針があります。実際に働いていても感じるのですが、私たちはカーメーカーさんの要望にお応えするだけでなく、自ら新しい製品を考え、作り出すスキルも必要です。
常に高いアンテナを張り、「こんなものを作ってみたい」「こういうものがあったらいいな」と考えて行動できる人はアイシンできっと活躍できると考えます。
友澤:確かに「やりたい!」という気持ちや自動車に対する「夢」を持っていることは大切ですね。「お客さまに言われたから」という動機ではなく、「世の中にはこんな機能が必要だ」「こんなものをユーザーに届けたい」という思いを持った人が活躍できると感じます。
さらに私が大切だと思うことは、そのような自分の考えをちゃんと周囲の人に伝えられること。言葉にして伝えてくれれば「それなら、こんな機能にしたいよね」と会話が弾み、よりよい開発ができるはず。スキルの高い方ももちろん歓迎ですが、それだけではない熱い気持ちがある方と共に働きたいですね。
※ 記載内容は2025年7月時点のものです
