昔、学校が大嫌いだった
毛塚 「今はどうかわかりませんが、自分が通っていた小中学校は校則が厳しく、先生の決めた枠に子どもをはめ込むような指導がありました。 “問題児 ”というレッテルを貼られると、すべてのトラブルは自分に原因があるように扱われてしまって。学校に行きたくないと何度も思いました。勉強も運動もできず、友達もあまりいなかったので授業中も休み時間もノートにひたすら落書きをしていたんです」
学校にいい思い出なんてないとはっきり言う毛塚。厳しい中学校生活を過ごしましたが、高校生活はそれまでとはまったく違う世界でした。
毛塚 「いきなり自由になって、なんでも自分のしたいようにしていい、それが新鮮でしたね。学校の方針は、生徒が何をしようが自由だけど、それが原因で招いたことは、結果も含めてすべて自分で引き受けなさいというものでしたから」
自由な校風の中、充実した日々を送っていた高校時代に、毛塚の将来に影響を与える出来事がありました。
毛塚 「学祭でカレー屋をやるとなったときに、『絵がうまいんだからポスター描いてよ』と言われたんです。普通のポスターを書くのはつまらないから、食べものなのに『毒』とかちょっとふざけた感じで描いたんですよ。
そのポスターを学校中に貼っていたら、そのポスターが剥がされるという事件が発生しました。なんでだろうと思っていたら、後日同級生の弟が気に入って持って帰っていたことを教えてもらったんです。しかも、その後に書き下ろしもお願いされました。
自分が何気なく描いたものが、誰かの目にとまって、持って帰るほどに気に入ってもらえたんだ、そう思うとすごく嬉しかったです。この出来事がデザイナーというキャリアを選ぶきっかけになりましたね」
もっと世の中の役にたつプロダクトに携わりたい
学校を卒業した後、Web業界のエンタメ系コンテンツ制作の現場で経験を積んだ毛塚。
毛塚 「エンタメ系の Web、モバイルサイト、待受 Flash制作などを経験してきました。時代がいわゆるガラケーからスマートフォンに移る過程で、 Androidアプリの開発を勉強し始めたのが、エンジニアとしてのキャリアのスタートです。デザイナーとエンジニア、共通しているのは『ものづくり』。自分でデザインしたものを、自分で動かせるというのは、満足感も高いし、何よりおもしろいですね」
エンターテイメント系で働いてきた毛塚が、Classiへ入社を決めたのは、根本にある「みんなの役に立つものをつくりたい」という想いでした。
毛塚 「私は、自分自身の嫌な経験もあって学校への思い入れも強くないし、教育自体に興味はなかったんです。最初に偶然が重なって Classiに話を聞きに行ったときも、そのことは伝えていました。ただ、それまでのキャリアでスマートフォンは楽しいことやおもしろいことをできるだけではなく、今よりもっとみんなの役に立つものにできるのではないかという想いが自分の根本にありましたね。その想いをかなえる手段のひとつが、 Classiへの入社でした」
Classiに入社後は、2019年3月にリリースしたClassiホームの開発に関わった後、ポートフォリオの開発へ携わることになりました。
毛塚 「私は、ポートフォリオは Classiの中でもとくにチャレンジングなプロダクトだと思っているんです。千差万別な生徒の目線を第一に考えるという姿勢を徹底的に実践して、ワークショップの開催などもしています」
チャレンジングといいながらも、いわゆる「大変さ」はまったく感じていないといいます。
毛塚 「私自身は、先生になりたいと思ったこともなければ、保護者という立場でもない。そういう点からすれば、もっとも近い視点なのが生徒だからというのもあるかもしれません。生徒は取り繕った意見ではなく、素直な言葉でフィードバックをくれます。長く to C業界にいて、ユーザーからの声を大切にしてきた私にとっては、それもまた活力になっていると思いますね」
スマホに入っていても恥ずかしくないと思えるようにしたい
Classiの中でも、生徒と密なコミュニケーションが発生することの多い、ポートフォリオチーム。
毛塚 「今の学生が受けている授業は、自分が学生だったときとは、まったく違いますね。そして、学生の柔軟な考え方にはいつもびっくりさせられます。われわれのワークショップに関わってくれるような生徒は、きっと教育にすごく興味を持って、将来も教育の道に進みたいんだろうと自分は思っていたんです。
でも、その子たちに将来の夢を聞くと、別に教育系に進みたいわけではないと言うんですね。すべてが将来に直結していなくてもいい、どこかでつながっていく。一見つながると思えない点と点がつながっていつか線になっていく、そんな風に人生をこれから歩んでいくんだなぁ、と」
学校が嫌いだったのに、教育系の会社で働いている。「デザイナー」から「ものづくり」という共通点で「エンジニア」へ転身。意識はしていなくても、点と点を結ぶ生き方をしてきた毛塚ならではの視点です。
毛塚は、今後のポートフォリオをどんなプロダクトにしていきたいと考えているのでしょうか。
毛塚 「ポートフォリオに関わることになって、考えたのは『自分のスマートフォンに入っていても恥ずかしくないものにしたい』という視点でした。インスタグラムや Twitterのアプリがスマートフォンに入っていても、みんななんの違和感も感じないですよね。
スマートフォンのアプリは、人の興味・関心がある程度現れる場所だと思います。そこに、ポートフォリオを『学校で入れさせられた』と思わずに、『興味があって、自分の役に立つと思って入れた』と思ってもらえるようになりたいですね」
Classiに入って、1年半。今思うこと
入社から1年半がたち、まったく畑違いの業界からやってきた毛塚はこんなことを思っています。
毛塚 「これまでの会社ではやっても良かったことが、 Classiではダメだったりします。自分の良さは、そこに違和感を感じられる、何が違うのかわかるということだと思うんです。そういった意味では、 Classiの常識に染まりすぎずにやっていきたいですね。個人的には、今はエンジニアとして開発を行なっていますが、せっかくならデザイナーとしての経験も生かして、両軸で関われたらと思っています」
自分自身は学校が楽しくなかった、良い思い出がないからこそ、生徒にとって学校が楽しい場所になってほしいと毛塚は言います。
毛塚 「 Classiに入って良かったなと思うのが、先生や学校は自分の敵だ!という考えを改められたことです。実際に先生とお話させてもらう機会があったときに、『先生ってこんなに生徒のことを考えているのか?!』と良い衝撃を受けました。先生も同じ人間で、悩みながらどう指導するか考えてくれています。中々生徒には伝わりづらいかもしれないけれど、そんな風に自分たちのことを一生懸命に考えてくれる存在がいるのは生徒にとっても心強いはずです。
ポートフォリオを通じて先生と生徒のコミュニケーションに良い影響を与えられれば、間接的に生徒が学校を楽しいと思える手助けができる、そう思っています」
点と点をつないで、Classiにたどりついた毛塚。ここからどんな点がつながり、線になっていくのでしょうか。
