きっかけは「おもしろそうだな」という想い。未経験からがむしゃらに取り組んだ
私はもともと理系出身で、ゆめみに入社する前は物流業界で働いていました。選考に応募したのは「ゲームプレイ採用」がきっかけです。
ゲームプレイ採用とは、ゲーミングプラットフォームで配信されているシミュレーションゲームをプレイし、レポートを提出するという採用方法です。ゲームの結果やレポートを通して、エンジニア適性を見て選考するという内容でした。
私はたまたまSNSで見つけ、こんなユニークな採用をしている会社があるんだとびっくりして、受けてみることにしたのです。正直なところ、受かるとはまったく思っていませんでした。「試しにやってみるか」くらいの気持ちでしたね。「ゲームをタダでもらえるのなら……」というのが、最大のモチベーションだったかもしれません(笑)。ただ、やるからには、しっかりしたレポートを提出しようと思いました。
レポートが通って、一次面接に呼ばれたときは、現実感があまりなかったです。それでも、このチャンスをものにしたいと強く思いました。なのに、一次面接の後に受けたコーディング試験がボロボロで……。解答の入力方法という基礎的な部分で間違えて、一問も正解できなかったんです。
ゆめみの選考を受けるまではほとんどプログラミングをやったことがなく、大学のころにC++を少し触っていた程度。試験を受けた直後は「これはもう終わったな」と思いました。でも、あまりに悔しかったので、「なんとかチャンスをもらえないか」とお願いしたところ、選考課程中にも関わらず、プログラミングスクールで学ぶチャンスをもらえたのです。
しかも、採用前にも関わらず、会社が費用を出すと言ってくれました。スクールの課題は2カ月分ありましたが、全力で1週間で終わらせ、もう1回試験を受け直したところ、無事に受かることができました。
後から聞いた話ですが、ゲームプレイ採用の求職者がコーディングができないのは、想定内だったそうです。あくまでも応募時点のポテンシャルや成長速度、できない状態からどこまで伸ばせるのかを見ていたと。
私が必死で課題に取り組み、すごい勢いで終わらせた点を、成長速度という意味で評価してもらえたことは嬉しかったですね。
わからないことだらけの日々。基礎から勉強し直し、仕事の楽しさに気がつく
こうして入社した私は、まずは約3カ月間、新卒で入った同期たちと一緒に研修を受けました。OJTの一環として、実務のフローに沿って研修用プログラムを作ることでコーディングを学んだ後、サーバーサイドエンジニアとして案件にアサインされました。
今振り返ると、1年くらいはただただ必死でしたね。自分が何をわかっていないのかがわからない状態なので、調べて対処するにも方法がないことが、とても苦しかったのを覚えています。
たとえば、私は「バッチ」という言葉を知りませんでした。「バッチプログラム」とは、いくつかの処理をまとめて、1日に1回、1カ月に1回などとスケジューリングして定期的に動かすプログラムを指すのですが、私は「バッチ」のことを、よくゲームなどで用いられる「バッチ(プログラム)」のことだと勘違いしていたんです。全然意味合いが違っていたため、先輩たちの話していることがわからず、ずっと混乱していました。そのくらいのレベルだったので、最初のころは本当に大変でした。
そんな調子でなんとか最初の案件を終え、次の新規案件にアサインされたころに、ようやく仕事のことがわかってきた感覚が芽生えました。大きかったのは、資格を取得したことです。
先輩から「とりあえずAWSの資格を取ると良いよ」と言われたので、AWSのアソシエイト系とプロフェッショナル系をすべて取ってみたら、だいぶ仕事がしやすくなったんです。さらに、IPAの基本情報・応用情報の資格も取りました。基本情報・応用情報には、一年目の自分が知りたかったことがすべて書いてあって、びっくりしたほど。資格の勉強を通して知識が身についたことで、ようやくちゃんと仕事ができるようになった感覚があります。
それまでは、目の前のタスクをこなすことで精一杯でしたが、仕事を楽しむ余裕がやっと出てきて、業務を自分でハンドリングする感覚もわかってきました。開発のかたわら、いろいろなカンファレンスに参加して、話を聞いたり勉強会に参加したりしましたね。技術を知るおもしろさ、そしてそれを自分の手で触ることの楽しさが、一気に広がった時期でした。
リードエンジニアとして、新しい壁を、臨機応変に乗り越えていく
現在のポジションであるリードエンジニアをめざすようになったのは、代表の言葉の影響でした。当時「入社2、3年経ったら、リードエンジニアになってプロジェクトを引っ張れるようになってほしい」と打ち出していて。それを見て素直に、めざしてみようと思ったんです。そこから、技術もマネージメントも両軸で力をつけていこうと目標を決めました。
目標を固めてからちょうど1年経ったころ、新しい案件が始まるタイミングが来ました。その際、私の目標を知る先輩から声をかけてもらい、リードエンジニアのポジションにチャレンジする機会に恵まれました。ただ、実際にリードエンジニアになってからが、思った以上に大変でした。
今まではリーダーから任された仕事をしていましたが、自分がリードエンジニアになったからには、納期というゴールに向けて、自分でスケジュールを切って、いつまでに終わらせるのかを決めなくてはなりません。じっくり考えているだけではいつまで経っても仕事は終わらないし、アイデアはどんどん出てくるし、細かいところを突き詰めるとキリがない。終わりを決めることの大切さを学んでいきました。最初は自分でハンドリングができていないために、クライアントの要望に答えようと自身の立ち位置がわからなくなってしまったこともあります。余裕がない時期もありましたが、進めていくうちに「これは自分で決断しないとダメなんだ」と意識できるようになりました。
また、実際にクライアントと仕事をする上では、クライアントとのコミュニケーションのとり方や、仕事への目線をどう合わせるかという点にも苦労しました。人間同士が仕事をしているのだから、「自分はこうしたい」と考えていることだけで仕事が進むわけではありません。ですが、当時は技術的なアプローチを教科書的に当てはめようとしてしまい、クライアント目線の考え方がごっそり抜け落ちていたのです。現実的な落としどころを探る大切さを学んでいくことになりました。
今までの環境で、いかに先輩たちに守られていたかを痛感する日々でしたが、入社して早いタイミングでリードエンジニアを経験できたことは、その後の成長につながったと思います。
こんな環境は他にない。ゆめみだからこそ得られた成長
最近は、リードエンジニアをしつつ、プリセールスにも携わっています。プリセールスに挑戦している理由は、リードエンジニアとしてやりたいことを実現するために、もう少し上流の工程を知るべきだと感じたから。さらに、新卒採用のサポートにも加わっています。自分自身、採用活動にはたくさんの思い出があるので、若手の皆さんにもぜひそのおもしろさを感じてもらえたらと思っています。
入社して4年経った今振り返って思うのは、未経験で入ったのに支援が手厚く、なんでもやらせてもらえる会社だということ。こんな環境は他にはまずないと思いますし、自分はゆめみだからこそ成長できたと実感しています。
今は、自分が立ち上げの初期から携わったプロジェクトが安定して、ようやく1年が経つころ。たくさんのことを学んで、試してみたいことが溜まってきているので、次の機会に全力でぶつけて追求してみたいと思います。リードエンジニアとして、自分なりの完成形が見えてきているので、そこに自分がどれくらいチャレンジできるのかを試してみたいんです。
知識やスキルがない未経験のポテンシャル採用で入ったことに対して、自分の中では、ある種の悔しさを感じていました。入社してから最近までは、その悔しさを原動力にして進んできた側面があります。でも、ようやく自分で満足できるくらいに力をつけてこられたので、今後中長期的には、純粋な興味を原動力に自分のキャリアを考えたいと思っています。
今思い描いているのは、ビジネスとエンジニアの距離が、もっと近くなればいいなということ。組織が異なる以上、クライアントとゆめみ、とくにクライアントのビジネス側とゆめみのエンジニア側は、物理的な距離がどうしても遠くなってしまいます。当社は受託会社なので仕方のない部分はありますが、現状ではコミュニケーションのロスがあったり、企業文化の違いから話がまとまらないことも少なくありません。本当の理想は、エンジニアとビジネス層が近い距離で、言葉を交せるようになることだと思うんです。
その理想を実現するべく、最近はアーキテクチャ周りやチームリーディング、チームマネジメントの手法も学び始めているところです。今後も学びを深め、ユーザーにさらに価値を提供できるような仕事をしていきたいですね。関わる人みんなが楽しく仕事ができる環境を作れるようなリーダーになっていければと思います。
※ 記載内容は2023年5月時点のものです