インフラエンジニアとしての業務で身につけた臨機応変な働き方
私がエンジニアに興味を持ったのは中学生の頃です。最初のきっかけは、ハッカーにあこがれてプログラミングの勉強を始めたことでした。その後、授業の一環で、職業インタビューとしてSIerの方にお話を聞く機会がありました。そのときにプログラムを書く仕事があることを初めて知り、エンジニアを目指そうと思ったんです。
そのまま大学は情報学科に進学しました。当時はよく「ITエンジニアなんてきついわりに給料が高くないから大変だよ」などと言われていましたが、好きだからとにかくやってみたい、何ごとも経験しなければわからないと考えていたんです。
大学卒業後は、大手SIerに入ってインフラエンジニアになりました。基本的には、現場に行きマニュアルに沿って作業をすることになっていましたが、実際はその通りに対応できないことばかりでしたね。現場に集まったメンバーの技術的なレベルがバラバラだったために業務の進行に差が出たり、責任者が現場にくることができず電話だけでコミュニケーションを取ったり。思いもよらない事態がたびたび発生していました。ただ、そういった現場のフォローや進捗管理を自分で行ってきたことで、臨機応変に動く力がかなり鍛えられました。ITはきついという噂の通り、働いてみると、体力的につらい部分も、働き方に対する考えが自分とは合わないと感じる部分もありました。特に社会インフラ系のお客さんのシステムメンテナンスは深夜が多く、夜の作業が1週間続いたこともあります。加えて、大企業だと自分の裁量が狭く、意思決定ができたとしても選択肢が少なかったんです。技術的に古くなっていても、勝手に新しいものを取り入れられないフラストレーションもあり、このまま続けて良いのか、と悩むようになりました。
そんなとき、自分を見つめ直してみると、プログラムを書いているのが一番楽しかった、という原点を思い出したんです。
やっぱりプログラムを書く仕事がしたい。最初の転職を決意しました。
これだけユニークな会社に加われる機会は二度とない。ゆめみへ転職を決意
転職先の2社目では、WEB開発プロジェクトでのアプリケーション制作に携わり、念願のプログラムを書く仕事を実現できました。ところが、1年半後には、いくつか気になることが出てきたのです。
小さな事業会社だったので、自社のビジネスにフォーカスし、プロダクトの成長にプライオリティを置かざるを得ないのは仕方がないこと。でも、できることならば技術的にもっとやりたい、チャレンジしたいという想いが常にあり、その狭間で悩みました。
加えて、エンジニアとして5~6年の経験を積んできていたので、給与面でも何らかの手応えを感じられる環境を探さないと仕事のモチベーションを保つことが難しいと感じ始めました。
「この会社にいるだけでは、自分はこれ以上の成長はできない」という焦りから、最初は副業を探しました。ですが、話をいただくのは転職ばかり。それならいっそ転職しようかと、心が傾いていきました。
そこで、エージェントに紹介されて出会ったのがゆめみです。ゆめみの名前や、会社の概要は耳にしたことがありました。初めは、勉強会を開いているとか、技術系の記事を書いている人が在籍している会社というイメージでしたね。
ですが、そこからあらためて詳しく調べてみると、とても変わった制度がたくさんあることを知ったんです。正直、組織の考え方もユニークだったために、初めは「大丈夫なのかな……」と疑っていました(笑)。
でも、代表の片岡がSNSに公開している記事を読み、制度や考え方の背景を知ったことですごく腑に落ちたんです。自分の思っていたことと重なる部分もかなりあったんですね。
なかでも、給与の自己決定制度が、一番衝撃的でした。それまでの2社は、どちらも給与の体系に年功序列の名残りがありました。それだと、一緒に働く先輩と同等以上の貢献をしても、入りたての社員という立場ではなかなか評価されないために、仕事のパフォーマンスも落ちてしまいます。しかし、給与の自己決定制度では、勤続年数などのしがらみに囚われることなく、会社への貢献度や自身の能力に見合う給与を決められるので、納得できます。そもそも自分で決めていますから、不満を持つことがありません。結果的に、仕事のパフォーマンスを上げることにもつながるわけです。それは、すごくいい考えだと思いました。
仕事上で何かにチャレンジする機会はたびたび訪れますが、これだけユニークな会社に入る機会は、何度もありません。そう思ったら動くしかないと思って、ゆめみに入社しました。
チームを束ねること、新たな技術に取り組むこと。始まった2つの挑戦
2019年の入社後はサーバーサイドエンジニアとしての業務を中心に、アーキテクトとしてシステム設計や、PHPテックリードとしてPHPプロジェクトの支援を担当しています。それぞれの業務は明確には分かれておらず、担当するプロジェクトで求められる役割に応じて、できることをやっている状態です。入社から半年を過ぎた頃からは、チームリーダーの役割を任されるようになりました。社会人エンジニアとしては9年目となりいわゆる中堅なのですが、これまで経験した2社では、リーダーという立場になったことがほとんどありません。そのため、なかなか慣れないもので、こういうやり方でいいのかな?と、日々悩みながら進めています。
また、リーダーの立場になったので、実際に自分の手を動かしてプログラムを書くことは少なくなりました。寂しさもありますが、そういう役割を期待されている嬉しさもあります。
新たな技術へのチャレンジもしています。
2022年現在取り組んでいるのは、VRを使った医療に取り組んでいる企業とのプロジェクトです。このプロジェクトで扱うサービスは今までにないものですし、技術的にも新しいものにチャレンジしているので、やりがいのある仕事だと感じています。
これまでの自分の想いから、リーダーとしてどうあるべきかを模索する
リーダーとして心掛けているのは、社内のチームメンバーに対して細かい指示を出すのではなく、自由にやってほしいというスタンスでいることです。
「自分だったらこういう提案や改善ができるのに」と考えつつも、既に方針が決まっているがゆえに実行できない悔しさを経験したことがあったので、今自分が一緒に働いているメンバーには、そういう思いをしてほしくないと思っています。
最初は私が大枠の方針を決めたり設計したりしますが、「こんなふうに変えたい」という熱意があるのなら、その考えにしたがって動いてもらう方がいいと思っています。
最終的には、私がいなくてもうまく回るチームや組織が理想です。自律的に動くチームをつくっていかなければ、結局はうまくいきません。現在のプロジェクトの前に1年ほどリーダーとして関わっていたチームは、私が抜けた後もうまく回っているようですし、今後も自走できるチームや組織をつくっていきたいですね。
また、現在ゆめみは企業の内製化支援サービスを提案しています。企業が内製化するためにはさまざまな障壁があるので、その部分をゆめみがお手伝いするというサービスです。この場合も、完全に内製化を果たせたらゆめみの役割は終わり。企業内で自走できることが、業務の成功です。自分は離れて、次の困っているところを助けに行けばいい。社内でも社外でも、そういったスタンスで働いていければと思っています。
ゆめみを外から見ると、ユニークな制度や独自の組織のあり方にばかり目が行って、ひょっとすると、敬遠してしまう方もいるかもしれません。でも社長の文章をよく読んでみたり、社員の話を聞いてみたりして、ちょっとでも納得する部分があるのなら、ぜひ入社してみてほしいと思います。キャリアの中で、ゆめみのような会社にチャレンジできる機会はなかなかありません。いずれ再び転職するとしても、とても良い経験になるのではないでしょうか。