なんでも言い合える関係性。みんなの背中を押す奉仕型のリーダーとして

私が担当している職種はフロントエンドエンジニアですが、案件のポジションとしてスクラムマスターも兼務しています。

スクラムマスターは、プロジェクトマネージャーのようなみんなを引っ張っていくリーダー像とは異なります。

みんなの背中を押していくような奉仕型のリーダーです。

会議のファシリテーションだったり、チーム全体を見て問題になっていることを見つけたり、障害物があったらそれを取り除いたり。チーム全体を見て「スムーズに進んでいるか?」「何か問題になっていないか?」を常に見ています。チームがいかに「気持ちよく業務を遂行できるか」にフォーカスするのがスクラムマスターです。

私が担当している案件は規模が大きく、30名以上のチームメンバーがいます。その中でも大きくフロントエンドエンジニア、サーバーサイドエンジニア、デザイナーの職種に分かれています。

人数が多いため、プロジェクトを成功させるためには、個人のスキルだけでなく、チーム全体で力を発揮できることが重要です。

そのため、チームビルディングでは何でも言い合える関係性を心がけています。たとえば毎日朝会で1番初めにチームメンバーに一言しゃべってもらう「チェックイン」という時間を設けています。雑談のような形で仕事以外の話もしやすいように工夫し、その中でぽろっと言ってくれたことをキャッチアップできるようにしています。

またクライアントとの会議でも雑談を取り入れています。会議の終わりに「チェックアウト」という時間をつくり、いろんな話をしています。仕事だから雑談が駄目ということではなく、フランクに話せる関係性をとても大切にしています。

クライアントにもそれを理解していただいているので、とてもありがたいと思っています。

私はもともと、プロジェクトマネージャーのようにチームメンバーをぐいぐい引っ張っていくことは苦手なのですが、スクラムマスターのようなポジションはプロジェクトマネージャーより向いていると思っています(笑)。

特に、チームの中でモチベーションが下がっているメンバーが増えてきたなと思った時にサポートするとか、みんなを元気づけることが好きなんです。

「ママじゃないと嫌だ!」リモートワークが変えた、子育てと地域の垣根

スクラムマスターになったのは2019年のことでした。

前任の方がプロジェクトマネージャーとスクラムマスターを兼務されていたのですが、他の案件が忙しくなってきたため、「こちらの案件のスクラムマスターを任せたい」というお話をいただきました。

それまでフロントエンドエンジニアのデザイン部分を担当していたのですが、ちょうどお話をいただいた頃、子どもが生まれて育児がはじまったタイミングだったんです。フロントエンドでずっと技術をやっているよりも、チームビルディングを体験することで育児にも良い影響がでるかもしれないと思い、引き受けることを決意しました。

子どもが生まれて私は、子育てに大きくウエイトを置きたいと思ったんです。よく「子育てを手伝う」なんて言いますけど、私としては子育ては、仕事以上のメインミッションだと思っています。妻には休んでもらいたいですし、自分ができることを全力でやっていきたいので。

フロントエンドの比重を減らしてスクラムマスターを引き受けることになり、結果として大変よかったと思っています。フロントエンド専任だった時は、ついつい物づくりにハマってしまい、深夜まで仕事をしていることがたくさんありましたし(笑)。

また、昨今ではリモート勤務になったことで、子どもと触れ合える時間も増えたんです。寝かしつけなどもできるので、子どもがとても懐いてくれるようになりました。リモート勤務が始まったころは寝るのもなんでも「ママじゃないと嫌だ」と言われていましたが、今では私でも大丈夫になりまして、それがすごく嬉しいです。

リモートワークは育児面だけではなく、仕事面でもメリットがありました。

今のチームは、京都・大阪・東京のメンバーが集まってやっているのですが、地域の垣根がなくなりました。リモートワーク前は「京都は京都だけ、大阪は大阪だけ」というように、地域ごとに集まってコミュニケーションをとってしまいがちでした。それがオンラインになったことで、垣根がなくなったことはとても大きいと思います。

今まで私自身も大阪・東京のメンバーとはあまりコミュニケーションを取れていなかったのですが、今どの拠点のメンバーともよく話すので、これはとてもよかったです。

遠方のメンバーと仲良くなれることは、仕事をする上でも大切ですから、意識的に雑談の時間をつくるなど、今までオフラインであったものを再現するように意識もしていますね。

「ありがとう」を言い合う会──感謝を伝えあい、心理的安全性を確保する

▲ゆめみ入社から数年経ったころの内藤

私はチームビルディングにおいて、「心理的安全性」がとても重要だと思っています。

たとえば「言っても拒絶されない」ということはすごく大切で、そのための雰囲気づくりは非常に大事にしています。

スクラムを振り返る機会であるスプリントレトロスペクティブは、2週間に1回のペースで実施しています。良かった点、続けたい点、悪かった点、改善したい点などを項目ごとに振り返り、そこで出てきた問題を都度改善していっています。もう4年以上取り組んでいて、100回以上は繰り返していますね。

プロジェクトが終わった後に、1度プロジェクトについての振り返り会をする場合は多いと思うのですが、100回以上振り返り会をしているチームは、社内でもほとんどないと思います。また、定例の振り返りだけでなく、みんなが自由に「振り返りを実施しよう」といろいろなポイントで振り返り会を開いています。

改善点については「どんな小さなことでも言ってください」ということと、「言った人が責任を持ってやりましょう」ではなく「みんなで直しましょう」という方向性を大切にしているので、言いやすい雰囲気はあると思いますね。

また、チームのモチベーションが下がってきたなと感じた時に、チーム全体で「ありがとうを言い合う会」も行いました。

ある時、モチベーションが下がった理由について仮設を立てたんです。私はチームメンバーは能力が高いと思っているのですが、能力が高いメンバーばかりいるからか「自分の能力が低いのではないか?」と感じてしまうメンバーが増えてきたのではないか。そしてモチベーションの低下につながったのではないか。

そこで私は「これはよくないな」と感じ、「みんなすごいんだぞ」と気づいて欲しくて、メンバーそれぞれが感謝を伝え合う会を開きました。

寄せ書きみたいなものをオンラインのツールを使って作り、各個人ごとのページにみんながコメントを入れて、集まったみんながそれぞれのページを見て感想を言い合うという内容です。「自分ってこんなふうに見られていたんだ」と、みんなが喜んでいる姿はすごく印象的でしたし、すっきりした表情を見られてよかったです。

実は私も、自分の仕事に対して「みんなから見たら何をしているのかわからないのではないか?」という不安を持っていたんです。

でも実施してみると「安定感がある」だとか「細かいところに気づいてくれる」といった声を書いてもらったので、「ちゃんと自分がやっていることをみんながわかってくれているんだな」と、嬉しくなりました。

普段から”ありがとう”を言うチームではあるのですが、これをやることでみんなのモチベーションも上がりますし、「感謝を伝え合うことはとても大切なことなのだな」と改めて思いました。

「クライアントを巻き込み、垣根をなくしていきたい」チームと個人の挑戦

外向きのチームビルディングに関しては、今まで以上にクライアントを巻き込んで、一緒に取り組んでいる感覚を育てていきたいと思っています。フランクに話せるような空気感と、チームの一体感を出すことが目標です。

たとえば今は、アイデアが浮かんだとしても、社内で一度話したあとに先方に伝えるという形でワンクッションがあるんです。そこをなくして、各メンバーが直接クライアントに「こう思っているのですがどうですかね?」と言えるようになったらいいなと思っています。そうすると垣根がなくなるので、情報交換のスピードも早くなりますし、ちょっとしたことも伝えやすくなります。

だんだん改善も進んできていて、ゆめみからも伝えられるようになってきていますし、クライアントからも気軽に意見を言ってもらえるようになってきています。ただ、もっともっとよくできると思っています。

あと、チーム以外の部分で言えば、個人として、もっとものづくりをしていきたいですね。

私は基本的につくることが好きで、特に最先端技術などを含め、新しくできることが増えるのが大好きなんです。

以前は、AIを使って何かをやるとか、チャットボットを使って何か作るとか、そういう新しいことを自分でやっていたのですが、チームビルディングや育児にウェイトを置いていたこともあり、少し離れてしまっていたんです。ですから、またそういった新しいこともやっていきたいですね。

そんなふうに、これからはチームとしても個人としても、もっともっと挑戦していきたいです。