システムのUIデザインはシステムの理解から

木村昌代は、現在ゆめみでデザイナー兼ディレクターとして、プロジェクトのデザイン全体およびデザイナーのマネジメントやディレクションを任されています。

2014年、ゆめみに入社した当初は、ウェブのデザイナーとして既存のウェブサイトの運用を担当。1年半ほどして新規案件に携わるようになり、ウェブシステム、モバイルアプリなど、さまざまな案件を経験。3年ほどを経てディレクター役として案件に参画するようになりました。

ウェブデザイン会社でインターンとして働いていた木村が転職したいと思ったのは、システムでできることの理解をしないことには良いデザインはできないと感じたから。デザインをより良いものにさせるための新たな挑戦を試みました。

木村 「前の会社でもウェブサイトのデザインをしていました。でもただ、ウェブサイトのデザインする上で、システムができることについてもっと詳しく理解した方がいいと感じ始めました」

転職先として「システム開発会社でデザインもできる」という条件で、さまざま探す中で出会ったのがゆめみだったのです。入社後は想像以上に新鮮で、いい意味での刺激が多くありました。

木村 「優秀なエンジニアがたくさんいました。システム上どんなデザインにするべきか、ユーザーの使いやすさはどうか、開発しやすいデザインとは何か、いろんな観点でデザインを考えなくちゃいけないんだと、目新しい発見がたくさんありました」

特に刺激を受けたのは「人間中心設計(HCD)」の資格を持つUXデザイナーに社内で出会ったことでした。

木村 「その方は日本で“UX”という言葉が使われる10年以上前から研究されていて、『最近やっとUXと定義されたんだよね』と話してくださいました。デザインに関するお話がすごく興味深くて、それで私も人間中心設計に興味を持って資格を取りました。これまでフワッと理解していたものが、ゆめみに入って学ぶことで、理論的で確実なものに変わっていきましたね」

多くの刺激の中、木村のデザイン技術は日々成長を続け、さらに「顧客満足度の高いデザインをつくっていきたい」という想いが強くなっていきました。

上流から下流へ綺麗に流れる“プロセス”を考える

ゆめみでさまざまな案件に携わって大きく変わったのは「プロジェクト全体を通した流れが見えてくるようになったこと。そして、それを意識するようになったこと」だと木村はいいます。

木村 「私が今、最も気にしていることは、いかに円滑にプロジェクトが進むかです。入社当初はひとりのデザイナーとして運用だけをみていればよかったんですが、ディレクター役を行うようになってから“プロセス”を重視するようになりました。

企画からスタートして、デザインへ、そしてシステム構築へと、いわゆる上流から下流へと綺麗に流れていくプロセスを大事にしたいんです。企画の段階で顧客の要望を丁寧にひきだしたり、デザインの工程でユーザーの使いやすさをきちんと考えたり、開発ではどれだけスムーズに処理ができるかを検討したりと顧客やユーザーの満足度を高めることがプロジェクトを円滑に進める上でもやはり大切です。

もちろん、私はデザイン部分のディレクションを担当するだけですが、上流の動きを理解して、“こういう流れで進んできたんだな”ということがわかると、デザインもスムーズに進みます。開発の皆さんも“こんな流れで進んでいるんだな”と、全体を理解したいという気持ちがあると聞いていますし、それによってより良い開発が行えると聞きました。その中で企画からシステム開発へと、デザイン担当としてはうまく橋渡しをしたいんですね」

木村がこんな考えを持つようになったのは、入社当時の経験が影響しています。当時はメンバーが少なく、企画、デザインなど担当が明確にわかれていないために、プロセスがはっきりせず、私も理解しないまま案件を担当していました。

木村 「現在は、企画、デザイン、システム開発など、それぞれの分野のプロフェッショナルが社内にいてそれぞれの役割を果たしていけるようになり、同時にプロセスも次第に明確になってきています。上流から開発の終わりまでスムーズなプロセスを実現して、より良い開発を顧客に届ける成功体験をゆめみに蓄積していきたいですね」

見た目に良いデザインから、ユーザーに使ってもらえるデザインへ

デザイナーとしての木村は、やはりシステムの使いやすさ、顧客満足度を重視しています。プロジェクトによっては既存のシステムを使ってデザインするケースもあります。このような場合はユーザーへの細心の配慮を行います。

木村 「既存のシステムが存在している場合でも、ユーザーが使いやすくなるように情報を追加することもありますし、わかりやすい言葉に置き換えることもします。他にも、ユーザーがミスしやすそうだと思われるステップのひとつ前には、警告の文言をひとつ増やすとか。一つひとつユーザーのことを考え工夫するようにしています」

"ユーザビリティが高い"ということは、"人間がおかしやすいミスをデザイン的に回避する"ということですが、そのためには、システムやアプリが使われるデバイス、OS、ブラウザなど、それぞれのガイドラインを基準に考えます。これらは基本的な知識であり、これらをベースにロジカルに判断しながらデザインすることが重要になのです。

こうしたユーザビリティを考えるデザインに対しては、大学時代から興味があったと木村はいいます。

木村 「大学にはさまざまなデザイン学科がありました。私はその中でウェブ&インターラクティブデザイン科を専攻したのですが、それはウェブデザインに興味があったのはもちろんですが、併せてインターネットの世界に無限の可能性を感じ、興味を持ったからでした。ただ、グラフィックの授業では、純粋に自分が好きなように見た目に良いものをつくれば良くて楽しかったんですが、いざPHPやHTMLといった言語を学び始めると、ユーザビリティを考えながらデザインするというところでまずつまずいちゃったんです。

ウェブシステムのデザインをするというのは、コーディングの制約によっては実現できるデザイン、できないデザインが発生します。ガイドラインを知らないとそもそもデザインが起こせない。でも、それがおもしろくなっていって、少しずつ理解するうちに、システムへの関心が深まっていきました」

ただ見るだけのデザインではなく、誰かが使うためのデザインへの興味――。木村にとってこれがユーザーが使いやすいデザインを探求する今の仕事につながっています。

常に新しい発見がある学びの日々。自分の働き方を通して会社へ貢献したい

「デザイナーとして、もっと上流の部分、企画についても関わっていきたい」――。

これが今現在の木村の想いです。ユーザビリティ、ユーザーの使い勝手ということが最大の興味である木村にとって、UXという分野は、最も好奇心を刺激される分野でもあります。だからこそ企画の部分から関わりたいという想いが強いのです。

木村 「なぜ興味があるのかというと、良いものをつくるにはその理解が必要だと思うからなんです。すべての始まりであるこの部分を理解すること。いつまでも自分本位のデザインをしているだけでは本当にいいものは生まれてこないと思っています。

そして将来、増やした知識は、いずれ後輩やメンバーに伝えたりアドバイスしたりできるようになりたいとも思っていますね」

そして、木村は一児の母でもあります。

木村 「仕事と子育てと、どちらも妥協することなく、うまくバランスをとっていきたいですね。ゆめみには子どもがいて働いている方は大勢います。皆さん出産後、会社に戻ってくるので、子育てしながら働くにはいい環境なんだと思いますよ。私自身も、子どもがいながら仕事も充実して働くという体験を通して、両立してキャリアを伸ばしていける女性としての働き方を築いていけたらなと思っています

 

子供には、将来、私のように好きな仕事につけるよう、今からサポートをしていきたいですし、自身の仕事では常にスキルアップをしていきたいと思いながら取り組んでいます」

ゆめみに入社して担当したプロジェクトは数十件。それでも「毎回、新しい発見が必ずある」と木村はいいます。そして、「案件のたびに新しい知識を学んでいるし、これが確実に自分の力になっている」とも。

いまこの瞬間にも、木村はまた新しい気づきを得て、「いいものをつくる」という夢に一歩ずつ近づいているのです。