「ものづくり」はお花畑のような世界ではない。現実と向き合った大学時代

幼いころから「ものづくり」に興味を持っていました。

両親がゲームや映像作品が好きだったので、そういった文化に自然と触れる機会が多く、好奇心を刺激される環境だったのかもしれません。両親も子どもへの教育目的ではなく、純粋に楽しんでいたようで、押しつけるような雰囲気ではありませんでした。

高校では美術部に所属し、実際に手を動かす楽しさを知りました。自分で想いのままに制作できる、直感的な喜びは今でも覚えています。

その後、「ものづくり」を仕事にできたらいいなという漠然とした希望を持って芸術大学に進学しました。大学入学時点では、「ものづくり」ができる具体的な職業や仕事にするための道筋もまったく知らず……世間知らずも良いところです。大学時代を通して、同じ考えを持った人間が山ほどいることを知り、「ものづくり」はお花畑のような世界ではないと学びました。初めて、現実や自分の能力と向き合ったタイミングだと思います。

この通り、大人になるのがだいぶ遅かったので、最初の就職に関しては就職先を選べるような状況ではありませんでした。大学の求人票から応募したゲーム会社にバイトからという形で声をかけてもらい、ディレクターとして就職しました。

ディレクターという職種を選んだのは、決定権のある仕事がしたいと考えていたのが大きいです。仕事内容を何も知らなかったのですが、ディレクターってそういう役割かなと勝手に思っていました。今でも、自分の仕事は選択して決定することが基本だと思っているので、その点は希望通りになっているかもしれません。

ゆめみへ転職。ゆめみの社風の温かさを知った

初めて就職したゲーム会社では、5年ほどディレクターとして勤務しました。ゲーム会社ではありましたが、配属されたのはモバイルコンテンツ事業部です。2007年当時はガラケー全盛期で、携帯電話で楽しむコンテンツを次から次へと制作・配信する時代でした。キャラクターサイト、アプリ、壁紙、デコメ、着メロなど、モバイルサービス全般の運用ディレクターとして幅広い経験をさせてもらいました。

社会人経験が5年目になり、仕事にもこなれてきたところで、すでにゆめみで働いていた元同僚から声をかけられ、ゆめみに転職することになります。

もともとゆめみの名前は知っていたのですが、開発力のある会社という評判が転職の決め手でした。世情的にガラケーからスマートフォンへの移行が始まっていた時期でもあり、経験を生かして新しいコンテンツに挑戦できるような気がしました。

私が転職した2012年当時、ゆめみの社員数はそこまで多くなかった(50人程度)ので、うまくなじめるか心配はしていましたが、受け入れてもらえたようです。

ゆめみ入社後、外食会社のサービス運用を2年ほど担当していました。

その後、産休と育休を取得することになりました。私が産休を取得する際に、プロジェクトメンバー全員が祝福で送り出してくれたのがとても印象に残っています。

また、ゆめみでは出産後も仕事に戻ってくる(復職)のが当たり前という雰囲気でした。これは今でもそうだと思いますし、自慢できるゆめみの社風かなと思っています。自身の家族同様、同僚の家族も大切にする文化が根付いているように思いますね。

そして復職後からは化粧品会社のサービス運用を担当しています。

ゆめみで変わった仕事へのスタンス。ディレクターとしてのこだわり

ゆめみで働くようになって、仕事への取り組み方が変わりました。転機となったのは外食会社の仕事をしていたときでした。私がクライアントの要望を正確に理解しておらず、本来の要望とは異なる趣旨の提案をしてしまったんです。

その際に理解の浅さに対してお叱りを受けましたが、はっきりと原因を指摘していただいたので、前向きな説教として受け取り、自分のやり方を見直すタイミングになりました。そこから仕事へのスタンスが変わったように思います。

クライアントの意図を正確に把握することはもちろんですが、クライアントが口にしない部分や要望の背景を想像して考えるようになりました。表面的な理解や推測をしていても、この仕事で結果は出せないと感じます。

また、仕事において心がけていることが3つあります。

1つ目は、馴れ合いによって仕事の質を落とさないことです。同じプロジェクトで長く一緒に仕事をしているとお互いに信頼関係が生まれます。しかし、同時に馴れ合いの気配もでてきてしまうと思うんです。なので、そういった馴れ合いの部分がプロジェクトにネガティブに作用しないよう注意しています。なんのためのチームなのかという仕事の目的は忘れないように常に意識していますね。

2つ目は、メンバー間でのコミュニケーションの作法を大切にすることです。ディレクターとして依頼や指示を出すことも多いですが、一つひとつのやりとりで相手が仕事を楽しくこなせるように心掛けています。どんなにタイトな依頼でも、コミュニケーション上では相手に嫌な想いをさせない、人としての気遣いを大切にしたいです。

そして、ポジティブ思考でいることですね。プロジェクト内にポジティブ思考のメンバーがいると業務がスムーズに進行すると思っているので、ディレクターとしてその役割を進んでやるようにしています。仕事外ではしませんが、ディレクターとしては重要な仕事の一部かなと思っていますね。

経験した場数の分だけ、次の選択で良い判断ができるように

2020年現在は、化粧品会社のアプリ運用を担当、制作ディレクションを含むプロジェクト進行管理を行っています。深く考えられたCRMを実践されているクライアントで、日々の業務から学ばせてもらうことが多いプロジェクトです。

今後は、クライアントのやりたいことをより高みに持っていき、プロジェクトを飛躍させるためにゆめみの立場で協力していきたいです。

ディレクターを10年やってきて感じることは、やっと経験が生かせるようになってきたという手応えですね。それを今の案件で生かしていきたいと思っています。多数のプロジェクトを経験したことで、ディレクターとしての状況判断・予測のスキルが上達したんです。毎日の運用業務の中ではさまざまなトラブルが起こり、その対処方法の判断などを求められますが、常にベストな選択ができるよう努めていきます。

また運用設計をする際に、数年前だと予想できなかった細かい部分まで設計時に予測できるようになっていると感じるときがあります。想定される作業内容に対して、この作業でこのぐらい精神的につらくなるなとか、目に見えない部分の予測ですね。そういった積み重ねが、自分のディレクションの指針になっています。

自分のキャリアとして誇れるところは、最前線で場数を踏んできたことです。経験した場数の分だけ、次の選択で良い判断ができるようになったらいいと思っています。今までの経験を今後の仕事に生かし続けるのがこだわりですね。