海外での経験をデザインの価値に昇華させる

アメリカ留学中のインターンシップ時代(本村)

ゆめみのデザイナーチームに所属する本村 章と村上 雄太郎は、両者とも海外での就業経験を経て2019年に入社しました。

サービスデザイナー兼取締役の本村はもともとアメリカの大学でデザインを学んだ後、サンフランシスコのコンサル企業からキャリアをスタートしています。

本村 「学んだこと・頭の中で考えていることを目に見えるかたちでアウトプットできることにおもしろみを感じて、デザイナーになりました。会社ではヘルスケア系のクライアントが多く、働く人の仕事の導線や行動を調査しながら既存のソフトウェアシステムを改善していきました。

デザインのコンサルティングに主軸を置いて働いていましたが、自分が関わった案件が世の中に出るまでの過程を見届けられなかったことに違和感を覚えたんです。そのことがきっかけで、帰国を機にエンジニアとも近い距離で仕事ができるSI企業に転職しました」

しばらくして今まで以上に組織やしくみに対してデザインの力を発揮したいと考えた本村は、自分の志向に合うと感じたゆめみに転職します。2020年現在はクライアントに対してワークショップを開催したり、資料を作成して実現させたいイメージを形に落とし込んだりといった、いわば事業構想をサポートしています。

一方、村上がデザインに興味を持ったのは、社会人になってからでした。

学生時代から東南アジアのマーケットに興味を持っており、新卒ではインターンを経て日系企業のミャンマー支社に入社。現地のマネジメントやマーケティング、営業など幅広く担当していました。

村上 「前職では、日本でよく利用されているサービスと似たようなビジネスモデルで現地の人々にサービスを提供していました。ただ、ユーザーの獲得に伸び悩む時期があり、ひとつの要因として現地の人の『利用文脈』をきちんと理解できないまま、サービスを提供していることがあるなと思いました。

今考えると当たり前のことなのですが、現地の人の生活環境を理解し、どのような利用文脈の中で、彼らがどのような課題を持っているのかを理解する必要があると感じたんです。

そんなとき、デザインという営みのひとつで、ユーザーの利用文脈を俯瞰的に理解し、その上でユーザーにとってわかりやすい形(ビジュアルやしくみ)に落とし込むというアプローチを取ることを知り、これは良い解決策になるのではと思いました。そこから独学でデザインを学び始め、デザイナーとして働きたいと思ったため、2年働いた後に帰国することにしました」

ゆめみに転職後はインタラクションデザイナーとして、ソフトウェアがユーザーにとって最適となるような構造やコンセプトを決める役割を担っています。

ユーザーがおもしろい体験を見い出すための手助けをするデザイン

ミャンマーで働いていたころの1枚(村上)

当社のデザイナー組織は20名で構成されています。ふたりは同い年、かつバックグラウンドが似ていることもあり、仕事を通して切磋琢磨し互いのスキルを高め合っています。

村上 「本村は体系化して考えることを得意としており、彼の影響で私もデザインという営みそのものについて考えたり、良いユーザー体験を生むための要素をどうデザインできるか、それらを実現するにはどうすればいいのかをより深く考えたりするようになりました。

本村は知識も豊富で、それらを図やドキュメントとして形にしてさまざまな人に伝えることがとてもうまい。また、知識や理想のままで終わるのではなくそれらを実現するための強い推進力もあります。一緒に働いていていつも刺激になっています」
本村 「サービスを開発する上で、村上は新たな発見を提示してくれます。村上は私の性格とは違い常に前向きなので、普通ならマイナスに捉えてしまいそうなことに対しても、プラスに考えて意見してくれます。

その中でもとくに印象的だったのが、周りの巻き込み方がわからずに困っていたときに、村上が『自分たちはわからないことの方が多いからどんどん教えてもらいながら進めた方がいいかもしれない』と言ってくれたことです。

おかげで、わからないことをマイナスに捉えていた私の視点が変わり、周りからの助けやアドバイスをもらうことに積極的になることができました」

デザイナーとして働くふたりですが、UX(ユーザー体験)はただサービスを改善するだけではなく、事業・経営も視野に入れた解決策を提示できるとも考えています。

本村 「UXはユーザーに帰属しているもので、私たちはおもしろい体験を見い出せるようなデザインをしていきたいんです。りんごの食べ方を誰もが選べるように、どんな体験をしてもらうかは、ユーザーに委ねたいと思っています。私たちがデザインできるのは、体験を生み出すための要素なんです」

UXを良くすることで、どんな効果が生まれるのか。ただ注文通りに対応するのではなく、デザインで取り扱おうとしている対象の本質まで考えていきたい。複雑なプロセスを踏むことになりますが、もっとデザイン全体の関係性を考えた上で開発することが大切だと考えています。

デザイナーはもっとサービスに貢献できるはず──熱い想いを持つふたりは、2020年に新たな自社サービスの開発でその想いをぶつけていきます。

爆速でローンチしたレビューサービスから得た学び

クライアントがサービス改善に向けて悩んでいる姿を見て、そもそもサービスに問題があるのか、目的と合っているのかを確かめられるサービスが必要だとふたりは感じていました。解決に向けた方法論を、資料をつくって営業にも説明するなどをしながら工夫していました。

そんなときに工藤 元気(取締役)から、クライアントが運営しているサイトやアプリのレビューを行うサービス開発の提案を受け、着手することになります。

本村 「クライアントワークは自分の専門性だけに集中していればOKですが、自社サービスとなるといろんな人を巻き込んでつくり上げるので、コミュニケーションも取りつつ進めていくことはとても良い経験でした。エンジニアをはじめとした社内のメンバーにたくさんアドバイスをもらいましたね」

通常業務と平行しながら、わずか数週間でサービスをローンチ。その後2週間足らずで1件の受注にも成功しました。

村上 「予想以上に早い段階で成果が出たので、社内外から『おめでとう』とお祝いの言葉をいただきました。このサービスが今後、社員同士が協力し合うきっかけにもなると思っています」

さらに2020年から、部署を超えて学びを共有する「ゆめみ塾」を開設しました。ゆめみは片岡 俊行(代表取締役)の意向もあり、勉強会がとても盛んに行われている会社です。しかし学んだことが、社内の知見としてうまく蓄積していないという課題もありました。

本村 「OOUI、ゲーミフィケーション、ロジカル思考、コーチングなどに関するプロジェクトがいくつか立ち上がっています。各テーマに興味のあるメンバーで集まり、ゼミのような形式で発表し合っています。発表に対するフィードバックも入れながら進んでいて、少しずつ全社を巻き込みながら育てているところです」

人々の生活をより良くするデザイン活動を目指して

レビューサービスは順調に育っています。今後も営業やマーケティングチームを巻き込み、技術的な面でもバージョンアップさせていく予定です。

ゆめみは、時代に応じてサービスを変えていく柔軟な会社。自身もデザイナーという視点を大切にし、会社に貢献していきたいと村上と本村は考えています。

村上 「今はスマートフォンのアプリが主流になっていますが、AR/VRやIoTといった分野の需要も高まっています。関連したプロジェクトの依頼を受けたときに、そのソフトウェアがユーザーにとって最適となるような設計をしていきたいですね。スマートフォンが私たちの生活を変えたように、そのサービスが、どうやったら人々の生活をより良くできるのかを考えたいです」
本村 「人の頭の中で考えていることを、可視化させてつなぎ合わせることに興味があります。今後は、認知科学や知識工学をデザインと組み合わせて人の知識を可視化していきたいですね。さらにいろんな人が考えたノウハウを体系化して、新しいソフトウェアデザインやしくみの設計に活用していきたい。そして私だけじゃなく、もっと創作活動を楽しめる人が増える取り組みにつなぐことができればと思います」

始めは二人三脚で、そして多くの人を巻き込んで生まれたレビューサービスは、当社の新たな顔となりました。若いながらも、はるか遠くのゴールを視野に入れ日々の仕事に取り組んでいます。

デザイナーだからこそ提案できる価値は、まだまだたくさんあるはず──自分の可能性を追求するホープたちの挑戦は、始まったばかりです。