転職したことでわかった事業会社の魅力と弥生の可能性

▲自らの意思をサービスに反映させやすい環境の中で、エンジニアとして技術力を高められるのが事業会社の魅力

弥生の開発本部・情報システム部に勤務する山川は、200名規模の独立系SIerでエンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。新卒入社した会社の方針は、“習うより慣れろ”。とにかく早く現場に出て、手を動かしながら自分で技術力を高めていく環境だったのです。

入社3年後まではいろいろな言語を使って多くのプロジェクトに携わり、その後は全体の方向性を決めたり成果物をレビューしたりと、サポートをメインに担当していました。

そして、ベンダーの立場で弥生の仕事に関わり、社員の人となりや技術力に引かれて弥生への転職を決意します。トップダウンな開発ではなく、メンバー一人ひとりが意見を出しながら仕事を決めていく弥生のスタイルや、社員の人柄を理解していたことも転職の後押しとなりました。

SIerから事業会社の弥生に転職したことで、事業会社ならではの魅力を存分に感じているといいます。

 山川 「SIer時代は顧客のサービスがリリースしたら完了ということも多かったのですが、弥生では自社プロダクトですから、リリースした後もさらなる発展のためサービスに携わる必要があります。自らの意思をサービスに反映させやすい環境の中で、エンジニアとして技術力を高めることは事業会社ならではではないかと思います」

ただし、新しい製品やサービスを自ら生み出す立場になると、SIer時代に顧客から提供される明確な「ゴール」が用意されているわけではありません。「こんなことできたら良いよね」というふわふわしたことでも少しずつ具体化し、プロジェクトを進めていく必要があるのは事業会社の大変なところといえます。

しかし、大変だからこそやりがいがあるのも事実。とくに弥生は事業の性質上、無限の可能性を秘めていると山川は考えています。

山川 「登録ユーザーが200万を超える事業の根幹をなす会計データを把握していることが、弥生の大きな強みです。私は情報システムの領域を主に担当していますが、収集した膨大な量のデータを有効活用することで、新しいことができる可能性があると感じますね」

実際に、山川は転職してから現在に至るまで、さまざまなプロジェクトに携わり弥生の可能性を広げてきました。そんな経験を買われた山川は、他社ではあまり見られない役職に就いています。

縦とも横ともコミュニケーションを取り、円滑にプロジェクトを進めるCTL

▲CTLは上司や部下、他部門、そして他のCTLとコミュニケーションを取り、プロジェクトの中心に立って調整する

山川は2020年6月現在、開発本部情報システム部のCTLを務めています。一般的になじみのないCTLという役職は、弥生でも近年新しくつくられたものです。

CTLは、専門領域の経験が豊富な社員が担当します。上司の意見を聞いたり部下の様子を見て問題の早期発見に努めたりすることで統制を取り、プロジェクトを円滑に進めることが役割です。

CTO(Chief Technology Officer)ではなく、CTLが新しく作られたのは、テクニカル領域にトップダウンだけでなくボトムアップの要素も必要だと判断されたからです。

山川 「万能なCTOひとりがトップダウンで進めてしまうと、軸がぶれない代わりにその人がいなくなった時点で終わってしまいます。そのため、調整役としてCTLを複数人配置して役割を分担し、メンバー全員でプロジェクトを進めていく必要があるのです」

弥生の開発本部には情報システム部、システム開発部、ビジネスプラットフォームチームという3つのラインがあり、それぞれにひとりずつCTLが存在します。

3つのラインはそれぞれ単独で動くのではなく、うまく融合することでプロジェクトを成り立たせています。だからこそ、CTLは自分のラインのメンバーを見ることに加え、CTL同士のコミュニケーションも頻繁に行い、3人でひとりのCTOのような役割をはたしているのです。

開発本部でCTLを務めている山川を含む3名には、専門分野の知識や経験があることのほかに、フットワークの軽さやコミュニケーション能力の高さという共通点があります。それぞれのラインを俯瞰し、問題がありそうな箇所を見つけて問題点を引っ張り出し、素早く解決することが重要だからです。

専門が異なるCTL同士の喧嘩によって生まれる新しいしくみ

山川がCTLに抜てきされたきっかけとして、Misocaのプロジェクトでの貢献が挙げられます。クラウド見積・納品・請求サービスのMisocaは、もともと株式会社Misocaが運営していたものでした。

Misocaを弥生に融合するためにいくつかプロジェクトを実施していましたが、山川はそのほぼすべてに関わっていたのです。

山川 「もともと動いているシステムのベースを変えなければならなかったので、それまでMisocaに関わってきた人にとっては抵抗のあるプロジェクトだったかもしれません。

そのため、技術の話もできて異なるチームの人たちともスムーズにコミュニケーションが取れる調整役として、私がプロジェクトに入ったんです。既存のしくみを他のものに適用する事例にいくつか携わりましたが、基本的に調整役となって困ったことがあったらすぐ頼ってもらうようにしていましたね」

円滑にプロジェクトが進むよう、チーム全体をきちんと見て適切にコミュニケーションを取り、問題解決に努める。そんな働きが評価され、山川はCTLとなったのです。

そして、CTLとして現在進めているプロジェクトのひとつに、次世代プロジェクトがあります。次世代プロジェクトは、10年後や20年後の弥生製品のあるべき姿/ありたい姿をデザインし、既存のプロダクトをあるべき形に再編していこうというものです。

ゼロからつくり直さなければならない製品もあれば、既存のものを生かしてより良く変えるべき製品もあります。CTLの3名も加わってプロジェクトを進めています。

情報システムとシステム開発、そしてビジネスプラットフォーム。専門の異なるCTL3名が一緒に企画を進めるからこそ、喧嘩になることもあります。

山川 「それぞれが自分の専門分野に寄りがちな像を描き、それにこだわりを持っているので、意見がぶつかることも多いです。みんなが譲れないと思っているからこそ、議論も白熱しますね」

意見がぶつかったときは、全員が妥協する落としどころを無理に探すのではなく、新しいしくみを考えるようにしています。

山川 「全員がプロフェッショナルなので、言っていることは正しいんです。そのため、全員の意見を取り入れることで足りないものを補完できます。

それぞれの良いところ取りをして最適解を求めるのではなく、異なる意見を掛け算することで、今までにないしくみを考えられる。だからこそ徹底的に議論して、将来のためのサービス設計をしていますね」

エンジニアとビジネスを成長させるため、調整役となるCTL

CTLは上司や部下、他部門、そして他のCTLとコミュニケーションを取り、プロジェクトの中心に立って調整する大変な立場です。それは言い換えると、みんなで考えて意思決定するのを引っ張っていく存在であるといえます。

山川 「弥生のプロジェクトは、開発だけでなくマーケティングやカスタマーサポートなどあらゆる部門の人が集まって進んでいきます。

CTL同士の話し合いに限らずプロジェクトメンバー間の話し合いでも、それぞれの強い想いがぶつかることは珍しくありません。意見がぶつかってどっちつかずな結論になってしまわないよう調整することも、弥生のCTLに求められている役割です」

CTLが出した指示にただ部下が従うというトップダウンではないからこそ、若手社員が思考停止状態に陥らないよう配慮することも重要です。そのため山川は、若手社員とコミュニケーションを取るときはとくに気を付けています。

山川 「これだよねという解を、あまり最初から出さないようにしています。若手社員に意見を出してもらってその理由を聞いた上で、こういう考え方や視点もあると補完して仕上げることを心がけています。

そうすることで部下が成長して、任せられる範囲も広がってきました。ただし、私もずっと現場でバリバリやってきたので、気を付けないと出過ぎてしまいます。そこは本当に注意していますね」 

山川自身も現場で経験を積んできたからこそ、CTLとしてエンジニアやビジネスを成長させることができるのです。

そして山川は 、エンジニアを縛りつけないことも心がけています。

山川 「CTLが決めることももちろんありますが、こうしたいという意見があればエンジニア主導でプロジェクトを進められます。実際にテクニカルリーダーが意見を出してきて、説得力があったのでその意見を採用してプロジェクトを進めたケースもありました。

こういう効果があるからこれをやりたいと根拠も含めて主張できれば、問題ありません。常に最善策を考えながらプロジェクトを進めたいエンジニアにとって、弥生は活躍できる場であると思いますね」

弥生独自の役職であるCTLに抜てきされ、プロジェクトをスムーズに進めるための調整を行っている山川。未来の弥生をあるべき姿に変えていくため、CTLとしての挑戦はこれからも続きます。