山梨中央銀行では、「山梨から豊かな未来をきりひらく」という企業パーパスを定め、パーパス経営の実現に取り組んでいます。その取組みの一環として、役職員が自身の在り方を定義する「Myパーパス」を策定しています。今回は、湯村支店の樋口 誠哉支店長代理のMyパーパスを紹介します。
銀行員っぽくない「銀行員」をめざす
早いもので入行して10年がたちました。なぜ銀行で働いているのか、今でも不思議に思っています。
私の実家は専業のブドウ農家で、作業場や畑で遊ぶことが多い幼少期でした。ブドウ畑に囲まれた地域のため、幼いころは私もブドウ農家になると思っていました。
高校時代の得意科目は化学でした。これまで自然と触れ合うことが多かったため、物質の構造や性質を知ることに興味がありました。
そこで大学は、得意分野を生かせればと工業化学科に進学しました。ほとんどの学生が研究者になる専門的なところです。「インフルエンザ治療薬って、こんな合成方法をしているんだ」と興味深かったんですが、大学の化学は本当に難しかった。
研究テーマは赤血球を使った燃料電池の開発でした。世の中でほとんど研究されていない分野であり、新しいことが好きな私にはピッタリだと思い、取り組んでいました。ただ、未開拓の分野であり、なかなか思うような成果を挙げられませんでした。
そうこうしているうちに就職活動の時期となりました。私は大学の研究で心が折れかけていたこともあり、心機一転、業種を絞らない就職活動をしました。また都会の大学に通っていたのですが、大学4年間で都会が肌に合わないことを痛感。最終的には過ごし慣れた山梨での就職を希望するようになりました。「金融の知識はないが、入ってから覚えればいい。知名度のある会社でいいな」と安易な気持ちでエントリーしたのが山梨中央銀行に入行したきっかけです。
現在はビジネスアドバイザーとして、事業性融資の外訪を中心に活動しています。10年前、大学時代は白衣を着て研究室にこもっていましたが、今ではスーツを着て外を回っています。
就職してから苦労したことも多々ありましたが、10年もたてば板についてきたように感じます。お客さまと話していると、「良い意味で銀行員らしくないね」とたまに言われます。「親しみを感じていただけているのか」とうれしく思う瞬間です。これまでの畑違いの経験も一因かなと感じています。
今の銀行はコンサルティング営業が基本です。お客さまから本音を聞き出すことが重要であり、そのためには信頼関係の構築が一番必要だと思います。堅いイメージのある銀行員ではなく、お客さまの懐に入り込めるような親しみを感じてもらえる銀行員になりたいですね。それを追求することが私のパーパスです。
※ 記載内容は2023年9月時点のものです