自営業の両親ときょうだいに支えられながら生まれた、“食”への熱い想い
香川県で自営業を営む両親のもとに生まれた藤田。3人きょうだいの末っ子だった彼女の幼少期は、姉や兄の姿を見て真似したり、何かあるとすぐに家族に相談したりする甘え上手な性格だったと話します。
「姉や兄と歳が近かったこともあり、上の兄姉が注意されていることは無意識にしなかったですし、家族もとても仲が良かったのでついつい頼ってしまうことも多かったと思います。その一方でマイペースなところもあったり、やりたいとおもったことにはとても真っ直ぐな性格だったりしたので両親を驚かせることもありました」
幼少期は両親がスーパーを運営していて、藤田が小学生になったタイミングではレストランをオープンさせていました。幼いころから“食”というモノが近くにあった藤田は、 次第に“食”に携わることができる仕事に就きたいと考えるようになっていったと言います。
「家族が毎日楽しそうに働く様子を見ながら育ったのと、同年代の友達よりも“食べる”ということに近い距離でいたので自然と将来の夢も食に携わることになっていました。
子どものころはただただ“おいしい”という気持ちで触れていた“食”でしたが、中学生、高校生と大人になっていくにつれ料理と飲み物の組み合わせや、食材の調理方法のおもしろさ、“食べる”という行為が幸せにつながっていることに気がつき、さらにその想いが大きくなっていったんです」
食の英才教育を受けて育った藤田。広く “食”に携わりながら仕事をしたいと思った彼女は、関西にある食文化を学びつつ、大学卒業時には調理師の免許を取得することのできる大学へと進学することを決めました。
憧れだった学園祭を大成功に導くために。運営側として“作りあげる”楽しさを知った
“食”を仕事にしようと考え、上阪した藤田。4年間学びを深めつつ、1番に注力したことを話してくれました。
「涙を流してしまうほど注力したなと思うのは、学園祭の実行委員の仕事です。入学してすぐ、実行委員の募集を目にして、『自分で作る側に回ったらいいんじゃないか?』と思って話を聞きに行ったときに実行委員の厳しさや仕事内容、雰囲気を丁寧に教えてもらいました。企画や集客などゼロからすべて学生で作り上げているものだと知り、すぐに実行委員へ入ることを決めました」
そして藤田は卒業までの4年間、学業と両立して実行委員を務めあげました。
「大学3年生のころに委員長として学祭全体を取りまとめました。広報活動やスケジュール作成、チーム全体で40名の学生がいたのでチームのマネジメントも並行して進めていきました。SNSでの広報活動なども新たに取り入れつつ、全員の頑張りのおかげで当時過去最多の2,000人の来場がありました。
運営側としてキラキラした学園祭の裏側をすべて知っていたからこそ、滞りなく進行できたことに涙が止まりませんでした。この活動もあって、今回採用PRの仕事に手を挙げたんです」
学祭の実行委員として、大学生活も充実させていた藤田でしたが、入学と同時にもうひとつ新たに挑戦したことがアルバイトでした。
「高校生のころから実家でアルバイトをしていたのですが、関西に出てきて新生活とともに、新しいアルバイトを始めようと思っていました。カフェでアルバイトしたいと思って求人を見ていたときに、DEAN & DELUCA CAFE 新大阪店がオープニングスタッフを募集しているのを見かけたんです。オープニングスタッフとして働くことができるのも魅力でしたしすぐにエントリーすることを決めました」
2017年7月、大学に入学してすぐに藤田はDEAN & DELUCAと出会いアルバイトとして入社することを決めました。
ポジティブ思考の藤田が、初めて挫折しそうになった瞬間もこのアルバイトでの経験だと話します。そんな藤田が新卒社員としてウェルカムグループへ入社を決めるまでには、ある心境の変化がありました。
初めての挫折から就職へ──自分の選択を正解に変えるのも自分自身だった
大学時代、DEAN & DELUCA CAFEでアルバイトを始めた藤田。実家のレストラン以外で“働く”ことを初めて経験したことで、心が折れそうになった瞬間もあったと話します。
「オープニングスタッフということでオープン前にも研修はあったのですが、扱っている商品も多くて、出勤するたび一杯いっぱいになり、体力的にも精神的にも辛い期間が続き、すぐに辞めようと思ったこともありました。なによりオープン当初は連日たくさんのお客様がご来店してくださり毎日あっという間に終わっていきました。
ただ、そのたびにこのまま辞めたら、『仕事を覚える前に逃げたアルバイト』だと人から思われるんだろうなって、それが嫌だったんです。これまで、自分でやりたいと思って始めたことは失敗だったと感じたことがなく、今回のアルバイト経験も自分の中で苦い思い出にすることが悔しかったんだと思います。
『どうせいつか辞めることになるなら、お店のメンバーに惜しまれるくらい成長してから辞めよう』と自分を奮い立たせながらお店に立っていました」
こうして、アルバイトを続けることを選択した藤田。毎日悔しい想いはしながら、しかし、確実に少しずつ成長していく自分自身に気づき、思い返せばとても楽しかった経験だと振り返ります。そんな藤田は大学2年生のある日、当時の店舗マネージャーから思いがけない言葉をかけられました。
「就職活動が目の前に迫ってきた大学2年生の終わりくらいに『うちの会社で新卒の選考を受けてみない?藤田さんにとって、接客は天職だと思うよ』と言われんたんです。
それまでは、食品関連の開発や企画などのメーカー企業に就職するつもりでした。飲食店で売り場に立って働くということは自分には向いていないのかもしれないと思っていたので、マネージャーからそんなふうに声を掛けてもらえて純粋にうれしかったですね。アルバイトの経験で接客は楽しいと思っていたところだったので、店舗スタッフとして接客業に進んでみようかなという気持ちになりました」
接客業に進むという決意を固めた藤田は、ウェルカム以外のさまざまな企業にエントリーしていきました。
「就職活動で持っていた軸は、社風はもちろんですが、新卒で就職した先輩がどんなふうにキャリアアップしているのか、研修のプログラムはどんなものがあるのか、年功序列ではなく、新しいことに手を挙げたメンバーが実現できる環境があるのかといったものでした。そのすべてがピッタリ当てはまったのがウェルカムグループだったんです」
そのウェルカムで選考を進める中で感動を覚えたと話す藤田。
「ウェルカムの人事のメンバーの皆さんがとてもフラットに接してくださっていました。 “藤田 恵”を知ろうとして関わってくださって。人事のメンバー以外の選考官の方々も同じような雰囲気で、柔らかい社風を持つウェルカムで働いてみたいなと感じたんです。
内定者懇親会で初めて内定者同士で顔を合わせたときにも、人事メンバーが率先して他の内定者と選考時に話した内容や、内定者同士の共通点などを教えてくれて話すきっかけを作ってくれたことにも感動しました」
自分のキャリアは自分でつかみ取る──新しいキャリアに挑戦し始めた彼女の決意
2021年4月に入社した藤田は「DEAN & DELUCA 大阪店」で新しいミッションを任されることになりました。
「これまではカフェでの仕事の経験をして、大きなマーケット配属になり、商品知識をさらに増やしていかなければならないというプレッシャーもありましたが、新しいことをインプットしていくのは楽しいと思える性格なので苦しいと感じたことはありませんでした。
新卒として気持ちを新たにスタートしていたところに、マネージャーから『若手メンバー5名でジャンルは自由でイベントを企画して運営してみて!』というミッションを受けました。チームで何かを作り上げるという経験は大学時代でも行ってきましたが、距離の離れているメンバーともコミュニケーションをとりながら企画を進めていくことは大変でしたが、うまく進められたことで自信につなげることができました」
成功体験を積み上げた藤田は、新たな目標を少しずつ考え始めることが多くなっていきました。
「DEAN & DELUCA CAFE で約4年間、DEAN & DELUCA で2年間働き続けて、日々お客様やメンバーと接しながら楽しく過ごせました。そしてこれから先のキャリアには、自分が入社を決めるきっかけになった“採用人事”の仕事をしていきたいとふんわり考えていました。すると、2023年5月に発表された公募で“採用PR”の職種が募集されたので、すぐに手を挙げたんです」
採用の仕事のためには上京が必須条件でしたが、“やりたい”と思ったことに真っ直ぐな彼女に迷いはありませんでした。
そして、無事に8月より採用PRとしての仕事をスタートすることを決めた藤田には、大切にしている価値観があります。
「ひとつめは、“ヒトの意見を素直に聴く”こと。社会人になり、自分のコミュニティがさらに広がり、年齢・性別関わらずさまざまなヒトと関わってきました。DEAN & DELUCAに関わるメンバー、お客様の発言すべてがブランドへの愛を感じるものだったからだと思います。
ヒトの意見と自分の考えをミックスさせることや、ヒトの意見を受け入れ、考えてから自分の話を伝えることで進化させられるコトがいくつもあることを知り、さまざまなヒトの意見を素直に聴くコトを心がけています。
ふたつめは、“やりたいコトに素直でいる”ということ。これは、幼少期から変わりません(笑)。今回 “採用PR”の仕事にチャレンジしようと思ったのも、DEAN & DELUCAで働く中で、新しいアルバイトやメンバーに関わってきて、ヒトとヒトをつなぐ仕事をしてみたい、と考えたからです。自分の気持ちに正直でいるコトでチャンスを逃したくないと考えています」
新しいキャリアを手に入れた藤田は、今後のビジョンを次のように続けます。
「新しいミッションに向かって自分にできることを丁寧に進めていきたいですね。採用PRと新卒採用にも関わることが自分の使命なので、自分が就活時代にウェルカムと出会って経験した気持ちをエントリー前からSNS媒体も使いながら学生の皆さんに伝えていきたいと思います。そしていつか、『藤田が採用担当をしていたからウェルカムグループへ入社した』という言葉をいただけるよう、自分にできることを精一杯頑張りたいです」
自分の“やりたい”コト。それが藤田の最大の原動力。今回キャリアを大きく変更したばかりの藤田が、自分で選択した道が明るくなるよう努力を重ねていくことは間違いありません。接客業務から人事業務へと舵をきった藤田の挑戦は始まったばかり。これからも目が離せません。
※ 記載内容は2023年8月時点のものです